| 【発明の名称】 |
新規チーズスターター |
| 【発明者】 |
【氏名】野村 将
【氏名】森 智之
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| 【要約】 |
【課題】γアミノ酪酸(GABA)含量が高く、乳酸含量が高く風味に優れたチーズの製造に用い得るチーズスターターの提供。
【構成】ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3株を含むチーズスターター。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3株を含むチーズスターター。 【請求項2】 ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactisbiovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3株を1:1:1の比率で混合して得られる請求項1記載のチーズスターター。 【請求項3】 請求項1または2に記載のチーズスターターを用いて動物乳を醗酵させることによりγアミノ酪酸(GABA)蓄積量の大きいチーズを製造する方法。 【請求項4】 動物乳がヤギ乳である請求項3記載のγアミノ酪酸(GABA)蓄積量の大きいチーズを製造する方法。 【請求項5】 チーズ100g当たりγアミノ酪酸(GABA)が100mg以上蓄積しているチーズを製造する請求項3または4に記載の方法。 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法により製造されるγアミノ酪酸(GABA)蓄積量が多いチーズ。 【請求項7】 チーズ100g当たりγアミノ酪酸(GABA)が100mg以上蓄積している請求項6記載のチーズ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、複数の乳酸菌株を含む新規なチーズスターターに関する。 【背景技術】 【0002】 ウシ、ヤギ、ヒツジ等の乳を原料とするチーズを製造する際に添加されるスターターとして、乳酸菌が用いられており、製造しようとするチーズの種類により種々の乳酸菌が用いられている。 【0003】 また、チーズに複数の特性を付与するために、複数の乳酸菌株を含むスターターも用いられている(特許文献1参照)。 【特許文献1】特開平7-250672号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、γアミノ酪酸(GABA)含量が高く、乳酸含量が高く風味に優れたチーズの製造に用い得るチーズスターターの提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者らは、種々の乳酸菌の醗酵特性について鋭意検討した結果、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527株およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3株を含むスターターを用いると、乳酸が多く含まれチーズの風味が強く、さらにγアミノ酪酸の含量が多いチーズを製造することを見出した。さらに、上記菌株を含むスターターにおいて、3株が安定に一定の比率で存在することができ、常に均一なチーズを製造し得るスターターを供給できることを見出し、本発明を完成させるに至った。 【0006】 すなわち、本発明は以下のとおりである。 [1] ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3株を含むチーズスターター。 [2] ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3株を1:1:1の比率で混合して得られる[1]のチーズスターター。 [3] [1]または[2]のチーズスターターを用いて動物乳を醗酵させることによりγアミノ酪酸(GABA)蓄積量の大きいチーズを製造する方法。 [4] 動物乳がヤギ乳である[3]のγアミノ酪酸(GABA)蓄積量の大きいチーズを製造する方法。 [5] チーズ100g当たりγアミノ酪酸(GABA)が100mg以上蓄積しているチーズを製造する[3]または[4]の方法。 [6] [3]〜[5]のいずれかの方法により製造されるγアミノ酪酸(GABA)蓄積量が多いチーズ。 [7] チーズ100g当たりγアミノ酪酸(GABA)が100mg以上蓄積している[6]のチーズ。 【発明の効果】 【0007】 本発明のチーズスターター772を用いることにより、γアミノ酪酸(GABA)含量が高く、乳酸含量が高く風味に優れたチーズの製造が可能になる。本発明のチーズスターター772は、継代培養を繰り返しても含まれる3菌株の比率が変動せず、常に同じ品質のチーズを製造することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明のチーズスターターは、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3株を含む。本発明のチーズスターターは、チーズスターター772と称する。 【0009】 ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7は(以下、01-7株という)、チーズスターター(CHR. Hansen社(デンマーク)から入手)から分離されたものであり(Journal of Dairy Science (1998), 81(6), 1486-1491)、酸生成力およびタンパク質分解力が弱く、GABA生成力が強いという特性を有する。 【0010】 ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527(以下、527株という)は、牛乳から分離されたものであり、酸生成力およびタンパク質分解力が強いという特性を有する。 【0011】 ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1(以下、01-1株という)は、チーズスターター(CHR. Hansen社(デンマーク)から入手)から分離されたものであり(Journal of Dairy Science (1998), 81(6), 1486-1491)、酸生成力およびタンパク質分解力が強く、チーズらしい風味を形成するという特性を有する。 【0012】 01-7株はGABA産生能が高く、GABA含量の高いチーズの製造に適している。しかしながら、01-7株を単独で培養した場合、乳中での生育はよくない。従って、酸生成力・タンパク質分解力が強い527株および01-1株と混合培養することで01-7株の生育が促進される。その結果、01-7株は、527株および01-1株とほぼ同じ速度で生育できるようになる。また、01-7株はGABA産生能が高い一方で、カゼイン等のタンパク質の分解能は低く、GABA生成の基質となるグルタミン酸を乳カゼインから遊離することができない。527株および01-1株は、タンパク質分解能が高いので、乳カゼインからGABA生成の基質となるグルタミン酸を遊離することができる。さらに、01-7株が有するグルタミン酸脱炭酸酵素の至適pHは4.7であり、GABAの産生には、至適pH前後のpH条件を要する。527株および01-1株は、酸生成能が高いので、チーズ製造中のpHを低く保つことができる。従って、01-7株を527株および01-1株と混合してチーズスターターとして用いることにより、3株の協働により、より多くのGABAを産生することができ、高GABA含量チーズを製造することができる。さらに、527株および01-1株はチーズ製造時に必要であり、チーズに風味を付与する乳酸を産生する能力が高い。 【0013】 527株は、MAFF(農業生物資源研究所微生物遺伝資源部門)農業生物資源ジーンバンクから入手可能である。登録番号は、MAFF400103である。また、01-7株および01-1株は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 畜産物品質研究チーム(http://nilgs.naro.affrc.go.jp/index.html)から分譲可能である。さらに、上記3株を混合した本発明のスターター772は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 畜産物品質研究チーム(http://nilgs.naro.affrc.go.jp/index.html)から分譲可能である(農林水産省 畜産試験場 畜産研究成果情報 第11巻(平成8年度)Serial No. 1127 チーズ熟成中のγアミノ酪酸生成条件の解明とそのチーズ製造への応用 http://nilgs.naro.affrc.go.jp/SEIKA/seika.htmlを参照)。 【0014】 スターター772は、01-7株、527株および01-1株を1:1:1の比率で混合すればよい。スターター772は培養により増殖させることができる。通常、複数の菌株を混合して培養した場合、菌株の増殖能の差により、菌株ごとの生育に差が生じ、継代培養を繰り返すうちに、各菌株の比率は変動してしまう。チーズスターター772は、継代培養を繰り返しても、酸生成力の強い菌株(527と01-1)と酸生成力の弱い菌株(01-7)の存在比率が変わらず、または、3つの菌株の存在比率が変わらず、常に同等のチーズスターターを得られるという利点がある。チーズスターターの培養には、M17培地(Difco)にグルコース0.5%(w/v)を添加した培地(GM17)、還元脱脂乳培地(10%乳固形分)等の乳酸菌培地を用いればよい。 【0015】 本発明のチーズスターター中の各菌株の比率は以下のようにして測定することができる。 【0016】 酸生成力が強い株(527と01-1)と弱い株(01-7)の構成比は、3菌株を含むチーズスターターをミルク寒天平板培地(10%乳固形分、1.0%寒天末、0.001%ブロモクレゾールパープル)で培養し、生じたコロニーの形態を指標に比率を測定することができる。すなわち、酸生成力が強い株のコロニーは、リジッドな形態と周囲のブロモクレゾールパープルの黄変がはっきりしているのが特徴であり、酸生成力が弱い株は、フラットな形態と周囲の黄変がぼけている特徴がある。また、527株と01-1株は、コロニーの形態で判別するのは困難であるが、L.lactis subsp. lactisとL.lactis subsp. cremorisを判別するPCR(特許第3448639号)を用いて判別することができる。酸生成力の強さは、例えば新鮮培地接種数時間後、好ましくは約6時間後の培地のpHを測定すればよい。また、菌をリトマスミルク培地に接種後、リトマスの白色化や培地の酸凝固によっても酸生成力の強さを判定することができる。 【0017】 本発明のチーズスターターは、継代培養による維持が可能であり、さらに凍結、凍結乾燥により保存することもできる。 【0018】 本発明のチーズスターターを用いてチーズを製造する場合、原料となる乳の由来は限定されず、ヤギ、ウシ、ヒツジ等の乳を用いることができるが、この中でもヤギ乳が好ましい。ヤギ乳は、牛乳に比べラクトグロブリンやカゼイン等のアレルゲンとなり得るタンパク質の含量が少ない、牛乳に比べカプリル酸やカプリン酸を含むトリグリセリドである中鎖脂肪酸(MCM)を多く含むという特性を有する。すなわち、ヤギ乳を原料に本発明のチーズスターター772を用い、原料にグルタミン酸(例えば、グルタミン酸ナトリウム)を添加してチーズを製造することにより、アレルゲンが少なく、中鎖脂肪酸が多く、さらにGABAが多く蓄積し、かつチーズとしての優れた風味を有するチーズを製造することができる。チーズの製造は、チーズ製造用原料乳に、本発明のチーズスターター772を接種し、レンネット等の凝乳酵素を添加し、醗酵させ、醗酵期間中に溶出するホエイを抜き、熟成を行い、最終的に冷却するという公知のチーズ製造方法により行えばよい。グルタミン酸ナトリウムの添加量は、0.5〜10%、好ましくは1〜5%、さらに好ましくは1〜2.5%、特に好ましくは1.5〜2.5%である。また、添加は例えばグルタミン酸ナトリウムを適宜食塩と混合したものをチーズガードに擦り付けることにより行うことができる。また、チーズをグルタミン酸ナトリウム溶液に漬け込んでもよい。本発明のチーズスターター772を用いて製造したチーズ中のGABA蓄積量は、チーズ100g当たり50mg以上、好ましくは100mg以上である。この際の添加したグルタミン酸のGABAへの転換率は、10%以上、好ましくは15%以上である。 【実施例】 【0019】 本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。 【0020】 実施例1 01-1, 527, 01-7を等量混合して調製したスターター772の菌叢の継時変化 スターター772を継代保存した場合の、01-1, 527, 01-7の構成比の変化について検討を行った。 【0021】 乳酸菌培地として、M17培地(Difco)にグルコース0.5%(w/v)を添加した培地(GM17)、および還元脱脂乳培地(10%乳固形分)を使用した。コロニーの観察には、ミルク寒天平板培地(10%乳固形分、1.0%寒天末、0.001%ブロモクレゾールパープル)を使用した。 【0022】 培養は以下の方法で行った。 1.ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス ビオバール ディアセチラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis strain)NIAI 01-7、ラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ ラクチス株(Lactococcus lactis subsp. lactis strain)NIAI 527株およびラクトコッカス・ラクチス サブスペーシーズ クレモリス株(Lactococcus lactis subsp. cremoris strain)NIAI 01-1の3菌株をそれぞれ単独でGM17培地に1白金耳接種し、30℃で一晩培養した。 2.新しい還元脱脂乳培地5mlに、3株の培養液50μlずつを接種して混合し(混合直後)、30℃で一晩培養してスターター772を調製した(調製時)。 3.培養物は4℃で冷蔵保存した。 4.1週間ごとに100倍容の新しい還元脱脂乳培地に移し替え、30℃で一晩培養して継代保存した。 【0023】 継代保存時の培養サンプルをミルク寒天培地に塗布して培養し、コロニーを形成させた。コロニーの形態を観察し、酸生成力が強い株(01-1+527)と弱い株(01-7)を計数した。01-1+527の亜種を特許第3448639号記載の方法に従い、それぞれに特異的なプライマーを用いたPCRにより判別し、存在比を求めた。 【0024】 表1にミルク寒天培地でのコロニー数(cfu/ml)の変化を示す。また、表3に3種類の菌株の生菌数(cfu/ml)の変化を、表4に3菌株の構成比率の変化を示す。 【0025】 さらに、図1に3種類の菌株の変化のグラフを示す。図1中、縦軸は対数値で示す。 表1〜3および図1に示すように、3菌株を混合してスターターを調製後、2週目から菌叢が安定しており、3種類の菌株の構成比も安定していた。 【0026】 【表1】
【0027】 【表2】
【0028】 【表3】
【0029】 実施例2 チーズスターターを用いたチーズの製造 原料ヤギ乳は日本全薬工業株式会社牧場で搾乳され、1〜2日間4℃で冷却保存されたヤギ乳を使用した。原料ヤギ乳はチーズ製造前原料乳検査(細菌数、酸度、比重)された。 【0030】 製造器具としてはガスコンロ、アルマイト製大型(40cm)なべ、ふたつきステンレス製なべ(20、40L)、水槽用恒温器(ラコムエース;アスワン社)を装着した水槽(恒温水槽)、ステンレス線を張った手作りカードーカッター、塩ビ製手作りモールド、卓上密封包装機(SQ202;旭化成パックス販売)および恒温保存庫(メデクール;サンヨー)を使用した。 【0031】 本発明のチーズスターターを毎週滅菌脱脂粉乳培地に約1%の濃度で植え継ぎ4℃で保存したもの(ステムスターター)をさらに1%の濃度で滅菌脱脂粉乳培地に連続2日間植え継いだもの(バルクスターター)を使用した。 【0032】 レンネットはCHR.HANSEN社(NATURN Standard Plus290;オーストラリア)製子牛由来レンネットを(財)蔵王酪農センターから入手し使用した。 【0033】 殺菌剤は食品添加物規格の有効塩素濃度6%次亜塩素酸ナトリウム溶液(ニュウアサカラックス;日本全薬工業販売)を300倍に希釈して使用した。 食品添加物規格グルタミン酸ナトリウム(1水塩)は市販品(協和発酵販売)を用いた。 食塩は市販品(塩販売センター)を用いた。 【0034】 上記材料を用いて以下のようにチーズを製造した。 原料ヤギ乳を煮沸消毒したステンレスなべに入れ、ガスレンジにかけた大なべで湯煎し65℃到達後30分間低温殺菌した。その後、ヤギ乳入りステンレスなべと大なべを流しに移し、お湯を捨て、流水で31℃まで冷却した。次に、ヤギ乳入りステンレスなべを予め運転し水温を30℃に設定した恒温水槽に入れ、その中にバルクスターターを1.0%加え、1分間殺菌剤で処理したヒシャクで攪拌した。その後、水槽中で120分間培養した。120分後、煮沸消毒した市販飲水用活性炭をスターター培養ヤギ乳に投入し約1分間攪拌し取り出した。次に、レンネットをヤギ乳の0.015%となるよう計量し、蒸留水で50倍に希釈し加え約1分間しゃもじで攪拌し、攪拌終了時にヤギ乳の流れを静止させた。レンネットを加えた培養ヤギ乳はさらに60分間培養し凝固させた。凝固したヤギ乳をステンレス線を張った手製のカードカッターを用いでおおよそ1cm3の立方体にカッテングした。カードをそのまま20分静置した。水層溶用恒温器の温度設定を38℃へ上げ、途中ホエイの1/4を除き30〜40分間徐々に速度を高めながらしゃもじで攪拌した。攪拌後、カードをモールドにホエイごと移し入れ、上下を反転しながらホエイを排除させた。さらに、カードに重石(1〜2kg)を載せ、途中反転し1.5〜2時間圧搾した。圧搾したカードを10℃の熟成庫内に1〜2日間放置し乾燥させた。熟成庫からカードを取りだし食塩60%とグルタミン酸Na40%を予め均一に混合したものをチーズカード重量(通常100g)に対して2.5〜5.0%(Glu添加量は1.0〜2.0%)全体に擦り付け、室温で4時間放置し塩をなじませた。室温放置後のカードを再び熟成庫に戻し、2〜3日間乾燥させた。乾燥したチーズを専用ポリエチレンバックに入れ密封包装機でパックした。その後10℃熟成庫内で4ヶ月間熟成させた。GABA含有量及びGlu残量は日立高速アミノ酸分析計(L8800A)を用いて測定した。 【0035】 表4に結果を示す。表4に示すように、グルタミン酸を添加した場合の得られたチーズ中のGABA含量は113.2mg〜412.9mg/100gチーズであった。表4において、変換率(%)は、変換率(%)=GABA含有量×100/Glu添加量で計算した。 【0036】 【表4】
【図面の簡単な説明】 【0037】 【図1】3種類の菌株の継代保存中の菌数の変化を示す図である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501203344 【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 【識別番号】591281220 【氏名又は名称】日本全薬工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月25日(2006.7.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091096 【弁理士】 【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100096183 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 貞次
【識別番号】100118773 【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100111741 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 夏夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−22829(P2008−22829A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2006−202424(P2006−202424) |
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