| 【発明の名称】 |
飲料 |
| 【発明者】 |
【氏名】余川 丈夫
【氏名】石原 則幸
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| 【要約】 |
【課題】砂糖(ショ糖)は、良質な甘味とコク、保湿性などの特徴から、広く飲食物に使用されている。しかし、近年、健康に対する意識の強まりからダイエット意識が強く、また、虫歯の原因になるためショ糖離れが進んでいる。このような背景から飲料業界においても、ショ糖に比べて甘味度が強い高甘味度甘味料を使用したノンシュガー、微糖飲料の検討が盛んに行われている。本発明は、ショ糖を低減した健康と嗜好性の面で優れた飲料を提供することを目的とする。
【構成】80%エタノール可溶性糖質が飲料中2.5%以下の飲料において、80%エタノール不溶性糖質が、飲料中0.01%以上であることにより上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 80%エタノール可溶性糖質が飲料中2.5%以下の飲料において、80%エタノール不溶性糖質が、飲料中0.01%以上である飲料。 【請求項2】 請求項1記載の飲料から水不溶性部分を除去した水溶性部分をα−アミラーゼ処理し、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、80%エタノール濃度としたときに生じる沈殿物を含有する請求項1の飲料。 【請求項3】 高甘味度甘味料を3種類以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の飲料。 【請求項4】 実質的に高甘味度甘味料以外の甘味料を含まないことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の飲料。 【請求項5】 炭酸飲料であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の飲料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、80%エタノール可溶性糖質が飲料中2.5%以下の飲料において、80%エタノール不溶性糖質が、飲料中0.01%以上であることを特徴とする健康と嗜好性に優れた飲料に関する。 【背景技術】 【0002】 砂糖(ショ糖)は、良質な甘味とコク、保湿性などの特徴から、広く飲食物に使用されている。しかし、近年、健康に対する意識の強まりからダイエット意識が強く、また、虫歯の原因になるためショ糖離れが進んでいる。このような背景から飲料業界においても、ショ糖に比べて甘味度が強い高甘味度甘味料を使用したノンシュガー、微糖飲料の検討が盛んに行われている(例えば非特許文献1参照)。しかし、高甘味度甘味料の使用により、独特の喉越しと清涼感が失われ飲料の味は必ずしも満足いくものでなかった。 【0003】 飲料の嗜好性を改善する方法としてはいくつか報告されている。例えばトレハロースとエリスリトールの併用(例えば特許文献1参照)、スクラロースとアルパルテームの併用(例えば特許文献2参照)、等の高甘味度甘味料を使用する方法が報告されているが、嗜好性の面で消費者を満足させる美味しさではなくショ糖を不使用にするのが難しいのが現状である。 【0004】 【非特許文献1】食品と開発 Vol34、No11、41−48 【特許文献1】特開2002−51723号(第1頁−5頁) 【特許文献2】特願2004−129758号(第1頁−5頁) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明が解決しようとする課題は、ショ糖を低減した健康と嗜好性の面で優れた飲料を提供することを目的としてなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者は、前項記載の目的を達成すべく鋭意検討を重ねる中で、80%エタノール可溶性糖質が2.5%以下である飲料において80%エタノール不溶性糖質を0.01%以上含有させることにより、意外なことに問題点が解決することを見い出し健康と嗜好性の面で優れた飲料を提供できることを見い出した。 【発明の効果】 【0007】 本発明により、ショ糖を低減した健康と嗜好性の面で優れた飲料を提供できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明でいう飲料には、果実飲料、コーヒー飲料、ウーロン茶系飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、麦茶飲料、ミネラルウォーター類、豆乳類、野菜飲料、ココア飲料、炭酸飲料などが挙げられる。炭酸の刺激性や苦味の増強などの問題から、特に好ましくは炭酸飲料である。本発明でいう炭酸飲料とは、「飲用適の水に、炭酸ガスを圧入したもの、及びこれに甘味料、酸味料、フレーバリング等を加えたもの」である。例えば、ソーダ水、無果汁でフルーツ系の色や香りをつけたもの、アルコール飲料、果汁や乳製品を加えたものがある。 【0009】 本発明でいう嗜好性とは、味覚的特性を表現する言葉として用いるが、具体的には、刺激性、口当たり、泡の持続性、キレ、ボディ感など総合的なおいしさを意味する。 【0010】 本発明の80%エタノール可溶性糖質は、溶液のエタノール濃度が、80%になった時に沈殿を生じない糖質である。例えば、単糖、2糖類、オリゴ糖などが考えられる。エタノール可溶性糖質の定量の方法は、飲料又は、減圧濃縮後にエタノールを加えて80%濃度にした後、60分間、室温放置後、遠心分離し、得られた上清を乾燥し粉末を得る。この粉末重量から蛋白質量、灰分量、脂質量、有機酸と水分量を差し引き得られた量をエタノール可溶性糖質量とする。それぞれの測定法は、ケルダール法、灰化方法(525℃、5時間)、ソックスレー法、ガスクロマトグラフィー、水分計にて測定できる。80%エタノール可溶性糖質は、健康面の点から、飲料100mlあたり、2.5g以下であることが好ましく、0.5g以下であることが更に好ましく、最も好ましくは0.1g以下である。 【0011】 本発明の80%エタノール不溶性糖質は、飲料にエタノールを加えて80%濃度にしたときに生じる沈殿する糖質である。これは、高分子多糖類を主体とする炭水化物と考えられる。この沈殿を形成すると考えられる80%エタノール不溶性糖質の中でも、特に飲料の不溶性部分を除去して得られた水溶性部分にα−アミラーゼ処理、さらにアミログルコシダーゼ処理した後、エタノールを加えて80%濃度にしたときに生じる沈殿物であることが効果の点より好ましい。 【0012】 本発明のアミラーゼ処理とは、飲料10mlの不溶性部分を除去して得られた水溶性部分をpH7.5±0.1、60±2℃でα−アミラーゼ0.1ml(10,000−11,000単位/ml)を加え処理することをいう。ここでいう単位とは、1%デンプン糊液10ml(100mgデンプン)のBlue Valueを40℃、1分間に1%低下させる酵素量を1単位と定義する。 【0013】 本発明のアミログルコシダーゼ処理とは、飲料10mlの不溶性部分を除去して得られた水溶性部分をpH4.3±0.3、60±2℃でアミログルコシダーゼ0.3ml(140単位/ml)を加え処理することをいう。ここでいう単位とは、30分間に10mgのブドウ糖に相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1単位と定義する。80%エタノール不溶性糖質の測定法は、エタノールを加え80%エタノール濃度とし60分間、室温放置後、遠心分離し粉末を得る。この粉末重量から蛋白質量、灰分量、脂質量と水分量を差し引き得られた量を80%エタノール不溶性糖質量とする。 【0014】 80%エタノール不溶性糖質量は、飲料100mlあたり0.01g以上であるが、好ましくは0.3〜10g、さらに好ましくは3.0〜5.0gであると嗜好性の面で優れた飲料を提供できるため一層好ましい。 【0015】 80%エタノール不溶性糖質を含む素材としては、例えば、ペクチン、ガラクトマンナン、低分子化アルギン酸、難消化性デキストリン、ポリデキストロースやチコリファイバー等を挙げることができる。物性の面で特に好ましくはガラクトマンナン、難消化性デキストリン及びポリデキストロースから選ばれる1種又は2種類以上である。好ましくはガラクトマンナンと難消化性デキストリンから選ばれる1種又は2種類以上である。80%エタノール不溶性糖質は1種類単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。2種類以上の組み合わせとしては特に制限されない。 【0016】 前記ガラクトマンナンとしては、ガラクトマンナンを主成分とするグアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、カシアガム、セスバニアガム、フェヌグリーク、低分子化ガラクトマンナン等の天然粘質物が挙げられる。粘度の面から特に好ましくは低分子化ガラクトマンナンである。低分子化ガラクトマンナンは、前記のガラクトマンナンを加水分解し低分子化することにより得られるものである。加水分解の方法としては、酵素分解法、酸分解法等、特に限定するものではないが、分解物の分子量が揃い易い点から酵素分解法が好ましい。酵素分解法に用いられる酵素は、マンノース直鎖を加水分解する酵素であれば市販のものでも天然由来のものでも特に限定されるものではないが、アスペルギルス属菌やリゾップス属菌等に由来するβ−マンナナーゼが好ましい。 【0017】 市販品としては、サンファイバー(太陽化学社製)、ファイバロン(大日本製薬社製)、グアファイバー(明治製菓社製)などが挙げられる。 【0018】 前記、低分子化アルギン酸としては、種々の細菌や褐藻類等の海生動物に存在するもの等のアルギン酸を、酸と熱とによって分解したものを用いることができる。市販品としては、ソルギン(カイゲン社製)などが挙げられる。 【0019】 前記、難消化性デキストリンとしては、澱粉を加熱、酵素処理して得られる難消化性の食物繊維を用いることができる。具体的には例えば、澱粉を酸性下で加熱処理して得られる焙焼デキストリンを、α−アミラーゼで加水分解処理し、さらに必要に応じて、アミログルコシダーゼ処理、イオン交換樹脂クロマトグラフィー処理等の精製処理等を施して得ることができる。市販品としては、パインファイバー(松谷化学社製)やニュートリオース(ロケット社製)などが挙げられる。 【0020】 前記、ポリデキストロースとは、ブドウ糖、ソルビトール及びクエン酸をおおよそ89:10:1の割合で混合し高温真空下で重合させたもの等を用いることができる。市販品としては、ライテス(ファイザー社製)などが挙げられる。 【0021】 前記、チコリファイバーとは、特に限定されないがチコリの根から温水抽出し、精製、スプレードライにより粉末化したものを用いることができる。市販品としては、ラフィテリンST(日本シーベルヘグナー社製)などが挙げられる。 【0022】 本発明の高甘味度甘味料とは、ショ糖と比べて強い甘味強度を有するものであり天然と合成物がある。少量でショ糖と同じ甘味を得ることができるため、低カロリーと低う触性商品の代替に使用される。例えば、アスパラギン酸とフェニルアラニンという2種類のアミノ酸とメチルアルコールとを結合させた白い結晶性粉末でショ糖の180〜220倍の甘味を持つアミノ酸系のアスパルテーム、酢酸を原料とする甘味料で、ショ糖の200倍の甘味を持ち、水に溶けやすく、熱や酸に対する安定性も高いアセスルファムK、ショ糖から生まれた唯一の低カロリー甘味料でショ糖の600倍の甘味を持ち、水に溶けやすく、酸や製造工程での加熱、保存などに対して、安定性が高いスクラロース、南米原産の菊科植物 Stevia rebaudiana BERTONIの葉分に含まれている甘味成分を抽出・精製した天然甘味料で、ショ糖の200倍の甘味を持つステビア、西アフリカに生育するMarantaceae科(くずうこん科)に属する多年性植物であるソーマトコッカスダニエリ(Thaumatococcus daniellii BENTH)の種子から得られたタンパク質系の甘味物質でショ糖の3000〜8000倍と非常に強い甘味を持つソーマチン、原料にL−アスパラギン酸とD−アラニンを用いて、ショ糖の2000〜2900の甘味を持つアスパルテーム、甘草の根から抽出されショ糖の200倍の甘味を持つグリチルリチンなどが挙げられる。 【0023】 これら高甘味度甘味料の3種類以上の組み合わせ方は特に限定されないが、甘味の面から好ましくは、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、ステビア、ソーマチン、アリテームの群から選択される組み合わせであり、さらに好ましくは、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースの組み合わせである。アルパルテーム、アセスルファムK、スクラロースの配合比率は、一概に規定することができないが、アスパルテーム:アセスルファムK=1:0.001〜1000、アスパルテーム:スクラロース=1:0.001〜1000である。好ましくはアスパルテーム:アセスルファムK=1:0.01〜100、アスパルテーム:スクラロース=1:0.01〜100である。さらに好ましくは、アスパルテーム:アセスルファムK=1:0.1〜50、アスパルテーム:スクラロース=1:0.1〜50である。 【0024】 80%エタノール不溶性糖質と高甘味度甘味料の好ましい配合比率は、用いる高甘味度甘味料の種類と飲料の種類により異なり一概に規定することができないが、通常は、高甘味度甘味料と80%エタノール不溶性糖質の重量比は、高甘味度甘味料:80%エタノール不溶性糖質=1:0.001〜500である。好ましくは高甘味度甘味料:80%エタノール不溶性糖質=1:0.01〜200である。さらに好ましくは、高甘味度甘味料:80%エタノール不溶性糖質=1:0.1〜100である。 【実施例】 【0025】 以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれなどによって限定されるものではない。 【0026】 試験例1 表1の処方にて飲料を作成し、嗜好性について調べた。5名のパネラーにて表1の配合組成に従い飲料を調製して、飲料の呈味について評価した。各パネラーの付けた「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」を、それぞれ5点から1点として点数をつけ5名の合計点を得点とした。 【0027】 【表1】
【0028】 【表2】
【0029】 表2より、比較品に比べ本発明品の嗜好性が高いことが確認された。 【0030】 試験例2 高甘味度甘味料の組み合わせを表3に示すように変化させ、最適な嗜好性の組み合わせを調べた。5名のパネラーにて表1の配合組成に従い炭酸飲料を調製して、炭酸飲料の呈味について評価した。各パネラーの付けた、「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」を、それぞれ5点から1点として点数をつけ25満点中の5名の合計点を得点とした。試験素材として、ガラクトマンナンとしてはサンファイバー(太陽化学社製)を用いた。 【0031】 【表3】
【0032】 【表4】
【0033】 表4より、アルパルテーム、アセスルファムK、スクラロースと80%エタノール不溶性糖質の組み合わせが嗜好性の高いことが確認された。 【0034】 試験例3 高甘味度甘味料の組み合わせ比率を表5に示すように変化させ、表5、6の配合比率にて炭酸飲料を調製して最適な嗜好性の組み合わせ比率を調べた。5名のパネラーにて炭酸飲料の呈味について評価した。各パネラーの付けた「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」を、それぞれ5点から1点として点数をつけ25満点中の5名の合計点を得点とした。試験素材として、ガラクトマンナンとしてはサンファイバー(太陽化学社製)を用いた。 【0035】 【表5】
【0036】 【表6】
【0037】 【表7】
【0038】 試験例4 下記表8の配合組成に従い炭酸飲料を調製して、表8の配合比率で炭酸飲料を調製して、80%アルコール不溶性糖質と高甘味度甘味料の最適な重量比を決定するため5名のパネラーにて炭酸飲料の呈味について評価した。各パネラーの付けた「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」を、それぞれ5点から1点として点数をつけ25満点中の5名の合計点を得点とした。試験素材として、ガラクトマンナンとしてはサンファイバー(太陽化学社製)を用いた。 【0039】 【表8】
【0040】 【表9】
【0041】 表9より、高甘味度甘味料80%エタノール不溶性糖質の配合割合は、高甘味度甘味料:80%エタノール不溶性糖質=1〜0.1:100が嗜好性の高いことが確認された。 【0042】 試験例5 下記表10の配合組成に従い炭酸飲料を調製して、5名のパネラーにより炭酸飲料の刺激性、口当たり、泡の持続性、キレ、コクについて評価した。5名のパネラーにて炭酸飲料の呈味について評価した。各パネラーの付けた「非常に良い」、「良い」、「普通」、「悪い」、「非常に悪い」を、それぞれ5点から1点とし点数をつけた。試験素材として、ガラクトマンナンとしては実施例1の低分子化ガラクトマンナン、難消化性デキストリンとしてはパインファイバー(松谷化学社製)を用いた。 【0043】 【表10】
【0044】 【表11】
【0045】 表10より、本発明品で刺激性、口当たり、泡の持続性、キレ、コクが改善されることが確認された。この結果は、80%エタノール可溶性糖質2.5%以下の飲料において、80%エタノール不溶性糖質と3種類以上の高甘味度甘味料を配合することにより炭酸飲料の呈味が改善されることを示すものであった。 【産業上の利用可能性】 【0046】 本発品は、健康と嗜好性の面で優れた飲料を提供できる。これにより低カロリー、低う蝕性の飲料を製造することが可能になり、本発明はヒトの健康増進に貢献するところは多大である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000204181 【氏名又は名称】太陽化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月22日(2006.6.22) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−62(P2008−62A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−172227(P2006−172227) |
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