| 【発明の名称】 |
おはぎ生地及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】片桐 知
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| 【要約】 |
【課題】おはぎを製造するに当り、冷凍保存が可能で、解凍後も軟らかさを保持し、包餡機で機械成形しても米粒の粒感があり、甘味の抑えられたおはぎ生地を提供する。
【構成】原料米の蒸し米の加水工程、又は、炊飯する炊飯工程のいずれかに原料米に対して大豆多糖類を0.5〜20重量%添加、あるいは、トレハロースを0.5〜10重量%併せて添加させて得られたおはぎ生地。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原料米に対して大豆多糖類を含有することを特徴とするおはぎ生地。 【請求項2】 原料米に対して大豆多糖類を0.5〜20重量%含有することを特徴とする請求項1のおはぎ生地。 【請求項3】 原料米に対してトレハロースを0.5〜10重量%含有することを特徴とする請求項1及び2のおはぎ生地。 【請求項4】 冷凍状態で保存することを特徴とする請求項1ないし3のおはぎ生地。 【請求項5】 原料米の蒸し米に加水する工程に於いて、加水の温度を50℃以上の温水に大豆多糖類を添加させたことを特徴とするおはぎ生地の製造方法。 【請求項6】 更に、トレハロースを添加させたことを特徴とする請求項5のおはぎ生地の製造方法。 【請求項7】 原料米の炊飯工程に於いて、炊飯水に大豆多糖類を添加させたことを特徴とするおはぎ生地の製造方法。 【請求項8】 更に、トレハロースを添加させたことを特徴とする請求項7のおはぎ生地の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、もち米又はもち米とうるち米の混合米(以下「原料米」という)のおはぎ生地に於いて、小倉おはぎ、きなこおはぎ、ごまおはぎ、桜餅など(以下総じて「おはぎ」という)を製造後、時間が経過しても作り立ての軟らかさを保つと共に冷凍保存が可能で解凍後も作り立ての軟らかさ保ち、かつ包餡機で機械成形しても米粒の粒感を残し、甘味を抑えたおはぎ生地及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、原料米など澱粉質を含んだ素材で大福もち類及び団子類並びにおはぎ類などを作った場合、時間の経過と共に澱粉質が老化し生地が硬化するため、日配品として取り扱いされていた。大福もち類及び団子類の様な練り物の場合は、硬化防止方法として硬化防止剤(酵素製剤など)や糖類等を生地に練り込んで生地の硬化を防止する方法がとられている。しかし、おはぎ生地の様に粒を残す製品の場合は、硬化防止方法として糖類を多量に米粒に浸透させる方法とか米粒に硬化防止剤を浸透させる方法(特許第294958号)が紹介されているが、これはおはぎ生地の軟らかさは保持できるが、包餡機で機械成形の場合は米粒の粒感のないおはぎ生地となる。また、粒感を残す方法としてオリゴ糖をおはぎ生地に含有させる方法が(特許平11−4658号)が紹介されている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 おはぎ生地の硬化防止方法としては、上記の様に米粒に糖類を多量に浸透させ米粒内の水分を糖質に転換させ水分の発散を抑制して軟らかさを保つ方法、又は、米粒に硬化防止剤(酵素製剤など)を浸透させ米粒の澱粉質を糖質に分解し軟らかさを保つ方法であり、特に酵素製剤使用の場合は、おはぎを暖かいところに置くとおはぎ生地に含有している酵素により澱粉質は分解が進みおはぎ生地は軟らかくなり過ぎる傾向にあり、糖類の場合は甘味が強すぎ美味しくなく、更に包餡機で機械成形すると米粒が潰れ粒感のないおはぎ生地であった。また、オリゴ糖を添加したおはぎ生地は、包餡機で機械成形しても米粒の粒感は残るが、オリゴ糖は砂糖より低甘味であるが原料米に対して60重量%程度含有しているので生地に甘味があり、近年は甘味を抑えた和菓子類が望まれているところである。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、上記の問題を解決するため検討をかさねた結果、原料米を蒸してその蒸し米に加水する工程に於いて、加水に大豆多糖類を添加する方法、又は、原料米を炊飯する工程に於いて炊飯水に大豆多糖類を添加して炊飯する方法により作られたおはぎ生地は、包餡機でおはぎに機械成形しても米粒は潰れにくく粒感があり、またおはぎ生地も硬くなりにくく日持ちする事を発見し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は原料米を蒸しその蒸し米に加水する工程、又は、炊飯する工程に於いて大豆多糖類を添加して得られたおはぎ生地を特徴とする。 【0005】 以下、本発明を詳細に説明する。 大豆多糖類は、市販されている物として大豆多糖類100%の粉末状の物、又は、大豆多糖類10%程度含有の液状の物などがあるが、粉末は水に溶解しにくく粉末のまま直接の使用では完全に溶けなく好ましくないため、本発明では、ミキサー等で10倍に溶解した水溶液を使用するか、市販の液状のものを使用することとして添加量を表示する。なお、水溶液は10倍にこだわるものでなく任意である。また大豆多糖類の粉末とトレハロースなど糖類と事前に混合して置くと、粉末単体よりは溶け易くなる。 【0006】 本発明に於ける大豆多糖類の添加量としては、原料米に対し0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%を挙げることができる。大豆多糖類の添加方法は特に限定されないが、原料米が蒸し米の場合は、常法の加水工程に於いて、加水の温度を50℃以上、好ましくは70℃以上のお湯の中に大豆多糖類を添加し容器の中で蒸し米と混ぜ合せ蓋をして置く(以下「仕込み」という)。仕込み後の容器内の温度は80℃以上になるようお湯の温度を調整する。仕込み後1時間程度経過後におはぎに成形するが、この時の生地温度が30℃程度を超えている場合は、冷却機などで常温程度に冷却後、包餡機などでおはぎに成形する。 【0007】 なお、原料米が炊飯米の場合は、炊飯水に大豆多糖類を添加し混ぜ合せた後常法により炊飯する。炊飯後おはぎを作るまでの工程は蒸し米の仕込み後の工程と同様である。なお、蒸し米、炊飯の何れの場合も大豆多糖類と併せトレハロースを添加することにより大豆多糖類単独よりも更に軟らかい状態を保持させる事が可能である。トレハロースの添加量は原料米に対して0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%を挙げることができる。なお、トレハロースの甘味度は砂糖の45%程度であるので、添加量からしておはぎ生地に与える甘味度は感じられない程度で、おはぎに成形したときには餡などとの甘味と調和して美味しく味わえる。 【0008】 原料米に大豆多糖類並びにトレハロースを含有させる方法として、原料米を洗米後浸漬工程のときに大豆多糖類並びにトレハロースを多量に浸漬水に添加撹拌して原料米に浸透添付させる方法はあるが、原料米は水切りをしてから蒸し工程に入るため、浸漬水に含まれている大豆多糖類並びにトレハロースが捨てられ無駄が多く、また、原料米に浸透付着した量だけでは不足で本発明の効果が得られない。溶解水を蒸し米に高温状態で浸透させる事で米粒は被膜で覆われるため本発明の効果が得られる。 【0009】 本発明にいう、大豆多糖類は、大豆の子葉部分から得られる水溶性の多糖類で、被膜性があると共に水分の発散が抑制されると言われており、大豆多糖類を蒸し米、又は、炊飯米に含有させることにより、米粒は被膜され潰れにくく米粒からの水分の発散が抑制される作用がある。よっておはぎ生地に含有させることにより、米粒は被膜され包餡機の機械成形でも粒は潰れにくく粒感があり軟らかさを保ったおはぎとなる。また、トレハロースは、糊化された澱粉に含有させると澱粉に混在する自由水は糖質の結合水に変換させることで水分の発散を抑制する作用があると言われている。よって大豆多糖類と併用しておはぎ生地に含有させると、おはぎ生地は更に軟らかさを保つ事ができる。なお、トレハロース単独の含有では粒感を残す効果はない。また、大豆多糖類は甘味がない素材であり甘味の無いおはぎ生地の提供が可能で、本発明のおはぎ生地でおはぎを作ると粒感があり、餡の甘味と調和して美味しいおはぎの提供ができる。以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これに限定されるものではない。 【実施例1】 【0010】 もち米4,000gを常法に従い水洗いし浸漬後水切りしセイロ蒸しを行う。一方、蒸し米に加水する80℃程度のお湯2,000gを容器に用意し、その中にサンプル1として、大豆多糖類170gと味付けとして食塩20gを添加し溶解した溶解水を設ける。サンプル2として、同様のお湯に、大豆多糖類170g及びトレハロース150g並びに食塩20gを添加し溶解した溶解水を設ける。更に、サンプル3として、無添加の同様のお湯を設け、3種類のサンプルを設ける。何れにも蒸し揚げた直後の蒸し米を入れ容器の中で混ぜ合わせ蓋をする。仕込み後の容器内の生地の温度は何れも82℃であった。1時間経過後生地温度を常温程度まで冷却機で冷やしてから、包餡機でそれぞれ小倉おはぎに成形し冷凍保存した。 【0011】 おはぎ生地の軟らかさ並びに粒感の官能評価のため、小倉おはぎを6℃の冷蔵庫内で解凍後、10℃の保管ケースに移し、24時間経過後、36時間経過後、48時間経過後のそれぞれのおはぎ生地の状態を官能評価した。その結果サンプル1の大豆多糖類単独のおはぎ生地は36時間経過までは作りたてと同じ軟らかさを保っているが、48時間経過では多少硬めであったが、食するには支障の無いものであった。サンプル2のトレハロース併用のおはぎ生地は、48時間経過でも作りたてと同じ軟らかさを保っている。無添加の物は、24時間経過ですでに作り立ての時の食感は無くおはぎ生地全体が固まって団子状となっており、48時間経過では、箸が刺さらない状態となっていた。なお、おはぎ生地の米粒の状態はテスト1、2に於いては粒感の良好なおはぎ生地であったが、サンプル3の無添加のおはぎ生地は、粒感はほとんどなく団子状の状態であった。 【実施例2】 【0012】 もち米1,200gとうるち米300gを常法に従い水洗いし、炊飯水2,100gに対しサンプル4として、大豆多糖類63g及び食塩7.5gを添加した炊飯水を設ける。サンプル5として、同様の炊飯水に大豆多糖類63g及びトレハロース55g並びに食塩7.5g添加した炊飯水を設ける。更に、サンプル6として無添加の炊飯水を設け、3種類のサンプルを設けた。何れにも水洗いした米を炊飯水に入れ混ぜ合せ炊飯器で炊飯した。 【0013】 炊飯後は実施例1と同様の工程で小倉おはぎに成形し、官能評価についても同様に行った。その結果サンプル4の大豆多糖類単独並びにサンプル5のトレハロース併用のおはぎ生地は、48時間経過でも何れも作りたてと同じ軟らかさを保っていた。サンプル6の無添加のおはぎ生地は、24時間経過で既に団子状で粘りが強く食べられる状態で無く、48時間経過ではサンプル3と同様な状態となった。なお、おはぎ生地の米粒の状態は、サンプル4,5に於いては、サンプル1,2よりは多少潰れ気味であったが食感には大差なかった。 【発明の効果】 【0014】 上記の様に本発明によれば、大豆多糖類、及び、トレハロースをおはぎ生地に含有させる事により、おはぎ生地が硬化するという品質劣化を改善し、併せ包餡機など機械成形しても米粒が潰れにくく粒感のあるおはぎの製造が可能になった。近年は甘味を抑えた和菓子が望まれており、大豆多糖類には甘味が無いので、甘味が抑制された粒感のあるおはぎ生地で作られたおはぎは、時代に即したおはぎである。また、冷凍保存が可能なため、需要期に合わせた大量製造による製造コストの低減と冷凍流通による販路拡大ができるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】503015802 【氏名又は名称】片桐 知
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| 【出願日】 |
平成18年7月19日(2006.7.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−22839(P2008−22839A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−222115(P2006−222115) |
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