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【発明の名称】 柿羊かんの製造方法
【発明者】 【氏名】立花 孝全

【要約】 【課題】渋生柿を使用しながらも、渋戻りがしにくく、色調もよく、添加物が砂糖だけの食味のよい柿羊かんを提供する。

【構成】生柿を遠赤外線照射してタンニンの固化を行い、追熟、皮むきしたのち、熱湯に浸漬し、ついで乾燥、遠赤外線照射して熟成してなる柿肉を砂糖を加えた寒天水溶液に混ぜ合わせて均一なペースト状となし、これを加熱しさらにこれを白ささぎ豆からなる白餡と混合してなる柿羊かん生地を所定形状に固める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生柿を30〜40℃で24時間遠赤外線照射してタンニンの固化を行い、追熟、皮むきしたのち、100℃の湯に5〜10秒間浸漬し、ついで乾燥、遠赤外線照射して熟成後、冷凍保存してなる柿果肉を解凍して裏ごしたものに砂糖を加えた寒天水溶液に混ぜ合わせて均一なペースト状となし、これを90〜100℃に加熱濃縮し、さらにこれを白ささぎ豆からなる白餡と混合してなる羊かん生地を専用型に流し込んで所定形状に固めることを特徴とする柿羊かんの製造方法。
【請求項2】
生柿を30〜40℃で24時間遠赤外線照射してタンニンの固化を行い、追熟、皮むきしたのち、100℃の湯に5〜10秒間浸漬し、ついで乾燥、遠赤外線照射して熟成後、冷凍保存してなる柿果肉を解凍して裏ごしたものに砂糖を加えた寒天水溶液に混ぜ合わせて均一なペースト状となし、これを90〜100℃に加熱濃縮し、さらにこれを白ささぎ豆からなる白餡と混合してなる羊かん生地を専用型に流し込むかわりに、ゴム袋で包み結束し、ふうせん玉状に丸く成型したことを特徴とする玉羊かんの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、柿羊かんの製造方法に関するものであり、特に干柿の果肉を原料とする羊かんに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されているように、柿羊かんは生柿又は干柿の何れかの果肉を使用して製造されている。生柿の果肉を羊かん原料に使用するものは少なく、多くのものが低廉で、低品質の干柿や干柿の屑を用いて製造されている。柿羊かんを製造する場合、寒天を溶解するための水、生餡中の水分を加熱沸騰させて濃縮し、糖度計で60〜70度に調製するのが一般的であるが、柿では生柿、干柿にかかわらず85〜100℃で10分以上加熱することにより渋戻り現象が起こり、食味を著しく損ねるため、これまでは原料中の水分が少なく、加熱濃縮を必要としない干柿を原料として多くが製造されてきた。
【0003】
しかし、この干柿を使用する柿羊かんは、色調が黒褐色であり、小豆のみを材料とする羊かんと区別しがたく、明るい柿の色(黄褐色または茜色)でないうえ、柿ほんらいの甘さが感じられず、食欲もわかなかった。
一方で原材料である干柿は、通常生柿の皮をむき、漂白、殺菌、殺虫の目的で15〜30分イオウ薫蒸を行う。次いで天日乾燥をするか、40℃前後、湿度60〜70%で徐々に火力乾燥し、途中で温度を下げて水分の均一化をはかり、再び乾燥して製造される。最近は火力乾燥の代わりに、イオウ薫蒸ののち遠赤外線を照射により加工日数を早めることが行われている。イオウ薫蒸するには、例えば3m立方に56gの硫黄を燃やし、その中に皮むき生柿を所定時間放置しなければならないが、イオウ煙霧の排出や漏れ出しに伴う臭気と酸性空気による環境を汚染することが多かった。近年、無農薬の食品が消費者の間で関心が高まってきている中で、イオウ薫蒸品である干柿は亜硫酸としての残留量が無視できないので、その加工方法の改善が望まれていた。しかし、柿羊かんに使用されている干柿はイオウ薫蒸品が大方であったので、亜硫酸の残留と、餡加熱工程での高熱により渋戻りが生じて、食後、多少の苦味と渋みが口に残ることがあり、特に、熱い緑茶を喫すると渋みが強くなる。さらに原材料としての干柿は、通常は同量の水に一晩漬けて軟らかくしたものを、小型チョッパーで2回、小型パルパーで2回処理をしてジャム状の柿肉を調整していた。このように柿肉の調整に数工程を要し、手間と時間がかかることもあって、その間に柿肉は酸化し、褐変し、食味も劣化する。
【0004】
【特許文献1】特開平5−123112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の干柿を原料とする柿羊かんの製法の欠点を改善し、渋戻りがなく、色調も明るい黄褐色(琥珀色)であり、かつ亜硫酸の残留が皆無で、食品添加物は砂糖だけの柿羊かんを得ることを目的とする。
【0006】
また、本発明は、羊かん生地を特別の型を使用せずにふうせん玉状にまわるく成型することができ、特殊な包装を要せずに、衛生的で保存性のよい玉柿羊かんを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の第1は、生柿を30〜40℃で24時間遠赤外線照射してタンニンの固化を行い、追熟、皮むきしたのち、100℃の湯に5〜10秒間浸漬し、ついで乾燥、遠赤外線照射して熟成後、冷凍保存してなる柿果肉を解凍して裏ごしたものに砂糖を加えた寒天水溶液に混ぜ合わせて均一なペースト状となし、これを90〜100℃に加熱濃縮し、さらにこれを白ささぎ豆からなる白餡と混合してなる羊かん生地を専用型に流し込んで所定形状に固めることを特徴とする柿羊かんの製造方法である。
また、本発明の第2は、前述のように調製した羊かん生地をゴム袋で包み結束してふうせん玉状に丸く成型して玉羊かんを製造することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
第1の本発明にあっては、原料である渋柿に対しイオウ薫蒸を行わずに遠赤外線照射してタンニンの固化を行うので、渋戻りがなく、また熱湯に浸漬して酸化を防止するので、色調も明るい琥珀色(茜色)で、かつ亜硫酸の残留が皆無であり、しかも食品添加物は砂糖だけの柿羊かんの製造法を得ることができる。
【0009】
第2の本発明は、特別の型を使用せずに中身が透き通って見える、食べやすい大きさの包装羊かんを得ることができる。また包装パッケージにゴム袋を用いるので安全で殺菌包装が容易であり、衛生的かつ保存性がよいうえ、ゴム袋の外側から爪楊枝で刺すだけで簡単に皮がむけるので、高齢者に食べやすいという利便性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、羊かんの原料である渋柿を前処理として遠赤外線照射してタンニンの固化を行い、追熟、皮むきしたのち、熱湯中に浸漬し、乾燥することにより亜硫酸残留量を皆無にした干柿を使用する柿羊かんの製造法を提供するものであり、イオウ薫蒸を行わずに渋柿を遠赤外線照射してタンニンの固化を行うので、渋戻りがなく、また熱湯に浸漬して酸化を防止するので、褐変が抑制されて色調も明るい茜色で、かつ亜硫酸の残留が皆無の食味のよい柿肉が得られる。この柿肉を裏ごししヘタと種を除いた後、寒天水溶液に混ぜ合わせて、これを90〜100℃に加熱濃縮し、さらにこれを白ささぎ豆からなる白餡と混合して羊かん生地をつくり、これを専用型に流し込んで所定形状に固め、あるいはゴム袋で包み結束してふうせん玉状に成型して玉羊かんを製造する方法である。
従来法に使用されている干柿は、大方が低品質の干柿や干柿の屑を用いていたので、これからジャム状の柿肉を調製するまでに数工程を経る。柿肉は、その間に酸化し、褐変し、食味も劣化する。またイオウ薫蒸品である干柿は、100℃に加熱したあと食すると、渋味が口に残る。
【0011】
本発明で原料として使用する干柿の柿肉は、イオウ薫蒸を行わずに遠赤外線照射してタンニンの固化を行うので、渋戻りがなく、また熱湯に浸漬して酸化を防止するので、色調も明るい黄褐色で、かつ亜硫酸の残留が皆無の柿肉が得られる。
【0012】
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
原料として渋柿:蜂屋柿(福島県梁川産)を使用した実施例。
上記柿を前処理として、34℃で24時間遠赤外線照射してタンニンの固化を行い、追熟、皮むき、連つくりしたのち、100℃の熱湯に10秒間浸漬し、ついでハセかけ乾燥、遠赤外線照射して熟成することで羊かんの原料とする干柿を得た。この干柿の色調は色鮮やかな茜色であり、含有水分は35〜45%含まれていた。得られた原料干柿を直ちに冷凍保存する。
柿餡調製工程では、冷凍保存した干柿を解凍後、裏ごししてヘタ、種をとる。この裏ごしした柿肉と、砂糖を加えた寒天水溶液に混ぜ合わせて均一なペースト状となし、これを90〜100℃で10〜20分間加熱した後、さらにこれを白ささぎ豆からなる白こし餡と混合する。混合割合は柿こし餡20〜30%、白こし餡70〜80%とし、このとき糖度は55〜65度に適宜調製する。次に、上記のように柿こし餡と白こし餡との混合溶液より調製された羊かん生地を専用角型容器に流し込んで室温に放置して固めた。
【0013】
(実施例2)
実施例1と同様に調製した羊かん生地を20〜30gづつ、ゴム袋に詰めて袋口を結束し、ふうせん玉状に丸く所定形状に固めて玉羊かんを得た。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、従来の干柿を原料とする柿羊かんと異なり、渋生柿を使用しながらも、渋戻りがしにくく、色調もよく、添加物が砂糖だけの食味のよい柿羊かんを得ることができる。よって、柿羊かんの利用増が期待できる。
【出願人】 【識別番号】592036243
【氏名又は名称】タチバナペーパーウェアー株式会社
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100072224
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 正幸


【公開番号】 特開2008−35805(P2008−35805A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215761(P2006−215761)