| 【発明の名称】 |
冷菓の製造方法および冷菓 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】かき氷等の冷菓において、容器内の氷片が凍結し難く、消費者が食する際のスプーンを通し易くし、柔らかい食感が得られるようにする。
【構成】切削工程は−4℃以下に冷却された氷塊13に対してこの氷塊の冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃17を線接触させて切削して氷片19を得る。充填工程は、その温度雰囲気中でその氷片19を容器23内に充填する。密封工程は、その氷片19の充填された容器23を密封する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 −4℃以下に冷却された氷塊に対してこの氷塊の前記冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃を線接触させて氷片を切削する切削工程と、 前記温度雰囲気中で前記氷片を容器内に充填する充填工程と、 前記氷片の充填された前記容器を密封する密封工程と、 を具備することを特徴とする冷菓の製造方法。 【請求項2】 前記温度雰囲気は、前記冷却された氷塊温度より数℃低いものである請求項1記載の冷菓の製造方法。 【請求項3】 前記密封工程前に、前記容器に充填された前記氷片内に糖液を部分的に注入してなる請求項1又は2記載の冷菓の製造方法。 【請求項4】 増粘剤の付加された前記糖液を柱状に注入してなる請求項3記載の冷菓の製造方法。 【請求項5】 前記密封工程前に、前記容器に充填された前記氷片表面に液化不活性ガスを吹き付け処理する請求項1〜4のいずれか1項記載の冷菓の製造方法。 【請求項6】 −4℃以下に冷却された氷塊からこの冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃にて切削された氷片が、前記温度雰囲気中で容器内に充填されるとともに前記容器が密封されてなることを特徴とする冷菓。 【請求項7】 前記容器に充填された前記氷片内に糖液が部分的に注入されてなる請求項6記載の冷菓。 【請求項8】 増粘剤の付加された前記糖液が、前記氷片内に柱状に注入されてなる請求項7記載の冷菓。 【請求項9】 密封された前記容器内に不活性ガスが充填されてなる請求項6〜8のいずれか1項記載の冷菓の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は冷菓の製造方法および冷菓に係り、特に、氷塊から切り出した氷片を容器に詰めてなる所謂「かき氷」等の冷菓の製造方法および冷菓に関する。 【背景技術】 【0002】 この種の冷菓は、図6に示すように、表面に多数の鋲1を設けた回転ドラム3に氷塊5の端面に押し当て、回転する回転ドラム3の鋲1によって削られた氷片7を下方の貯留槽9内に溜め、この貯留槽9内にシロップ等の糖液を混入して混練し、所定の容器11内に充填した後、蓋をして製品化される。 【0003】 ところが、この種の冷菓は、通常、−20℃程度の低温環境下で流通させたり店頭に陳列されるから、容器11内の氷片7が凍結して固まり、蓋を取って開封後に食しようとすると、容器11内が硬くてスプーンが入り難いことは、消費者に良く経験するところである。 【0004】 そこで、従来、例えば実開平5−85287号公報(特許文献1)のような構成が提案されている。 【0005】 すなわち、この構成は、切削したままの氷片を例えば不活性ガスと混合して互いに接着しにくい状態で容器本体に収納するとともに、種々のシロップ類を部分的に注入し、さらに上記容器本体に蓋体を取りつけてなるもので、容器本体内の氷片を簡単にスプーンですくい取ることが可能で、サクサク感のある食感が得れるようにしたものである。 【特許文献1】実開平5−85287号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、上述した特許文献1のような構成は、実際には、氷片が粗い削り氷か、氷片が細かい粉氷かの何れかしか得ることが困難で、改善の余地があった。 【0007】 本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、消費者が食する際のスプーン等の通りを良くすることが可能な冷菓の製造方法および冷菓の提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 そのような課題を解決するために本発明に係る冷菓の製造方法は、−4℃以下に冷却された氷塊に対してこの氷塊の冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃を線接触させて氷片を切削する切削工程と、その温度雰囲気中でその氷片を容器内に充填する充填工程と、その氷片の充填されたその容器を密封する密封工程とを具備している。 【0009】 そして、本発明では、上記温度雰囲気をその冷却された氷塊温度より数℃低いものにすると好ましい。 【0010】 また、本発明では、上記密封工程前に、その容器に充填された氷片内に糖液を部分的に注入した構成も可能である。 【0011】 さらに、本発明では、増粘剤の付加されたその糖液を柱状に注入した構成も可能である。 【0012】 さらにまた、本発明では、上記密封工程前に、その容器に充填された氷片表面に液化不活性ガスを吹き付け処理する構成も可能である。 【0013】 そして、本発明に係る冷菓は、−4℃以下に冷却された氷塊からこの冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃にて切削された氷片が、その温度雰囲気中で容器内に充填され、その容器が密封されてなるものである。 【0014】 また、本発明では、上記容器に充填されたその氷片内に糖液が部分的に注入されてなる構成も可能である。 【0015】 さらに、本発明では、増粘剤の付加された上記糖液がその氷片内に柱状に注入させる構成も可能である。 【0016】 さらにまた、本発明では、密封された上記容器内に不活性ガスを充填する構成も可能である。 【発明の効果】 【0017】 このような本発明に係る冷菓の製造方法は、−4℃以下に冷却された氷塊に対してこの冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃を線接触させて氷片を切削し、その温度雰囲気中でその氷片を容器内に充填し、その氷片の充填されたその容器を密封するから、適切な温度管理により、食する際のスプーン等の通りを良くすることが可能で、製造装置を複雑化させ難い効果がある。 【0018】 そして、本発明に係る冷菓は、−4℃以下に冷却された氷塊からこの冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃にて切削された氷片が、その温度雰囲気中で容器内に充填され、その容器が密封されてなるから、同様に食する際のスプーン等の通りを良くすることが可能であるし、製造装置を複雑化させ難い効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。 【0020】 図1〜図3は本発明に係る冷菓の製造方法の実施の形態を示す概略図である。なお、本発明に係る冷菓についてはその製造方法を説明する過程で説明する。 【0021】 図1〜図3において、氷塊13は、従来公知の製法で円柱状又は角柱状に製造されたものであり、−4℃又はそれ以下の低温になっており、例えば横置きされた状態で支持されている。 【0022】 氷塊13の一方の先端面近傍には、僅かな間隔例えば数mm程度の間隔を置いて回転板15が平行に対面するように配置されている。 【0023】 この回転板15は、図示しないモータ等の公知の回転駆動装置からギアー等の公知の駆動伝達手段によって平面的に回転駆動されるように中央部が支持されている。 【0024】 回転板15には、氷塊13の直径寸法より若干長い板状の切削刃17が例えば直線状に1対固定されるとともに、各切削刃17の刃部分が回転板15から氷塊13の先端面に向けて数mm程度突出している。 【0025】 氷塊13は、図示しない支持手段によって、その先端面が回転板15の切削刃17に圧接するように付勢されており、回転板15が回転駆動されると、各切削刃17が氷塊13の先端面に線状に当たりながら切削するようになっており(切削工程)、氷塊13はその切削ピッチに連動して回転板15方向に変移されるようになっている。 【0026】 削られた氷片19は線状に切削され、下部に配置された貯留槽21に溜まるようになっている。 【0027】 それら氷塊13、回転板15および貯留槽21は、氷塊13の温度以下又はそれより数℃低い製造温度雰囲気中に配置され、その製造温度雰囲気中で氷片19の切削および貯留がなされている。 【0028】 貯留槽21内に溜められた氷片19は所定量に計量され、図4に示すように、例えば発泡スチロールやプラスッチク製のコップ状容器23内に移送されるとともに製造温度雰囲気中で充填される(充填工程)。 【0029】 そして、シロップ等の糖液27を入れた供給槽29から延びる長さの異なる複数本のノズル25を容器23内の氷片19に分散挿入し、容器23内の氷片19に糖液27を部分的に注入する。なお、注入しながらノズル25を徐々に引き上げれば、容器23内の氷片19に糖液27を柱状に注入できる。 【0030】 糖液27は、抹茶味であれば「白双糖」を主体として還元水飴「アマミール」(登録商標)を添加し、抹茶を混練したものであり、−18℃程度の低温下でも凍ることなく柔らかさを保つものが好適する。 【0031】 苺味であれば、糖液27は、果実に含まれる単糖類である「果糖」を主体として還元水飴「アマミール」を添加して苺果汁を混練し、酸味料等を加えたものであり、同様に−18℃程度の低温下でも凍ることなく柔らかさを保つものが好適する。 【0032】 なお、「アマミール」を使用する利点は、凝固点(氷点)を下げることができるうえ、甘味度が砂糖の40〜50%と低く、甘さを抑えることができることにある。 【0033】 その後、氷片19表面に液化不活性ガスを吹き付け、図5に示すように、容器23の開口部をシール部材31でシール加工して密封し(密封工程)、その上から容器23にキャップ33を嵌めて製品化される。 なお、図5中の符号35は氷片19表面に載せた餡等であり、同図では、分かり易くするために、シール部材31を容器23から浮かした状態で図示している。 【0034】 餡35は、こしあんに砂糖・水飴を添加・混練したのち、粒状の小豆(甘納豆)を添加したもので、糖度を68%に設定し、−18℃程度の低温化でも凍ることなく柔らかさを保てるものが好適する。 【0035】 また、こしあんソース部と、粒餡部に分けた作り方をすれば、一塊化を防ぎ凍結状態でもスプーン通りが良くなるとともに、常温下での風味が良好となる。 【0036】 さらに、苺においては、苺果肉・果汁に砂糖・果糖・水飴を添加・混練した後に酸味料等を添加したものであり、糖度を60%に設定し、−18℃程度の低温化でも凍ることなく柔らかさを保てるものが好適する。 【0037】 そして、それら糖液27の注入、シール部材31の密封、キャップ33の嵌合までが製造温度環境中でなされる。 【0038】 その後は、従来のように−20℃程度の低温下で流通されるとともに店頭で展示、販売される。 【0039】 このように本発明に係る冷菓の製造方法は、−4℃以下に冷却された氷塊13に対してその冷却温度以下の温度雰囲気中で切削刃17を線接触させて切削して氷片19を得る切削工程と、その温度雰囲気中でその氷片19を容器23内に充填する充填工程と、その氷片19の充填された容器23を密封する密封工程とを有する。 【0040】 そのため、削った氷片の接点が少ないうえ氷片の密度が低くなり、削った氷片が再凍結し難く、粉状で良好なさくさく感を得ることが可能で、柔らかく軽いスプーン通しが得られる。 【0041】 この点、従来例では、氷片を粗い削り氷か、細かい粉氷のいずれかしか得られず、氷片同士の接着状態や氷片の硬さから、スプーン通しはチャリチャリして硬くなり易った。 【0042】 しかも、氷塊13の温度よりも低温度環境下で氷片19を切削するから、純粋に氷だけの部分が多く氷片19が再凍結し難く、さくさく感のある「かき氷」が得られる。 【0043】 特に、液化窒素を工程雰囲気中で噴射し、氷塊13の温度よりも数℃低い温度雰囲気中で行えば、氷片19が再凍結し難いうえ、冷却エネルギーを節約できる。 【0044】 さらに、容器23内の氷片19に糖液27を分散して充填するから、糖液27による氷点降下が部分的な現象となり、全体としてヒートショックに強く溶け難い効果が得られる。 【0045】 さらにまた、糖液27に増粘剤を混入するから、糖液27が高糖度を有しても凍結して白濁化せず、艶やかな光沢感を低温下においても維持できる利点がある。 【0046】 ところで、本発明に係る冷菓は、上述したように、−4℃以下に冷却された氷塊13から切削刃17にて切削された氷片19が、その氷塊13の冷却温度以下の温度雰囲気中で容器23内に充填され、その容器13が密封されてなるから、その容器23内で氷片19が凍結し難く、消費者が食する際のスプーン等の通りを良くすることが可能で、柔らかい食感が得られる。 【0047】 また、上述した本発明に係る冷菓の製造方法における切削工程では、氷塊13を横置きして行ったが、本発明では氷塊13を上下方向に縦置きして切削する構成も可能であるし、氷塊13を固定して回転板15の回転によって切削する構成に限らず、回転板15を固定して氷塊13側を回転させる構成、更には双方を逆方向に回転駆動する構成も可能である。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本発明に係る冷菓の製造方法に用いる装置の実施の一形態を示す概略斜視図である。 【図2】本発明に係る冷菓の製造方法に用いる装置の要部を示す概略正面図である。 【図3】本発明に係る冷菓の製造方法に用いる装置の要部を示す概略側面図である。 【図4】本発明に係る冷菓の製造方法の一工程を示す断面図である。 【図5】本発明に係る冷菓の実施の形態例を示す断面図である。 【図6】従来の冷菓の製造方法を示す概略図である。 【符号の説明】 【0049】 1 鋲 3 回転ドラム 5、13 氷塊 7、19 氷片 9、21 貯留槽 11、23 容器 15 回転板 17 切削刃 25 ノズル 27 糖液 29 供給槽 31 シール部材 33 キャップ 35 餡
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| 【出願人】 |
【識別番号】593222698 【氏名又は名称】赤城乳業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月24日(2006.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085578 【弁理士】 【氏名又は名称】斎藤 美晴
【識別番号】100076211 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−22793(P2008−22793A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−200395(P2006−200395) |
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