| 【発明の名称】 |
冷菓製造装置および冷菓製造装置のフロント構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】中島 範昭
【氏名】手塚 真弘
【氏名】野津 武志
【氏名】森田 丈晴
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| 【要約】 |
【課題】ソフトクリーム、アイスクリーム、あるいはシェイクなどの冷菓を、消費者の要求する硬さで、尖端が鋭く尖ってカールした状態で美しく盛り付けることができる冷菓製造装置およびそのフロント構造を提供する。
【構成】冷菓製造装置のフロント構造10は、冷菓の供給方向に垂直な方向の開口部の六芒星型形状の断面が、前記供給方向上流端の断面から下流端の断面へと小さく絞り込まれたテーパー形状の冷菓供給部4を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷菓を装置外部へ供給するための開口部が形成された冷菓供給部を備え、 前記開口部は、冷菓の供給方向に垂直な方向の断面が、前記供給方向上流端の断面から下流端の断面へと小さく絞り込まれた、テーパー形状に形成されてなることを特徴とする冷菓製造装置のフロント構造。 【請求項2】 前記冷菓の供給方向に対する前記開口部の内壁の傾斜角が、10°から30°であることを特徴とする請求項1記載の冷菓製造装置のフロント構造。 【請求項3】 前記開口部の断面が、複数の芒部が中心から外に向かって突出して広がる星型形状であることを特徴とする請求項1記載の冷菓製造装置のフロント構造。 【請求項4】 前記冷菓供給部が、本体から着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の冷菓製造装置のフロント構造。 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかに記載のフロント構造を備え、さらに、前記冷菓供給部の開口部を洗浄するための洗浄機構を備えていることを特徴とする冷菓製造装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、冷菓製造装置およびそのフロント構造に関し、特に、美観に優れた冷菓の盛り付けを可能とする冷菓製造装置およびそのフロント構造に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、デザートとして食する菓子類は、主要な料理以上に見て楽しむ側面が大きく盛り付けた状態での美観が重視される。ソフトクリーム、アイスクリーム、あるいはシェイクなどの冷菓においても、消費者は、味のみならず、美観に優れた盛り付けを重視する傾向にある。また、上記冷菓の消費者は、冷たく適度な固さの舌触りを楽しむことも同時に期待する。 【0003】 上記冷菓の中でも、特にソフトクリーム等の美観に優れた盛り付けの手法として、トップが鋭く尖りカールした状態で(以下、カールトップ形状と称す)、コーン、カップ、皿等の盛り付け容器に盛り付ける手法がある。 【0004】 ところで、ソフトクリーム等の冷菓を製造販売するために用いられる冷菓製造装置としては、例えば、図5に示すフロント構造を有するものが一般的に用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。 【0005】 図5および図6(a)は、上記従来の一般的な冷菓製造装置のフロント部100の概略構成を示している。図5に示すように、フロント部100は、フロント蓋部102と、プランジャ103とを備えている。フロント蓋部102には、一方の端部が冷菓製造装置本体(図5には図示せず)につながる冷菓供給通路107が形成されている。さらに、冷菓供給通路107の他方の端部は、冷菓を外部に供給するための冷菓供給部104が形成されている。冷菓供給部104は、図5に示すように、フロント蓋部102と一体に形成されており、冷菓供給部104には、冷菓の供給口(押出口)となる開口部(供給口)104aが形成されている。プランジャ103は、冷菓供給通路107および冷菓供給部104を開閉するように移動可能となっている。 【0006】 また、図6(b)は従来の冷菓供給部104が有する開口部104aの形状の一例を示しており、例えば、六つの芒部が中心から外に向かって突出して広がる六芒星型形状となっている。なお、図6(a)および(b)に示すように、冷菓供給部104の開口部104aは、開口幅W104を有し、開口部104aの内壁は、冷菓供給方向と平行に形成されている。 【0007】 上記の構成の冷菓製造装置では、装置内に冷菓の原料が仕込まれた後、冷却運転を開始し冷菓を製造する。そして、製造された冷菓は、冷菓供給通路107の開放により、冷菓供給部104の開口部104aを通って、コーン109に盛り付けられる。なお、図5における盛り付けられた冷菓を、便宜上、盛り付け冷菓108と称する。 【特許文献1】特開平7−123924号公報(1995年05月16日公開) 【特許文献2】特開2003−199502号公報(2003年07月15日公開) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 ところが、上記従来の冷菓製造装置では、前記カールトップ形状の盛り付けの再現性に劣る場合がある。 【0009】 具体的には、製造された最初の冷菓が装置から取り出される段階では、プランジャ103および冷菓供給部104周辺の温度は、依然室温に近い。このため、製造された冷菓を取り出す際に、これらの部材との接触面で温められた冷菓は、開口部104aの外周104bに接する部分が溶け出した状態でごそっと抜けてしまう。 【0010】 このように、プランジャ103の冷菓供給方向下流端部および冷菓供給部104が冷菓の温度近くまで冷却されるまでの間に製造された冷菓は、開口部104aに接する部分が溶け出した状態で押し出されてしまう。その結果、図5に示すように、盛り付け冷菓108は、先端が尖らずギザギザした状態(説明の便宜上、以下、「ギザギザ形状」と称す)で押し出されるため、盛り付け冷菓108の美観が損なわれてしまう。 【0011】 しかも、上記プランジャ103および冷菓供給部104周辺が冷菓の温度近くまで冷却されるまでの間、先端が上記「ギザギザ形状」となる盛り付けが続くこととなる。つまり、フロント部100が十分に冷却されていない状態では、カールトップ形状の盛り付けを実現することは困難となっている。 【0012】 さらに、プランジャ103、冷菓供給通路107、冷菓供給部104等が、一般に冷却しにくい樹脂から形成されている場合、上記の問題は顕著となる。 【0013】 また、冷菓の消費者は、より固い冷菓を好む場合もある。ところが、このような消費者の要求に応じて冷菓を硬くした場合、冷菓が冷菓供給部104からごっそり離れやすくなるため、冷菓108の先端部が図5に示すような「ギザギザ形状」で押出されやすくなるといった問題があった。 【0014】 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ソフトクリーム、アイスクリーム、シェイクなどの冷菓を、消費者の要求する硬さで、美観に優れたカールトップ形状で取り出し盛り付けることができる冷菓製造装置およびそのフロント構造を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0015】 本発明者は、上記カールトップ形状での冷菓の盛り付けを実現すべく、鋭意研究を重ねた結果、上記冷菓供給部が冷菓をホールドする力(保持力)に対し、冷菓そのものの引っ張り強さ(引きちぎり強度)が大きくなるほど、冷菓がまとまって抜けやすくなり、逆に、上記保持力に対し、引きちぎり強度が小さくなるほど、カールトップ形状が実現しやすくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。 【0016】 すなわち、本発明の冷菓製造装置のフロント構造は、上記課題を解決するために、冷菓を装置外部へ供給するための開口部が形成された冷菓供給部を備え、前記開口部は、冷菓の供給方向に垂直な方向の断面が、前記供給方向上流端の断面から下流端の断面へと小さく絞り込まれた、テーパー形状に形成されてなることを特徴としている。 【0017】 上記の構成によれば、冷菓供給部の開口部を、冷菓の供給方向に絞り込まれたテーパー形状に形成している。このため、製造された冷菓の供給終了時、すなわち、盛り付け冷菓が開口部から離れる直前の状態において、上記冷菓供給部が、上記開口部で冷菓をホールドする力を大きくすることができる。 【0018】 すなわち、冷菓供給部の開口部をテーパー形状とするのみで、他の条件(冷菓の成分、温度、冷菓に加える圧力)一定の下、冷菓そのものの引っ張り強さ(引きちぎり強度)に対し、冷菓をホールドする力(保持力)を大きくすることができる。また、上記開口部のテーパーの角度は、提供する冷菓の硬さ等に応じて選択することができる。 【0019】 この結果、消費者の要求する硬さで、美観に優れたカールトップ形状で取り出し盛り付けることができる冷菓製造装置のフロント構造を実現することができる。 【0020】 また、冷菓の成分変更、冷却温度変更を要することもないため、従来の冷菓製造装置で製造され押出される冷菓から、硬さや温度等に影響される舌触りおよび味の変更を要することなく美観に優れたカールトップ形状での盛り付けを実現することができる。 【0021】 また、供給方向下流端の開口部(供給口)の大きさ・形状が、従来のものと同じであれば、盛り付けられた冷菓の全体の形状を変更することなく、上記保持力アップの効果を実現することができる。 【0022】 さらに、新たな部材を要することもないため、簡単な構成で、コストの大幅な増加を要することなく、美観にすぐれたカールトップ形状で冷菓を安定して盛り付けることができる。 【0023】 上記の構成において、冷菓の供給方向に対する上記開口部の内壁の傾斜角は、冷菓の硬さ等に応じて適宜調整可能であるが、一般に用いられる冷菓製造装置のフロント構造、冷菓の硬さ、粘度、温度等の条件から10°から30°の範囲が好ましい。 【0024】 上記の構成において、前記開口部の断面が、複数の芒部が中心から外に向かって突出して広がる星型形状であることが望ましい。 【0025】 上記の構成によれば、上記開口部の断面が星型形状に形成されていることにより、冷菓供給部から供給される冷菓の断面も星型となる。それゆえ、先端のカールトップ形状とともに盛り付けられる冷菓の装飾性をより向上させることができる。 【0026】 また、前記冷菓供給部は、本体から着脱可能に設けることができる。 【0027】 上記の構成によれば、上記冷菓供給部が着脱可能に設けられているため、提供する冷菓の硬さ、温度等の条件に合わせて最適なテーパーの開口部または最適な形状の開口部を有する冷菓供給部を選択し取り付けることができる。 【0028】 また、冷菓供給部を本体から取り外し丸洗いすることができるため、容易に洗浄することができる。 【0029】 本発明の冷菓製造装置は、上記課題を解決するために、本発明の上記フロント構造を備え、さらに、前記冷菓供給部の開口部を洗浄するための洗浄機構を備えていることを特徴としている。 【0030】 上記の構成によれば、テーパー形状に形成された開口部を洗浄する洗浄機構を備えているため、例えば、該開口部に水を吹きつけることにより、開口部に残存する冷菓を取り除くことができる。 【0031】 洗浄機構による開口部の洗浄を行うと、開口部の温度が上がってしまうため、従来の構成では、洗浄後に盛り付けられる冷菓は、「ギザギザ形状」で押し出され、盛り付け冷菓の美観が損なわれてしまう。これに対し、本願発明の構成によれば、上記開口部がテーパー形状に形成されているため、冷菓の保持力を大きくすることができる。このため、たとえ、洗浄により開口部の温度が上がったとしても、盛り付け冷菓の美観を損なうことなく、開口部を洗浄することができる。 【発明の効果】 【0032】 本発明の冷菓製造装置のフロント構造は、以上のように、冷菓を装置外部へ供給するための開口部が形成された冷菓供給部を備え、前記開口部は、冷菓の供給方向に垂直な方向の各断面が、前記供給方向上流端の断面から下流端の断面へと小さく絞り込まれた、テーパー形状に形成されてなることを特徴としている。 【0033】 上記構成により、前記冷菓供給部の開口部において、供給される冷菓の保持力を向上させることができるので、冷菓の盛り付け時に、先端をカールトップ形状とすることが容易となる。それゆえ、消費者の要求する硬さで、美観に優れたカールトップ形状で取り出し盛り付けることができる冷菓製造装置のフロント構造を実現できるという効果を奏する。 【0034】 本発明の冷菓製造装置は、以上のように、本発明の上記フロント構造を備え、さらに、前記冷菓供給部の開口部を洗浄するための洗浄機構を備えていることを特徴としている。 【0035】 上記の構成によれば、盛り付け冷菓の美観を損なうことなく、開口部に残存する冷菓を洗浄により取り除くことができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0036】 〔実施の形態1〕 本発明における実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。 【0037】 図1は、本実施の形態にかかる冷菓製造装置のフロント部10の概略構成を示している。図1に示すように、フロント部10は、冷菓供給通路7、冷菓供給部4が形成されたフロント蓋部(本体)2と、プランジャ3とを備えている。 【0038】 フロント蓋部2は、冷却シリンダ5の装置前方側の開口部を封止するように設けられている。プランジャ3は、冷菓供給通路7を開閉するように移動可能(図中、上下方向)に設けられており、冷菓の供給方向下流側(図中、下端)に位置した状態で冷菓供給通路7を閉止し、上流側(図中、上端)に位置した状態で冷菓供給通路7を開放するように構成されている。 【0039】 フロント蓋部2に形成された冷菓供給部4には、製造された冷菓を装置外部へ供給するための供給口4aが形成されている。図2(a)は、本実施形態にかかる冷菓供給部4の具体的な構成を示す要部断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す冷菓供給口4の供給口4aの開口形状を示す平面図である。 【0040】 本実施の形態では、図1および図2(a)に示すように、冷菓供給部4の供給口4aは、冷菓の供給方向に垂直な方向の断面が、前記供給方向上流端の断面から下流端の断面へと小さく絞り込まれた、テーパー形状に形成されている。 【0041】 すなわち、図2(a)および図2(b)に示すように、供給口4aの上流端の断面は、最大幅W2に形成されており、下流端の断面は、最大幅W1に形成されている。供給口4aの内壁4bは、図2(a)に示すように、冷菓の押出方向に対し、角度θに傾斜している。 【0042】 供給口4aの内壁4bの角度θは、特に限定されず、供給方向に対し角度を有する(5°<θ<45°)限り、供給口4aで冷菓をホールドする力(保持力)を大きくすることができる。 【0043】 また、上記内壁4bの角度θは、製造され押出される冷菓の硬さ、粘度、温度等の条件に合わせて適宜調整することができる。 【0044】 一般に、冷菓は硬くなるほど、冷菓供給部4からごっそり離れやすくなるため、盛り付けられた冷菓の先端部が図5に示すような「ギザギザ形状」で押出されやすくなる。したがって、冷菓が硬くなるほど、冷菓8の盛り付けの美観が損なわれやすくなる。 【0045】 本実施の形態の冷菓供給部4の構成によれば、内壁4bの角度θを、冷菓の硬さ等に応じて適宜大きくするだけで、硬い冷菓を盛り付ける場合であっても安定して美しいカールトップ形状を実現することができる。 【0046】 このように、内壁4bの角度θは、冷菓の硬さ等に応じて適宜調整可能であるが、一般に用いられる冷菓製造装置のフロント構造、冷菓の硬さ、粘度、温度等の条件から10°から30°の範囲が好ましい。 【0047】 図3は、供給終了時、すなわち、供給口4aから離れる直前の冷菓の状態を示している。上記のように、供給口4aを、冷菓の供給方向に絞り込まれたテーパー形状に形成することで、冷菓供給部4が、供給口4aで冷菓をホールドする力を大きくすることができる。すなわち、他の条件(冷菓の成分、温度、冷菓に加える圧力)一定の下、図3に示す状態における、冷菓そのものの引っ張り強さ(引きちぎり強度)に対し、冷菓供給部4が冷菓をホールドする力(保持力)を大きくすることができる。 【0048】 また、供給口4aの開口形状は特に限定されるものではないが、好ましい一例として、図2(b)にも示すように、上述した、複数の芒部が中心から外に向かって突出して広がる星型形状を挙げることができる。 【0049】 このように、供給口4aの開口形状が星型形状であれば、盛り付けられる冷菓の外側面には、星型の芒部に応じた線状の突出部が形成される。この突出部は、盛り付けられた冷菓の外観に装飾性を付与することができる。例えば、図1に示すように、とぐろ巻き状にコーン9に盛り付けられた冷菓8(盛り付け冷菓8)において、とぐろ巻き形状にそって線状の突出部が形成されることになる。これによって、凹凸の無い状態で盛り付けられた状態と比べて、盛り付け冷菓8の装飾性を向上することができる。 【0050】 なお、図2(b)では、六つの芒部が中心から外に向かって突出して広がる六芒星型形状を例示しているが、星型形状はこの構成に限定されないことは言うまでもなく、たとえば、芒部の数が4、5または7…の四芒星、五芒星または七芒星型形状等にすることが可能であり、さらには星型形状に限らず、三角形、四角形等の多角形、または円形もしくは楕円形等としてもよい。 【0051】 さらに、供給方向下流端の供給口4aの幅W2は、従来のものと同じ大きさ・形状にしている。このため、盛り付けられた冷菓の全体の形状を変更することなく、上記保持力アップの効果を実現することができる。 【0052】 また、本実施の形態の構成によれば、冷菓の成分変更、冷却温度変更を要することもないため、従来の冷菓製造装置で製造され押出される冷菓から、硬さや温度等に影響される舌触りおよび味の変更を要することなく美観に優れた冷菓8の盛り付けを実現することができる。 【0053】 さらに、冷菓供給部4の供給口4aの内壁4bの角度を変更するだけで、新たな部材を要することなく、保持力アップの効果を得ることができる。このため、簡単な構成で、大幅なコスト増加を要することなく、美観にすぐれたカールトップ形状での盛り付け冷菓8を安定して提供することができる。 【0054】 本実施の形態にかかる冷菓製造装置は、さらに、冷菓供給部4の供給口4aを洗浄するための洗浄機構(図示せず)を備えている構成としてもよい。 【0055】 上記の構成によれば、テーパー形状に形成された供給口4aを洗浄する洗浄機構を備えているため、例えば、供給口4aに水を吹きつけることにより、開口部4aに残存する冷菓を取り除くことができる。上記洗浄機構は、例えば、供給口4a近傍に着脱可能に取り付けることができる。 【0056】 洗浄機構による供給口4aの洗浄を行うと、供給口4aの温度が上がってしまうため、従来の構成では、洗浄後に盛り付けられる冷菓は、ギザギザ形状で押し出され、盛り付け冷菓の美観が損なわれてしまう。これに対し、本実施の形態の構成によれば、供給口4aがテーパー形状に形成されているため、図3に示す製造された冷菓の供給終了時における保持力を大きくすることができる。このため、たとえ、洗浄により供給口4aの温度が上がったとしても、盛り付け冷菓8の美観を損なうことなく、供給口4aを洗浄することができる。 【0057】 このように、本発明では、特に冷菓供給部4の供給口4aの形状がテーパー形状になっていることが重要であるので、他の構成については上述した例に特に限定されるものではない。したがって、フロント蓋部2の上記開口部以外の構成、冷菓供給通路7等の構成も、公知の他の構成を採用することが可能である。さらに、図1では、冷却シリンダ5も部分的にしか図示していないが、この冷却シリンダ5を含む、冷菓製造装置の他の構成や他の部材も、公知の構成を適宜採用することができ、特に限定されるものではない。 【0058】 次に、本実施形態の冷菓製造装置による冷菓の盛り付け動作について具体的に説明する。なお、図1にも示すように、本実施形態では、冷菓としてソフトクリームを盛り付ける場合を説明するが、もちろん本発明はこれに限定されない。 【0059】 まず、冷菓製造装置の本体においてソフトクリームが製造される。製造されたソフトクリームは冷却シリンダ5内にて保存される。その後、ソフトクリームを取り出すときには、図1に示すように閉止状態にあるプランジャ3を、開放状態にする。これにより、冷却シリンダ5内のソフトクリームは、冷菓供給通路7を通り、冷菓供給部4まで押し出される。 【0060】 そして、冷菓供給部4の供給口4aからソフトクリームが棒状に押し出され供給されるので、例えばコーン9を盛り付け容器として用い、このコーン9に対して所望の形状に棒状のソフトクリームを盛り付けていく。一般に、ソフトクリームの盛り付けは、前記とぐろ巻き状が多く採用されるので、この場合は、とぐろ巻きとなるようにコーン9に回転動作を与えながら押し出し供給されるソフトクリームを盛り付けていけばよい。 【0061】 そして、盛り付け完了となれば、図1に示すようにプランジャ3を閉止状態にして、冷菓供給通路7を閉止する。このとき、冷菓供給部4の供給口4a内にはソフトクリームが残存している。この状態で、コーン9を動かして供給口4aからソフトクリームを切り離せば盛り付けは完了する。ここで、図3に示す製造された冷菓の供給終了時において、冷菓そのものの引っ張り強さ(引きちぎり強度)に対し、冷菓供給部4が冷菓をホールドする力(保持力)が小さければ、供給口4aに残存するソフトクリームはまとまって供給口4aから離れてしまうので、盛り付け冷菓8の先端は、図5に示すような「ギザギザ形状」となってしまう。 【0062】 これに対して本発明では、上記供給口4aが、冷菓(ソフトクリーム)の供給方向に絞り込まれたテーパー形状に形成されているので、供給口4aにおいて、従来よりも冷菓の保持状態を向上することができる。そのため、冷菓の保持力が高まり、供給口4aからソフトクリームがまとまって離れずに、供給口4aと盛り付け冷菓8の先端との間で引き伸ばされるような状態が生じる。この状態により、供給口4aからソフトクリームが完全に切り離されたときには、盛り付け冷菓8の先端(トップ)が鋭く尖る状態となる。その後、尖った先端は自重により緩やかにカールし、カールトップ形状が完成することになる。 【0063】 一般に、冷菓は硬くなるほど、供給口4aからまとまってごっそりと離れやすくなる。そのため、盛り付け冷菓8の先端部が図5に示すような「ギザギザ形状」で押出されやすくなる。したがって、冷菓が硬くなるほど、盛り付け冷菓8の美観が損なわれやすくなる。これに対して本発明では、供給口4aの形状をテーパー形状とすればよく、冷菓の成分変更、冷却温度変更を要することもない。そのため、従来の冷菓製造装置で製造され押出される冷菓から、硬さや温度等に影響される舌触りおよび味の変更を要することなく美観に優れた冷菓の盛り付けを実現することができる。 【0064】 なお、カールトップ形状の再現性を向上するには、冷菓供給部(供給口)の保持状態を向上するだけでなく、冷菓の引きちぎり強度の低下を図ることによっても達成可能である。それゆえ、本発明者は、冷菓そのものの引っ張り強さ(引きちぎり強度)を小さくする方法についても検討した。 【0065】 冷菓そのものの引っ張り強さは、例えば、冷菓の粘度を下げる、または冷菓を軟らかくすることによって小さくすることができる。しかしながら、この場合、成分変更を要するため非現実的と言える。 【0066】 冷菓製造装置には、硬さ調整部を備え容易に硬さ調整ができるものも多く、硬さ調整自体は問題ではない。しかしながら、カールトップを実現する目的で冷菓を軟らかくすれば、顧客の所望する硬さで提供できないといった問題や、盛り付け容器に盛り付けられない(または盛り付けにくい)、あるいは溶けやすく見た目に悪いといった問題があり、製品価値として考えた場合、限界がある。 【0067】 また、冷菓の温度を上げれば、冷菓そのものの引っ張り強さは小さくなる。しかしながら、冷菓を軟らかくした場合と同様に製品価値としての限界がある。 【0068】 以上の理由から、カールトップ形状の再現性を向上するには、冷菓供給部の保持状態を向上させる構成を採用することが好ましいことが明らかとなった。 【0069】 一方、冷菓供給部の保持状態を向上させる構成としては、本発明のようなテーパー形状の供給口以外の構成を採用することも可能である。そこで、本発明者は、供給口が冷菓をホールドする力を大きくする他の方法についても検討した。以下の説明では、図6(a)(b)を参照する。 【0070】 まず、冷菓をホールドする力は、供給口104aにおける冷菓に接触する面の面積を大きくすることで、大きくすることができる。しかしながら、接触面の面積の広げ方によっては、盛り付けた冷菓の全体形状が変わってしまうこととなる。さらに、供給口104aを含む周囲の構造(冷菓供給部104)が全体的に大きくなり、衛生面、コスト面での問題が生じるため現実的でない。 【0071】 また、製造された冷菓が供給される際に接触するプランジャ103およびその供給方向先端側に設けられた供給口104aの近傍(冷菓供給部104)の温度を下げることによって、上記保持力を大きくすることができる。しかしながら、上記プランジャ103、冷菓供給部104の温度を下げるために、冷却温度を下げると、冷菓供給通路107内で冷菓がガチガチに固まってしまい、冷菓を供給することができなくなる。 【0072】 また、上記プランジャ103の表面および供給口104aの内壁104bに親水性処理を施すことによって、上記保持力を大きくすることも可能である。しかしながら、この手法もコスト高となり、現実的でない。 【0073】 以上の理由から、冷菓供給部の保持状態を向上させるには、テーパー形状の供給口を採用することが好ましいことが最も有効であることが明らかとなった。 【0074】 このように、本実施の形態の構成によれば、冷菓供給部が有する供給口のテーパー角度θを変更するだけで、新たな部材を要することなく、保持力アップの効果を得ることができる。簡単な構成で、大幅なコスト増加を要することなく、美観にすぐれたカールトップ形状で冷菓を安定してコーンに盛り付けることができる。また、上記テーパー角度θは、冷菓の硬さ等の諸条件に応じて適宜変更するだけで、例えば、より硬い冷菓を盛り付ける場合であっても安定して美しいカールトップ形状を実現することができる。 【0075】 〔実施の形態2〕 本発明の他の実施形態について図4に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。 【0076】 図4は、本実施の形態にかかる冷菓供給部の他の構成例を示している。 【0077】 図4に示す冷菓供給部24は、フロント蓋部2(本体)から着脱可能に設けられている。その他の構成については、冷菓供給部24は、図2に示す冷菓供給部4と同様の構成を有している。 【0078】 すなわち、冷菓供給部24の供給口24aの上流端の最大幅は、図2の供給口4aの上流端の幅W1と等しく、下流端の最大幅は、供給口4aの下流端の最大幅W2と等しく形成されており、内壁24bは、内壁4bと同じ角度の傾斜θに形成されている。 【0079】 したがって、冷菓供給部24は、図2の冷菓供給部4が冷菓8をホールドする力と同じ力で冷菓8をホールドすることができる。 【0080】 図4の構成によれば、冷菓供給部24がフロント蓋部2から着脱可能に設けられているため、提供する冷菓の硬さ、温度等の条件に合わせて最適なテーパーの供給口24aまたは最適な形状の供給口24aを有する冷菓供給部24を選択し取り付けることができる。 【0081】 また、冷菓供給部24は、本体から取り外し丸洗いすることができるため、容易に洗浄することができる。 【0082】 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。 【産業上の利用可能性】 【0083】 本発明は、ソフトクリーム、アイスクリーム、シェイク等といった半固形状の冷菓を製造する冷菓製造装置に関する分野に好適に用いることができるだけでなく、冷菓製造装置の製造に関する分野、例えば、部品の製造に関する分野に好適に用いることができ、さらには、冷菓製造方法の分野にも広く用いることができる。 【図面の簡単な説明】 【0084】 【図1】本発明における実施の一形態にかかる冷菓製造装置のフロント部の概略構成を示す断面図である。 【図2】(a)は、図1に示すフロント部の冷菓供給部付近の構成を示す拡大断面図であり、(b)は、冷菓供給部の開口部の形状を示す拡大断面図である。 【図3】図1の冷菓製造装置で製造された冷菓が、供給口を離れる直前の状態を示す説明図である。 【図4】本発明におけるさらに他の実施の形態にかかる冷菓製造装置のフロント部の冷菓供給部付近の構成を示す断面図である。 【図5】従来の冷菓製造装置のフロント部の概略構成を示す断面図である。 【図6】(a)は、図5に示すフロント部の冷菓供給部付近の構成を示す拡大断面図であり、(b)は、冷菓供給部の開口部の形状を示す拡大断面図である。 【符号の説明】 【0085】 2 フロント蓋部 3 プランジャ 4 冷菓供給部 4a 供給口(開口部) 4b 内壁 5 冷却シリンダ 7 冷菓供給通路 10 フロント部 24 冷菓供給部 24a 供給口(開口部) 24b 内壁
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| 【出願人】 |
【識別番号】000226909 【氏名又は名称】日世冷機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月18日(2006.7.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000338 【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2008−22725(P2008−22725A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−196119(P2006−196119) |
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