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【発明の名称】 シート状フライ食品及びその製造方法
【発明者】 【氏名】三澤 英絵

【要約】 【課題】破損しにくいシート状フライ食品用冷凍生地及び食感の良好なシート状フライ食品及びその製造方法を提供すること。

【構成】以下の工程を含むシート状フライ生地の製造方法である。(A)ドウ生地とドウ生地100質量部に対して10〜100質量部の油脂を折り込み、圧延することにより厚みが4〜9mmで2〜12層の積層生地とする工程、(B)前記積層生地を層が露出するように切断し成形する工程。また前記方法により得られた積層生地を冷凍した積層生地である。さらに、前記方法により得られた積層生地をフライし層を剥離することにより得られるシート状フライ食品である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含むシート状フライ生地の製造方法。
(A)ドウ生地とドウ生地100質量部に対して10〜100質量部の油脂を折り込み、圧延することにより厚みが4〜9mmで2〜12層の積層生地とする工程
(B)前記積層生地を層が露出するように切断し成形する工程
【請求項2】
請求項1に記載の方法により得られた積層生地を冷凍した積層生地。
【請求項3】
請求項1に記載の方法により得られた生地又は請求項2に記載の積層生地をフライし層を剥離することにより得られるシート状フライ食品。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状フライ食品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドウ生地と油脂からなる積層生地をフライする積層状食品が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平2000−4772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記積層状食品は、チップ状の油脂をドウ生地に分散させ、圧延、折り込みにより得られる積層状生地をフライして得られるもので、シート状油脂を使用した場合は剥がれが多いという問題点を解決したものである。
このように積層生地をフライした場合に、積層生地が剥がれることは、従来問題点とされてきた。
一方、シート状のフライ食品を製造する場合、ローラー等により生地を圧延して目的とする生地の厚みにするが、薄くなると製造が困難であった。
また、薄い生地は冷凍すると破損しやすくなる問題があった。
したがって、本発明の目的は、破損しにくいシート状フライ食品用冷凍生地及び食感の良好なシート状フライ食品及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、積層生地をフライする場合、問題点とされていた剥がれることを逆に利用して従来圧延によっては製造が困難であった薄いシート状食品を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、 以下の工程を含むシート状フライ生地の製造方法である。
(A)ドウ生地とドウ生地100質量部に対して10〜100質量部の油脂を折り込み、圧延することにより厚みが4〜9mmで2〜12層の積層生地とする工程。
(B)前記積層生地を層が露出するように切断し成形する工程。
また前記方法により得られた積層生地を冷凍した積層生地である。
さらに、前記方法により得られた積層生地をフライし層を剥離することにより得られるシート状フライ食品である。
【発明の効果】
【0006】
積層した生地をフライし各層を剥離することで薄いシート状食品を製造することができる。
フライして得られるシート状食品は、さくさくした良好な食感を有する。
層状生地から単層生地を製造するので、単層生地をフライする場合に比べフライヤーの使用効率が良い。
また、積層生地に切り込みを入れフライすることで単層生地では製造が困難な噛み合った形状の剥離したシート状食品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用できるドウ生地はシート状に形成できるものであれば特に限定されない。
例えば、比較的リーンな配合のフランスパン生地、食パン生地、中華まん生地、油脂や糖類の配合が比較的多い菓子パン生地、イーストドーナツ生地、ピザ生地、ドーナッツ生地、クッキー生地、ビスケット生地等を使用することができる。
【0008】
本発明において使用できる油脂は、折り込みできるものであれば特に限定されず、従来の積層生地の製造に使用している折り込み油脂を使用することができる。
例えば、バター、マーガリン、ショートニング等を使用することができる。
フライ時の油汚れを防止するため、フライに使用する油脂と同じ油脂を用いることが好ましい。
油脂の使用量は、ドウ生地100質量部に対して10〜100質量部である。
油脂の使用量が10質量部未満では、層の剥離が不完全になり完全に剥離することができない。
油脂の使用量が100質量部を超えると剥離しやすくなるが積層生地にする場合作業性が悪くなる。
【0009】
積層生地の成形は従来の積層生地の製造方法と同様に行うことができる。
まず油脂を生地で包み、圧延と折り込みを繰り返すことにより目的の層と厚みの積層生地を調製することができる。
本発明の積層生地の厚みは4〜9mmであり、層は2〜12層である。
この厚みと層数にすることによりフライした場合にドウ生地を完全に剥離することができる。
厚みが4mm未満では、生地が破損しやすく、9mmを超えると火通りが悪くなり完全に剥離せず、剥離面積が80%程度の剥離に止まる。
層は12層を超えると、従来の積層フライ食品のようになり剥離しにくくなる。
ここで層数とは油脂の層数をいい、例えば、1層の油脂層を上下1層のドウ生地で挟み込んだ積層生地の層数は1層である。
【0010】
次に前記の積層生地を油脂層とドウ生地層が露出するように切断して成形する。
切断して成形した生地の形状は厚みが4〜9mmであり、層が2〜12層であれば特に限定されない。
例えば、三角形、長方形、正方形、円形、楕円形等に切断することができる。
前記形状の大きさはあまり大きいと火通りが悪くなり剥離しにくくなるので、縦、横が同時に15cmを超えない大きさが好ましい。
また、生地の中央部に切り込みを設け、生地を半分に折り、ずらすことにより、剥離したシート状フライ食品が噛み合った形状とすることができる。
【0011】
成形した生地は必要に応じて冷凍することができる。
本発明の冷凍した生地は層状になっているので厚みがあり単層生地に比べ破損しにくい。
【0012】
前記生地をフライしてシート状フライ食品を得ることができる。
フライ時間は生地の大きさ、形状により適宜調整するが、160〜200℃で1分〜6分程度である。
フライすることにより、油脂層が溶け出し、ドウ生地が剥離してフライされシート状フライ食品となる。
【0013】
シート状フライ食品は、薄くサクサクした良好な食感であり、そのままで又は砂糖、糖蜜、シーズニング等で味付けし食すことができる。
【実施例】
【0014】
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
小麦粉(日本製粉株式会社製、商品名「ダイヤ」)100質量部、砂糖5質量部、食塩2質量部、卵10質量部、脱脂粉乳5質量部、水50質量部、ショートニング10質量部をミキサーで混合して、20℃に捏ね上げた。
室温にて30分間休ませた後、ショートニング50質量部を用い厚み4mmの4層の折込生地にした。
この生地を縦30mm、横50mmに側面に油脂層とドウ生地層が露出するように切断成形し、190℃で2分間フライして薄い板状のシート状食品を得た。
シート状食品は互いに完全に剥離していた。
このシート状食品に砂糖をかけ食したところサクサクとした良好な食感であった。
【0015】
[実施例2〜6、比較例1〜2]
実施例1において、生地の厚みを表1のとおり変更した以外は実施例1と同様にしてシート状食品を得た。
実施例2〜6により得られたシート状食品は実施例1と同様にサクサクとした良好な食感であった。
比較例1は、薄すぎて生地の調製が難しく一部破損した。
比較例2は、一部が剥離せずくっついたまま層状になってしまった。
【0016】
【表1】


【0017】
[実施例7〜11、比較例3]
実施例1において、層を表2に示す層数に変更した以外は実施例1と同様にしてシート状食品を得た。
実施例7〜10により得られたシート状食品は実施例1と同様にサクサクとした良好な食感であった。
比較例3は、一部が剥離せずくっついたまま層状になってしまった。
【0018】
【表2】


【0019】
[実施例11]
実施例1において、切断成形した生地を冷凍した後、そのまま190℃で3分間フライした以外は実施例1と同様にしてシート状食品を得た。
実施例11により得られたシート状食品は実施例1と同様にサクサクとした良好な食感であった。
【0020】
[実施例12]
小麦粉(日本製粉株式会社製、商品名「ダイヤ」)100質量部、砂糖5質量部、食塩2質量部、卵10質量部、脱脂粉乳5質量部、水50質量部、ショートニング10質量部をミキサーで混合して、20℃に捏ね上げた。
室温にて30分休ませた後、ショートニング50質量部を用い厚み4mmの6層の折込生地にした。
この生地を縦40mm、横200mmに側面に油脂層とドウ生地層が露出するように切断し図1に示すように中央部に長手方向に切り込みを入れ、半分におり、切り込みを層にそってずらして成形した。
この生地を190℃で2分フライして噛み合った形状の薄い板状のシート状食品を得た。
シート状食品は互いに完全に剥離していた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】シート状食品の成形工程の説明図
【符号の説明】
【0022】
1 積層生地
2 切り込み

【出願人】 【識別番号】000231637
【氏名又は名称】日本製粉株式会社
【出願日】 平成18年8月16日(2006.8.16)
【代理人】 【識別番号】100130661
【弁理士】
【氏名又は名称】田所 義嗣


【公開番号】 特開2008−43248(P2008−43248A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221767(P2006−221767)