トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 股関節弛緩の低減方法
【発明者】 【氏名】キーリー,リチャード ディー.

【要約】 【課題】イヌにおける股関節亜脱臼の出現率および程度を低減するための、食餌性ピロホスフェート源を含む栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物、およびその使用方法を提供する。

【構成】ドッグフード組成物の一態様は、約2.0重量%(質量%)のピロリン酸水素ナトリウムを含む。使用の際に、およびその方法の一態様において、股関節安定性を改善し、イヌ股関節形成異常の出現率および厳しさを低減するために、6〜8週齢の離乳から、約2才までの間に、実質的に唯一の食餌として、その組成物が子犬に与えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食餌性ピロホスフェート源の約0.1〜約2.0重量%(質量%)を含むペットフード組成物であって;その食餌性ピロホスフェート源が組成物中に実質的にブレンドされ;実質的に唯一の食餌としてペットに与えられた際に、前記組成物が栄養的にバランスの取れた食餌をペットにデリバリーできるペットフード組成物。
【請求項2】
前記食餌性ピロホスフェート源が、ピロリン酸水素ナトリウムを含む請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項3】
前記食餌性ピロホスフェート源が、ピロリン酸カルシウムを含む請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項4】
前記食餌性ピロホスフェート源が、ピロリン酸四ナトリウムを含む請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項5】
前記ペットフード組成物が、更にタンパク性の材料を含む請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項6】
前記ペットフード組成物が、更にデンプン性の材料を含む請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項7】
前記ペットフード組成物が約7〜約30ミリ当量/100gの食餌性アニオンギャップを有し;その食餌性アニオンギャップが次式:
食餌性アニオンギャップ(ミリ当量/100g)=ナトリウム(ミリ当量/100g)+カリウム(ミリ当量/100g)−塩素(ミリ当量/100g)に従って計算される請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項8】
前記ペットフード組成物が子犬の栄養要求性を満たす請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項9】
前記ペットフード組成物がイヌの栄養要求性を満たす求項1に従うペットフード組成物。
【請求項10】
前記ペットフード組成物がネコの栄養要求性を満たす請求項1に従うペットフード組成物。
【請求項11】
その組成物中に実質的にブレンドされた約0.1〜約2.0重量%(質量%)のヘキサメタリン酸ナトリウムを含み;実質的に唯一の食餌としてペットに与えられた際に、前記組成物が栄養的にバランスの取れた食餌をペットにデリバリーできるペットフード組成物。
【請求項12】
その組成物中に実質的にブレンドされた約2.0重量%(質量%)の食餌性ピロホスフェート源を含み;実質的に唯一の食餌としてペットに与えられた際に、前記組成物が栄養的にバランスの取れた食餌をペットにデリバリーできるペットフード組成物。
【請求項13】
イヌにおける股関節弛緩を低減する方法であって、
その組成物中の食餌性ピロホスフェート含有量が約0.1〜約2.0重量%(質量%)である、栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物を作り;および
生命の約2年間、実質的に唯一の食餌としてその組成物をイヌに与える;ステップを含む方法。
【請求項14】
前記栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物が約7〜約30ミリ当量/100gの食餌性アニオンギャップを有し;その食餌性アニオンギャップが次式:
食餌性アニオンギャップ(ミリ当量/100g)=ナトリウム(ミリ当量/100g)+カリウム(ミリ当量/100g)−塩素(ミリ当量/100g)に従って計算される請求項13に従う方法。
【請求項15】
前記食餌性ピロホスフェート源が、ピロリン酸水素ナトリウムを含む請求項13に従う方法。
【請求項16】
前記食餌性ピロホスフェート源が、ピロリン酸カルシウムを含む請求項13に従う方法。
【請求項17】
前記食餌性ピロホスフェート源が、ピロリン酸四ナトリウムを含む請求項13に従う方法。
【請求項18】
前記栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物を形成するステップが、
栄養になる材料を組合せて、栄養的にバランスの取れた混合材を形成すること;および、
その食餌性ピロホスフェート源が混合材中に実質的にブレンドされるまで、その混合材に食餌性ピロホスフェート源をブレンドすること、を含む請求項13に従う方法。
【請求項19】
混合材の含水率を約20重量%(質量%)および約40重量%(質量%)の間に合わせ;
混合材を押し出して、生成物の連続的なストランドを形成し;
そのストランドを分離した断片に分け;
その断片を乾燥して、約10重量%(質量%)未満の含水率に低減させ;および、
その断片を動物性脂肪でコートする;ステップを更に含む請求項18に従う方法。
【請求項20】
動物性脂肪が融点を有し、且つ断片を動物性脂肪でコートする前記ステップが、
動物性脂肪を断片上にスプレーすること;
動物性脂肪の融点より高く、断片の温度を上昇させること;
断片が実質的に均一な動物性脂肪のコーティングを有するように、それらの断片をタンブリングすること;および
周囲温度に断片を冷却すること。を含む請求項19に従う方法。
【請求項21】
前記食餌性ピロホスフェート源を、前記断片上にダスティングするステップを更に含む請求項20に従う方法。
【請求項22】
イヌにおける股関節弛緩を低減する方法であって、
約0.1〜約2.0重量%(質量%)のヘキサメタリン酸ナトリウム含有量を有する、栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物を作り;および
生命の約2年間、実質的に唯一の食餌としてその組成物をイヌに与える;ステップを含む方法。
【請求項23】
前記ドッグフード組成物が約7〜約30ミリ当量/100gの食餌性アニオンギャップを有し;その食餌性アニオンギャップが次式:
食餌性アニオンギャップ(ミリ当量/100g)=ナトリウム(ミリ当量/100g)+カリウム(ミリ当量/100g)−塩素(ミリ当量/100g)に従って計算される請求項22に従う方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に、動物における股関節弛緩を低減するための方法、より詳しくは、イヌにおける股関節形成異常(hip dysplasia)および変形性関節症(osteoarthritis)の出現率および激しさを低減するドッグフード組成物および給餌法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
イヌの股関節形成異常(CHD)は、獣医学において広く知られた問題である。CHDは、出生時には明らかではないが、子犬の間に発現する寛骨大腿の(coxofemoral)関節の変形であり、しばしば激しい関節炎痛み、および不動の状態(immobility)を生じる。CHDは、イヌの多くの品種間において生ずるが、35ポンド以上の平均の成犬体重を有する大型のイヌ品種において、より高い出現率および激しさを有する。一般的に、品種のサイズが大きいほど、CHDの出現率が高くなる。
【0003】
CHDの主要な臨床症状は、股関節弛緩の指標たる股関節の亜脱臼であり、それが股関節組織の異常な摩耗および退化を引き起こす。股関節の弛緩は、動物の力による運動が、関節において大腿骨頭に異常な位置を強いるサイクルを開始する。大腿骨頭の異常なポシショニングは、関節軟骨の浸食、および関節を囲む滑膜の炎症を引き起こす。慢性の関節弛緩の最終的な結果は、関節痛、不安定および不動を生ずる、異常に浅い寛骨臼、および扁平な大腿骨頭である。変形性関節症の発現において、類似のメカニズムが含まれる。研究によれば、成長の早期における股関節弛緩の低減が、イヌにおけるCHDおよび変形性関節症の発現防止を助長することが示されている。
【0004】
研究によれば、子犬の時期の最初の9ケ月における促進された骨成長と、CHDの発現との間における相関も示唆されている。生命の最初の9ケ月間は、イヌにおける股関節発育のための決定的な(critical)期間であると考えられる。この期間の間、大腿骨頭と比較して、寛骨臼は促進された速度で成長している。促進された成長速度は、寛骨臼をより可塑性とし、股関節弛緩の影響下で特に奇形となり易い。最初の9ヵ月間の全体的な骨成長速度の低減が、寛骨臼と大腿骨頭との間における不一致(disparate)の成長速度を低減することによって股関節の調和を改善することが、仮定されて来た。
【0005】
典型的には、CHDの診断は標準的なX線撮影(radiographic)法によって達成され、それは全体的に約70%正確であって、その動物が2才に近い程、診断の確度が増大する。X線撮影の診断は、大腿骨頭の亜脱臼の発見に依存する。気質および身体構造における個々の、および品種変動の交絡した影響のため、臨床的プレゼンテーションから導かれたCHDの激しさは、実際のX線撮影の計測とは必ずしも良好に相関しない。
【0006】
CHDは遺伝的なベースを有しており、最も頻繁には遺伝率が約0.30であると評価されている。例えば、約0.3の遺伝率は、CHDの発生における30%のバリエーションが親子関係に帰され、他方、残りの70%が環境的要因または環境的要因との相互作用に帰することができることを示す。CHD出現率および激しさに影響を及ぼす環境的要因の正確な性質は明確には知られておらず、且つ、臨床的に、その疾患は個々のイヌの間で非常に変化し易い。しかしながら、証拠によれば、食餌および給餌が股関節弛緩とCHDの発現に影響を及ぼす重要な要因であるという主張が支持され、食餌(特に骨発育の初期の間における)のマニピュレーションが、CHDを治療する一つの方法である可能性を示唆している。CHDを治療する食餌方法は、典型的にはそれらが簡単に実施されるため、特に魅力的である。
【0007】
公知のドッグフード組成物および給餌方法は、イヌにおける股関節不安定さを低減するために存在する。その組成物は、特定の約20ミリ当量/フード100g以下の食餌性アニオンギャップ(DAG)を有する。食餌性アニオンギャップは、Na(ミリ当量/100g)+K(ミリ当量/100g)−(Cl(ミリ当量/100g)として計算される。その給餌法は、成長の初期年の間における組成物の投与に依存し、大腿骨頭の亜脱臼を低減する。他の公知の給餌法たる制限的な給餌は、子犬の全体的な成長速度および骨成熟速度を低減することによって、股関節安定性を改善して、CHDの出現率および激しさを低減する。しかしながら、公知のドッグフード組成物および給餌法は、亜脱臼の漸増する回復を与えるが、股関節弛緩を低減し、且つCHDの激しさを更に低減するドッグフード組成物および給餌法のニーズは残ったままである。
【0008】
イヌにおける股関節弛緩を低減することによって、CHDの出現率および激しさを低減する方法を提供することは、望ましいであろう。本質的に食餌性であって、簡単に実施される方法を提供することも、望ましいであろう。股関節調和を実質的に改善し、CHDおよび変形性関節症を改善する、栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物を提供することは、更に望ましいであろう。成長の初期の間に子犬に与えられた際に、股関節弛緩を低減し、従って成熟したイヌにおけるCHDの激しさを低減するこのようなドッグフード組成物を提供することは、更に望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
これらおよび他の目的は、ピロホスフェートの食餌性の源を含む、栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物により得ることができる。その食餌性ピロホスフェート源は、通常使用される他の、股関節弛緩に対する効果に欠ける食餌性ホスフェート源に置き換わる。例えば、ドッグフード組成物の一態様において、約2.0%のピロリン酸水素(acid phosphate)ナトリウム、約1.1%の炭酸カルシウム、および約0.65%のコーンは、一緒に、約2.1%のリン酸二カルシウムおよび約1.05%の重炭酸ナトリウムに置き換わる。使用の際に、離乳から約2才まで子犬にドッグフード組成物が与えられる。
【0010】
ここで記述されるドッグフード組成物および給餌法は、大腿骨頭における亜脱臼を低減し、従って、イヌにおけるCHDおよび変形性関節症の発現を遅延させる。このような方法は、食餌性ピロホスフェート源を栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物にブレンドし、次いで成長の初期に実質的に唯一の食餌として子犬に給餌することによって、便利に実施される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
詳細な説明
股関節における大腿骨頭の亜脱臼を低減するための栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物は、イヌのための栄養的にバランスの取れたフード組成物を与える成分の混合材(admixture)中にブレンドされた食餌性ピロリン酸の源を含む。その混合材は、種々の適当な栄養になる成分を含むことができる。ここで用いられる用語「ドッグフード組成物」は、小売ペットおよび食料雑貨ストアで一般的に商業的に入手可能な、栄養的にバランスの取れた任意の缶詰の(canned)、乾燥した、または半湿潤状のドッグフード製品を言う。使用の際に、そのドッグフード組成物は、約6週での離乳から約2才まで子犬に与えられる。
【0012】
ドッグフード組成物の1つの態様は、例えばピロリン酸水素ナトリウム等の食餌性ピロホスフェート源の約2.0重量%(質量%)を含む。食餌性ピロホスフェートは、股関節弛緩に関して同じ亜脱臼の低減およびCHDの回復を与えない食餌性ホスフェート(例えばリン酸二カルシウム)の他の典型的な源に置き換わる。食餌性ピロホスフェートの股関節弛緩に関する効果を説明する1つの理論は、予め形成された骨結晶(bone crystal)をコートすることによって、ピロホスフェートが骨石灰化および成長の速度を遅らせ、それにより大腿骨頭と寛骨臼間との不一致の成長を低減させるということである。
【0013】
代替的な態様において、食餌性ピロホスフェートの量またはピロホスフェート化合物のタイプは、変化することができる。適当な代替的ピロホスフェート化合物の例は、ピロリン酸カルシウム、およびピロリン酸四ナトリウムを含む。加えて、ヘキサメタリン酸ナトリウムは、股関節弛緩に対してピロホスフェート化合物と同じ効果を有すると考えられ、且つそれはピロホスフェート化合物のための適当な代替物である。食餌性ピロホスフェートの量は、約1重量%(質量%)から約20重量%(質量%)まで変動する可能性がある。正確な用量−応答相関は知られていないが、ピロホスフェート含有量のための実際的な上限はカルシウムとバランスする必要性によって決定される。特に、骨石灰化に対する悪影響を避けるために、食餌性リンのパーセンテージは、食餌性カルシウムのパーセンテージを超えるべきではない。
【0014】
ここで記述されたドッグフード組成物は、その組成物がイヌのための実質的に唯一の食餌摂取を与えるという仮定に基づき、一般的には更に、タンパク性およびデンプン性(farinaceous)成分の栄養的にバランスの取れた混合物を含む。このようなリスティングは主にドッグフード糧食の所望の栄養のバランスに、および、それらの成分の製造業者に対する入手可能性に依存しているため、そのドッグフード組成物が、成分の特定のリスティングに制限されることを意図しない。上述したタンパク性およびデンプン性の材料に加え、そのドッグフード組成物は、一般的にビタミン、ミネラルおよび他の添加剤(例えば保存剤、乳化剤および湿潤剤)を含んでいてもよい。例えばビタミン、ミネラル、脂肪、タンパク質および炭水化物の相対的な割合を含む栄養バランスは、栄養の技術において公知の食餌基準に従って決定される。
【0015】
タンパク性の材料は、ダイズ、綿実およびピーナッツ等の植物性タンパク質;カゼイン、アルブミン、および新鮮な肉を含む肉組織等の動物性タンパク質、およびフィッシュミール、家禽ミール、ミートミール、ボーンミール等の乾燥またはレンダード(rendered)ミールを含む、少なくとも約15重量%(質量%)のタンパク質分を有する任意の材料を含むことができる。適当なタンパク性材料の他のタイプは、小麦グルテンまたはコーングルテンおよび微生物性タンパク(例えばイースト)を含む。そのフードの最小タンパク量は、動物のための年齢および飼育状態に従って変えられる。例えば、繁殖雌および子犬のための栄養的にバランスの取れたフードドッグフード組成物は、90重量%(質量%)の乾燥分ベースに対して、少なくとも約20重量%(質量%)の最小タンパク量を必要とする。非繁殖および成犬のための栄養的にバランスの取れたドッグフード組成物は、90重量%(質量%)の乾燥分ベースに対して、約12%の最小タンパク量を必要とする。
【0016】
デンプン性の材料は、約15重量%(質量%)未満のタンパク含有量、および実質的な割合のデンプンまたは炭水化物(穀類、例えばコーン、マイロ(milo)、アルファルファ、小麦、大豆外皮、および低いタンパク含有量を有する他の穀類等を含む)を含む任意の材料として定義することができる。タンパク性およびデンプン性材料に加えて、例え乾燥ホエー(whey)、および他の酪農副産物および他の炭水化物等の他の材料を加えてもよい。
【0017】
加えて、食餌性アニオンギャップの制御が、イヌにおける股関節安定性を改善することが示された。食餌性アニオンギャップが、フード組成物におけるナトリウムイオンとカリウムイオンとをプラスしたものからクロリドイオンをマイナスしたレベルとして定義されるとき、ドッグフード組成物の約30ミリ当量/100g以下のレベルにおけるバランスの制御は、イヌにおける股関節弛緩を低減させる。股関節安定性に対するドッグフード組成物の改善する効果を最大にするために、そのドッグフード組成物は、食餌性ピロホスフェート源の約2.0重量%(質量%)にプラスして、そのフードの約30ミリ当量/100g未満の食餌性アニオンギャップを含む。
【0018】
ドッグフード組成物の1つの態様を作製するために、入手可能性および栄養の望ましさによって選ばれるような、タンパク性およびデンプン性材料および追加的な所望の材料が組み合わされて混合材が形成され、その食餌性ピロホスフェート源は、例えば、粒状、粉状またはカプセル化形態等の乾燥形で加えられ、および混合材じゅうに良く混合される。その混合材は、次いで蒸気コンディショナーへ移され、混合材の含水率を約20重量%(質量%)および40重量%(質量%)の間に調節するように、蒸気および水分に晒される。コンディショニングされた混合材は、次いで高い温度および圧力の条件の下で押し出され、その生成物の連続的なストランドを形成する。その生成物が押し出されるに従って、その生成物は、回転している切断ナイフにより、分離した粒子または断片へ分けられる。その粒子または断片は次いで強制空気乾燥システムへ運ばれ、それらの粒子または断片の温度が約140°Fまで上げられるうちに、それらの水分レベルが約10重量%(質量%)未満に低減される。加熱乾燥された粒子または断片は、次いでバルクコンベアによってスプレー室へ移され、スプレー室を通して落下する。下降粒子または断片の両側に配置されたスプレー室内の複数のスプレーヘッドは、それらがスプレー室を通して落下する間に、加熱された断片または粒子上へ動物性脂肪の溶液をスプレーする。
【0019】
強制空気乾燥システム内の粒子または断片の温度は、更なるプロセシングを容易にするように調節してもよい。例えば、上記した140°Fの温度は、動物性脂肪の融点が140°F未満の場合に、断片または粒子の動物性脂肪によるコーティングを容易にする。スプレーコートされた断片または粒子は、スプレー室の底部で集められ、タンブリングドラムへ輸送される。タンブリングドラムの温度は動物性脂肪の融点より高く維持され、それらが実質的に均一な動物性脂肪の表面コートを有するようになるまで、粒子または断片はタンブリングされる。コートされた粒子または断片は、次いでドラムから取り出され、周囲(ambient)温度に冷却される。結果として得られたドッグフード組成物は、90重量%(質量%)の乾燥分ベースに対して、約12重量%(質量%)未満の含水率、および約15重量%(質量%)を超えるタンパク量を有する。代替的な方法において、粉状、粒状またはカプセル化された形の食餌性ピロホスフェート源は、それらが動物性脂肪によりコートされた後に、粒子または断片上へのダスティングにより、熱い粒子または断片上に塗布することができる。
【0020】
使用の際に、子犬所有者は、約6〜8週齢の離乳から約2才まで、ドッグフードを購入して、子犬にその組成物を与える。所有者は、約2才を超えて、その組成物を与えてもよい。
【実施例】
【0021】
例1
この研究を、イヌの股関節形成異常に対する公知のリスクを有するイヌの品種であるラブラドルレトリーバーに対して行った。6〜8週齢で、44匹の子犬を一腹子(litter)、性および体重によってブロックし、リン酸二カルシウムを含有するコントロール食餌(R1)、またはリン酸二カルシウムをピロリン酸水素ナトリウムおよび炭酸カルシウムで置換した治療食餌(R2)のいずれかによる食餌処置にランダムに割り当てた。R1およびR2の処方を、表1に示す。約16週齢まで、1日につき3回、約15分間自由に(ad libitum)子犬らに個々に給餌した。約16週後、1日につき1回で、子犬に給餌した。そのテストを、104週にわたって行った。食餌性アニオンギャップは、R1およびR2食餌の両方のにおいて同じであり、且つ27.5ミリ当量/100gに維持した。
【0022】
【表1】


【0023】
股関節亜脱臼の程度の評価は、正しく配置された動物の標準的なX線写真から取られたノルベルグ(Norberg)角測定に基づいた。全身麻酔の下で、X線写真を取った。ノルベルグ角測定は、大腿骨頭(ボール)と寛骨臼(股関節ソケット)との間のフィットの詰まり(closeness)を測定するための分度器状の器具を用いて得た。個々のX線写真からノルベルグ角を得るために、個々の大腿骨頭の中央の間に一つのラインを引き、個々の大腿骨頭の中央と、各寛骨臼の頭蓋(cranial)リムの間に他のラインを引いた。個々の股関節に対して、これらのラインの間に形成される角が、ノルベルグ角である。16、30、42、52、78および104週齢で、動物を評価した。より高いノルベルグ角は、優れた股関節フィットまたは調和を示す。全身の骨無機質密度の評価は、8、17、31、43、53、79、および105週齢の二重エネルギーX線吸光光度法(Dual Energy Absorptiometry;DEXA)スキャンに基づいた。
【0024】
表2は、動物に対する16、30、42、52、78および104週齢の平均のノルベルグ角測定を示す。
【0025】
【表2】


【0026】
30、42、52および78週齢で、コントロール糧食R1を与えたイヌの平均のノルベルグ角に対して、食餌性ピロホスフェートを有する食餌R2を与えたイヌの平均のノルベルグ角において有意な(p<0.05)改善が観察された。
【0027】
DEXAスキャンからの平均の骨無機質密度測定を表3に示すが、それは、改善されたノルベルグ角を伴う骨無機質密度の有意な(p<0.05)低減を示す。骨無機質密度は、43および79週を除く全ての齢において、R1を与えたイヌにおけるより、R2を与えたイヌにおいて、より低かった。
【0028】
表2および3において示されたデータは、遅延された骨石灰化の存在下で、低減した股関節亜脱臼を示す。それらのデータは、股関節発育のために臨界的な期間である0〜9ヵ月の期間をカバーする。
【0029】
【表3】


【0030】
ピロホスフェートレベルの食餌解析は、R2食餌でピロホスフェートが存在することを示し、且つ血漿ピロホスフェートレベルは、ピロホスフェートがR2食餌から動物によって吸収されていることを示した。これらの結果は、成長の最初の2年の間の食餌性ピロホスフェートの投与が、それらの両方がCHDの発現に寄与する、イヌ寛骨大腿関節における亜脱臼を低減し、且つ骨石灰化の速度をも低減することを示す。
【0031】
例2
ラブラドルレトリーバーおよびドイツシェパードの46匹の子犬を、一腹子、性および体重によってブロックし、リン酸二カルシウムを含有するコントロール食餌(R1)、またはリン酸二カルシウムをピロリン酸カルシウムおよび炭酸カルシウムで置換した治療食餌(R2)のいずれかによる食餌処置にランダムに割り当てた。R1およびR2の両方は、約12重量%(質量%)の脂肪および約25重量%(質量%)のタンパク質を含むように処方され、供給された子犬タイプの食餌であった。実験室における食餌の解析は、それらの食餌が正確に作製されたことを示した。
【0032】
5および10週齢でノルベルグ角測定を行った。5および10週齢で、骨無機質密度をもDEXAスキャンによって評価した。ノルベルグ角測定に関して有意な治療効果は観察されなかったが、DEXA解析は、R2を与えた子犬における骨無機質含量および骨無機質密度の有意な低下を示した。イヌ股関節形成異常に対する食餌治療の効果は6ヵ月齢の前には殆ど観察されないため、股関節測定に対する治療影響の欠如は予期された。しかしながら、それらの結果は、食餌性ピロホスフェートの投与が、股関節形成異常徴候の長期の改善を伴う効果である、成長期のラブラドルレトリーバーおよびドイツシェパード子犬における骨石灰化の速度を低減することを示す。
【0033】
ドッグフード組成物の代替的な態様において、股関節弛緩に悩むネコまたは他の動物のための栄養的にバランスした成分の混合物は、それらの動物において適当な股関節コンフォメーションの発現を助長するために使用することができる。これらの代替的な態様において、食餌性ピロホスフェートレベルは、約0.1重量%(質量%)〜約2.0重量%(質量%)で維持される。このような個々の組成物のために、残りの成分および栄養のバランスは、当該技術において公知の栄養基準によって決定される。追加的な他の態様において、食餌性ピロホスフェート源は、他の材料(例えばビタミンおよびミネラル)とともに、粉状、カプセル化形態で含まれてもよい。
【0034】
ここで記述されたドッグフード組成物および給餌する方法は、イヌにおける寛骨大腿関節の亜脱臼を低減し、従って、股関節安定性を改善して、イヌにおけるCHDおよび変形性関節症の発現を遅らせる。それらの食餌方法は、CHDおよび変形性関節症の発現の危険に晒されることが公知のイヌに対する、簡単で、便利、且つ効果的な治療である。
【0035】
本発明の種々の態様の上記の記述から、本発明の目的が達成されたことは明らかである。本発明を詳細に記述し、説明したが、それらは説明および例としてのみを意図し、限定として解釈されないことは、明確に理解されるべきである。したがって、本発明の精神および範囲は、添付の請求項の用語によってのみ、制限される。
【出願人】 【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
【出願日】 平成19年7月23日(2007.7.23)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次

【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康

【識別番号】100089901
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 一男

【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一

【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫


【公開番号】 特開2008−17846(P2008−17846A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−191426(P2007−191426)