| 【発明の名称】 |
豆乳入り豆腐 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥野 茂樹
【氏名】高野 俊昭
【氏名】長谷部 勝昭
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、豆腐本来の豆乳の旨みを強化した豆腐およびその製造方法を提供することにある。
【構成】本発明は、未凝固または半凝固の豆乳を点在状に内包する豆腐、および、第1の豆乳と凝固剤とを含む豆乳組成物を容器内で凝固して豆腐を製造する方法において、第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合して豆乳組成物を得た後に、該豆乳組成物にさらに第1の豆乳と同種または異種の第2の豆乳を添加することを特徴とする、前記方法に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 未凝固または半凝固の豆乳が分散して内包されている豆腐。 【請求項2】 未凝固または半凝固の豆乳が、脱皮大豆から得られた豆乳であることを特徴とする、請求項1に記載の豆腐。 【請求項3】 第1の豆乳と凝固剤とを含む豆乳組成物を容器内で凝固して豆腐を製造する方法において、第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合して豆乳組成物を得た後に、該豆乳組成物にさらに第1の豆乳と同種または異種の第2の豆乳を添加することを特徴とする、前記方法。 【請求項4】 第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合した豆乳組成物を、容器に充填する前に、容器に充填するのと同時に、または容器に充填した後に、第2の豆乳を前記豆乳組成物に添加することを特徴とする、請求項3に記載の方法。 【請求項5】 第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合した豆乳組成物を容器に充填する前に、第2の豆乳を予め容器に入れておくことを特徴とする、請求項3に記載の方法。 【請求項6】 第1の豆乳の温度が25〜95℃であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の方法。 【請求項7】 凝固剤が乳化にがりであることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。 【請求項8】 第2の豆乳が、脱皮大豆から得られた豆乳であることを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載の方法。 【請求項9】 第2の豆乳の温度が第1の豆乳の温度よりも低いことを特徴とする、請求項3〜8のいずれかに記載の方法。 【請求項10】 豆乳組成物と第2の豆乳との容積比が、3:1〜100:1であることを特徴とする、請求項3〜9のいずれかに記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、豆腐本来の味わいである豆乳の旨みを強化した豆腐およびその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 これまで豆腐の食味の改善について、様々な検討がなされてきた。例えば、絹ごし豆腐の食感を木綿豆腐の食感に改めるため、豆乳に凝固剤を混入し調製した豆乳塊を小箱に納め、豆乳塊の間に豆乳を加え加熱し、小箱内の豆乳全体を一体化することが報告されている(特許文献1)。また、豆腐と同じ大豆製品である湯葉を混入した湯葉豆腐についても検討されてきた(特許文献2および3)。また、豆腐の薬味の封入や味付けを目的とし、豆腐の内部に調味成分や薬味を分散させた豆腐についても検討されてきた(特許文献4および5)。 【0003】 しかし、これらの従来技術は、いずれも豆腐本来の豆乳の旨みを強化するものではなく、豆腐の食感を質的に改変したり、他の食材を添加することにより、豆腐本来の味に、他の食味を加えるものであって、豆腐本来の食味を向上させるものではなかった。 【特許文献1】特開昭52−1056号公報 【特許文献2】特開平3−195469号公報 【特許文献3】特開平6−343410号公報 【特許文献4】実登第3063690号公報 【特許文献5】特開平11−262366号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 したがって、本発明の課題は、豆腐本来の豆乳の旨みを強化した豆腐およびその製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、豆乳と凝固剤とを混合し、凝固し始めた後に、さらに豆乳を加えると、生成した豆腐が豆乳のコクや旨みが強化されることをを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。 【0006】 すなわち、本発明は、未凝固または半凝固の豆乳が分散して内包されている豆腐に関する。 また本発明は、未凝固または半凝固の豆乳が、脱皮大豆から得られた豆乳であることを特徴とする、前記の豆腐に関する。 さらに本発明は、未凝固または半凝固の豆乳が分散して内包されている豆腐に関する。 また本発明は、第1の豆乳と凝固剤とを含む豆乳組成物を容器内で凝固して豆腐を製造する方法において、第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合して豆乳組成物を得た後に、該豆乳組成物にさらに第1の豆乳と同種または異種の第2の豆乳を添加することを特徴とする、前記方法に関する。 さらに本発明は、第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合した豆乳組成物を、容器に充填する前に、容器に充填するのと同時に、または容器に充填した後に、第2の豆乳を前記豆乳組成物に添加することを特徴とする、前記の方法に関する。 【0007】 また本発明は、第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合した豆乳組成物を容器に充填する前に、第2の豆乳を予め容器に入れておくことを特徴とする、前記の方法に関する。 さらに本発明は、第1の豆乳の温度が25〜95℃であることを特徴とする、前記の方法に関する。 また本発明は、凝固剤が乳化にがりであることを特徴とする、前記の方法に関する。 さらに本発明は、第2の豆乳が、脱皮大豆から得られた豆乳であることを特徴とする、前記の方法に関する。 また本発明は、第2の豆乳の温度が第1の豆乳の温度よりも低いことを特徴とする、前記の方法に関する。 さらに本発明は、豆乳組成物と第2の豆乳との容積比が、3:1〜100:1であることを特徴とする、前記の方法に関する。 【発明の効果】 【0008】 本発明によれば、豆乳と凝固剤とを混合し、凝固し始めた後に、さらに豆乳を加えることにより、豆腐全体に亘り未凝固または半凝固の豆乳が分散して内包された豆腐を製造することができる。また製造された豆腐は、豆腐本来の食味のうち、豆乳の持つコクや旨みが強化される。とくに後から加える豆乳(豆腐全体に分散して内包される豆乳)に、脱皮大豆から得られた豆乳(脱皮大豆豆乳)を用いた場合、えぐ味・渋味がなく、やさしい甘味が付与され、旨みが強化され、さらに長期に亘って食感・風味が良好に維持される豆腐となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 一般に豆腐の製造は、水に浸漬した大豆をすり潰し、生じた生呉を煮て煮呉にし、これをおからと豆乳とに濾し分け、得られた豆乳を凝固剤によって固めることによって行なわれるところ、本発明にかかる豆腐の製造方法によれば、豆腐全体が凝固してもなお未凝固または半凝固の豆乳部分が豆腐全体に分散した豆腐を製造できる。 【0010】 本発明の豆腐の製造方法の一実施態様について、図1に基づいて説明する。 本発明の豆腐を製造するには、煮呉から得た高温の豆乳1および凝固剤2(例えば、乳化にがりなど)を、それぞれの専用ポンプ3、4で流量が一定になるように調整しながら、ミキサー5へ送る。ミキサー5で豆乳1と凝固剤2が均一になるまで撹拌し豆乳組成物を得た後、該豆乳組成物を容器7に移送する。 【0011】 豆乳組成物がミキサー5によって均一になって凝固し始める。しかし完全に凝固するまでは流動性を保っており、この流動性を有している間に、容器7へ移送することになる。本発明においては、豆乳組成物が凝固し始めた後、未だ流動性を保っている間に、さらに豆乳6を添加する。添加した豆乳6は、容器7への移送中、とくに容器7への注ぎ込みのときの衝撃により、適度に豆乳組成物全体にいきわたる。しかしながら、添加した豆乳6には凝固剤が含まれていないため、微視的にみれば、豆腐内における豆乳6の部分は、完全に凝固することなく、未凝固または半凝固の状態になる。 【0012】 本発明において豆乳組成物は、混合・均一化の後で容器に注ぎ込む前に凝固反応が起こり、かつ、容器に注ぎ込むための流動性が確保されるように、豆乳の温度、凝固剤の種類が選択される。本発明において第1の豆乳の温度はとくに限定されないが、典型的には、25〜95℃、好ましくは、35〜95℃、特に好ましくは、60〜90℃である。また凝固剤としては、粗製海水塩化マグネシウム(海水にがり)、乳化にがり、塩化マグネシウム溶液、硫化カルシウム溶液、グルコノデルタラクトン(GDL)およびこれらを適宜混合した凝固剤などが挙げられるが、とくに乳化にがりを用いることが好ましい。 【0013】 また、後に添加する豆乳(第2の豆乳)を添加するタイミングについては、前述のとおり、豆乳1(第1の豆乳)と凝固剤2とを均一に混合した豆乳組成物を容器に充填する前であってもよいが、これに限らず、容器に充填するのと同時または容器に充填した後に添加してもよい。さらには、第1の豆乳と凝固剤とを均一に混合した豆乳組成物を容器に充填する前に、第2の豆乳を予め容器に入れておいてもよい。いずれの場合も、豆乳組成物や第2の豆乳を容器に注ぎ込む際に、その衝撃により、第2の豆乳が適度に豆乳組成物全体にいきわたることが好ましい。 【0014】 さらに第2の豆乳の温度としては、通常適用される豆乳の温度である、0〜95℃程度でよいが、第2の豆乳を最終的に未凝固又は半凝固にするには第1の豆乳の温度よりも低いことが好ましく、とくに冷却した豆乳を用いることが好適である。したがって、第2の豆乳の温度は、好ましくは0〜40℃、さらに好ましくは0〜15℃である。また豆乳の品種はとくに限定されず、豆乳組成物中の豆乳と、後に添加する豆乳とが同じ品種由来であっても、異なる品種由来であってもよい。 【0015】 第2の豆乳は、添加前に予め何らかの処理をしたものを用いてもよく、例えば、通常の方法によって得られた豆乳をさらに加熱変性し、凝固性を低減させておいて用いてもよい。このように凝固性を低減させておいた場合、第1の豆乳と混合した凝固剤の影響を受けにくく、より豆乳の風味が残る豆腐になる。 また、脱皮大豆(生大豆を水に浸漬し、浸漬大豆とした後に、大豆の皮を除去して得られたもの)を原料として、通常の方法により豆乳を得て、これを第2の豆乳として用いることがとくに好ましい。このように脱皮大豆から得られた豆乳を用いた場合、えぐ味・渋味がなく、やさしい甘味が付与され、旨みが強化された豆腐となる。 第2の豆乳の添加量は豆腐が生成すれば、とくに限定されないが、豆腐内での第2の豆乳(未凝固又は半凝固の豆乳)の分散性や食味の観点から、豆乳組成物(豆腐)と第2の豆乳との容積比が、3:1〜100:1、好ましくは、5:1〜100:1、とくに好ましくは、5:1〜50:1である。 【0016】 以下に本発明にしたがい製造した豆腐について、実施例を示して説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 1.豆乳入り豆腐 (実施例1) 82℃の豆乳(第1の豆乳)と乳化にがり(「マグネスファイン」(商品名)花王株式会社製)とを、容積比720:4.20で混合した豆乳組成物を調製した。該豆乳組成物を容器に注ぐ直前に、豆腐200mlあたり5mlの割合で10℃の豆乳(第2の豆乳)を添加した。第2の豆乳を添加した豆乳組成物を容器に注ぎ、82℃で10分間熟成した。熟成後、容器から豆腐を取り出し、食感、風味についてA〜Cの三段階で評価した。また総合評価についても三段階で評価した。結果を表1に示す。 【0017】 2.豆乳入り豆腐の官能試験 (実施例2〜5および比較例1) 実施例1と同様に、表1の組成、熟成時間にて製造した豆乳組成物についても製造し、各種試験を行なった。結果を表1に示す。 【0018】 【表1】
【0019】 表1に示したように、本発明による実施例1〜5はいずれも比較例にくらべ、豆腐の風味が豆腐本来の風味に、豆乳のコク・旨みが強化され、極めて良好になった。また実施例1および5では、後に添加した豆乳によって食感も向上した。 実施例1〜5の豆腐を分断しても、とくに豆乳が流れ出るようなことはなく、豆乳の未凝固または半凝固の状態は肉眼では確認できなかったが、食したときの味覚の広がりから、添加した豆乳は、いわば半熟状態というべき、半凝固状態であったと推察された。 【0020】 3.脱皮大豆豆乳入り豆腐 (実施例6〜7および比較例2) 実施例1と同様に、表2の組成、熟成時間にて製造した豆乳組成物についても製造し、各種試験を行なった。実施例7では、添加した豆乳として脱皮大豆豆乳を用いた。 【0021】 【表2】
【0022】 4.脱皮大豆豆乳入り豆腐の官能試験 実施例6(豆乳入り豆腐)、実施例7(脱皮大豆豆乳入り豆腐)、比較例2(従来の豆腐)の3種類について、製造後、0日(製造日)、3日後、5日後、9日後、12日後、15日後の食感および風味について調査した。結果を表3に示す。 【0023】 【表3】
【0024】 実施例6(豆乳入り豆腐)は、製造15日後までに亘って、コクが強く、香るような大豆の風味は全体的に際立っていた。一方、青臭み・えぐ味が日数を経るにつれて徐々に強まり、コクとの不調和がやや感じられるようになった。食感は、製造12日後まで極めて良好であった。 実施例7(脱皮大豆豆乳入り豆腐)は、実施例6程の強さは感じさせないが十分にコクがあり、製造日から甘味が一際目立っていた。実施例6において徐々に強くなるえぐ味も、やわらかな甘味で包まれたように打ち消されていた。製造12日後になると、えぐ味も感じるようになるが、実施例6と比較すると、はるかに少なく感じた。また、製造15日後でも極めて良好な食感が維持されていた。 比較例2(従来の豆腐)は、最も風味を感じられず、ぼんやりした味わいだった。日数が経過しても、えぐ味は強くならないが、コクも甘味もさほど感じられなかった。製造15日後になると、少し硬い食感になった。 【0025】 以上の結果から、風味・食感を向上させるには、豆乳入り豆腐がかなり有効であったことが分かった。さらに、後に添加する豆乳(第2の豆乳)を脱皮大豆豆乳にした場合、甘味が際立ち、製造後日数を経ても、えぐ味などの雑味が気にならず、長期に亘って食感・風味が良好に維持される豆腐となることが分かった。 【産業上の利用可能性】 【0026】 本発明の豆腐の製造方法によれば、豆腐本来の味わいである豆乳の旨みを強化した豆腐を供給できる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】豆腐の製造装置の概念説明図である。 【符号の説明】 【0028】 1、6 豆乳タンク 2 凝固剤タンク 3、4 ポンプ 5 ミキサー 7 容器
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108616 【氏名又は名称】タカノフーズ株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年3月23日(2007.3.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102842 【弁理士】 【氏名又は名称】葛和 清司
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| 【公開番号】 |
特開2008−5831(P2008−5831A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2007−75971(P2007−75971) |
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