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【発明の名称】 澱粉含有調味料及びその製造法
【発明者】 【氏名】諏訪 正則

【氏名】平岩 雄介

【氏名】谷口 淳也

【要約】 【課題】品質が安定した澱粉含有調味料を効率よく提供する。

【構成】澱粉を含有する調味料基材を予備加熱し、次いで連続した流れの中で、高温短時間の本加熱を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉を含有する調味料基材を予備加熱し、次いで連続した流れの中で、高温短時間の本加熱を行って得られる澱粉含有調味料。
【請求項2】
予備加熱を60〜85℃、0.5〜10分間行い、調味料基材の粘度を10〜1500mPa・s(cP)に調整した請求項1記載の澱粉含有調味料。
【請求項3】
澱粉の含有量が0.3〜7%である請求項1記載の澱粉含有調味料。
【請求項4】
高温短時間の本加熱が、85〜130℃、5〜180秒間である請求項1記載の澱粉含有調味料。
【請求項5】
醤油、甘味料、香辛料等から成る調味料基材に澱粉を0.3〜7%添加し、これを混合、攪拌しながら60〜85℃で0.5〜10分間予備加熱して粘度100〜2200mPa・s(cP)とし、これを加熱管内を通過させながら85〜130℃で、5〜180秒間、本加熱して粘度50〜10000mPa・s(cP)とした後、冷却、充填することを特徴とする澱粉含有調味料の製造法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、澱粉含有調味料に関するものであり、具体的には焼き肉、焼き鳥、煮物などのたれや、ドレッシング等の調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
焼き鳥のたれ等は、たれが材料に付着し、流れ落ちないようにするため適度の粘度が必要であり、通常調味料基材中にカラギーナンやキサンタンガム等の増粘剤を添加し粘度増強を図っている。また、糊料として澱粉を添加することも行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
澱粉を添加して増粘を図る場合、予め澱粉を加熱、糊化する必要があり、調合に時間を要するだけでなく、均一な調合の目的から、その製造ロットの大きさは自ずと制限され大量生産には適さない。また加熱に時間がかかり加熱臭が生じたり、調合時の混合方法やその後の加工工程により粘度が上昇したり低下したりして品質が安定しないという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、澱粉を含有する調味料基材を予備加熱し、次いで連続した流れの中で、高温短時間の本加熱を行うことにより課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、澱粉を含有する調味料基材を予備加熱し、次いで連続した流れの中で、高温短時間の本加熱を行って得られる澱粉含有調味料及びその製造法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、品質の安定した澱粉含有調味料を効率よく得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の澱粉含有調味料に使用される調味料基材は通常使用されるものと何ら変わるところはなく、例えば、しょうゆ、みりん、砂糖、香辛料、風味調味料等であり、これらの調味料基材に澱粉を添加する。澱粉は食品に使用される澱粉であれば良く、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯、タピオカ、小麦、甘薯、またそれを加工した澱粉等であり、また添加する澱粉の量は目的とする調味料の粘度等によって異なるが、調味料全量の0.3〜7%である。
澱粉は予め水に溶解して添加することにより調味料基材と均一に混合され易いので好ましい。
【0008】
澱粉が添加された調味料基材は、従来は攪拌しながら88〜95℃に加熱し、粘度を上昇させると同時に殺菌を行い、これを容器に充填していたが、加熱時間や均一加熱の目的から調合タンクの容量は自ずと制限され、また混合時や送液時に澱粉の崩壊が起こり粘度低下を起こしたり、逆に攪拌や加工方法によっては粘度上昇を起こしたりする等、粘度の不安定という問題があったが、これを解消するため、本発明では澱粉が添加された調味料基材を、調合タンク中で予備加熱するのである。この予備加熱は粘度が10〜1500mPa・s(cP)程度となるように加熱すればよく、具体的には達温60〜85℃、保持時間0.5〜10分である。この予備加熱は添加された澱粉の沈殿を防止することが目的であり、厳密な管理は不要である。
一般的には蛇管式加熱装置を有する調合タンクあるいはジャケット付の調合タンク内で調味料基材を混合、攪拌しながら、蛇管あるいはジャケットに供給される蒸気や熱水によって加熱する。
なお本発明における粘度の測定は全て以下の方法によった。
<粘度の測定>
粘度計:B型粘度計(東京計器社製)
ローター:No.1ローター、60回転(低粘度)
No.3ローター、12回転(高粘度)
測定温度:液温25℃
【0009】
こうして予備加熱された調味料基材は、次いで連続した流れの中で高温短時間の本加熱を行う。
この本加熱は、ジャケット付の2重管内をポンプにより移送されながら行われる。2重管内には乱流を起こさせるためのスタティックミキサーを内蔵したものが均一に加熱できるので好ましく、又ジャケット内には熱源として加圧熱水や蒸気が供給される。
2重管内に供給された澱粉含有調味料基材は、スタティックミキサーにより乱流を起こしながら移送され、同時に2重管の外側に供給される加圧熱水や蒸気により加熱、糊化し、加熱器の出口では高粘度の調味液となる。
【0010】
調味液の粘度は焼き鳥のたれの場合、3000〜10000mPa・s(cP)であり、このような場合、加熱温度88〜95℃、加熱時間5〜180秒で対応できる。また煮物のたれの場合、50〜1000mPa・s(cP)であり、このような場合は、加熱温度88〜95℃、加熱時間5〜180秒で対応できる。
【0011】
こうして本加熱された調味料基材は高粘度調味料となるので、これを冷却し充填機で適宜の容器に充填して製品とする。
次に、図1に示す装置を用いて製造した実施例を挙げて本発明を説明する。
【実施例1】
【0012】
(焼き鳥のたれ)
調味料基材の調整:予備加熱器(調合タンク)1で下記の調味料基材を調製した。
(重量比)
しょうゆ:30%、砂糖:10%、液糖:25%、グルタミン酸ソーダ:1.5%、
増粘剤(キサンタンガム):0.1%、香辛料:0.2%、カラメル:0.2%、澱粉(ワキシーコーンスターチ):3%、水:30%(合計100%)
(予備加熱)
上記澱粉含有調味料基材を予備加熱器(調合タンク)1内で混合、攪拌しながらジャケットに導入された蒸気により加熱し78℃に達温後、1分間加熱し、次いでジャケットに冷却水を導入して50℃まで冷却した。このときの調味液の粘度は1300mPa・s(cP)であった。
(本加熱)
上記予備加熱後の調味液を、原液ポンプ2により本加熱器4に送入し、本加熱器4とホールド管5にて、連続的に105℃達温、45秒間の本加熱を行い、次いで冷却器7で70℃まで冷却したのち容器に充填した。その後更に水槽で25℃まで冷却し、澱粉が完全に糊化した調味液製品を得た。
同一の条件で3回の実験を行ったところ、3回の製品の粘度は以下の通りであった。
第1回 7100mPa・s(cP)
第2回 7000mPa・s(cP)
第3回 7200mPa・s(cP)
【0013】
(比較例)
実施例1と同様の配合の調味料基材をニーダー攪拌式調合タンクにて、92℃、10分間の本加熱を行った。ついで50℃まで冷却後、70℃まで加熱して容器に充填した。この作業を3回繰り返し実施した。このときの製品の粘度は以下の通りであった。
第1回 6500mPa・s(cP)
第2回 7800mPa・s(cP)
第3回 7300mPa・s(cP)
【0014】
(官能評価)
実施例1の第3回目の製品及び比較例の第3回目の製品とを2点比較法で官能評価したところ、パネル30人中25名が識別でき、その内21名が実施例1の製品が好ましいと評価した。
【実施例2】
【0015】
(煮物のたれ)
調味料基材の調整:予備加熱器(調合タンク)1で下記の調味料基材を調製した。
(重量比)
しょうゆ:5%、ミートエキス:6%、液糖:1%、だし汁:16%、澱粉(馬鈴薯澱粉):2%、水:70%(合計100%)
(予備加熱)
上記澱粉含有調味料基材を予備加熱器(調合タンク)1内で混合、攪拌しながらジャケットに導入された蒸気により加熱し60℃に達温後、30秒間加熱し、次いでジャケットに冷却水を導入して50℃まで冷却した。このときの調味液の粘度は10mPa・s(cP)であった。
(本加熱)
上記予備加熱後の調味液を、原液ポンプ2により本加熱器4に送入し、本加熱器4とホールド管5にて、連続的に115℃達温、30秒間の本加熱を行い、次いで冷却器7で70℃まで冷却したのち容器に充填した。その後更に水槽で25℃まで冷却し、澱粉が完全に糊化した調味液製品を得た。
同一の条件で3回の実験を行ったところ、3回の製品の粘度は以下の通りであった。
第1回 75mPa・s(cP)
第2回 73mPa・s(cP)
第3回 76mPa・s(cP)
【0016】
(比較例)
実施例2と同様の配合の調味料基材をニーダー攪拌式調合タンクにて、92℃、10分間の本加熱を行った。ついで50℃まで冷却後、70℃まで加熱して容器に充填した。この作業を3回繰り返し実施した。このときの製品の粘度は以下の通りであった。
第1回 64mPa・s(cP)
第2回 72mPa・s(cP)
第3回 74mPa・s(cP)
(官能評価)
実施例2の第3回目の製品及び比較例の第3回目の製品とを2点比較法で官能評価したところ、パネル30人中23名が識別でき、その内20名が実施例1の製品が好ましいと評価した。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明で使用される加熱機の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0018】
1.予備加熱器(調合タンク)(ジャケット及びプロペラ式攪拌機付)
2.原液ポンプ
3.原液流量計
4.本加熱器(ジャケット及びスタティックミキサー付)
5.ホールド管
6.系内圧力調節ポンプ
7.冷却器(ジャケット及びスタティックミキサー付)
【出願人】 【識別番号】000004477
【氏名又は名称】キッコーマン株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100125542
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 英之


【公開番号】 特開2008−11799(P2008−11799A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187291(P2006−187291)