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【発明の名称】 製造中に調整可能なケーシングブレーキ
【発明者】 【氏名】ベルント マイレ

【氏名】アルミン キブラー

【要約】 【課題】ソーセージのケーシングに材料を詰め、ケーシングをねじ切る際のスタッフィングパイプの自由端部においてケーシングを保持するケーシングブレーキであって、ブレーキ出力を正確に再現することができ、かつ容易に調整できる、ケーシングブレーキ、およびブレーキ出力を調整する方法、を提供する。

【構成】ブレーキ力を調整するため、ケーシングブレーキは、ケーシング8をスタッフィングパイプ7に押し付けるように、軸方向もしくは半径方向、またはその両方向にプレストレスを与えることができ、かつ、スタッフィングパイプ7の周囲に配置されるブレーキリング1と、それをこれらの方向にひずませる加ひずみ手段2、3と、ブレーキリング1の軸方向もしくは半径方向、またはその両方向のプレストレスが製造中に調整可能であり維持されるように、加ひずみ手段2,3,に力をかける調整装置を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッフィングパイプ(7)の自由端部においてケーシング(8)を保持するケーシングブレーキであって、前記スタッフィングパイプ(7)を通じて前記ケーシング(8)にペースト状の材料が詰め込まれ、
前記スタッフィングパイプ(7a)の周囲に配置され、前記ケーシング(8)を前記スタッフィングパイプ(7)に押し付けるように、ひずむことができるブレーキリング(1)と、
前記ブレーキリング(1)をひずませる加ひずみ手段(2,3,14)と、
を備え、
前記ブレーキリング(1)の前記ひずみ、および従ってブレーキ出力が製造中に調整可能であるように、調整装置(5,12,16)が、製造中に前記ブレーキリングをひずませるため、可変の力を前記加ひずみ手段(2,3,14)にかけてその力を維持する、
ことを特徴とする、ケーシングブレーキ。
【請求項2】
前記加ひずみ手段(2,3,14)が、間に前記ブレーキリング(1)が配置されている第1のシェル(3)および第2のシェル(2)を備えており、少なくとも前記第1のシェル(3)を軸方向に他方のシェル(2)の方に自由に移動させることができ、前記調整装置(5,12)が、前記ブレーキリング(1)の前記軸方向のひずみが変化するように前記少なくとも一方のシェル(3)を移動させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のケーシングブレーキ。
【請求項3】
前記ケーシングブレーキが少なくとも1つのベアリング(11)を備えており、従って、前記第1および第2のシェル(2,3)が回転自在に取り付けられて、前記スタッフィングパイプ(7)の縦軸線(L)を中心に駆動可能である、
ことを特徴とする、請求項2に記載のケーシングブレーキ。
【請求項4】
前記調整装置(5,12,16)が、
前記スタッフィングパイプ(7)の前記自由端部(7a)に向かい合って配置されており、前記詰められたケーシング(8)をねじりに対して保持する保持装置(5)、
を備えており、
前記保持装置(5b)の少なくとも1つの部分が実質的に軸方向に調整可能であり、前記第1のシェル(3)を押す、
ことを特徴とする、請求項2または3の少なくとも1項に記載のケーシングブレーキ。
【請求項5】
前記保持装置(5)と前記シェル(3)との間に摺動リング(6)が取り付けられており、前記摺動リング(6)が前記力を前記第1のシェル(3)に伝える、
ことを特徴とする、請求項4に記載のケーシングブレーキ。
【請求項6】
前記2つのシェル(2,3)が、互いに対して軸方向に移動させることができるようにあらかじめ組み立てられたユニットとして構成されており、かつ、前記シェル(2,3)が別々に離れないように具体化されているシェル結合部を備えている、
ことを特徴とする、請求項2〜5の少なくとも1項に記載のケーシングブレーキ。
【請求項7】
前記第1および第2のシェル(2,3)がシェル結合部によって互いに結合されていることと、
前記第2のシェルが容器(4)に固定されており、前記容器が、少なくとも1つのベアリング(11)によって前記スタッフィングパイプの前記縦軸線(L)を中心に回転自在に取り付けられていることと、
を特徴とする、請求項2〜6の少なくとも1項に記載のケーシングブレーキ。
【請求項8】
前記調整装置(5,12,16)が磁石(12)を備えていることと、
前記シェル(3)が磁気力によって軸方向に移動可能であるように少なくとも部分的に磁性を有するように、前記第1のシェル(3)が具体化されていることと、
を特徴とする、請求項2〜7の少なくとも1項に記載のケーシングブレーキ。
【請求項9】
前記磁石(12)が軸方向に移動可能である、
ことを特徴とする、請求項8に記載のケーシングブレーキ。
【請求項10】
前記保持装置(5)が前記磁石(14)を備えている、
ことを特徴とする、請求項9に記載のケーシングブレーキ。
【請求項11】
前記調整装置(5,12,16)が、前記磁気力が調整可能であるような手段を備えている、
ことを特徴とする、請求項8に記載のケーシングブレーキ。
【請求項12】
前記調整装置(5,12,16)が、
中に流体が閉じこめられており、かつ2つのセクション(19a,19b)を含み、前記2つのセクションのうち一方(19b)が、前記密閉空間(16)内の圧力が変化する場合に軸方向に動くことができ前記第1のシェル(3)に軸方向の力を伝える密閉空間(16)と、
前記空間(16)内の前記圧力を変化させる手段と、
を備えていることを特徴とする、請求項1〜7の少なくとも1項に記載のケーシングブレーキ。
【請求項13】
軸方向に動く前記セクション(19b)が前記第1のシェル(3)と一体である、
ことを特徴とする、請求項12に記載のケーシングブレーキ。
【請求項14】
前記密閉空間(16)の体積を変化させる、または対応するダクトを通じての前記流体の充填量を変えることによって、前記圧力を変化させることができる、
ことを特徴とする、請求項12または13に記載のケーシングブレーキ。
【請求項15】
前記調整装置が、前記第1のシェル(3)が流体のジェットによって軸方向に可動であるように具体化されている、
ことを特徴とする、請求項2に記載のケーシングブレーキ。
【請求項16】
両方のシェルが、対応するベアリング内に個別に取り付けられており、前記ベアリングの少なくとも一方が軸方向に移動可能であり、前記調整装置が、前記移動可能なベアリングを前記シェルとともに軸方向に移動させる、
ことを特徴とする、請求項2に記載のケーシングブレーキ。
【請求項17】
前記加ひずみ手段が、ブレーキリング(1)を支持しているシェル(2)と、自身の磁気力によって前記ブレーキリング(1)を支持している磁石(14)と、を備えていることと、
前記磁石(14)の前記磁気力によって前記ブレーキリング(1)をひずませることができるように、前記ブレーキリング(1)が少なくとも部分的に磁性を有することと、
を特徴とする、請求項1に記載のケーシングブレーキ。
【請求項18】
前記調整装置(5,12,16)が、前記磁石(14)が軸方向に可動であるように配置されるように、具体化されている、
ことを特徴とする、請求項17に記載のケーシングブレーキ。
【請求項19】
前記調整装置(5,12,16)が、前記磁石(14)の前記磁気力を変更する手段、を備えている、
ことを特徴とする、請求項17に記載のケーシングブレーキ。
【請求項20】
ケーシングブレーキのブレーキ出力を調整する方法であって、
スタッフィングパイプ(7)の自由端部(7a)にケーシングブレーキを配置するステップと、取り付けられているケーシング(8)に前記スタッフィングパイプ(7)を通じてペースト状の材料が詰め込まれ、前記ケーシングブレーキが、前記スタッフィングパイプ(7)の周囲に配置された、加ひずみ手段(2,3,14)によってひずませることができ、前記ケーシングを前記スタッフィングパイプ(7)に押し付けるブレーキリング(1)を備えている、
前記ケーシングにペースト状の材料を詰め込むステップと、
調整装置(5,12,16)を作動させることによって製造中に前記ブレーキリング(1)の前記ひずみを調整するステップと、前記調整装置(5,12,16)が、前記製造中に前記加ひずみ手段(2,3,14)に可変の力をかけてその力を維持する、
を含んでいる、方法。
【請求項21】
製造中に、前記詰め込まれたケーシングをねじって切るために、前記加ひずみ手段(2,3)が前記ブレーキリングとともに前記スタッフィングパイプの縦軸線(L)を中心に少なくとも一時的に駆動されることと、
前記調整装置が駆動されないことと、
を特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記調整装置(5,12,16)が、特定のブレーキ出力に対応する状態に維持される、
ことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
異なるソーセージ内径に対して、対応するブレーキ出力があらかじめ調整された異なるケーシングブレーキが使用される、
ことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシングブレーキと、ケーシングブレーキのブレーキ出力を調整する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
機械によるソーセージ製造においては、最初に、機械の放出口におけるスタッフィングパイプにケーシングを取り付ける。次いで、スタッフィングパイプの端部にケーシングブレーキを配置する。
【0003】
ケーシングブレーキは、ケーシングに材料(例:ソーセージ肉)を詰めているときに、充填ポイント、すなわちスタッフィングパイプの端部において張力がかかった状態にケーシングを保持するために使用される。これは、十分に詰まった高品質のソーセージを製造するための必要条件である。しかしながら、スタッフィング工程中にスタッフィングパイプからケーシングがあまりに容易にはずれる場合、充填の程度が低下する。
【0004】
さらには、ケーシングブレーキにより、ねじって切る工程(twist-off process)時、スタッフィングパイプ上のまだ詰まっていないケーシングは一緒に回転するが、すでに詰められたソーセージの部分は、慣性のため一緒には回転しない、または保持される。この相対的な運動によって、ねじりポイントがケーシングブレーキの位置に生じる。すなわち、ソーセージが個々の部分に成形される。
【0005】
そのようなケーシングブレーキとして、ケーシングを外側からスタッフィングパイプに押し付けるブレーキゴムを備えたブレーキが、特許文献1からすでに公知であり、例えば、図5に示してある。ブレーキゴム1は、ケーシングブレーキの一部を形成している。ブレーキゴムのシールリップ(sealing lip)は、内側、スタッフィングパイプを向いている。この円錐状のブレーキゴムは、2つのシェル(shell)2および3の間で軸方向にひずむ(strained)。これは、通常、これらシェルの間のねじによって行われる。ブレーキゴムを傾斜を介してひずませることによって、シールリップの直径を変化させることができ、従って、ブレーキ出力を調整することができる。コンポーネントの動力特性が大きいため、製造中に慣性によりブレーキングプレストレスが変動することは絶対に回避すべきである。従って、通常は、力を加えたときにのみ変動が可能であるように、調整は重く設定される。従って、特に駆動型のタイプにおいては、製造中にブレーキング効果を調整することは不可能であり、機械の停止中に行う。これは製造の中断につながる。従って、ブレーキ出力を理想的に適合させることができない。調整したブレーキ出力を稼働中に確認しなければならず、必要であれば調整を繰り返し、これにより再び機械を停止させることが要求される。システムの構成によっては、ブレーキトランスミッション(brake transmission)からブレーキを取り外したときの、最後に調整したブレーキングプレストレスが維持される。しかしながら、例えば個々のコンポーネントを清掃するためにブレーキを分解すると、最後に調整したブレーキングプレストレスが失われる。組み立てた後、その最後の調整は復元されず、製造を停止させて再調整することにより、製造中にもう一度見つけ出さなければならない。
【0006】
また、ブレーキゴムがスタッフィングパイプに取り付けられており、このブレーキゴムがケーシングを外側から押しているケーシングブレーキも公知である。この場合、ブレーキゴムはスタッフィングパイプの一部を形成しており、スタッフィングパイプに永久的に結合されている。ブレーキゴムのシールリップは外側を向いており、円錐形状のスリーブがブレーキゴムをひずませる。この解決方法も不都合であり、なぜなら、前回のブレーキ調整のみが維持されるためである。例えば、内径を変更すると、前回の内径の調整が失われる。従って、内径を変更するたびにブレーキを再調整しなければならない。ブレーキングプレストレスは、再現することが容易ではない。スタッフィングパイプにおけるブレーキゴムの外部リップは、容易に損傷する。さらには、シールリップの存在により、ケーシングを取り付けることが難しい。
【特許文献1】欧州特許第0247462号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の説明に基づき、本発明の目的は、ブレーキ出力を正確に再現することができ、かつ容易に調整できる、ケーシングブレーキ、およびブレーキ出力を調整する方法、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、この目的は、請求項1および請求項20の特徴によって達成される。
【0009】
本発明によると、ケーシングブレーキ、好ましくは駆動型ケーシングブレーキのひずみまたはブレーキ出力によって、製造中に容易に調整を行うことができる。この場合、製造中とは、スタッフィング機械が停止しておらず、スタッフィング工程が進行している、すなわち、ペースト状の材料がケーシングに押し込まれていることを意味する。これによって、ケーシングブレーキを極めて正確に調整することができる。調整目的にスタッフィング装置を停止させる必要はなく、ケーシングブレーキを取り外す必要もない。さらには、加ひずみ手段(straining means)がスタッフィングパイプの縦軸線を中心にスタッフィングパイプとともに駆動されているときに、ブレーキ出力を調整することも可能である。
【0010】
本発明によると、加ひずみ手段に加えて、加ひずみ手段に作用してブレーキリングのひずみを維持する調整装置が設けられていることにより、製造を停止させる、あるいはブレーキを分解する必要なしに、ブレーキリングを外部から調整することができる。特定のブレーキ出力に対応する状態に調整装置を維持できるため、清掃のために加ひずみ手段を分解することができ、この場合、コンポーネントを再び組み立てたときにブレーキングプレストレスが維持される。製造中にブレーキ出力を調整できることにより、ブレーキ出力のレベルを正確に定義することができる。稼働中、例えばブレーキ出力が生じていないときにも、容易に調整することができる。
【0011】
製造中、詰められたケーシングをねじって切るために、加ひずみ手段をスタッフィングパイプの縦軸線を中心に少なくとも一時的に回転させることができ、この場合、調整装置は駆動されず、回転しない。
【0012】
さらに、ケーシングブレーキを取り外して清掃するとき、異なる内径に対する異なる調整を維持することができ、異なる内径に対してブレーキ出力が事前調整された異なるブレーキを使用することができる。
【0013】
好ましい実施形態によると、加ひずみ手段は、間にブレーキリングが配置されている第1および第2のシェルを備えており、少なくとも第1のシェルを他方のシェルの方に軸方向に自由に移動させることができ、調整装置が少なくとも一方のシェルを移動させる。この場合、「自由に移動させることができる」とは、先行技術とは異なり、シェルがねじによって互いに近づくように、または互いに遠ざかるように動くのではなく、軸方向に(または少なくとも1つの軸方向成分を含んでいる方向に)作用する力によってシェルを互いに対して移動させることができることを意味する。容易に移動させ得ることにより、少なくとも一方のシェルに外圧を容易にかけることができ、その圧力によってブレーキゴムの軸方向のひずみが変化する。そのような運動は、製造中にも容易に行うことができる。
【0014】
このブレーキ装置は、少なくとも1つのベアリングをさらに備えていることができ、従って、第1および第2のシェルを回転自在に取り付けて、スタッフィングパイプの縦軸線を中心に駆動することもできる。
【0015】
具体的には、調整装置は、スタッフィングパイプの自由端部に向かい合って配置されている保持装置(例:保持スター(holding star))を備えていることができ、この保持装置は、詰められたケーシングをねじりに対して保持し、保持装置の少なくとも1つの部分が実質的に軸方向に調整可能であり、第1のシェルを押す。従って、ケーシングブレーキに設けられている保持装置を使用して、軸方向に調整可能なシェルに容易に圧力をかけることができる。
【0016】
保持装置とシェルとの間に摺動リングが取り付けられていることが有利であり、この摺動リングは、力を第1のシェルに伝える。ブレーキ出力を調整するとき、調整に応じた強さで摺動リングによって保持装置がシェルに押し付けられる。この摺動リングを使用することは、特に耐摩耗性であり、なぜなら、摺動リングは容易かつ費用効果の高い方式にて交換することができ、ケーシングブレーキの動作時にシェルおよび保持装置のいずれも摩耗することがないためである。
【0017】
2つのシェルが、互いに対して軸方向に移動させることができるように、あらかじめ組み立てられたユニットとして構成されており、かつ、シェルが別々に離れないように具体化されているシェル結合部をさらに備えているならば、それは有利である。そのようなシェル結合部は、例えば、スナップ式(snap)、バヨネット式、または類似する結合部とすることができる。そのような実施形態では、迅速に組み立てる、分解する、すべてのコンポーネントを清掃することができる。これにより、第1および第2のシェルをシェル結合部によって互いに結合することができ、第2のシェルが容器(receptacle)に取り付けられており、容器は、この場合にも、少なくとも1つのベアリングによってスタッフィングパイプの縦軸線を中心に回転自在に取り付けられている。
【0018】
別の実施形態によると、調整装置は磁石を備えており、第1のシェルは、磁気力によって軸方向に移動可能であるように少なくとも部分的に磁性を有するように具体化されている。この代替形態の最も重要な利点は、接触部分がないことであり、従って、調整装置とシェルとの間、すなわち、例えば回転する磁石と固定の磁石との間で力を軸方向に伝えるときに摩耗が生じない。
【0019】
従って、調整装置の磁石を軸方向に移動可能とすることができ、この場合、調整装置の移動により磁石の間の距離が変化し、従って、シェルを異なる程度だけ移動させることができる。従って、調整装置の磁石は、保持装置または保持スターの一部を形成することができる。磁気力を調整できるように、磁石を例えば電磁石として具体化することができ、その磁気力、従って移動可能なシェルに作用する力を、対応する手段によって変化させることができる。
【0020】
別の実施形態によると、調整装置は、中に流体が閉じこめられている密閉空間を備えており、この空間は2つのセクションを含んでおり、そのうちの1つのセクションは、密閉空間内の圧力が変化する場合に軸方向に動くことができ第1のシェルに軸方向の力を伝え、ケーシングブレーキは、空間内の圧力を変化させる手段をさらに含んでいる。この場合にも、例えば、固定の部分から回転する部分への軸方向の力の伝達を、ほぼ摩擦なしで、従ってほぼ摩耗なしで実現できるという利点がある。軸方向に動くセクションは、第1のシェルと一体化されていることが有利である。空間内の圧力は、体積を変化させる、または対応するダクトを通じての媒体の充填量を変えることによって、変化させることができる。
【0021】
本発明の別の実施形態によると、加ひずみ手段は、ブレーキリングを支持しているシェルと、自身の磁気力によってブレーキリングを同様に支持している磁石とを備えており、ブレーキリングを磁気力によって軸方向もしくは半径方向、またはその両方向にひずませることができるように、ブレーキリングは少なくとも部分的に磁性を有する。
【0022】
この実施形態も、極めて単純であり、耐摩耗性である。この場合にも、磁石が軸方向に可動であるように配置されるように調整装置を具体化することができ、あるいは、磁石の磁気力を変化させる手段(ブレーキリングに向かい合って配置される)を設けることができる。
【0023】
本発明によると、両方のシェルを、対応するベアリング内に個別に取り付けることもでき、この場合、ベアリングの少なくとも一方を軸方向に移動させることができる。ブレーキング効果は、ベアリングの互いに対する軸方向の移動によって、好ましくは可動ベアリングリングを押すことによって、調整することができる。
【0024】
調整装置は、第1のシェルが圧縮空気またはウォータージェットによって軸方向に可動であるように具体化することができる。
【0025】
以下では、添付の図面を参照しながら本発明についてさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明による第1の実施形態を示している。7はスタッフィングパイプを表しており、スタッフィングパイプ7にかぶせられているソーセージケーシング8に、それ自体公知の方法で、このパイプを通じてペースト状の材料が送り込まれる。スタッフィングパイプには、ホッパー(図示していない)および分割(portioning)装置(図示していない)を介してペースト状の材料の一部が送られ、ホッパーおよび分割装置は一般に公知であり、本明細書では詳しくは説明しない。
【0027】
機械によるソーセージの製造では、最初に、ソーセージケーシング8をスタッフィングパイプ7の自由端部7aに取り付ける。次いで、それ自体公知の方法で、ケーシングブレーキをスタッフィングパイプの端部7aに配置する。
【0028】
実施形態によっては、スタッフィングパイプ7を回転自在に取り付けることができ、必要な場合、駆動装置(図示していない)によって中心軸線Lを中心に駆動される。ケーシングブレーキは、固定ハウジング10およびブレーキリング1を備えており、ブレーキリング1は弾性材料から作製されており、具体的にはブレーキゴムとして具体化されている。ブレーキリング1は、スタッフィングパイプ7と同軸に配置されている。
【0029】
ケーシングブレーキは、ブレーキリング1を軸方向もしくは半径方向、またはその両方向にひずませる加ひずみ手段2および3を備えている。この場合、軸方向または半径方向とは、それぞれ、少なくとも1つの軸方向成分または半径方向成分を含んでいる方向を意味する。この加ひずみ手段はシェル3および2を備えており、これらのシェルは、それぞれ同様にスタッフィングパイプ7と同軸に配置されている。ブレーキリング1は、シェル2とシェル3との間に挿入されている。ブレーキリングは、実質的に円錐状のセクションを有し、そのシールリップ1aによってケーシング8をスタッフィングパイプ7に押し付けている。ブレーキリングは、そのシールリップ1aが斜め内側、スタッフィングパイプ7の方を向くように配置されている。ブレーキリング1は、幅が広い方の端部に、傾いた端面1bを備えており、この端面はシェル2の斜面に当たっている。シェル3は、円錐状のブレーキリング1の上面1cを押している。シェル3および2の間でブレーキリング1をひずませることによって、ブレーキ圧力、従ってシールリップ1aの直径を変更、調整することができる。
【0030】
シェル3および2は、互いに対して軸方向に移動可能であるように互いに結合されている。一方のシェルが他方のシェルに対して自由に動くことができれば十分である。この実施形態の場合、シェル3をシェル2に対して軸方向に前後に移動させることができる。しかしながら、シェル2および3は、別々に離れることができないように具体化されている。シェルのこの結合部(スナップ式あるいはバヨネット式などによって達成されていることが好ましい)によって、迅速に組み立てる、分解する、あるいはコンポーネントを清掃することができる。
【0031】
2つのシェル2および3と、その間に挿入されているブレーキゴム1とから形成されているあらかじめ組み立てられているユニットは、ケーシングブレーキまたはブレーキトランスミッションの中に取り付けられている。従って、一方のシェル2は容器(receptacle)4に永久的に固定されているのに対し、他方のシェル3は軸方向に移動可能であるように取り付けられている。容器4は、ケーシングブレーキの中にベアリング11によって回転自在に取り付けられている。すなわち、加ひずみ手段(この例ではシェル2,3およびブレーキゴム1)は、スタッフィングパイプ7の軸線Lを中心にスタッフィングパイプとともに回転することができる。従って、駆動装置を設けることができる(駆動装置は一般に公知であり、さらに詳しく説明する必要がないため、説明を省いた)。また、容器4と、シェル3,2およびブレーキゴム1をベアリング11の中に回転自在に取り付けて、スタッフィングパイプ7と一緒に駆動することも可能である。15は固定要素を表しており、この固定要素によってシェル2が容器4に固定されている。この固定要素は、例えば、ばね座金(lock washer)、ひずみリング(straining ring)、または留め具(catch)として具体化することができる。
【0032】
さらに、この装置は、ブレーキリング1の軸方向のプレストレスが容易に調整されて維持されるように、加ひずみ手段(この例ではシェル3)に作用する調整装置5も備えている。調整装置5は、保持装置(例:保持スター5)を備えており、この保持装置は駆動されず、ねじって切る工程が行われるときにもハウジング10に永久的に結合されている。保持装置は、詰められたソーセージが中を通過し、回転に対して保持されるように具体化されている。保持スター5は、この例では、2つの部分から成る。保持スター5の内側部分5bは、例えばねじ9によって軸方向に調整することができる。外側部分5aは、ハウジング10に永久的に結合されている。
【0033】
例えば、回転するシェル3と、固定の保持スター5との間には、摺動リング6が配置されている。保持スター5を調整すると、調整に応じた強さで摺動リング6がシェル3を押す。軸方向に移動可能なシェル3によってブレーキゴムが変形し、これによりブレーキのプレストレスが調整される。摺動リング6は、プラスチックによって作製されていることが好ましい。保持装置5とシェル3との間に摺動リング6を使用することによって、シェル3の摩耗と、保持装置5の摩耗とが減少する。摩耗した場合、プラスチックの摺動リング6は、費用効果の高い方式にて容易に交換することができる。
【0034】
従って、製造中、すなわちスタッフィング材料がケーシングに放出されているときにも、保持スターの内側部分5bを介してブレーキングひずみ(braking strain)を容易に調整および維持することができる。たとえケーシングブレーキが駆動されている、すなわちシェル3,2およびブレーキリング1が軸線Lを中心に回転している場合でも、シェル3に伝わる軸方向の力によって、ブレーキ出力を容易に調整することができる。調整装置から発生してシェル3に作用する力は、製造中に維持される。
【0035】
製造中、ブレーキが駆動されていない場合でも、ブレーキ出力を容易に調整することができる。清掃を目的としてケーシングブレーキを取り外して、例えば、シェル2および3、またはシェル2および3を含んでいるユニットを分解した場合、ブレーキを再び組み立てたときに正しいブレーキ圧力を維持することができ、なぜなら、調整装置の状態、すなわちこの例では保持スター5の内側部分の軸方向ポジションが維持されるためである。取り外すことにより容易に分解することができ、従って、清掃を容易に実施できる結果として衛生状況が向上する。
【0036】
図1に示した実施形態と、以下に示す実施形態は、駆動型ケーシングブレーキに関連して説明してある。これに代えて、本発明による概念は、非駆動型のブレーキに関しても可能である。
【0037】
あるいは、図1に示した構造は、2つのシェル2および3がそれぞれのベアリング内に個別に取り付けられており、かつこれらのベアリング(例:ボールベアリング)の一方を軸方向に移動させることができるように実現することもできる。ベアリングのそれぞれが固定のベアリングリングおよび回転するベアリングリングを含んでいるため、ベアリングを互いに対して軸方向に移動させることによって、好ましくは軸方向に移動可能なベアリングの固定のベアリングリングを押すことによって、ブレーキング効果を調整することができる。軸方向の力がベアリングリングを介してシェル3に伝わる。
【0038】
図2は、図1に示した実施形態に相当に類似している、本発明の第2の実施形態を示しており、この実施形態では、調整装置が環状磁石12を備えており、この磁石の磁気力は軸方向にシェル3に作用する。従って、シェル3も少なくとも部分的に磁性を有し、この場合、同様の環状磁石13が、磁石12に向かい合ってシェル3に組み込まれている。磁石12は、この例では、保持装置5に組み込まれている。この実施形態でも、保持装置5または保持スター5の内側部分5bが、固定の保持スターにおけるねじ9によって軸方向に移動可能である。磁石12の軸方向ポジションを変更することによって、シェル3に作用する軸方向の力が変わり、従って、ブレーキリング1の軸方向のひずみが変化するようにシェル3を軸方向に移動させることができる。磁石12を軸方向に移動可能であるように配置する代わりに、磁石12の磁気力を変化させる手段を設けることも可能である。例えば、環状に配置されている磁石12が電磁石であり、軸方向の力を調整するために磁気力をある範囲内で自由に選択できる。この実施形態においても、正確に調整されたブレーキ出力が得られるように、製造中に調整装置によって、この例では磁石12の磁気力によって、ブレーキ出力が調整される。この代替実施形態の最も重要な利点は、接触部分がないことであり、従って、固定の調整装置と、場合によっては回転するシェル3との間、すなわち、回転する磁石12と固定の磁石13との間で力を軸方向に伝えるときに摩耗が生じない。製造に対して定義された磁気力が維持される。上述したように、磁気力は、磁石の軸方向ポジションによって定義され、シェルが取り外されても、変化しない状態に維持される。磁気力を調整することのできる電磁石を磁石として使用する場合、シェルを取り外してブレーキを再び取り付けたとき、対応する磁気力を再調整することによって、調整装置の状態を維持することができる。
【0039】
図3は、本発明による別の実施形態を示しており、この実施形態も、第1および第2の実施形態に相当に類似している。図1および図2に示した例示的な実施形態とは異なり、調整装置は、この場合には流体によって満たされている密閉空間16を備えている。密閉空間16は2つのセクション19a,19bを含んでおり、一方のセクション19bは、密閉空間16内の圧力が変化したときに軸方向に動く。この場合、密閉空間16のセクション19aは、保持装置5または保持スター5に形成されているのに対して、他方のセクションは、シェル3とつながっており、第1のシェル3と一体に形成されている。密閉空間16は、スタッフィングパイプ7と同軸に配置されている。可動シェル3の延長部分、すなわちセクション19bには、2つの摺動リングシール17が配置されている。セクション19bの外面21と摺動リングシール17は、空間16の内面22に沿って摺動できるように配置されている。
【0040】
例えば、ダクト(図示していない)を通じての媒体の充填量を変化させることによって、空間16内の圧力が変化すると、セクション19bがシェル3とともに軸方向に移動し、従って、ブレーキリング1の軸方向のひずみが変化する。セクション19aのポジションは変わらないままである。
【0041】
空間16内の圧力は、一方の部分、この例では保持装置5の内側部分5bを、例えば軸方向のねじ9によって回転させることにより、空間16内の体積を減少させることによって取得することもできる。圧力が高まると、セクション19bが軸方向に摺動してシェル3がブレーキリング1を押す。
【0042】
摺動リング17は、プラスチックから作製されていることが好ましい。
【0043】
固定の部分(この例では保持部分5、または空間16のセクション19a)から、回転する部分(この例ではセクション19bおよびシェル3)への軸方向の力の伝達は、摺動リングシール17を介してほぼ摩擦なしに、従ってほぼ摩耗なしで行われる。
【0044】
この例でも、正しい圧力、従ってブレーキングひずみが調整されると、製造中にその圧力が維持される。ブレーキ出力の調整は、ブレーキを清掃した後にも、決定された圧力を再調整することによって容易に再現することができる。
【0045】
図4は、本発明による別の実施形態を示している。図4に示した実施形態は、図2に示した実施形態に相当に類似している。この実施形態では、加ひずみ手段がシェル2と磁石14とによって形成されており、シェル2がブレーキリング1を軸方向に支持しており、磁石14の磁気力がブレーキリング1を同様に軸方向に支持しており、ブレーキリング1は少なくとも部分的に磁性を有する。この場合、ブレーキリング1の上面に磁石13が環状に組み込まれている。シェル2は、ベアリング11によって回転自在に取り付けられている容器4に動かないように配置されており、このことは前の例に詳しく説明してある。図4に示した実施形態においては、加ひずみ手段の一部を形成している磁石14は、磁石13に向かい合って配置されている。この場合、磁石14は、保持装置、この例では保持スター5に組み込まれている。前の例示的な実施形態と同様に、保持装置の内側部分5bは、ねじ9によって軸方向に可動であるように配置されている。磁石14および13の距離に伴って磁気力も変化し、この磁気力によって、ブレーキリング1が軸方向もしくは半径方向、またはその両方向にひずむ。磁石13は、この例では、テーパー状のブレーキリングの上面に斜めに組み込まれている。磁石14は、これに対応して傾いて配置されている。
【0046】
第2の例示的な実施形態に関連して説明したように、たとえ分解および清掃後であっても、磁気力を維持することによって、好適なブレーキ出力が容易に再現される。
【0047】
軸方向の力を変更するために磁石14を軸方向に可動であるように配置する代わりに、調整装置が、磁石14の磁気力を変更する手段を備えていることも可能である。磁石14を環状の電磁石とすることができる。
【0048】
本発明による方法においては、ケーシングブレーキは、ケーシングが取り付けられているスタッフィングパイプの自由端部7aに配置されている。ケーシングブレーキのブレーキ出力は、製造中に、すなわちケーシングに詰めている間に調整装置5,12,16を作動させることによって、取り付けた状態において達成される。これにより、調整装置によって加ひずみ手段2,3に軸方向の力もしくは半径方向の力、またはその両方がかかり、従って、製造中にブレーキリングの軸方向もしくは半径方向、またはその両方向のプレストレスが調整されて維持される。
【0049】
これにより、軸方向の力を、例えば、回転していない固定の調整装置から回転する加ひずみ手段に伝えることができる。調整装置は、特定のブレーキ出力に対応する状態に維持される。
【0050】
ケーシングブレーキを取り外すときに、例えば異なる内径に対するブレーキ出力の異なる設定を維持することが可能である。異なる内径に対して、ブレーキ出力をあらかじめ調整した異なるブレーキを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による第1の実施形態の縦断面図
【図2】本発明による第2の実施形態の縦断面図
【図3】本発明による第3の実施形態の縦断面図
【図4】本発明による第4の実施形態の縦断面図
【図5】先行技術によるケーシングブレーキの断面図
【符号の説明】
【0052】
1 ブレーキリング
2,3 シェル
5 保持装置
7 スタッフィングパイプ
8 ソーセージケーシング
12 磁石
15 固定要素
16 密閉空間
【出願人】 【識別番号】503209940
【氏名又は名称】アルベルト ハントマン マシネンファブリク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー
【出願日】 平成19年8月2日(2007.8.2)
【代理人】 【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一


【公開番号】 特開2008−43333(P2008−43333A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2007−202081(P2007−202081)