| 【発明の名称】 |
えびの変色防止剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】築野 卓夫
【氏名】小林 千洋
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| 【要約】 |
【課題】
【構成】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フィチン酸およびフェルラ酸を含有することを特徴とする変色防止剤。 【請求項2】 えび、もしくはえびのすり身に混ぜ合わせることを特徴とする請求項1の変色防止剤。 【請求項3】 えび、もしくはえびのすり身に請求項1の変色防止剤を添加することによる変色防止方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、えびの変色防止剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 えびは漁獲後、時間とともに黒色もしくは褐色に変色する。現在、その対策として、亜硫酸ナトリウムの使用が認められている。 【0003】 しかし、亜硫酸ナトリウムは食品の風味に与える影響や、安全性の問題から懸念され、天然物由来の物質が求められている。 【0004】 現在まで、天然物由来のえびの変色防止剤としては、エノキタケの抽出物(特許文献1)、クロレラ目等の藻類の抽出物(特許文献2)、竹の抽出物(特許文献3)、無機酸や有機酸およびグルコノデルタラクトン(特許文献4)、ビタミンC(特許文献5)、フェルラ酸(特許文献6)、キレート剤(フィチン酸・クエン酸・リン酸)(特許文献7)などが提案されている。エノキタケの抽出物やクロレラ目等の抽出物、竹の抽出物は、その抽出作業に手間がかかる。また、無機酸や有機酸およびグルコノデルタラクトンの添加、ビタミンCの添加では、酸性水溶液で処理後、中和もしくは水洗といった作業が必要となる。フェルラ酸の添加では、pHや味の問題から有機酸塩もしくは無機酸塩を添加しなければならない。その上、変色の防止期間が短い。キレート剤においては、pH3から6.5に調整した水溶液に浸漬しなければならない。このため、非常に容易な作業であり、長期間えびを変色防止できる素材および方法が強く求められてきた。 【0005】 【特許文献1】特開2003−70450号公報番号 【特許文献2】特開2000−139434号公報番号 【特許文献3】特開2001−197860号公報番号 【特許文献4】特開2000−175619号公報番号 【特許文献5】特開2005−328747号公報番号 【特許文献6】特開2000−325015号公報番号 【特許文献7】特開平11−29949号公報番号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明の目的は、生食用に安全性が高く、且つ風味への影響がない、えびの変色防止剤を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、抗酸化剤として知られている「フェルラ酸」がチロシナーゼの活性酸素を阻害し、キレート剤として知られている「フィチン酸」が共存することで、えびの変色を著しく抑制する効果があることを発見した。 【0008】 即ち、本発明は、フィチン酸およびフェルラ酸を用いることを特徴とする、えびの変色防止剤及びえびの変色防止剤を用いたえびの変色防止方法である。 本発明のえびの変色防止剤は、チロシナーゼ活性阻害作用を有するフェルラ酸と、キレート作用を有するフィチン酸を有効成分とすることを特徴とするものであり、また、えび用変色防止剤を用いたえび用変色防止方法を特徴とするものである。なお、本発明における「えびの変色」とは、チロシナーゼの作用による変色を意味し、凍結させた場合や熱湯に通した場合などに生じる変色を含むものでない。 【発明の効果】 【0009】 以上に述べたように、本発明によれば、従来のえびの変色防止剤に比べ、えびの変色防止が長期にわたって保持できるえびの変色防止剤及びえびの変色防止剤を用いたえびの変色防止方法が提供される。また、本発明の変色防止剤は、原料が天然物であるゆえに衛生的にも安全である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明の変色防止剤に用いるフィチン酸は、イノシトールヘキサリン酸とも呼ばれ、リン酸基を複数有しているのでキレート作用が強い。フィチン酸は、米糠やトウモロコシ等の植物から得られ、米糠由来の場合、脱脂米糠より水で抽出し、精製して得られるもので、48.0w/w%〜52.0w/w%の製品として流通している。また、このフィチン酸の特徴としては、無〜淡黄褐色の澄明なシロップ状の液体で、においがなく、酸味料としても使用されている。 【0011】 本発明の変色防止剤に用いるフェルラ酸は、フェノール性水酸基を有しており、抗酸化作用が強い。天然には米糠に豊富に存在し、米糠原油より水、エタノール又は有機溶剤で抽出、加水分解して得られ、流通している。特徴としては白色〜淡黄褐色の結晶性の粉末で、においはないか又はわずかにバニラ様香がある。 【0012】 本発明の「えびの変色防止剤」におけるフィチン酸濃度は0.01〜10.0w/w%、フェルラ酸濃度は0.01〜10.0w/w%が好ましく、より好ましくはフィチン酸0.1〜5.0w/w%、及びフェルラ酸0.1〜5.0w/w%、最も好ましいのはフィチン酸0.5〜1.0w/w%とフェルラ酸0.5〜1.0w/w%を添加するのが好ましい。また、フィチン酸とフェルラ酸の比率としては、(フィチン酸/フェルラ酸)の比が0.001〜1000、好ましくは0.02〜50、より好ましくは0.5〜2である。 【0013】 本発明の変色防止剤は、えびに添加すると、えびの変色を防止するだけでなく、えび本来の味にも影響を与えずに甘味を感じさせることができる。また、えびの生臭さも低減させる。 【0014】 本発明の製造方法は、殻を除去していないえび、或いは殻を除去していないえびのすり身に、当該えび用変色防止剤を混ぜ合わせる。好ましくはすり身にする際に混ぜ合わせる。漁獲後のえびは、すぐ変色を起こすため、漁獲後できるだけ速やかに、前記変色防止剤で処理することが肝要である。 【0015】 以上のようにえび用変色防止剤が添加されたえびは瓶詰め或いはポリ袋等の容器に充填・密封され、出荷される。 【0016】 以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって制限されるものではない。 【0017】 (実施例1)白えびはフードプロセッサーを用いてすり身にした。このとき、フェルラ酸およびフィチン酸を目的濃度となるように添加した。また、比較として乳酸およびクエン酸を添加したものも調製した。このときのpHを示す。 【0018】 【表1】
【0019】 上記のとおり、フィチン酸、フェルラ酸及び有機酸(乳酸、クエン酸)有機酸を加えて試験したところ、えびのすり身は全て中性であった。 【0020】 (実施例2)実施例1で調製したものの試食試験を行った。結果は以下のとおりであった。 【0021】 【表2】
【0022】 えびのすり身にフィチン酸もしくはフェルラ酸、フィチン酸とフェルラ酸を同時に添加した場合、えびの生臭さが低減された。且つフィチン酸もしくはフィチン酸およびフェルラ酸を添加した場合は、味質的にもえび本来の味を訴求できた。 【0023】 (実施例3)実施例1で調製したものをガラス瓶に入れ、5℃の暗所で保存した。経時的な変色は以下のとおりであった。変色の程度は±、+、++、+++で表し、±は変色なし。+++では黒褐色を示す。 【0024】 【表3】
【0025】 表3から明らかなように、本発明のえび用変色防止剤を混合したえびは8日間経過後においても外観は全て±を示しており、長時間において開始時に近い色を呈している。一方、無添加および乳酸で処理したものは2日経過後で既にえびの変色が進んでいることが分かる。また、クエン酸を添加したものは8日間経過後においても外観は±を示していた。 【0026】 しかし、表2によるとクエン酸を添加したものは酸味が強く、さらにえぐみも感じられ、えび本来の味を損ねてしまっていた。 【0027】 すなわち、変色防止剤としてはクエン酸およびフィチン酸とフェルラ酸を同時に添加したものが好ましいことが認められたが、食品への応用には味質に変化がないことが重要であることを考慮すると、フィチン酸とフェルラ酸の混合のみが有効であることが分かった。 【0028】 (実施例4)実施例3と同じ試験を(フィチン酸+ビタミンE)、(フィチン酸+ローズマリー抽出物)、(クエン酸+フェルラ酸)、(グルコン酸+フェルラ酸)で行ったが、味質的に悪く、変色防止が認められなかった。 【0029】 本発明は、えびもしくはえびのすり身に直接混合することで、えびの変色防止効果が充分に発揮されるが、以下の実施例5〜7に挙げるフィチン酸およびフェルラ酸を混合した変色防止製剤も使用することができる。 【0030】 (実施例5)変色防止剤の組成例を挙げる。 フィチン酸 5g (50%品) フェルラ酸 5g 水 40g 合計 50g 【0031】 (実施例6)変色防止剤の組成例を挙げる。
フィチン酸 5g (50%品) フェルラ酸 5g α―シクロデキストリン 50g 水 100g 合計 160g 【0032】 (実施例7)変色防止剤の組成例を挙げる。
フィチン酸 5g (50%品) フェルラ酸 10g イノシトール 1g 塩 0.3g 料理酒 10g 水 25g 合計 51.3g
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| 【出願人】 |
【識別番号】591066362 【氏名又は名称】築野食品工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月5日(2006.7.5) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−11750(P2008−11750A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−185039(P2006−185039) |
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