| 【発明の名称】 |
製麺用ノズル、同ノズルを具備する製麺機、及び蕎麦の製麺方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】青木 稔
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| 【要約】 |
【課題】手打ち蕎麦と同等の食感を醸し出すことのできる蕎麦麺を容易に製造可能にすること。
【構成】押圧された麺生地を通過させる生地押出孔群を有する製麺用ノズルであって、前記生地押出孔群が形成された前記ノズルの端面は、複数の端板にそれぞれ形成された複数の押出孔同士が各々重合するように、これら複数の端板を積層して構成され、当該複数の端版のうち、押し出される麺の断面形状を規定する押出孔が形成された端板を金属板とした。また、前記ノズルの端面を構成する複数の端板は、前記麺生地の押し出し方向に向けて外側に配置した前記金属板と、当該金属板の内側に配置したフッ素樹脂板とが組み合わされていることとした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 押圧された麺生地を通過させる生地押出孔群を有する製麺用ノズルであって、 前記生地押出孔群が形成された前記ノズルの端面を、少なくとも金属板を含む複数の端板を積層するとともに、各端板にそれぞれ形成した複数の押出孔同士を各々重合させて構成し、前記金属板に形成した前記押出孔により、押し出される麺の少なくとも一部の表面を粗面に形成可能としたことを特徴とする製麺用ノズル。 【請求項2】 前記ノズルの端面を構成する複数の端板は、前記麺生地の押し出し方向に向けて外側に配置した前記金属板と、当該金属板の内側に配置したフッ素樹脂板とが組み合わされていることを特徴とする請求項1記載の製麺用ノズル。 【請求項3】 前記麺生地を蕎麦生地とし、前記フッ素樹脂板に、矩形形状の第1の押出孔を形成する一方、前記金属板には、前記第1の押出孔の対向した一組の辺と同長さの幅を有する長円形状の第2の押出孔を形成したことを特徴とする請求項2記載の製麺用ノズル。 【請求項4】 前記金属板及びフッ素樹脂板を、保持面上に積層状態に保持するノズルホルダーを備え、前記保持面には、前記第1、第2の押出孔がはみ出すことのない外形寸法を有する円形形状の第3の押出孔が形成されていることを特徴とする請求項3記載の製麺用ノズル。 【請求項5】 前記金属板を真鍮板としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製麺用ノズル。 【請求項6】 麺生地を収容するカップスリーブと、 同カップスリーブ内の麺生地を押圧するピストンと、 前記カップスリーブに取付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載の製麺用ノズルと、 を具備することを特徴とする製麺機。 【請求項7】 生地押出孔群が形成されたノズル端面から蕎麦生地を押し出して製麺する蕎麦の製麺方法において、 前記生地通押出群が形成された前記ノズル端面を、前記麺生地の押し出し方向に向けて、内側からフッ素樹脂板と金属板とを積層して構成するとともに、前記フッ素樹脂板に、押し出される麺を矩形断面形状に規定する第1の押出孔を形成するとともに、前記金属板に、前記第1の押出孔から押し出された麺の少なくとも一部の表面と縁部が接触する第2の押出孔を形成して、押し出し成形される麺の表面に粗面を形成することを特徴とする蕎麦の製麺方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、特に蕎麦の製造に用いられる製麺用ノズル、同ノズルを具備する製麺機、及び蕎麦の製麺方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、麺生地を収容するカップ状のカップスリーブと、同カップスリーブ内の麺生地を押圧するピストンと、カップスリーブの底面に取り付けられ、押圧された麺生地が通過する複数の押出孔を具備するノズルと、前記カップスリーブの下方に位置し、押出孔を通過して線状に形成された麺を受け止めて茹でる釜部とから構成した製麺機があり、人手による手打ち蕎麦よりも効率的な製麺が可能なため、業務用などに広く用いられている。 【0003】 かかる製麺機のノズルについてみると、あたかも手打ち蕎麦のような形状を得るために、各辺が内側に湾曲する略矩形形状の押出孔を形成したものが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。 【特許文献1】特開平11−196798号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 元来、実際の手打ち蕎麦は、製麺時において打ち粉をまぶして包丁を入れているので、断面は比較的ざらざらした粗面となっており、この粗面が舌触りに影響するとともに、蕎麦の食感としても広く認識されている。 【0005】 他方、食品を製造する上述した製麺機においては、通常、前記ノズルの材料として、例えば、テフロン(登録商標)のように清掃が容易なフッ素加工樹脂が用いられている。 【0006】 したがって、形成された押出孔の内側面は極めて滑らかになり、押し出し成形される蕎麦の表面も円滑になっていた。 【0007】 このように、製麺機で製造された蕎麦はその表面が円滑になっているために、本体の手打ち蕎麦とは微妙に食感が異なるものとなってしまっていた。そのため、市場からは、より手打ち蕎麦に近い麺を製造することのできる製麺機が望まれていた。 【0008】 本発明は、上記課題を解決して、手打ち蕎麦により近い食感を実現することのできる製麺用ノズルと、同ノズルを用いた製麺機、及び蕎麦の製麺方法を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0009】 (1)請求項1記載の本発明は、押圧された麺生地を通過させる生地押出孔群を有する製麺用ノズルであって、前記生地押出孔群が形成された前記ノズルの端面を、少なくとも金属板を含む複数の端板を積層するとともに、各端板にそれぞれ形成した複数の押出孔同士を各々重合させて構成し、前記金属板に形成した前記押出孔により、押し出される麺の少なくとも一部の表面を粗面に形成可能としたことを特徴とする。 【0010】 (2)請求項2記載の本発明は、請求項1記載の製麺用ノズルにおいて、前記ノズルの端面を構成する複数の端板は、前記麺生地の押し出し方向に向けて外側に配置した前記金属板と、当該金属板の内側に配置したフッ素樹脂板とが組み合わされていることを特徴とする。 【0011】 (3)請求項3記載の本発明は、請求項2記載の製麺用ノズルにおいて、前記麺生地を蕎麦生地とし、前記フッ素樹脂板に、矩形形状の第1の押出孔を形成する一方、前記金属板には、前記第1の押出孔の対向した一組の辺と同長さの幅を有する長円形状の第2の押出孔を形成したことを特徴とする。 【0012】 (4)請求項4記載の本発明は、請求項3記載の製麺用ノズルにおいて、前記金属板及びフッ素樹脂板を、保持面上に積層状態に保持するノズルホルダーを備え、前記保持面には、前記第1、第2の押出孔がはみ出すことのない外形寸法を有する円形形状の第3の押出孔が形成されていることを特徴とする。 【0013】 (5)請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製麺用ノズルにおいて、前記金属板を真鍮板としたことを特徴とする。 【0014】 (6)請求項6記載の本発明は、麺生地を収容するカップスリーブと、同カップスリーブ内の麺生地を押圧するピストンと、前記カップスリーブに取付けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載の製麺用ノズルと、を具備する製麺機とした。 【0015】 (7)請求項7記載の本発明は、生地押出孔群が形成されたノズル端面から蕎麦生地を押し出して製麺する蕎麦の製麺方法において、前記生地通押出群が形成された前記ノズル端面を、前記麺生地の押し出し方向に向けて、内側からフッ素樹脂板と金属板とを積層して構成するとともに、前記フッ素樹脂板に、押し出される麺を矩形断面形状に規定する第1の押出孔を形成するとともに、前記金属板に、前記第1の押出孔から押し出された麺の少なくとも一部の表面と縁部が接触する第2の押出孔を形成して、押し出し成形される麺の表面に粗面を形成することを特徴とする。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、従来の押し出し式により製造された麺とは異なり、独自の舌触りの良好な食感を有する麺を提供することができる。特に、麺が蕎麦であれば、手打ち蕎麦と同等の食感を醸し出すことが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 本実施形態に係る製麺機は、麺生地を収容するカップスリーブと、同カップスリーブ内の麺生地を押圧するピストンと、前記カップスリーブに取付けられた製麺用ノズルを備えており、この製麺用ノズルは、下記の構成からなることを特徴としている。なお、製麺機としては、前記製麺用ノズルから線状に形成された麺、すなわち麺線を受け止めて茹でる麺茹で槽を配設しておいてもよい。 【0018】 本実施形態に係る製麺用ノズルは、押圧された麺生地を通過させる生地押出孔群を有するものであり、ここでは、前記生地押出孔群が形成された前記ノズルの端面を、少なくとも金属板を含む複数の端板を積層するとともに、各端板にそれぞれ形成した複数の押出孔同士を各々重合させて構成し、前記金属板に形成した前記押出孔により、押し出される麺の少なくとも一部の表面を粗面に形成可能としている。 【0019】 金属製の端板に形成された押出孔の内側面は、粗面となっているため、この金属板に形成された押出孔を通過して成形された麺の側面についても粗面が形成されることになり、舌触りが独特なものとなる。特に、麺生地が蕎麦生地であり、蕎麦を製造する場合に用いるとなれば、実際の手打ちそばに極めて近い舌触りの食感を得ることが可能となる。 【0020】 前記ノズルの端面を構成する複数の端板は、前記麺生地の押し出し方向に向けて外側に配置した前記金属板と、当該金属板の内側に配置したフッ素樹脂板とを組み合わせて構成するとよい。 【0021】 押出孔の具体的な形状としては、前記フッ素樹脂板には、矩形形状の第1の押出孔を形成する一方、前記金属板には、前記第1の押出孔の対向した一組の辺と同長さの幅を有する長円形状の第2の押出孔を形成することができる。 【0022】 かかる構成により、麺生地が、先ずフッ素樹脂板に形成された矩形形状の第1の押出孔を円滑に通過して麺として断面形状が矩形形状に規定され、次いで、金属板に形成された第2の押出孔により、この第2の押出孔の縁部と接触した麺の表面が粗面とされることになる。したがって、蕎麦生地を用いた場合には、あたかも手打ち蕎麦ど同様な外観と食感とが実現されることになる。また、ノズルの端面を構成する端板の一部にフッ素樹脂を用いたことで、洗浄も簡単に行えるようになる。 【0023】 さらに、本製麺機は、前記金属板及びフッ素樹脂板を、保持面上に積層状態に保持するノズルホルダーを備え、前記保持面には、前記第1、第2の押出孔がはみ出すことのない外形寸法を有する円形形状の第3の押出孔が形成されている。 【0024】 すなわち、本実施形態に係る製麺ノズルは、筒状のカップスリーブの下部に形成した螺合部に強固に螺着する構造となっており、内側周面に螺合部を設けたノズルホルダーと、このノズルホルダー内に収容可能なフッ素樹脂からなる第1の端板と、この第1の端板に重合配置可能な金属板からなる第2の端板とから構成されている。そして、前記ノズルホルダーに、前記第1、第2の端板を収容した状態で、カップスリーブの先端開口部に強固に螺着させるのである。 【0025】 このように、ノズルホルダーによって前記フッ素樹脂からなる第1の端板及び金属板からなる第2の端板を支持可能とした構成とすることによって、麺生地を押し出す際に、前記フッ素樹脂や金属からなる端板が変形したりすることを未然に防止することができる。 【0026】 上述した構成からなる製麺ノズルを具備する製麺機によって、押し出し成形される麺の少なくとも表面の一部を粗面に仕上げることができる。また、この製麺ノズルは、製麺機に対して着脱自在となっているので洗浄も容易である。 【0027】 このように、本実施形態では、生地通押出群が形成された前記ノズル端面を、前記麺生地の押し出し方向に向けて、内側からフッ素樹脂板と金属板とを積層して構成するとともに、前記フッ素樹脂板に、押し出される麺を矩形断面形状に規定する第1の押出孔を形成するとともに、前記金属板に、前記第1の押出孔から押し出された麺の少なくとも一部の表面と縁部が接触する第2の押出孔を形成して、押し出し成形される麺の表面に粗面を形成する製麺方法も実現される。 【0028】 上記製麺機を用いて製造された麺は、麺茹で槽に収容されて適宜時間茹でられ、食事に供される麺となる。特に、蕎麦生地を用いれば、手打ち蕎麦と同様な食感及び外観形状を有する蕎麦を効率的に製造することができる。 【0029】 ところで、上記製麺機の製麺ノズルに用いられる金属板としては、真鍮板を用いることが好ましい。 【0030】 すなわち、真鍮板は、例えばステンレスなどの他の金属板に比べ、麺線の押し出し時の滑りが良好であり、押し出し時の抵抗による発熱量が少ない。一般に、麺が熱をもつと、悪影響が生じることが知られている。特に、蕎麦の場合、発熱によりその香りがとんでしまい、蕎麦麺としての商品価値を失うおそれがある。よって、本実施形態では、真鍮板を用いることにより、発熱による麺への悪影響を可及的に防止している。 【0031】 以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながらより具体的に説明する。なお、本実施形態では、麺を蕎麦として説明する。図1は本実施形態に係る製麺機の一部断面側面図、図2はこの製麺機に設けたカップノズルの分解斜視図、図3はカップノズルに装着される製麺ノズルの端面の積層状態を示す説明図、図4は同製麺ノズルの端面の各押出孔の重合状態を示す説明図、図5は図4のI−I線における断面図である。 【0032】 図1に示すように、本実施形態に係る製麺機1は、蕎麦生地を成形して断面略矩形形状の麺線aを形成する麺押し出し部2を主たる構成要素としており、この麺押し出し部2を基台部4により昇降自在に支持している。 【0033】 なお、基台部4の上面は載置面41が形成されており、この載置面41に、麺茹で用の湯を張ることのできる麺茹で部3を載置可能としている。31は槽部、32は同槽部31に設けた湯沸し機構、33は槽部31に吐出口を臨ませた水栓、34は槽部31の脚体、35は槽部31の排水口である。また、43は基台部4の下面に取付けられたキャスタである。 【0034】 また、基台部4の後部には、麺押し出し部2の連結ロッド21を昇降自在に支持する機枠42を立設しており、この機枠42の下部側面に設けた回転軸(図示せず)をハンドル44を回転させることにより、麺押し出し部2の高さ調整を行うことができる。なお、前記ハンドル44は着脱自在としており、その他の工具類などと共に、前記機枠42内に収納可能としている。 【0035】 麺押し出し部2は、上部にボックス状のピストン駆動部5を備え、同ピストン駆動部5の底面前部に円柱状のピストン9を昇降自在に配設している。6はスリーブカバーであるが、このスリーブカバー6は特に設けなくても構わない。 【0036】 そして、麺押し出し部2の下部位置に、本実施形態の要部をなす製麺用ノズル7を具備するカップノズル8を配置可能としている。 【0037】 図1において、12はピストン起動レバーであり、このレバー12の操作により、前記ピストン9は、ピストン駆動部5の作動によって上下に変位してカップノズル8内を摺動する。 【0038】 また、麺押し出し部2における載置されたカップノズル8の下方位置には、カッター16を左右スライド自在に配設しており、前記製麺用ノズル7から押し出された麺線aを適宜長さで切断可能としている。 【0039】 ここで、本実施形態の要部となる前記カップノズル8に取り付けられた製麺用ノズル7について詳説する。 【0040】 図2に示すように、製麺用ノズル7は、カップ状に形成されたカップスリーブ81の下部に取付けられている。なお、82は前記カップスリーブ81の下部に形成した螺合部となる雄螺子部、83はカップスリーブ81に設けた取っ手である。 【0041】 この製麺用ノズル7は、最外側面となる第3の端板をなす底板70を有し、内側周面に螺合部となる雌螺子部71を設けた短筒状のノズルホルダー72と、このノズルホルダー72内に収容可能な、例えばテフロン(登録商標)のようなフッ素樹脂からなる第1の端板をなすフッ素樹脂板73と、このフッ素樹脂板73に重合配置可能な第2の端板となる真鍮板74とから構成されている。 【0042】 そして、ノズルホルダー72の底板70には、第3の押出孔となる複数の円孔91が形成され、フッ素樹脂板73には矩形形状の複数の第1麺生地押出孔92が、真鍮板74には長円形状の複数の第2麺生地押出孔93が、それぞれ対応する配置となるように形成されている。 【0043】 上記構成により、製麺用ノズル7の底板70がフッ素樹脂板73と真鍮板74との保持面として機能し、前記底板70とフッ素樹脂板73と真鍮板74とが重合して形成されるノズル端面7a(図1参照)には、複数の生地押出孔群が形成されることになり(図3〜図5参照)、ピストン9によって生地押出孔群から蕎麦生地が押し出されて麺線aを得ることができる。 【0044】 なお、蕎麦生地が押し出されるときには、ピストン9による大きな圧力が、製麺用ノズル7の端面をなすフッ素樹脂板73と真鍮板74とに加わるが、これらはノズルホルダー72の底板70によりしっかりと保持されているため、圧力により変形するなどの損傷を受けるおそれがない。 【0045】 本実施形態では、前記真鍮板74に形成された前記長円形状の複数の第2麺生地押出孔93の短軸寸法と矩形形状の前記第1麺生地押出孔92の一辺の長さとを略同一としている。具体的には、第1麺生地押出孔92の寸法を、1.5mm×1.6mm、第2麺生地押出孔93の短軸寸法を1.4mm、長軸寸法を3.0mmとしている。なお、各寸法については適宜設定してよい。 【0046】 したがって、蕎麦生地は生地押出孔群から押し出される際には、第2麺生地押出孔93を通過すると、必然的に真鍮板74の第2麺生地押出孔93の長軸方向の内縁面に接触しながら通過することになる。 【0047】 このとき、フッ素樹脂板73に形成された第1麺生地押出孔92と、金属板である真鍮板74に形成された第2麺生地押出孔93とを比較すると、金属板に形成された第2麺生地押出孔93の内側面の方が、フッ素樹脂板73の第1麺生地押出孔92の内側面よりも粗面となっている。すなわち、真鍮板74の第2麺生地押出孔93は、例えばフライス盤による加工、又はその他の機械加工によって形成しただけであるが、フッ素樹脂板73の第1麺生地押出孔92は、フライス盤で加工した後、所定の刃物によって打ち抜き穿孔しており、真鍮板74に形成された第2麺生地押出孔93よりも平滑面に仕上がっているからである。したがって、第1麺生地押出孔92を通過して断面形状を略矩形に規定された麺線aの4側面のうち、少なくとも向かい合う一組の側面表面は第2麺生地押出孔93を通過することで粗面となり、その舌触りを手打ち蕎麦に可及的に近づけることができる。 【0048】 ところで、前記ノズルホルダー72に設けた円孔91は、前記第1麺生地押出孔92及び第2麺生地押出孔93がはみ出すことのないように、これらよりも一回り大きな外形寸法を有しているため(ここでは、直径を少なくとも3mmよりも大としている)、蕎麦生地の押し出しは円滑に行われる。 【0049】 また、真鍮板74の第2麺生地押出孔93の内側面を粗面にしているため、例えば、金属板に角孔を加工する際に用いられるワイヤーカットなどのような高価な特別工具は必要なく、簡単な機械加工で済むために、製麺用ノズル7を製造する場合のコスト増を抑えることもできる。 【0050】 本実施形態における製麺用ノズル7は、図2に示すように、カップスリーブ81と同様に平面視円形形状としているが、ノズルホルダー72の内側面には、四隅の角部を緩やかに湾曲させた端板受部75が形成されており、この端板受部75に緩やかに嵌合するような形状に、前記フッ素樹脂板73及び真鍮板74を形成し、ノズルホルダー72内で、これらフッ素樹脂板73及び真鍮板74を回転不可の状態で保持可能としている。 【0051】 そして、ノズルホルダー72内に前記フッ素樹脂板73と真鍮板74とを重合させるとともに、図3〜図5に示すように、円孔91と第1麺生地押出孔92及び第2麺生地押出孔93とが互いにはみ出したりすることなく重合した状態で収容し、その状態で前記カップスリーブ81の下部に形成した雄螺子部82に螺着している。 【0052】 上記構成の製麺用ノズル7を具備した製麺機1を用いて、実際に蕎麦を製造する場合について説明する。 【0053】 製麺用ノズル7が取り付けられたカップノズル8を麺押し出し部2から取り出し、蕎麦粉及び水を混合して捏ねた蕎麦生地を投入して麺押し出し部2に戻す。 【0054】 次に、ピストン駆動部5を始動させて、ピストン9にカップノズル8内の蕎麦生地を押圧させ、蕎麦生地を製麺用ノズル7の生地押出孔群から押し出して麺線aを形成する。 【0055】 このとき、麺線aの外側面には、前記生地押出孔群を構成する第2麺生地押出孔93を通過することで形成される微小な凹凸によって粗面が形成される。そして、押し出された麺線aをカッター16によって一定の長さに切断し、切断した麺線aを、麺押し出し部2の下方に配設した麺茹で部3へそのまま落下させる。落下した麺線aは、麺茹で部3の槽部31から図示しない掬い笊で取り出される。 【0056】 麺茹で部3の槽部31内には、熱湯が収容されており、麺線aはこの湯によって茹でられる。 【0057】 そして、茹で終わった麺線aを麺茹で部3から取り出して、例えば流水にさらして冷却することにより、手打ち蕎麦と同様な食感を有する蕎麦を得ることができる。 【0058】 なお、本実施形態では、麺茹で部3を別体で構成し、基台部4の載置面41に載置しているが、基台部4と一体的に構成してもよい。また、麺茹で部3に代えて、既存の釜などを利用しても構わない。 【0059】 また、本実施形態では、製麺機1の製麺ノズル7に真鍮板74を用いたものとして説明したが、必ずしも真鍮板74でなくともよく、例えばステンレスなど、食品に好適に使用可能な金属板であればよい。 【0060】 しかし、本実施形態では真鍮板74を用いたことにより、他の金属板を採用した場合に比べ、麺線aの押し出し時の滑りが良好となり、押し出し時の抵抗による発熱量が少なくなるため、発熱により蕎麦の香りがとぶことがなく、蕎麦麺としての商品価値を失うことがないという効果を奏する。 【0061】 上述してきた実施形態によれば、以下の製麺用ノズル7が実現できる。 【0062】 押圧された麺生地を通過させる生地押出孔群(図4参照)を有する製麺用ノズル7であって、前記生地押出孔群が形成された前記ノズル7の端面7aを、少なくとも金属板(例えば、真鍮板74)を含む複数の端板(例えば、第1の端板及び第2の端板)を積層するとともに、各端板にそれぞれ形成した複数の押出孔例えば、第1麺生地押出孔92及び第2麺生地押出孔93)同士を各々重合させて構成し、前記金属板(例えば、真鍮板74)に形成した前記押出孔(例えば、長円形状とした第2麺生地押出孔93)により、押し出される麺(例えば、麺線a)の少なくとも一部の表面を粗面に形成可能とした製麺用ノズル7。 【0063】 上記製麺用ノズル7において、前記ノズル7の端面7aを構成する複数の端板(例えば、第1の端板及び第2の端板)は、前記麺生地の押し出し方向に向けて外側に配置した前記金属板(例えば、真鍮板74)と、当該真鍮板74の内側に配置したフッ素樹脂板73とが組み合わされている製麺用ノズル7。 【0064】 上記製麺用ノズル7において、前記麺生地を蕎麦生地とし、前記フッ素樹脂板73には、孔形状を矩形形状とした第1の押出孔(第1麺生地押出孔92)を形成する一方、前記金属板(例えば、真鍮板74)には、前記第1の押出孔の対向した一組の辺と同長さの幅を有する長円形状の第2の押出孔(第2麺生地押出孔93)を形成した製麺用ノズル7。 【0065】 上記製麺用ノズル7において、前記金属板(例えば、真鍮板74)及びフッ素樹脂板73を、保持面上に積層状態に保持するノズルホルダー72を備え、前記保持面には、前記第1、第2の押出孔(例えば、第1麺生地押出孔92及び第2麺生地押出孔93)がはみ出すことのない外形寸法を有する円形形状の第3の押出孔(例えば、円孔91)が形成されている製麺用ノズル7。 【0066】 また、上述の実施形態によれば、麺生地を収容するカップスリーブ81と、同カップスリーブ81内の麺生地を押圧するピストン9と、前記カップスリーブ81に取付けられた上記各製麺用ノズル7と、を備える製麺機1が実現できる。 【0067】 さらに、上述の実施形態によれば、以下の蕎麦の製麺方法が実現できる。 【0068】 すなわち、生地押出孔群が形成されたノズル端面7aから蕎麦生地を押し出して製麺する蕎麦の製麺方法において、前記生地通押出群が形成された前記ノズル端面7aを、前記麺生地の押し出し方向に向けて、内側からフッ素樹脂板73と金属板(例えば、真鍮板74)とを積層して構成するとともに、前記フッ素樹脂板73に、押し出される麺を矩形断面形状に規定する第1の押出孔(第1麺生地押出孔92)を形成するとともに、前記金属板(例えば、真鍮板74)に、前記第1の押出孔から押し出された麺の少なくとも一部の表面と縁部が接触する第2の押出孔(第2麺生地押出孔93)を形成して、押し出し成形される麺(例えば、麺線a)の表面に粗面を形成する蕎麦の製麺方法。 【0069】 以上、説明してきたように、本実施形態に係る製麺機1を用いれば、製造される麺線aの側面を粗面となすことができ、手打ち蕎麦に近い食感を有する蕎麦麺を容易に製造することができる。 【図面の簡単な説明】 【0070】 【図1】本実施形態に係る製麺機の一部断面側面図である。 【図2】同製麺機に設けたカップノズルの分解斜視図である。 【図3】カップスリーブに装着される製麺ノズルの端面の積層状態を示す説明図である。 【図4】同製麺ノズルの端面の各押出孔の重合状態を示す説明図である。 【図5】図4のI−I線における断面図である。 【符号の説明】 【0071】 1 製麺機 7 製麺用ノズル 7a ノズル端面 8 カップノズル 70 底面 73 フッ素樹脂板 74 真鍮板 81 カップスリーブ 92 第1麺生地押出孔 94 第2麺生地押出孔
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| 【出願人】 |
【識別番号】000236746 【氏名又は名称】不二精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月28日(2006.8.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080160 【弁理士】 【氏名又は名称】松尾 憲一郎
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| 【公開番号】 |
特開2008−48700(P2008−48700A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−230399(P2006−230399) |
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