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【発明の名称】 新食感グミキャンディおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】佐藤綾乃

【氏名】杉林ひろみ

【氏名】塩谷敏明

【要約】 【課題】ザクザクとした新規な食感のグミキャンディおよびその製造法を提供する。

【構成】本発明は、不均質なゲルが均質なゲル中に分散した構造を持つ新規な食感のグミキャンディおよびその製造方法である。つまり、ゼラチンなどで製造した均質なグミキャンディの中に多糖類のゲルからなる不均質ゲルが分散した構造をとり、食べるとザクザクとした食感で、あたかもスイカあるいは洋ナシ風の新規な食感を持ったグミキャンディである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
均質なゲル中に不均質なゲルが分散していることを特徴とするグミキャンディ。
【請求項2】
不均質なゲルが二価金属イオンでゲル化する多糖類ゲルからなることを特徴とする請求項1に記載のグミキャンディ。
【請求項3】
二価金属イオンでゲル化する多糖類が低メトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、ジェランガムであることを特徴とする請求項2に記載のグミキャンディ。
【請求項4】
粒子状あるいは繊維状の不均質なゲルを溶液中に分散させ、この溶液中にゲル化剤を添加して該溶液を均質にゲル化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグミキャンディの製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な食感をもったグミキャンディ及びその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
グミ(独:Gummi、英:Gummy)あるいはグミキャンディは果汁などをゼラチンで固めた菓子の一種である。名称はドイツ語でゴムを意味するGummiに由来する。ドイツでは噛む食習慣が少なく、歯に関する病気にかかる子供が増えていた。そのため硬い菓子を作ることで子供の噛む力を増やし、歯にかかわる病気を防ごうと作られた。
【0003】
グミキャンディは、1920年ボンのハンス・リーゲルが果汁をゼラチンで固め、コーンスターチをまぶして作られ、ハリボー社(Hans Riegel、Bonnの頭文字でHARIBO)を設立して販売され、ドイツの土産として有名である。
【0004】
日本では、1988年に「果汁グミ」(商品名)という製品が発売されたのをきっかけに広く知られるようになった。外国製のグミは歯ごたえのある食品を作るという当初の目的を満たすため、ゼラチンを7〜15%含み硬い食感を持つものが多い。これ対し、日本では、必ずしも上記の様な目的を持たないので一般的にゼラチン分は5〜10%で全体的に柔らかめの製品が主流となっている。ただし、このゼラチン濃度は使用するゼラチンのブルームによりかわる。
【0005】
通常、グミキャンディはゼラチンに糖を加え加熱溶解後、型に充填・冷却して固めてつくる。弾性に富み、食しても直ぐには飲み込まれず口腔内に比較的長い時間存在し、おいしさとともに噛む楽しさをもたらすことができる菓子である。
【0006】
市販されているグミキャンディをその構造から分類すると
・均質な構造からなるグミキャンディで硬さなどの食感を訴求した製品
・グミキャンディを糖衣やクエン酸粉末など被覆した異種の味を訴求した製品
・風味の異なるグミキャンディを二層にして異種フレーバーを訴求した製品。
つまりコーヒーグミ中にミルク風味ゼリーを入れた製品などである。
・漫画などのキャラクターの形状にして、見て楽しい製品。
・コラーゲンペプチドなど機能性素材添加した製品。
いずれもが、食感は大きくは変わらなく単調な食感であり、新規な食感の提案はない。
【0007】
グミキャンディの食感は一般に使用するゲル化剤および濃度で決まる。ゼラチンで製造したグミキャンディは、ゼラチンの濃度を調節して硬さを変えることができるが、グミキャンディ全体が均質なゲル構造であるため、食感が単調となる。また、最近ではカラギナンで製造したグミの提案(特許文献1)があるが、均質な構造のため、同様に単調な食感となる。また、いったん製造したグミキャンディの外側に糖衣、チョコレート、などでコーティングしたグミ(特許文献2)、あるいは、2層のグミなどの提案(特許文献3)があるがいずれも単調な食感を脱してはいない。
【特許文献1】特開2005−269995
【特許文献2】特開2003−79317
【特許文献3】特開平10−84872
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は新規な食感のグミ及びその製造法の提供を課題とする。つまり、グミキャンディのバリエーションを広げて今までにない楽しさを有する製品及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、各種ゲル化剤の組合せでグミを製造した結果、均質なゲル中に不均質なゲルを分散させると、ザクザクとした食感が発現することを発見し本発明をするに至った。
本発明における「均質なゲル」とは成分や密度、また品質などにむらがなく一様であるゲルをさし、連続層を形成しているゲルのことである。
また、本発明における「不均質なゲル」とは、連続相を形成しているゲルとは成分や密度が異なるとともに、その形状も球状から棒状などの不定形なゲルをさすものである。
さらに、本発明における「均質なゲル中に不均質なゲルを分散させる」とは、均質なゲル中に、粒径0.1〜5mmのゲル粒子あるいは繊維状のゲルを不均質に存在させることをいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明により得られるグミキャンディの一例を図1に示す。不均質な多糖類ゲルが均質なゲル中に分散した構造となっている。図1の黒く映って部分が不均質なゼリー部分であり、白く映っている部分が均質なゲルである。
【0011】
本発明で使用するグミキャンディ素材として、第一の不均質なゲルを製造する場合には、二価金属イオンでゲル化する多糖類を使用する。このような多糖類であれば、いずれも使用することができるが、最も好適な多糖類は、低メトキシルペクチン、アルギン酸ナトリウム、ジェランガムである。
【0012】
第二の均質なゲル相となる部分は、通常のグミを製造するゼラチンをゲル化剤として好適に使用して製造することができる。このほか、ペクチン、カラギナン、寒天なども使うことができる。
【0013】
また、均質なゲル部にはファーセレラン、アルギン酸、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、トラガントガム、または微生物由来の多糖類であるプルラン、キサンタンガム、デキストラン、カードラン、あるいは加工澱粉を含む澱粉類などを添加して硬い・柔らかいなどの食感調整に用いることができる。
【0014】
グミキャンディに使用する糖成分としては、ショ糖、麦芽糖、ブドウ糖、水飴、ソルビトールなどの糖アルコールから選択される。グミキャンディの糖濃度は、好ましくは30%〜80%、最も好ましくは70%〜80%の範囲である。
【0015】
グミキャンディの製造は常用の方法で可能である。カルシウムでゲル化する多糖類溶液(溶液a)に乳酸カルシウム溶液(溶液b)を混合して撹拌する。するとカルシウムによる多糖類のゲル化反応が起こるため、撹拌の程度の応じた不均質な多糖類ゲルが形成される。撹拌を緩やかに行えばオレンジなどのサノウのような食感に、中程度の撹拌を行えばスイカのような食感に、強撹拌を行えば細かな繊維状となり洋ナシのような食感となる。
【0016】
この不均質ゲルを含む溶液に砂糖および水飴を添加して加熱して、20%程度の水を蒸発させる。この溶液に均質ゼリーとなる溶液(溶液c)を添加して加熱を行い、最後に色素および香料を加え、糖度をBrix80程度に調整し、スターチモールドに充填し一晩室温に置きグミキャンディを製造する。
【実施例1】
【0017】
(スイカ食感のグミキャンディ)
表1の配合でスイカ食感のグミキャンディを製造した。低メトキシルペクチンはカーギルテクスチャライジングソリューションズのOF100C、ゼラチンはルスロ社の200PSを用いた。
低メトキシルペクチン溶液(溶液a)に乳酸カルシウム溶液(溶液b)を混合して撹拌する。するとカルシウムによるペクチンのゲル化反応が起こるため、撹拌の程度の応じた不均質な多糖類ゲルが形成される。ここでは中程度の撹拌を行った。この不均質ゲルを含む溶液に砂糖および水飴を添加して加熱して、20%程度の水を蒸発させた。この溶液にゼラチン溶液(溶液c)を添加して加熱を行い、最後に色素および香料を加え、糖度をBrix80に調整し、スターチモールドに充填し一晩室温に置きグミキャンディを製造した。
このグミキャンディはザクザクとした食感で、あたかもスイカの食感を想起させるものであった。
【0018】
【表1】


【実施例2】
【0019】
(アルギン酸ナトリウム:株式会社キミカ)
実施例1と同様の方法でグミキャンディを製造した。ただしペクチンをアルギン酸ナトリウム(添加量0.5%)とした。アルギン酸ナトリウムもカルシウムと反応してゲルとなる性質がある。不均質ゼリー製造時に緩やかな撹拌を行った。その結果、このグミキャンディはあたかもオレンジのサノウのような食感であった。
【実施例3】
【0020】
(ジェランガム:商品名ケルコゲル:大日本住友製薬)
実施例2と同様にしてグミキャンディを製造した。ただしアルギン酸ナトリウムをジェランガム(濃度0.5%)に置き換えた。ジェランガムもカルシウムと反応してゲルを形成する。この場合、不均質なゲルはジェランガムのゲルである。不均質ゼリー製造時には強い撹拌を行ったので、このグミキャンディは洋ナシのような食感であった。

【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】不均質ゲルを内包したグミキャンディの断面写真
【出願人】 【識別番号】306007864
【氏名又は名称】ユニテックフーズ株式会社
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100133905
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良夫

【識別番号】100113837
【弁理士】
【氏名又は名称】吉見 京子

【識別番号】100127421
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 さなえ

【識別番号】100090941
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清也


【公開番号】 特開2008−67638(P2008−67638A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−248878(P2006−248878)