| 【発明の名称】 |
クルトンの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松村 正大
【氏名】本多 俊郎
【氏名】上村 拓也
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| 【要約】 |
【課題】クルトンのサクサク感の低下を抑制する。
【構成】クルトンを製造する際に、パンの外側に、溶解した固体油脂を付着させる第一工程の後、パンに第一の澱粉の粉末を付着させる第二工程を行い、その後、パンに第二の澱粉の粉末を付着させる第三工程を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パンの外側に、溶解した固体油脂を付着させる第一工程と、 前記第一工程の後、前記パンに第一の澱粉の粉末を付着させる第二工程と、 前記第二工程の後、前記パンに第二の澱粉の粉末を付着させる第三工程と、 を含む、クルトンの製造方法。 【請求項2】 前記パンの容積が、焼成後重量に対して1.5倍以上2.5倍以下である、請求項1に記載のクルトンの製造方法。 【請求項3】 前記パンが、小麦粉の重量に対して5重量%以上20重量%以下のブランを含む、請求項1または2に記載のクルトンの製造方法。 【請求項4】 前記第一工程において、前記パンの乾燥重量に対して15重量%以上40重量%以下の前記固体油脂を付着させる、請求項1乃至3いずれかに記載のクルトンの製造方法。 【請求項5】 前記第二工程において、前記パンの乾燥重量に対して5重量%以上20重量%以下の前記第一の澱粉の粉末を付着させる、請求項1乃至4いずれかに記載のクルトンの製造方法。 【請求項6】 前記第一の澱粉のアミロペクチン含量が、90重量%以上100重量%以下である、請求項1乃至5いずれかに記載のクルトンの製造方法。 【請求項7】 前記第一の澱粉が、α化澱粉または架橋澱粉である、請求項1乃至6いずれかに記載のクルトンの製造方法。 【請求項8】 前記第二の澱粉のアミロペクチン含量が、90重量%以上100重量%以下である、請求項1乃至7いずれかに記載のクルトンの製造方法。 【請求項9】 前記第二の澱粉が、α化澱粉または架橋澱粉である、請求項1乃至8いずれかに記載のクルトンの製造方法。 【請求項10】 前記第一の澱粉および第二の澱粉が、いずれも架橋澱粉である、請求項1乃至9いずれかに記載のクルトンの製造方法。 【請求項11】 請求項1乃至10に記載のクルトンの製造方法により得られたクルトン。 【請求項12】 請求項11に記載のクルトンを含む、飲食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、クルトンの製造方法ならびにこれにより得られるクルトンおよび飲食品に関する。 【背景技術】 【0002】 クルトンは、スープ類の浮き身や、サラダ、グラタン等のトッピング材などに使用される。クルトンには、吸水性が低く、サクサクとした良好な食感をより長時間維持することが求められる。 【0003】 クルトンの製造方法に関する技術として、従来、特許文献1に記載のものがある。 特許文献1には、コーンスターチを配合して焼成したパンを冷却後、切断し、乾燥させて得られた7mm角のクルトンに、硬化パーム油をコーティングした後、馬鈴薯澱粉を付着させることが記載されている。同文献によれば、この方法により、吸水性および食感の両方において満足し、長時間カリカリした食感を持続するクルトンが得られるとされている。また、同文献には、上記クルトンに、α化馬鈴薯澱粉溶液をコーティングした後、馬鈴薯澱粉を付着させることが記載されている。 【0004】 また、技術分野は異なるが、パンに関連する他の従来技術としては、特許文献2〜4に記載のものがある。 特許文献2には、マーガリンやショートニングに特定の澱粉を含有させることが記載されている。また、これにより、パンのきめや触感がよくなるとされている。 特許文献3には、小麦の麩を予め焙焼処理してパン生地に配合し、焼成するパンの製造方法が記載されている。 また、特許文献4には、小麦ふすまの抽出物を配合して製パンを行うことが記載されている。 【特許文献1】特開2002−51692号公報 【特許文献2】特開昭55−71446号公報 【特許文献3】特開昭62−22540号公報 【特許文献4】特開2003−274846号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ここで、背景技術の項で特許文献1を参照して前述したように、従来の技術水準では、パンに固体油脂を付着させた後、馬鈴薯澱粉を一度付着させれば、スープの浮き身に用いられるクルトンのサクサク感として充分満足のゆくものが得られていた。つまり、従来においては、パンに付着させる澱粉の均一性は、澱粉粉末を一度付着させる方法で得られる程度の均一性でよかった。 【0006】 ところが、本発明者が検討したところ、たとえばクルトンを飲食品の具材として味わおうとするとき、クルトンのサクサク感の維持がより一層高い水準で求められることが明らかになった。そして、このような場合、従来の方法で得られたクルトンでは、サクサク感の劣化を充分に抑制することが困難であることが明らかになった。 【0007】 また、特許文献1において澱粉の溶液を用いる場合、比較的厳しい微生物制御対策が必要となることから、実用化へのハードルが高くなる場合があった。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者は、クルトンのサクサク感をさらに高水準で維持するべく、鋭意検討を行った。その結果、従来行われていた澱粉粉末を一度に付着させる方法では、澱粉の付着の均一性が不充分であり、パンの外側に澱粉をさらに高い均一性で付着させなければならないことが明らかになった。 【0009】 そこで、本発明者は、パンの外側に澱粉をさらに高い均一性で付着させるため、さらに検討を行い、本発明に至った。 【0010】 本発明によれば、 パンの外側に、溶解した固体油脂を付着させる第一工程と、 前記第一工程の後、前記パンに第一の澱粉の粉末を付着させる第二工程と、 前記第二工程の後、前記パンに第二の澱粉の粉末を付着させる第三工程と、 を含む、クルトンの製造方法が提供される。 【0011】 また、本発明によれば、上記本発明のクルトンの製造方法により得られたクルトンが提供される。 さらに、本発明によれば、上記本発明のクルトンを含む、飲食品が提供される。 【0012】 本発明においては、第一工程において、クルトンの表面に固体油脂を付着させた後、第二および第三工程において、それぞれ、第一および第二の澱粉の粉末を付着させる。クルトンの表面に固体油脂を付着させることにより、クルトン表面から内部への水分の浸透を抑制することができる。また、溶解した固体油脂を付着させるため、クルトンへの固体油脂の付着むらを効果的に抑制することができる。そして、本発明においては、固体油脂を付着させた後、澱粉粉末を二度付けすることにより、クルトンの外側を飲食品中で保護しつつ、飲食品に適度な粘性を速やかに付与することができるため、クルトン内部への水分の浸透を効果的に抑制することができる。 【0013】 ここで、従来の技術水準では、特許文献1を参照して前述したように、パンに硬化パーム油をコーティングした後、馬鈴薯澱粉を一工程で付着させていた。ところが、このように澱粉粉末の付着を一回で行った場合、澱粉を薄く付着させようとすると、付着むらや欠陥が生じる可能性がある。付着むらや欠陥が生じると、澱粉の被覆が充分でない領域から、クルトン内部に水分が浸透しやすくなり、また、液状の飲食品の粘度上昇が速やかに行われず、クルトンのサクサク感が低下する懸念がある。一方、パンの外側の全体に、一度に澱粉を付着させようとすると、被覆性を確保するため、澱粉の付着量が多すぎて、飲食品の食感または食味が低下する懸念がある。 【0014】 そこで、本発明においては、工程が増えることによる煩雑さを犠牲にしてまで澱粉の粉末の付着工程を2つの工程に分けることにより、パンの外側に澱粉をより一層高い均一性で付着させることができる。これにより、パンを飲食品の浮き身として用いる場合はもちろんのこと、たとえばクルトンを飲食品の具材として味わおうとする場合においても、クルトンのサクサク感を長時間安定的に保持し、そのサクサク感を楽しむことが可能となる。 【0015】 また、本発明においては、第二および第三工程において、澱粉の粉末を付着させるため、澱粉溶液を用いる際に求められるほどの厳しい微生物対策をしなくても、クルトンを安定的に製造することが可能となる。これにより微生物対策としての十分な乾燥(水分制御)工程も不要となるため好ましい。 【発明の効果】 【0016】 以上説明したように、本発明によれば、パンの外側に溶解した固体油脂を付着させた後、第一の澱粉の粉末を付着させ、その後、第二の澱粉の粉末を付着させることにより、クルトンのサクサク感を長時間維持することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 本発明のクルトンは、少なくとも以下の工程を含む方法により得られる。 第一工程:パンの外側に、溶解した固体油脂を付着させる工程、 第二工程:第一工程の後、前記パンに第一の澱粉の粉末を付着させる工程、および 第三工程:第二工程の後、前記パンに第二の澱粉の粉末を付着させる工程。 【0018】 クルトンの製造に用いられるパンの原料や製造方法に特に制限はない。 たとえば、パン生地を焼成し、次いでこれを冷却後、さいの目状等の平行六面体状またはその他の所定の形状に細断または粉砕し、必要に応じて乾燥または油ちょうしたものが用いられる。 【0019】 なお、本発明では特に断りのない限り、パンに固体油脂や澱粉の粉末を付着させる工程を経たあとのものをクルトンと呼ぶ。 【0020】 パンの焼成後重量に対する体積、つまり焼成後の比容積は、食感の観点では、たとえば1.5以上、好ましくは1.75以上とする。また、パンの焼成後の比容積は、食感の観点では、たとえば2.5以下、好ましくは2.25以下とする。 【0021】 また、パンは、小麦ふすま等のブランを含んでいてもよい。パンの原料中にブランを含むことにより、パンおよびこれを用いたクルトンの香ばしさをよりいっそう高めることができる。また、クルトンのサクサク感をより一層向上させるとともに、クルトンのサクサク感の劣化をさらに長時間抑制することができる。 【0022】 パン中のブランの配合量は、食感の観点では、小麦粉の重量に対してたとえば5重量%以上、好ましくは10重量%以上とする。また、ブランの配合量は、食感の観点では、小麦粉の重量に対してたとえば20重量%以下、好ましくは15重量%以下とする。 【0023】 第一工程において用いられる固体油脂は、室温(25℃)において固体のものであればよい。コーティングされた固体油脂の保形性を向上させる観点では、固体油脂の融点をたとえば40℃以上とする。また、固体油脂を溶解させる際の作業性の観点、喫食時の食感の観点では、固体油脂の融点をたとえば100℃以下、好ましくは90℃以下とする。 【0024】 固体油脂としては、食用油脂であれば、動物性油脂および植物性油脂のいずれを用いてもよい。固体油脂の具体例として、パーム油、ラード、バター、マーガリン、ショートニングが挙げられる。また、他に、ナタネ油、コーン油、大豆油、綿実油、ヤシ油、これらの精製油等を水添により硬化して得られる植物硬化油等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよいし、複数種組み合わせて用いてもよい。 【0025】 また、固体油脂の付着量は、食感の観点では、パンの乾燥重量に対して、たとえば15重量%以上、好ましくは25重量%以上とする。また、固体油脂の付着量は、食感の観点では、パンの乾燥重量に対して、たとえば40重量%以下とする。 【0026】 第一工程では、融点以上の所定の温度に加熱して溶解させた固体油脂をパンに付着させる。付着方法に特に制限はないが、たとえば、スプレー塗布等の塗布法、浸漬法等が挙げられる。また、容器内でパンを攪拌しながら溶解させた油脂を添加して、コーティングしてもよい。このとき、たとえばパンの表面に油脂を層状にコーティングする。 【0027】 また、第一工程において、クルトンのサクサク感が保持される程度の厚さ以上であれば油脂層の厚さの下限に特に制限はないが、たとえば0.01mm以上とする。また、油脂層の厚さは、喫食時の脂っこさをさらに抑制し、また飲食品のカロリー増加をさらに抑制する観点では、たとえば5mm以下とする。 【0028】 また、油脂のコーティング層は、パンの表面全面に形成されることが好ましいが、パン内部への水分の移動経路の遮断効果が発揮されれば、パンの外側の一部にコーティング層が形成されていなくてもよい。 【0029】 続いて、第二工程を行う。第二工程では、油脂を付着させたパンに、第一の澱粉の粉末を付着させる。第一の澱粉の粉末の付着方法は、パンの外側になるべく均一に付着できる方法であれば、どのような付着方法を用いてもよい。たとえば、パンを容器内で攪拌しながら第一の澱粉を振りかけたり噴霧したりする。パンを攪拌しながら第一の澱粉を添加することにより、パンの外側全体に一様に第一の澱粉を付着させることができる。また、パン同士の結着を抑制することができる。 【0030】 第一の澱粉は、たとえばパンの外側に層状に設けられる。また、第一の澱粉の付着層は、パンの表面全面に形成されることが好ましいが、クルトンのサクサク感の保持効果が発揮されれば、パンの外側の一部にコーティング層が形成されていなくてもよい。 【0031】 また、第二工程は、第一工程と連続して行ってもよい。具体的には、第一工程の後、パンを容器からとりだすことなく、同じ容器内で第二工程を行ってもよい。また、第二工程は、第一工程でパンの表面に付着した油脂が完全に固まる前に行うことができる。こうすることにより、パンの外側に澱粉をさらに安定的に付着させることができる。 【0032】 第一の澱粉として、粘度発現の観点では、アミロペクチン含量が高い方がよく、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上のものを用いる。 【0033】 第一の澱粉の具体例として、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、緑豆澱粉等の豆澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉等が挙げられる。これらは、未加工澱粉であってもよいし、加工澱粉であってもよい。加工澱粉として、α化澱粉、難消化性澱粉、湿熱澱粉や熱水処理澱粉等の物理処理がなされた澱粉や、架橋、分解、置換等の化学処理がなされた澱粉が挙げられる。また、これらの澱粉は単独で用いてもよいし、複数種組み合わせて用いてもよい。 【0034】 上記例示されたもののうち、第一澱粉としてα化澱粉または架橋澱粉を用いることが好ましい。こうすれば、クルトンを液状の飲食物に接触させた際に、液体の粘度を速やかに上昇させることができるため、クルトン内部への水分の侵入をより一層効果的に抑制し、サクサク感をさらに長時間維持することができる。 【0035】 また、クルトンの吸水を妨げる粘度が高い膜を作るという観点や、液状の飲食品の粘度を速やかに上昇させて水分移行を抑制するという観点では、第一の澱粉として、10重量%の濃度で90℃の水に添加した際に1分以内に粘度発現するもの、または、液状の飲食品にクルトンを添加した際に、液体の粘度が1分以内に急激に増加するものを用いることが好ましい。 【0036】 また、第一の澱粉の付着量は、食感の観点では、パンの乾燥重量に対して、たとえば5重量%以上、好ましくは10重量%以上とする。また、第一の澱粉の付着量は、食感の観点では、パンの乾燥重量に対して、たとえば20重量%以下、好ましくは15重量%以下とする。 【0037】 次に、第三工程を行う。第三工程では、第一の澱粉を付着させたパンの外側に、第二の澱粉を付着させる。第二の澱粉の付着は、たとえば第一の澱粉の付着方法として例示した方法により行うことができる。また、パンをベルトコンベア上で移動させながら、所定位置で第二の澱粉を振りかけてもよい。 【0038】 第二の澱粉は、たとえばパンの外側に層状に設けられる。また、第二の澱粉の付着層は、パンの表面全面に形成されることが好ましいが、クルトンのサクサク感の保持効果が発揮されれば、パンの外側の一部にコーティング層が形成されていなくてもよい。 【0039】 第二の澱粉としては、たとえば、第一の澱粉の具体例として例示したものを用いることができる。第一の澱粉と第二の澱粉とは、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。 【0040】 第二の澱粉についても、粘度発現の観点では、アミロペクチン含量が高い方がよく、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上のものを用いる。また、第二の澱粉も、第一の澱粉と同様に、α化澱粉または架橋澱粉とすることが好ましい。こうすることにより、液状の飲食物に接触させた際の粘度上昇がさらに速やかに生じ、飲食物に適度な粘度を付与するとともに、クルトンのサクサク感の劣化をさらに確実に抑制することができる。 【0041】 また、第二および第三工程で用いる第一の澱粉および第二の澱粉が、いずれも架橋澱粉であることがさらに好ましい。こうすれば、クルトンのサクサク感を、長時間より一層安定的に維持することができる。 【0042】 また、第二の澱粉の付着量は、食感の観点では、パンの乾燥重量に対して、たとえば0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上とする。また、第二の澱粉の付着量は、食感の観点では、パンの乾燥重量に対して、たとえば10重量%以下、好ましくは3重量%以下とする。 【0043】 なお、第二工程の後、第三工程の前に、パンを冷却してもよい。こうすれば、油脂および第一の澱粉により構成されたコーティングを非流動化して固定化し、コーティングを安定化することができる。また、第三工程の前にコーティングを固定化することにより、クルトンを液状の飲食物に接触させたときに、第二の澱粉が、さらに速やかに液体中に分散しやすくなるとともに、パンの外側を油脂および少なくとも一部の第一の澱粉でさらに確実に遮蔽することができる。 また、クルトンの表面に油があるとクルトンを充填する機械とのすべりが悪くなるため、作業性を向上させる点でも好ましい。 このため、クルトンのサクサク感を長時間さらに安定的に維持することができる。 また、クルトンの製造安定性をさらに向上させることができる。 【0044】 なお、パンの冷却方法や冷却時間に特に制限はなく、たとえば、10℃以下の所定の温度で一晩寝かせることができる。また、第二工程の後、パンを10℃の冷風で一次冷却した後、10℃以下の所定の温度に静置する二次冷却を行うなど、冷却工程を多段階としてもよい。 【0045】 このように、本発明においては、澱粉の粉末を2工程に分けて付着させることにより、パンの外側に澱粉の粉末が高い均一性で安定的に付着している。よって、以上の工程で得られるクルトンによれば、飲食品の味または食感のアクセントに用いられる場合だけでなく、クルトン自体を飲食品の具材として味わおうとする場合にも、充分に優れたサクサク感が得られ、飲食品中でのクルトンのサクサク感の劣化を長時間効果的に抑制することができる。 【0046】 上記製法で得られた本発明のクルトンは、各種の飲食品に用いることができる。また、本発明の飲食品は、上述した製造方法により得られたクルトンを含むものである。飲食品の種類に特に制限はないが、たとえば、 コーンスープ等のポタージュスープ、チキンコンソメやビーフコンソメ等のコンソメスープ、わかめスープ等の中華スープ等のスープ類; クリームシチュー(ホワイトシチュー)、ブラウンシチュー等のシチュー類; チーズフォンデュ等のフォンデュ類; グラタン、ドリア、ラザニア等のグラタン類; ポテトサラダ、グリーンサラダ等のサラダ類; が挙げられる。 特に粘度が高いスープの方が、吸水阻害効果が認められる傾向があり好ましい。 【0047】 これらのうち、スープ類は、インスタントスープであってもよい。インスタントスープとして、たとえば、乾燥状態で流通し、食する前に熱湯を注ぐことによって調製されるものが挙げられる。インスタントスープの形態として、粉末状や顆粒状のものが例示され、さらに具体的には、噴霧乾燥や凍結乾燥等の方法で作られたものが挙げられる。また、本発明のクルトンが、粉末状や顆粒状のインスタントスープとともに一人分ずつ包装されていてもよい。 【0048】 また、飲食品へのクルトンの添加時期に特に制限はないが、たとえば喫食前に食卓等で添加される。 【0049】 本発明のクルトンは、上記飲食品のうち、たとえばスープ類、シチュー類やフォンデュ類のような液状の飲食品に用いると、液体に適度な粘度を付与することができる。また、コーティングの外側に澱粉が多く配置され、コーティングのパン側に固体油脂が配置されているため、液状の飲食品の粘度増加を速やかに生じさせるとともに、クルトンのサクサク感が長時間維持される。 【0050】 以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。これらはあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。 【実施例】 【0051】 (実施例1) (パンの作製) 以下の手順でパンを作製した。パン生地の配合を表1に示す。 【0052】 【表1】
【0053】 定法のパンの製法に従い、各原料を混合した。 得られたパン生地を、分割機を用いて分割し、延伸した後、丸め、トレイに入れて、50℃、湿度60〜80%で10〜15分発酵させた。 【0054】 発酵させた生地を、約200℃、約1時間焼成した後に、15℃以下で放冷した。 放冷後、パンを約20mm×20mm×10mmに裁断し、約150℃で30分以上乾燥させた。乾燥したパンを篩い分けし、クルトン用のパンを得た。 【0055】 (クルトンの作製) 以上の手順により得られたパンを攪拌しながら、80〜90℃で加熱溶解させた固体油脂(融点40℃)を添加し、均一にコーティングされるよう約5分間攪拌した。油脂の添加量は、パンの乾燥重量に対して、30重量%とした。 【0056】 引き続き、第一の澱粉粉末として、架橋澱粉(アミロペクチン含量約100%)の粉末を加え、さらに約5分攪拌した。架橋澱粉の添加量は、パンの乾燥重量に対して10重量%とした。 【0057】 その後、パンを攪拌釜に移動し、約3分間攪拌しつつ、5℃の冷風下で冷却した。続いて、パンをステンレス製容器に移し、15℃以下にて放冷した。 【0058】 翌日、パンのうち、結着して大きな塊状になっているものを取り除き、その後、ベルトコンベア上のパンに、第二の澱粉粉末として架橋澱粉(アミロペクチン含量約100%)の粉末を噴霧することにより、二度目の澱粉粉末の付着を行った。澱粉の添加量は、パンの乾燥重量に対して2重量%とした。 以上の手順により、クルトンを得た。 【0059】 (官能評価) 得られたクルトンについて、スープ中でのパンの食感、パンの食感の好ましさおよび総合評価を、3名の専門の評価パネルが評価した。 【0060】 粉体スープ(ポタージュスープ:20〜25g)とクルトン(18g)とを、アルミ容器内に入れた。そこへ、180mLの熱湯を加え、1分後に評価を実施した。 【0061】 官能評価結果を表2に示す。表2における評価基準は以下の通りである。 パンの食感:−2(やわらかい)〜2(サクサク、ガリガリ) パンの食感の好ましさ:−2〜2 総合評価:1〜10 【0062】 また、表2に、パンの比容積および付着工程の有無をあわせて示す。 【0063】 【表2】
【0064】 (比較例1) 実施例1において、第一の澱粉および第二の澱粉の付着工程を行わない他は、実施例1の方法に準じてクルトンを作製し、2名の専門の評価パネルが官能評価を行った。評価結果を表2に示す。 【0065】 (比較例2) 実施例1において、第二の澱粉の付着工程を行わない他は、実施例1の方法に準じてクルトンを作製し、2名の専門の評価パネルが官能評価を行った。その結果、スケールアップした際に、クルトン間およびクルトン内で第一の澱粉の付着むらが生じ、得られたクルトンの食感のばらつきが大きかった。また、工業的に安定した食感のクルトンを得るためには、第一の澱粉の付着量を増やすか、またはクルトンの選別工程をさらに行わなければならなかった。 【0066】 (比較例3) 実施例1において、第一の澱粉の付着工程の際に、粉末にかえて澱粉溶液を用いると、澱粉溶液を調製する際に、溶液の微生物基準をクリアすることがより困難になるため好ましくない。また、溶液にて噴霧を行うと、パン自体の水分が上がり、乾燥を行うなどの水分制御を行い、微生物基準をクリアするための余計な手間が増えることが確認されている。 【0067】 (実施例2〜4) 実施例1において、パン生地へのブランの配合量を、それぞれ、5重量%、15重量%および20重量%とした他は、実施例1の方法に準じてクルトンを作製し、官能評価を行った。評価結果を表3に示す。 【0068】 表3における官能評価の評価基準は以下の通りとし、実施例1を基準とする相対評価により行った。 パンの食感:−2(やわらかい)〜2(サクサク、ガリガリ) パンの食感の好ましさ:−2〜2 総合評価:1〜10 【0069】 【表3】
【0070】 (実施例5〜8) 実施例1において、パン生地の比容積を、それぞれ、1.5、1.75、2および2.5とした他は、実施例1の方法に準じてクルトンを作製し、官能評価を行った。評価結果を表4に示す。 【0071】 表4における官能評価の評価基準は表3と同様であり、実施例1を基準とする相対評価により行った。 【0072】 【表4】
【0073】 (実施例9〜12) 実施例1において、パンへの油脂の添加量を、それぞれ、15重量%、20重量%、25重量%および40重量%とした他は、実施例1の方法に準じてクルトンを作製し、官能評価を行った。評価結果を表5に示す。 【0074】 表5における官能評価の評価基準は表3と同様であり、実施例1を基準とする相対評価により行った。 【0075】 【表5】
【0076】 (実施例13〜16) 実施例1において、パンに付着させる第一澱粉の種類を、それぞれ、ワキシースターチ(α化澱粉)、馬鈴薯澱粉、難消化性澱粉および湿熱処理澱粉とした他は、実施例1の方法に準じてクルトンを作製し、官能評価を行った。評価結果を表6に示す。 【0077】 表6における官能評価の評価基準は表3と同様であり、実施例1を基準とする相対評価により行った。 【0078】 【表6】
【0079】 なお、これらの実施例のスープを観察したところ、実施例1および2については、湯を加えて1分以内にスープの粘度が発現した。また、実施例14〜16については、湯を加えて2〜3分以内にスープの粘度が発現した。 【0080】 (比較例4、実施例17〜19) 実施例1において、パンに添加する第一澱粉の量を、それぞれ、0重量%、5重量%、15重量%および20重量%とした他は、実施例1の方法に準じてクルトンを作製し、官能評価を行った。評価結果を表7に示す。 【0081】 表7における官能評価の評価基準は表3と同様であり、実施例1を基準とする相対評価により行った。 【0082】 【表7】
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| 【出願人】 |
【識別番号】591101504 【氏名又は名称】クノール食品株式会社 【識別番号】000000066 【氏名又は名称】味の素株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月14日(2006.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100110928 【弁理士】 【氏名又は名称】速水 進治
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| 【公開番号】 |
特開2008−67647(P2008−67647A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−249567(P2006−249567) |
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