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【発明の名称】 容器詰緑茶飲料
【発明者】 【氏名】古市 紀子

【氏名】板屋 枝里

【氏名】高橋 宏和

【要約】 【課題】風味を損うことなく、非重合体カテキン類を高濃度で含む容器詰飲料の苦味、渋味を低減する。

【構成】次の成分(A)〜(C):
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C):
(A)非重合体カテキン類 0.1〜0.5質量%、
(B)テアニン 0.003〜0.03質量%、
(C)グルタミン酸又はその塩 0.0008〜0.005質量%、
を含有し、
(C)/(B)が0.27以下で、かつ((B)+(C)×30)/(A)が0.3以上である容器詰緑茶飲料。
【請求項2】
緑茶抽出物の精製物を配合したものである請求項1記載の容器詰緑茶飲料。
【請求項3】
(A)非重合体カテキン類中の(D)非重合体カテキンガレート体類の割合(D)/(A)が0.3〜0.6である請求項1又は2記載の容器詰緑茶飲料。
【請求項4】
(E)カフェインを0.005〜0.04質量%含有する請求項1〜3のいずれか一項記載の容器詰緑茶飲料。
【請求項5】
(C)グルタミン酸又はその塩が、グルタミン酸、グルタミン酸Na、グルタミン酸K、グルタミン酸Ca及びグルタミン酸Mgから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれか一項記載の容器詰緑茶飲料。
【請求項6】
(F)サイクロデキストリンを0.01〜0.3質量%含有する請求項1〜5のいずれか一項記載の容器詰緑茶飲料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は非重合体カテキン類を高濃度に含有し、かつ苦味及び渋味を抑制させた容器詰緑茶飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
カテキン類の作用としては、コレステロール上昇抑制作用やα−アミラーゼ活性阻害作用などが報告されている。このような生理効果を発現させるためには、より簡便に大量のカテキン類を摂取するために、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれていた。
【0003】
カテキン類を高濃度に含む飲料は、飲んだときに苦味・渋味が強く感じられ、常飲が困難である。これら茶系飲料の苦味・渋味を低減する方法として、サイクロデキストリンを配合する方法(例えば特許文献1〜3)、テアニンを含有する「包種茶」を配合する方法(例えば特許文献4)、グルタミン酸を配合する方法(例えば特許文献5)が報告されている。
すなわち、特許文献1は、茶抽出物1質量部乾燥質量に対し、サイクロデキストリン2.5質量部以上を含有する茶抽出物含有組成物並びに同含有食品を、特許文献2は、カテキン類1質量%、カフェイン0.1質量%以下及びサイクロデキストリン0.1〜20質量%の各量を含む飲食物の製造に際し、茶抽出液に水蒸気賦活炭を作用させカフェインを吸着・除去する方法を、特許文献3は、カテキン及びサイクロデキストリンを各特定量含む容器詰飲料を開示している。
また、特許文献4は、通常の烏龍茶よりも発酵度の低い「包種茶」を50%以上配合することにより、テアニンの含有量を所定以上に設定し、茶の苦味や渋味を抑制する方法を、特許文献5は、カテキン及びグルタミン酸を各特定量含む茶系飲料を開示している。
【特許文献1】特開平3−168046号公報
【特許文献2】特開平10−4919号公報
【特許文献3】特開2002−238518号公報
【特許文献4】特開2000−197449号公報
【特許文献5】特開2006−42728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非重合体カテキン類を高濃度に含む容器詰飲料に、サイクロデキストリンを配合することによって加熱殺菌処理後の苦味・渋味を低減させるべく検討したところ、多量のサイクロデキストリンが必要であった。また、多量のサイクロデキストリンを配合するとサイクロデキストリン自身の風味によって飲料本来の風味が損なわれてしまう欠点があり、使用量については自ずと限界が生じることが判明した。
また、非重合体カテキン類を高濃度に含む容器詰飲料に、テアニン又はグルタミン酸を配合することによって加熱殺菌処理後の苦味・渋味を低減させるべく検討したところ、多量のテアニン又はグルタミン酸が必要であった。多量のテアニン又はグルタミン酸を配合するとテアニン又はグルタミン酸自身の風味によって緑茶本来の風味が損なわれてしまう欠点があり、使用量については自ずと限界が生じることが判明した。
従って、本発明の目的は、飲料本来の風味を損うことなく、非重合体カテキン類を高濃度に含む容器詰飲料の苦味や渋味を低減する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者は、非重合体カテキン類を高濃度に含む容器詰飲料の加熱殺菌後の苦味及び渋味を、風味を低下させることなく、低減させるべく種々検討した結果、テアニン、グルタミン酸又はその塩、サイクロデキストリンは、それぞれ単独では十分な効果が得られないが、これらの成分を特定量で含有させることにより、相乗的に作用して苦味及び渋味低減効果が得られ、飲料本来の風味を保持した容器詰飲料が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C):
(A)非重合体カテキン類 0.1〜0.5質量%、
(B)テアニン 0.003〜0.03質量%、
(C)グルタミン酸又はその塩 0.0008〜0.005質量%、
を含有し、
(C)/(B)が0.27以下で、かつ((B)+(C)×30)/(A)が0.3以上である容器詰緑茶飲料を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、非重合体カテキン類を高濃度で含む容器詰飲料であって、苦味、渋味が抑制され、かつ風味が良好な飲料が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明における非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類である。ここでいう非重合体カテキン類の濃度は、上記の合計8種の合計量に基づいて定義される。
【0009】
本発明の容器詰飲料中には、水に溶解状態にある(A)非重合体カテキン類を、好ましくは0.1〜0.5質量%、好ましくは0.1〜0.4質量%、好ましくは0.11〜0.4質量%、好ましくは0.11〜0.3質量%、より好ましくは0.11〜0.2質量%含有する。非重合体カテキン類含量が0.1質量%未満である場合、体内に吸収される十分な摂取量ではなく、0.5質量%を超えると飲料の苦味が増加する。
【0010】
本発明の容器詰飲料中の(A)非重合体カテキン類は、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、カテキンガレートからなる(D)非重合体カテキンガレート体類と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン、カテキンからなる非ガレート体類に分類される。本発明容器詰飲料中の(A)非重合体カテキン類中の(D)非重合体カテキンガレート体類の割合((D)/(A):質量比)は0.3〜0.6、更に0.4〜0.6であることが非重合体カテキン類の苦味抑制の観点から好ましい。
【0011】
本発明における前記の高濃度の非重合体カテキン類を有する容器詰飲料は、例えば緑茶抽出物の濃縮物又は緑茶抽出物の精製物であるカテキン製剤を配合して非重合体カテキン類濃度を調整することにより得ることができる。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物とは、生茶葉もしくは乾燥緑茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出した溶液から水分を一部除去し、場合によっては精製して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。
【0012】
非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物の濃縮物水溶液としては市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などを溶解したものが挙げられる。また、これらを精製したものを用いてもよい。精製の方法としては、例えば緑茶抽出物の濃縮物を水又は水とエタノールなどの有機溶媒の混合物に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法がある。あるいは茶葉から熱水もしくはエタノールなどの水溶性有機溶媒により抽出した抽出物を濃縮したものを更に精製したもの、あるいは抽出物を直接精製したものを用いてもよい。用いる緑茶抽出物の濃縮物水溶液の非重合体カテキン類含有量が0.8質量%未満の場合には、加熱殺菌後の最終容器詰飲料の非重合体カテキン類の含有量が十分ではなく、50質量%を超える濃度では高粘度となり溶解に長時間を要する。緑茶抽出物の濃縮物水溶液中の好ましい非重合体カテキン類濃度は0.9〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。
【0013】
本発明に用いる緑茶抽出液の原料となる緑茶は、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica及びやぶきた種、又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された乾燥茶葉が挙げられる。当該製茶された乾燥茶葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶等の緑茶類がある。
【0014】
これらの緑茶類のうち、生産量、価格、風味の点から、一般的には煎茶の一番茶及び二番茶が使用される。一番茶は、カフェイン量、アミノ酸量、うま味強度比が高く、アミノ酸組成比が低い。二番茶は、一番茶と比較して、カフェイン量、アミノ酸量、うま味強度比が低く、アミノ酸組成比が高い。緑茶抽出物の濃縮物は、二番茶と比較して、カフェイン量、アミノ酸量とも少ない。
【0015】
一番茶のみを用いて製造するときは、抽出液の配合量が多くなると、カフェイン量が多く、生理活性上好ましくない。また、カフェイン由来の苦味が強くなる。二番茶のみを用いると、アミノ酸量が少なく、うま味を十分に得ることができない。また、緑茶抽出物の濃縮物のみでは緑茶感が少なく不適である。
【0016】
このように、一番茶、二番茶、緑茶抽出物の濃縮物をそれぞれ単品で配合するだけでは、本発明の容器詰緑茶飲料を得ることはできない。しかし、これらを組み合わせることによって苦味及び渋味が抑制された容器詰緑茶飲料を得ることができる。また、一番茶、二番茶から抽出されたエキスや、テアニン、グルタミン酸又はその塩をそのまま配合しても、本発明の容器詰緑茶飲料を得ることができる。
【0017】
本発明で使用する緑茶抽出液を得る方法については、ニーダー抽出等の攪拌抽出又はドリップ抽出等従来の方法により行う。また抽出時に水に予めアスコルビン酸ナトリウム等の有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。緑茶組成液は、水を用いて通常の抽出条件で製造される。緑茶葉から抽出する時の水の温度は、風味の観点から50〜100(沸騰水)℃が好ましく、更に好ましくは60〜100(沸騰水)℃である。緑茶葉からの抽出時の水の量は、緑茶葉に対して5〜60重量倍が好ましく、更に好ましくは5〜40重量倍である。緑茶葉からの抽出時間は1〜60分が好ましく、より好ましくは1〜40分、更に好ましくは1〜30分である。
【0018】
本発明において、アミノ酸組成比は、(C)グルタミン酸又はその塩/(B)テアニン(質量比)で表す。
【0019】
うま味強度比は、カテキン量に対するうま味の強さである。グルタミン酸又はその塩はテアニンの30倍のうま味強度があるため(非特許文献1)、((B)+(C)×30)/(A)カテキン量(質量比)で表す。
【0020】
本発明において苦味及び渋味低減効果を得るには、アミノ酸組成比は0.27以下であることが必要である。0.27よりも高いと、うま味の相乗効果による十分な苦味及び渋味低減効果が得られない。
【0021】
更に、うま味強度比は0.3以上であることが必要である。0.3よりも低いと、うま味強度が不足し、十分な苦味及び渋味の低減効果及び茶本来の風味が得られない。
【0022】
本発明の容器詰飲料中に含有する(E)カフェイン濃度は、好ましくは0.005〜0.04質量%、更に好ましくは0.01〜0.035質量%、更に好ましくは0.01〜0.03質量%、更に好ましくは0.01〜0.024質量%である。0.005質量%よりも少ないと、緑茶飲料としての嗜好性が低下し、0.04質量%よりも多いと、カフェイン自体の味の影響が大きくなるため好ましくない。
【0023】
本発明の容器詰飲料中に含有する(B)テアニン濃度は、好ましくは0.003〜0.03質量%、更に好ましくは0.005〜0.025質量%である。0.003質量%よりも少ないと、緑茶感を感じられず嗜好性が低下し、0.03質量%よりも多いと異味を感じる。本発明における抽出液又はカテキン製剤にテアニンが不足している場合には、市販品を配合してうま味強度比を向上させることができる。たとえば、テアニンとして、市販品のサンテアニン(太陽化学製)などを使用できる。
【0024】
本発明の容器詰飲料中の(C)グルタミン酸又はその塩の濃度は、好ましくは0.0008〜0.005質量%、更に好ましくは0.001〜0.004質量%である。0.0008質量%よりも少ないと、緑茶感を感じられず嗜好性が低下し、0.005質量%よりも多いと、塩味を感じ、嗜好性が低下する。
【0025】
本発明の容器詰飲料中に含有するグルタミン酸又はその塩は、グルタミン酸、グルタミン酸Na、グルタミン酸K、グルタミン酸Ca、グルタミン酸Mg等のうち、一種又はそれらの混合物でもよい。これらのうち、溶解性の点においてグルタミン酸又はグルタミン酸Naが好ましい。本発明における抽出液又はカテキン製剤にグルタミン酸又はその塩を配合してうま味強度比を向上させることができる。たとえば、グルタミン酸ナトリウムとして市販品の味の素RCなどを使用できる。
【0026】
本発明における緑茶飲料は、苦味抑制剤を配合すると、飲用しやすくなり好ましい。苦味抑制剤は、水溶性高分子、サイクロデキストリンが好ましい。水溶性高分子としては、ペクチン、デキストリン等が挙げられる。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。また、クラスターデキストリンなど他のサイクロデキストリンを併用しても良い。β−サイクロデキストリンとしては例えば、セルデックスB−50K、セルデックスSL−20(日本食品化工社製)やデキシパールβ−100(塩水港精糖社製)などを使用できる。γ−サイクロデキストリンとしては例えば、CAVAMAX W8 Food(株式会社シクロケム:WACKER社製))等が挙げられる。
【0027】
本発明におけるサイクロデキストリンは、容器詰飲料中の濃度が0.01〜0.3質量%、特に0.01〜0.25質量%となるように添加するのが、最終容器詰飲料の苦味渋味低減化効果、風味低下抑制、更には高温保存後の色相改善効果の点で好ましい。
【0028】
本発明の容器詰飲料には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、色素類、保存料、調味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
【0029】
本発明における緑茶飲料のpHは、非重合体カテキン類の化学的安定性のため、25℃でpH4〜7であり、好ましくはpH4.5〜7、より好ましくはpH5〜7であることが好ましい。pHの調整は、酸化防止効果を持たせる効果も含めてアスコルビン酸を配合することが好ましい。また、炭酸水素ナトリウムを使用するときは、3〜30%水溶液で配合するのが好ましい。pHの調整が不要の場合は、アスコルビン酸の金属塩を配合することが好ましいが、具体的にはアスコルビン酸ナトリウムが好ましい。
【0030】
本発明の容器詰飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
【0031】
また本発明の容器詰飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
【実施例】
【0032】
非重合体カテキン類及びカフェインの測定
メンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った(通常カテキン類及びカフェインの濃度は、質量/体積%(%[w/v])で表すが、実施例中の含有量は液量を掛けて質量で示した)。
【0033】
グルタミン酸、テアニンの測定
メンブランフィルター(0.45μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、ポストカラム蛍光誘導体化法により測定した。Li型陽イオン交換カラム Shim−pack Amino−Li(100mmL.×6.0mmI.D.:島津製作所製)を装着し、カラム温度39℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は0.15Nクエン酸リチウム(メチルセロソルブ含有)(pH2.6)、B液は0.3Nクエン酸リチウムと0.2Mホウ酸の混合溶液(pH10)、C液は0.2M水酸化リチウムとした。反応液としては、ホウ酸−炭酸Buffer(0.384M炭酸ナトリウム、0.216Mホウ酸、0.108M硫酸カリウムの混合溶液)1000mL中、o−フタルアルデヒド0.8g、エタノール0.4g、N−アセチルシステイン1g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル0.4g含有している溶液を用いた。試料注入量は20μL、蛍光検出器は、RF−535、EX348nm、Em450mの条件で行った(通常アミノ酸類及びアミノ酸の濃度は、質量/体積%(%[w/v])で表すが、実施例中の含有量は液量を掛けて質量で示した)。
【0034】
風味の評価
パネラー6名により飲用試験を行い、4段階評価した。
【0035】
実施例1
静岡産の二番茶の緑茶葉(1)135gを65℃に加熱したイオン交換水4kgに加えて5分間抽出し、次いで抽出液から茶葉を取り除き、熱交換器で25℃以下に冷却し、緑茶抽出液(1)(アミノ酸組成比(=グルタミン酸/テアニン質量比):0.39)を得た。また、静岡産の一番茶の緑茶葉(2)135gも緑茶葉(1)と同様に処理し、抽出液を得た。次にネル濾過により抽出液中の沈殿物や浮遊物を取り除き、円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)で濾過し、緑茶抽出液(2)(アミノ酸組成比:0.19)を得た。一方、市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)100gを95質量%エタノール490.9gに分散させ、活性炭クラレコールGLC(クラレケミカル社製)20gと酸性白土ミズカエース#600(水澤化学社製)50gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして、95%エタノール水溶液409.1gを10分間かけて滴下したのち、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過し、更に、孔径0.2μmの濾紙で濾過を行った。最後に水350mLを加えて減圧濃縮することによって精製物(1)(非重合体カテキン類15.5質量%、アミノ酸組成比0.02、うま味強度比0.04)を得た。緑茶抽出液(1)205.4g、緑茶抽出液(2)68.7g、精製物(1)4.5g、β−サイクロデキストリンとγ−サイクロデキストリンの混合物(セルデックスSL−20、日本食品化工製)8.8g及びアスコルビン酸ナトリウム0.4gを加え希釈後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpH6.2に調整し全量を1.000gにした。このときアミノ酸組成比は0.22、うま味強度比(=(テアニン+グルタミン酸×30)/カテキン質量比)は0.39であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表1に示す。
【0036】
実施例2
鹿児島産の一番茶の緑茶葉(3)400gを65℃に加熱したイオン交換水12kgに加えて5分間抽出し、次いで抽出液から茶葉を取り除き、熱交換器で25℃以下に冷却した。次にネル濾過により抽出液中の沈殿物や浮遊物を取り除き、円盤型デプスフィルター(ゼータプラス10C)及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、減圧濃縮して緑茶エキス(3)(アミノ酸組成比:0.18)を510g得た。
この緑茶エキス(3)0.34gと、実施例1の緑茶抽出液(1)20.54g、精製物(1)4.5gを用い、実施例1と同様の配合を行った。このときアミノ酸組成比は0.22、うま味強度比は0.38であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表1に示す。
【0037】
実施例3
実施例1の緑茶抽出液(1)255.4gに、緑茶の低温連続抽出物を酵素処理したエキスである緑茶アロマエキス3を10g溶解した。これに、実施例1の精製物(1)4.5gを用い、実施例1と同様の配合を行った。このときアミノ酸組成比は0.26、うま味強度比は0.39であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表1に示す。
【0038】
実施例4
実施例1の緑茶抽出液(1)255.4gに、1%テアニン水溶液7.6g及び1%グルタミン酸Na0.3gを溶解した。これに、実施例1の精製物(1)4.5gを用い、実施例1と同様の配合を行った。このときアミノ酸組成比は0.12、うま味強度比は0.44であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表1に示す。
【0039】
実施例5
実施例1の緑茶抽出液(2)557.3gに、実施例1の緑茶抽出液(1)と精製物(1)を添加しなかった以外は、実施例1と同様の配合を行った。このときアミノ酸組成比は0.19、うま味強度比は1.27であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表1に示す。
【0040】
実施例6
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)100gを95.0質量%エタノール490.9gに分散させ、活性炭クラレコールGLC(クラレケミカル社製)20gと酸性白土ミズカエース#600(水澤化学社製)50gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして、40%エタノール水溶液409.1gを10分間かけて滴下したのち、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過し、更に、孔径0.2μmの濾紙で濾過を行った。最後に水350mLを加えて減圧濃縮することによって精製物(2)(非重合体カテキン類14質量%、アミノ酸組成比0.16、うま味強度比0.36)を得た。
この精製物(2)8.7gと、緑茶抽出液(1)255.4gを用い、精製物(1)と緑茶抽出液(2)を添加しなかった以外は実施例1と同様の配合を行った。このときアミノ酸組成比は0.23、うま味強度比は0.45であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表1に示す。
【0041】
比較例1
宮崎産の二番茶の緑茶葉(4)(アミノ酸組成比(=グルタミン酸/テアニン質量比):0.52)135gを実施例1の緑茶葉(1)と同様に処理し、抽出液を得た。緑茶抽出物(4)を205.4g添加し、緑茶葉(1)及び緑茶葉(2)を添加しなかった以外は、実施例1と同様の緑茶飲料を製造した。このときアミノ酸組成比は0.32、うま味強度比は0.32であった。この飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0042】
比較例2
実施例4の緑茶抽出液(1)255.4gに、実施例4の1%テアニン水溶液7.6gを添加しなかった以外は、実施例4と同様の配合を行った。このときアミノ酸組成比は0.34、うま味強度比は0.38であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0043】
比較例3
実施例5の緑茶抽出液(2)12.4gに、実施例1の精製物(1)7gを用い、実施例5と同様の配合を行った。このときアミノ酸組成比は0.14、うま味強度比は0.28であった。これを、UHT殺菌しPETボトルに充填した。この飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0044】
【表1】


【0045】
【表2】


【0046】
表1及び2から明らかなように、(A)高濃度の非重合体カテキン類を含有し、且つ(B)テアニン0.003〜0.03質量%、(C)グルタミン酸0.0008〜0.005質量%を含有し、(C)/(B)が0.27質量比以下、((B)+(C)×30)/(A)が0.3質量比以上である容器詰緑茶飲料は、相乗的に苦味及び渋味が抑制される。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高

【識別番号】100134935
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 詩木

【識別番号】100130683
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 政広

【識別番号】100140497
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 信宏


【公開番号】 特開2008−11834(P2008−11834A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189319(P2006−189319)