トップ :: A 生活必需品 :: A21 ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地

【発明の名称】 オーブン装置
【発明者】 【氏名】小川 啓司

【要約】 【課題】被加工物に対する焼きムラの解消、均等な熱の拡散調整に加えて、発生したスチームの水分量を短時間で確実に調整可能とし、よりしっとりとした焼成を可能にする。

【解決手段】上部熱源3を通ってから熱板2上側へ輻射熱を誘導すべく下部熱源4の輻射熱流路を形成し、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けて輻射熱が過度にならないように当該輻射熱を遮蔽すべく上部熱源3設置側に対向して設けた支持フレーム23の上端において隙間を介して任意の高さに架設可能とした横垂板26と、下部熱源4からの輻射熱流束が上部熱源3の輻射熱流束と合流して対流を生じることで熱板2上の被加工物W側への熱伝達を向上するよう横垂板26の下端側に垂直方向に移動自在に固定可能とすることで当該横垂板26の下縁側の隙間を拡大乃至狭小可能とした遮熱用調整板25とから構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーブン窯内の熱板上に置かれた被加工物に対し上方に向けられている上部熱源からの遠近赤外線を反射機構によって乱反射させて熱板上に拡散放射して加熱処理を行ない、熱板下方に配置した下部熱源によって熱板自体を加熱するオーブン装置において、熱板の左右両側には下部熱源からの対流による火力を微調整可能とした仕切調整板構造の対流熱調整機構を備え、該対流熱調整機構は、オーブン窯の内側壁と熱板の縁端部との間に所要幅の間隙を有して起立配置し且つ上端に上部熱源を載置固定した固定基台を装架配置させてなる左右の仕切壁部と、該仕切壁部内側に位置する熱板の縁端部から起立配置させた支持フレームとの間に隙間を形成することで、熱板を下側から直接加熱する下部熱源に対し、上部熱源を通ってから熱板上側へ輻射熱を誘導すべくこの隙間によって下部熱源の輻射熱流路を形成するよう横垂板と遮熱用調整板とから成り、横垂板は、上部熱源から熱板上の被加工物側へ向けた輻射熱量を調整すべく上部熱源設置側に対向して設けられた支持フレームの上端において隙間を介して任意の高さに架設可能とされており、遮熱用調整板は、下部熱源からの輻射熱流束を上部熱源の輻射熱流束と合流させて対流を生じさせるよう横垂板の下端側に垂直方向に移動自在に固定可能とすることで当該横垂板の下縁側の隙間を拡大乃至狭小可能としてあることを特徴とするオーブン装置。
【請求項2】
横垂板および遮熱用調整板は、支持フレームに沿って複数に分割して配置され、オーブン窯内の奥行きにわたって部分的に上部熱源の輻射熱強度および下部熱源からの輻射熱流束それぞれの調整を可能とした請求項1記載のオーブン装置。
【請求項3】
上部熱源としては、遠近赤外線放射可能なシュバンクバーナーを使用し、下部熱源としては、排熱中にオーブン窯内に水蒸気を放出可能にするガスバーナーを使用してなる請求項1または2記載のオーブン装置。
【請求項4】
横垂板は、断熱材の表面に金属板を貼り合わせてなる請求項1乃至3のいずれか記載のオーブン装置。
【請求項5】
横垂板には、微細な気泡を含んだ多孔質性溶岩石による遠赤外線放射板を使用し、シュバンクバーナーによる上部熱源からの遠近赤外線輻射熱およびガスバーナーによる下部熱源からの水分を含んだ排気対流熱によって当該遠赤外線放射板から被加工物に対しソフト化した遠赤外線を拡散放射可能にした請求項3記載のオーブン装置。
【請求項6】
オーブン窯内部の天井部には、複数の孔部が隣接形成されてなる天井側ダクト部および当該天井側ダクト部に連通配置した排気口を備え、孔部には、オーブン窯外部に設けたダンパーの押し込み操作および引っ張り操作によって、オーブン窯内部に篭もらせた水蒸気量を調整可能にするようメッシュ構造のシャッター機構を備えた請求項1乃至5のいずれか記載のオーブン装置。
【請求項7】
オーブン窯が中間台を介して複数段で積み重ねられているオーブン装置において、中間台には給気機構を設け、該給気機構は、オーブン窯の底部と中間台側方の外部とにそれぞれ連通する給気ダクト部を形成すると共に、中間台の側壁には外部に連通して給気ダクト内に外気を導入する給気孔を、オーブン窯の底壁にはオーブン窯の底部に連通して給気ダクト内の給気をオーブン窯内に送気する送気孔をそれぞれ開穿して成ることを特徴とするオーブン装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、製菓、製パン、ピザ等の調理焼成加工等において例えば遠近赤外線シュバンクバーナー、セラミックヒーター、ガスバーナー等の熱源部材を使用し且つ炉内での被加工物の燃焼時に発生するガス燃焼時の水分(水蒸気)の対流技術を応用した固定式、トンネル式等のガスオーブン装置の改良に係り、特に、被加工物に対する焼きムラを解消し、且つ均等な熱の調整拡散を行えるようにすると共に、水分蒸発量を増やすことで、よりしっとりとした焼成を可能としたオーブン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製菓、製パン、ピザ等の調理、焼成加工には一般的にガスオーブン装置が使用されている。例えば本出願人自身が提案した特許文献1に開示されているように、オーブン窯内の熱板上に置かれた被加工物に対し上方に向けられている上部熱源からの遠近赤外線を反射機構によって乱反射させて熱板上に拡散放射して加熱処理を行ない、熱板下方に配置した下部熱源によって熱板自体を加熱すると共に、熱板の左右両側には下部熱源からの対流による火力を微調整する開閉移動可能な仕切調整板構造の対流熱調整機構を備え、下部熱源からの輻射による対流熱を調整することで熱板下方のみが極端に高温状態となるのを防止し、これによって熱板上の被加工物の下面だけが極端に焦げてしまうようなことを回避できるように、全体の均一性が図れるようにしたオーブン装置がある。
【0003】
すなわち、この対流熱調整機構は、オーブン窯の内側壁と熱板の縁端部との間に所要幅の間隙を有して起立配置し且つ上端に上部熱源を載置固定した固定基台を装架配置させて成る左右の仕切壁部と、仕切壁部内側に位置する熱板の縁端部から起立配置させた支持フレームとの間に隙間を形成することで、熱板を下側から直接加熱する下部熱源に対し、上部熱源を通ってから熱板上側へ輻射熱を誘導すべくこの隙間によって下部熱源の輻射熱流路を形成し、上部熱源から熱板上の被加工物側へ向けて輻射熱が過度にならないように当該輻射熱を遮蔽すべく上部熱源設置側に対向して設けられた支持フレームの上端において任意の高さに架設変更可能な横垂板と、下部熱源からの輻射熱流束を上部熱源の輻射熱流束と合流させて対流を生じさせることで熱板上の被加工物側への熱伝達を向上させるよう支持フレームの上端側に調節ネジを介して水平方向に移動自在に固定可能とした調整板とから構成し、下部熱源の対流による火力を調整するに際し、火力を弱める場合には、調節ネジの押し込み方向への捻回転により調整板が支持フレーム上端側で仕切壁部側に近接して下部熱源の輻射熱流路を塞ぐ方向に移動させるものとしている。
【0004】
また、焼成炉内の蒸気を前面側に排気することができ、且つ加湿焼成に十分で最適な蒸気を供給することができるオーブンが、例えば特許文献2に開示されている。これは、焼成炉内の奥から炉外に連通すべく配設された排気筒、該排気筒に摺動自在に挿着され、排気筒内に押し込んだ位置で気密に閉塞し、排気筒外に引き出した位置で開放される排気口を有する排気口筒、該排気口筒の遊端側に形成された排気蓋それぞえを備え、排気口筒の引き出し具合で前記排気口の開口面積を調整することによって、被焼成物や焼成条件に応じて蒸気の排気量を変え得るものとした排気手段と、ヒーターの近傍に配置される蒸気発生プレート、該蒸気発生プレートに設置された水受板、該水受板に向けて延出された給水パイプ、これらを被装すべく前記蒸気発生プレートに組み付けられるメッシュネットそれぞれを備えてなる蒸気発生槽を有する蒸気発生手段とを設けたものである。
【特許文献1】特開2003−235437号公報
【特許文献2】特開2002−243155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこのような従来の特許文献1におけるオーブン装置では、上部熱源設置側に対向して設けられた支持フレームの上端において任意の高さに架設変更可能な横垂板のみでは、下部熱源からの輻射熱流束を完全に遮蔽することができない。このため、特許文献1では、下部熱源からの輻射熱流束を上部熱源の輻射熱流束と合流させて対流を生じさせることで熱板上の被加工物側への熱伝達を向上させるよう支持フレームの上端側に調節ネジを介して水平方向に移動自在に固定可能とした調整板が設けられているのであるが、この方式では、調整板の水平方向への移動調節に伴い熱板の左右両側スペースが当該調整板によって占有されてしまうために有効な焼成スペースが得られなくなってしまう虞がある。
【0006】
また、従来の特許文献2におけるオーブンの排気手段は、排気口筒の引き出し具合で前記排気口の開口面積を調整することによって蒸気の排気量を変えるものとしているが、排気調整が排気口の開口面積のみによって行われ、しかも排気口筒自体が狭幅な筒型ダクト状に形成されている。そのため、蒸気の排気効率が悪くなることから排気口筒を通しての蒸気の排気量に自ずから限度が生じてしまい、またハード構成の蒸気発生手段によっては最適なスチームの水分蒸発量に達するまでにかなりの時間を要してしまうという問題点を有していた。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、製菓、製パン、ピザ等の被加工物に対する焼きムラを解消し、且つ均等な熱の拡散調整に加えて、シュバンクバーナー、ガスバーナーのガス燃焼時の水分(水蒸気)発生量を短時間で且つ確実に調整可能とし、これによってよりしっとりとした焼成を可能にするオーブン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、オーブン窯1内の熱板2上に置かれた被加工物Wに対し上方に向けられている上部熱源3からの遠近赤外線を反射機構10によって乱反射させて熱板2上に拡散放射して加熱処理を行ない、熱板2下方に配置した下部熱源4によって熱板2自体を加熱するオーブン装置において、熱板2の左右両側には下部熱源4からの対流による火力を調整可能とした仕切調整板構造の対流熱調整機構20を備え、該対流熱調整機構20は、オーブン窯1の内側壁と熱板2の縁端部との間に所要幅の間隙を有して起立配置し且つ上端に上部熱源3を載置固定した固定基台22を装架配置させて成る左右の仕切壁部21と、該仕切壁部21内側に位置する熱板2の縁端部から起立配置させた支持フレーム23との間に隙間を形成することで、熱板2を下側から直接加熱する下部熱源4に対し、上部熱源3を通ってから熱板2上側へ輻射熱を誘導すべくこの隙間によって下部熱源4の輻射熱流路を形成するよう横垂板26と遮熱用調整板25とから成り、横垂板26は、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けた輻射熱量を調整すべく上部熱源3設置側に対向して設けられた支持フレーム23の上端において隙間を介して任意の高さに架設可能とされており、また遮熱用調整板25は、下部熱源4からの輻射熱流束を上部熱源3の輻射熱流束と合流させて対流を生じさせるよう横垂板26の下端側に垂直方向に移動自在に固定可能とすることで当該横垂板26の下縁側の隙間を拡大乃至狭小可能としてあることを特徴とする。
横垂板26および遮熱用調整板25は、支持フレーム23に沿って複数に分割して配置され、オーブン窯1内の奥行きにわたって部分的に上部熱源3の輻射熱強度および下部熱源4からの輻射熱流束それぞれの調整を可能としたものとできる。
上部熱源3としては、遠近赤外線放射可能なシュバンクバーナーを使用し、下部熱源4としては、排熱中にオーブン窯1内に水蒸気を放出可能にするガスバーナーを使用してなるものとできる。
また、横垂板26は、断熱材の表面に金属板を貼り合わせてなるものとできる。
この横垂板26には、微細な気泡を含んだ多孔質性溶岩石による遠赤外線放射板を使用し、シュバンクバーナーによる上部熱源3からの遠近赤外線輻射熱およびガスバーナーによる下部熱源4からの水分を含んだ排気対流熱によって当該遠赤外線放射板から被加工物Wに対しソフト化した遠赤外線を拡散放射可能にしたものとできる。
オーブン窯1内部の天井部31には、複数の孔部32が隣接形成されてなる天井側ダクト部33および当該天井側ダクト部33に連通配置した排気口34を備え、孔部32には、オーブン窯1外部に設けたダンパー35の押し込み操作および引っ張り操作によって、オーブン窯1内部に篭もらせた水蒸気量を調整可能にするようメッシュ構造のシャッター機構30を備えたものとできる。
また、オーブン窯1が中間台41を介して複数段で積み重ねられている複数段構成とすることもでき、この場合、中間台41には給気機構40を設けることができ、該給気機構40は、オーブン窯1の底部と中間台41側方の外部とにそれぞれ連通する給気ダクト部42を形成すると共に、中間台41の側壁には外部に連通して給気ダクト42内に外気を導入する給気孔43を、オーブン窯1の底壁にはオーブン窯1の底部に連通して給気ダクト42内の給気をオーブン窯1内に送気する送気孔44をそれぞれ開穿して成る構成とすることができる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係るオーブン装置にあって、仕切調整板構造の対流熱調整機構20は、下部熱源4の対流による火力を調整するに際し、火力を弱めるものとして設定する場合には、横垂板26に対する調節ネジ24の取付位置の変更により横垂板26の下縁側の隙間を狭める方向に遮熱用調整板25を移動させることで下部熱源4の輻射熱流路を遮断させる。
これと同時に調節ネジ24を介して支持フレーム23に架設された横垂板26の高さは、上部熱源3を遮蔽することが可能な高い位置に配置され、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けての輻射熱の過度の到達を防止させる。
一方、火力を強めるものとして設定する場合には、横垂板26に対する調節ネジ24の取付位置の変更により横垂板26の下縁側の隙間を拡げる方向に遮熱用調整板25を移動調整させることで下部熱源4の輻射熱流路を開放させる。
これと同時に調節ネジ24を介して支持フレーム23に架設された横垂板26の高さは、上部熱源3を開放することが可能な低い位置に配置され、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けての輻射熱の強度を増大させる。
また、横垂板26の下縁側の隙間を遮熱用調整板25によって完全閉塞した際には、輻射熱流路が横垂板26の上縁側のみとなり、この方向から輻射熱対流を生じさせる。
このように遮熱用調整板25による輻射熱流路の閉塞乃至拡大、横垂板26の架設高さの変更等によって、焼成されるべき被加工物Wへの輻射熱を均等に分散できるものとなって当該被加工物Wの焦げ付きを防止させると共に、上下部熱源3,4からの輻射熱流束の合流に伴う対流伝熱により、オーブン窯1内を焼成条件に応じた対流熱伝達系とさせ、これにより被加工物Wに対する焼きムラ等を防止させる。
そして、赤外線シュバンクバーナーによる熱源部材を採用した上部熱源3は、当該上部熱源3からの遠近赤外線を反射機構10によって乱反射させて熱板2上に拡散放射して加熱処理を行ない、ガスバーナーによる下部熱源4によって熱板2自体を下方から加熱させることで被加工物Wを万遍なく均一に焼成させる。
支持フレーム23に沿って複数に分割して配置された横垂板26および遮熱用調整板25は、オーブン窯1内部の奥行きにわたっての部分的な加熱調整を設定可能にさせる。
微細な気泡を含んだ多孔質性溶岩石による遠赤外線放射板を使用した横垂板26は、ガスバーナーによる下部熱源4からの水分を含んだ排気対流熱によって当該横垂板26から被加工物Wに対しソフト化した遠赤外線を拡散放射させ、シュバンクバーナーによる上部熱源3からの遠近赤外線輻射熱と相俟って被加工物Wに対する焼成効率を向上させる。しかも多孔質性溶岩石の高蓄熱性によって横垂板26から被加工物Wに対し常に安定した遠赤外線を拡散放射させる。
オーブン窯1外部に設けたダンパー35の引っ張り操作により、メッシュ構造のシャッター機構30が孔部32を閉塞した際には、オーブン窯1内部の排熱を水蒸気と共に篭もらせることから、よりしっとりとした被加工物Wの焼成を可能にさせる。
一方、オーブン窯1外部に設けたダンパー35の押し込み操作により、メッシュ構造のシャッター機構30が孔部32を開放した際には、天井側ダクト部33に連通配置した排気口34からオーブン窯1内部の排熱を水蒸気と共に外部に排気させる。
オーブン窯1を、給気機構40を設けた中間台41を介して複数段構成とすることで、オーブン窯1の単位面積当たりの設置効率を向上させ、また、オーブン窯1内におけるガスバーナーによる下部熱源4に対する外気を給気孔43、給気ダクト部42、送気孔44を経てそれぞれで供給でき、燃焼動作を確実にさせる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被加工物に対する焼きムラを解消し、且つ均等な熱の拡散調整に加えて、シュバンクバーナー、ガスバーナーのガス燃焼時の水分(水蒸気)発生量を短時間で且つ確実に調整可能とし、これによってよりしっとりとした焼成を可能にする。
【0011】
すなわち、これは本発明が、対流熱調整機構20は、オーブン窯1の内側壁と熱板2の縁端部との間に所要幅の間隙を有して起立配置し且つ上端に上部熱源3を載置固定した固定基台22を装架配置させて成る左右の仕切壁部21と、該仕切壁部21内側に位置する熱板2の縁端部から起立配置させた支持フレーム23との間に隙間を形成することで、熱板2を下側から直接加熱する下部熱源4に対し、上部熱源3を通ってから熱板2上側へ輻射熱を誘導すべくこの隙間によって下部熱源4の輻射熱流路を形成するよう横垂板26と遮熱用調整板25とから成り、横垂板26は、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けた輻射熱量を調整すべく上部熱源3設置側に対向して設けられた支持フレーム23の上端において隙間を介して任意の高さに架設可能とされており、遮熱用調整板25は、下部熱源4からの輻射熱流束を上部熱源3の輻射熱流束と合流させて対流を生じさせるよう横垂板26の下端側に垂直方向に移動自在に固定可能とすることで当該横垂板26の下縁側の隙間を拡大乃至狭小可能としてあるからであり、これにより、下部熱源4からの輻射による対流熱を容易に調整できて、熱板2下方のみが極端に高温状態となるのを防止でき、これによって熱板2上の被加工物Wの下面だけが極端に焦げてしまうようなことが回避できる。
【0012】
具体的には、火力を弱める設定とする場合には、横垂板26に対する調節ネジ24の上部側への取付位置の変更により横垂板26の下縁側の隙間を閉塞するように遮熱用調整板25を移動させることで下部熱源4の輻射熱流路を遮断させると同時に調節ネジ24を介して支持フレーム23に架設された横垂板26の高さは、上部熱源3を遮蔽することが可能な高い位置に配置され、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けての輻射熱の過度の到達を防止させる。一方、火力を強める設定とする場合には、横垂板26に対する調節ネジ24の下部側への取付位置の変更により横垂板26の下縁側の隙間を拡げるように遮熱用調整板25を移動させることで下部熱源4の輻射熱流路を開放させると同時に調節ネジ24を介して支持フレーム23に架設された横垂板26の高さは、上部熱源3を開放することが可能な低い位置に配置され、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けての輻射熱の強度を増大させる。
【0013】
このように遮熱用調整板25による輻射熱流路の閉塞乃至拡大、横垂板26の架設高さの変更等によって、焼成されるべき被加工物Wへの輻射熱を均等に分散させることができ、当該被加工物Wの焦げ付きを防止できる。また上下部熱源3,4からの輻射熱流束の合流に伴う対流伝熱により、オーブン窯1内を焼成条件に応じた対流熱伝達系とさせ、これにより被加工物Wに対する焼きムラ等を防止することができる。
【0014】
また、横垂板26および遮熱用調整板25は、支持フレーム23に沿って複数に分割して配置され、オーブン窯1内の奥行きにわたって部分的に上部熱源3の輻射熱強度および下部熱源4からの輻射熱流束それぞれの調整を可能としたので、オーブン窯1内部の奥行きにわたっての部分的な加熱調整を可能にできる。そのため、これによって奥行きの長い上部熱源3からの輻射熱をそれぞれの横垂板26によって部分的に細かくガードできると同時に、下部熱源4からの余熱もそれぞれの遮熱用調整板25によって部分的に細かくガードできる。
【0015】
また、上部熱源3としては、遠近赤外線放射可能なシュバンクバーナーを使用し、下部熱源4としては、排熱中にオーブン窯1内に水蒸気を放出可能にするガスバーナーを使用してなるので、被加工物Wに対する焼成効率を向上できる。
【0016】
また、横垂板26は、断熱材の表面に金属板を貼り合わせてなるので、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けての輻射熱の過度の到達を防止でき、しかも均等な熱の拡散調整が容易に行える。
【0017】
また、横垂板26には、微細な気泡を含んだ多孔質性溶岩石による遠赤外線放射板を使用し、シュバンクバーナーによる上部熱源3からの遠近赤外線輻射熱およびガスバーナーによる下部熱源4からの水分を含んだ排気対流熱によって当該遠赤外線放射板から被加工物Wに対しソフト化した遠赤外線を拡散放射可能にしたので、多孔質性溶岩石を使用した遠赤外線放射板による横垂板26と、シュバンクバーナーによる上部熱源3からの遠近赤外線輻射熱との相乗効果により、被加工物Wに対する焼成効率を向上でき、しかも熱板2上の被加工物Wの下面だけが極端に焦げてしまうようなことが回避できる。
【0018】
また、オーブン窯1内部の天井部31には、複数の孔部32が隣接形成されてなる天井側ダクト部33および当該天井側ダクト部33に連通配置した排気口34を備え、孔部32には、オーブン窯1外部に設けたダンパー35の押し込み操作および引っ張り操作によって、オーブン窯1内部に篭もらせた水蒸気量を調整可能にするようメッシュ構造のシャッター機構30を備えたので、オーブン窯1内部で発生した水蒸気量を短時間で且つ確実に調整でき、これによって被加工物Wの一層のしっとりとした焼成が可能となる。
【0019】
給気機構40を設けた中間台41を介してオーブン窯1を複数段で構成することで、オーブン窯1を単位面積当たりで効率的に配置構成でき、被加工物Wに対する焼成作業等を能率的に遂行できる。また、給気機構40は、オーブン窯1の底部と中間台41側方の外部とにそれぞれ連通する給気ダクト部42を形成すると共に、中間台41の側壁には外部に連通して給気ダクト42内に外気を導入する給気孔43を、オーブン窯1の底壁にはオーブン窯1の底部に連通して給気ダクト42内の給気をオーブン窯1内に送気する送気孔44をそれぞれ開穿して成るから、オーブン窯1の外気を確実にオーブン窯1内に導入でき、ガスバーナーである下部熱源4に対する新鮮な外気を円滑に供給でき、その燃焼を阻害せず、燃焼効率を向上できる。
【0020】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項夫々において付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付したもので、図面中の符号によって示された構造・形状に本発明が限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の一形態を説明する。図において示される符号1は、略密閉構造に形成された断熱性のオーブン窯であり、例えば前面に付設の図示を省略した開閉扉によって開閉され、底部に配した例えば無機質人工石等の熱板上にピザ、パン、カステラ、グラタン等その他として調理焼成すべき各種の生地材料である被加工物Wが載置されるようになっている(図1参照)。
【0022】
そして、このオーブン窯1内部の熱板2の左右両側には、下部熱源4からの対流による火力を微調整可能とした仕切調整板構造の対流熱調整機構20を備えた例えば上方に向けられている上部熱源3が配置され、また熱板2下方に配置した下部熱源4によって熱板2自体を加熱する。
【0023】
尚、本形態における上部熱源3としては、例えば赤外線シュバンクバーナー等の遠近赤外線を放射可能とした熱源部材を採用し、下部熱源4としては、燃焼時に水分(水蒸気)を発生し、これをオーブン窯1内部に放出可能とするガスバーナー等を採用するものとしているが、これに限らず例えば上部熱源3としてセラミックヒーターを使用し、下部熱源4として赤外線シュバンクバーナーやセラミックヒーターやニクロム線ヒーターその他を使用しても良いことは勿論である。
【0024】
これらの上下部熱源3,4によってオーブン窯1内部が例えば300℃前後の温度、例えばピザの場合には約5〜10分等の短時間にて約400℃の高温で、パンや焼菓子の場合には約10〜40分等の長時間にて約200℃前後の中温で加熱されるようにしてある。特に上部熱源3による加熱に際しオーブン窯1上部に配装された高蓄熱性および高輻射率を有する後述する反射機構10によって所定の遠近赤外線を熱板2上の被加工物Wに照射させて加熱するのであり、またオーブン窯1内の天井部31には、オーブン窯1外部に設けたダンパー35の押し込み操作および引っ張り操作によって、オーブン窯1内部に篭もらせた蒸気の排出量を調整可能にするメッシュ構造のシャッター機構30が具備されている。
【0025】
(反射機構10)
以下に本発明に係るオーブン装置における反射機構10の具体的構成について図1に基づき説明する。反射機構10はその外表面によって上部熱源3からの遠近赤外線による輻射熱を乱反射させてシャワーの如く熱板2上に拡散放射し、熱板2上に置かれている被加工物Wたる生地材料を包み込むような熱回りで焼き上げるようにして加熱処理を行なうものである。
【0026】
すなわち、反射機構10は、複数の取付部12が配列されていて、オーブン窯1の例えば前後側壁内側面に前後で対称的に配置形成した支持部材11と、前後の取付部12それぞれによってオーブン窯1の前後に沿って支持される例えばステンレス製芯棒材による小径パイプ状の支持棒材13と、この支持棒材13外側に挿通されることで支持される大径パイプ状の反射部材14とを備えて成るものである。
【0027】
尚、図示を省略したが、場合によっては反射部材14はオーブン窯1の左右方向に沿って配列されることもあり、この場合にはオーブン窯1の左右側壁内側面に左右で対称的にして支持部材11が配置形成され、支持棒材13もオーブン窯1の左右方向に沿ったものとなるのである。
【0028】
(対流熱調整機構20)
以下に本発明に係るオーブン装置における対流熱調整機構20の具体的構成について図1および図2に基づき説明する。オーブン窯1内部の左右両側に配置される対流熱調整機構20は、上部熱源3設置側に対向して設けられ、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けて輻射熱が過度にならないように当該輻射熱を遮蔽するための例えば微細な気泡を含んだ多孔質性溶岩石による蓄熱性能の高い遠赤外線放射板を使用した横垂板26と、下部熱源4からの輻射熱流束を上部熱源3の輻射熱流束と合流させて対流を生じさせることで熱板2上の被加工物W側への熱伝達を向上するための遮熱用調整板25とから構成されている。
【0029】
尚、多孔質性溶岩石によるものの他に、断熱材を例えばメッシュ状の鉄網板もしくはアルミニウム板の表面に貼着して構成してなる横垂板26を使用しても良い。
【0030】
また、対流熱調整機構20における横垂板26および遮熱用調整板25は、図3に示すように、支持フレーム23に沿って例えば2つに分割して配置させることで、オーブン窯1内の奥行きにわたって部分的に上部熱源3の輻射熱強度および下部熱源4からの輻射熱流束それぞれの調整が行えるようにしても良い。このとき、オーブン窯1内の奥行きの長さが大きい場合には、横垂板26および遮熱用調整板25を支持フレーム23に沿って3つにあるいは4つ以上に分割して配置させるようにしても良い。
【0031】
すなわち対流熱調整機構20は、オーブン窯1の内側壁と、熱板2の縁端部との間に所要幅の間隙を有して起立配置し且つ上端に上部熱源3を載置固定するための固定基台22を装架配置させて成る左右の仕切壁部21に対して、内側に位置する熱板2の縁端部から横長帯板上の支持フレーム23を起立配置させて仕切壁部21と支持フレーム23との間に隙間を形成することで、熱板2を下側から直接加熱するための下部熱源4に対し、上部熱源3を通ってから熱板2上側へ輻射熱を誘導すべくこの隙間によって下部熱源4の輻射熱流路を形成している。
【0032】
そして、支持フレーム23の上端には横垂板26の下縁部を支持する支持枠部両端側に設けた二股状の脚部27を介して当該横垂板26を任意の高さに架設配置できるようにしてある。すなわち支持枠部の下縁部の左右両端側には、外形が矩形柱状でしかも下端には支持フレーム23の厚さ分に相当するスリット幅を有する挿入用溝部28が脚部27下面に形成されている。そして脚部27の側面には挿入用溝部28を貫通するようにして係架用の調節ネジ24をねじ込むための複数の孔部27Aが縦方向に隣接形成してあり、これによって支持フレーム23の上端に脚部27の挿入用溝部28が嵌め込まれた際に、支持フレーム23が調節ネジ24によって係止される。
【0033】
また、下部熱源4からの輻射熱流束を上部熱源3の輻射熱流束と合流させて対流を生じさせることで熱板2上の被加工物W側への熱伝達を向上させるよう、横垂板26の下端側に垂直方向に移動自在に固定可能とすることで当該横垂板26の下縁側の隙間を拡大乃至狭小可能として設定調整させる遮熱用調整板25を具備している。
【0034】
すなわち、遮熱用調整板25の両側には、前記脚部27の側面における複数の孔部27Aに対応して複数の孔部25Aが縦方向に隣接形成してあり、これら両孔部27A,25A同士を互いに上下方向にずらした位置で合致させ、前記調節ネジ24を任意の孔部27A,25Aを貫通するようにねじ込んだ後、支持フレーム23の上端に脚部27の挿入用溝部28を嵌め込むことで支持フレーム23が調節ネジ24によって係止されるものとしてある。このように、両孔部27A,25A同士の合致位置を適宜選択することにより、横垂板26と遮熱用調整板25との間の隙間を拡大したり狭めたりして、さらには完全に閉塞させたりして、下部熱源4からの排熱対流による火力を微妙に調整設定できるものとしてある。
【0035】
次に、以上のように構成された実施の形態についての使用、動作の一例を説明する。先ず、オーブン窯1内部の熱板2上に被加工物Wを載せ、上下部熱源3,4を点火すると、当該上下部熱源3,4からの輻射熱流束の合流に伴う対流伝熱により、オーブン窯1内を焼成条件に応じた対流熱伝達系とさせ、これにより被加工物Wに対する焼きムラ等が防止される。このとき、赤外線シュバンクバーナーによる熱源部材を採用した上部熱源3は、当該上部熱源3からの遠近赤外線は反射機構10によって乱反射させられて熱板2上に拡散放射して加熱処理を行ない、ガスバーナーによる下部熱源4によって熱板2自体を下方から加熱することで被加工物Wは万遍なく均一に焼成させられる。
【0036】
下部熱源4の対流による火力を調整するに際し、火力を弱める設定とする場合には、横垂板26に対する調節ネジ24の取付位置の変更により横垂板26の下縁側の隙間を狭める方向に遮熱用調整板25を移動させることで下部熱源4の輻射熱流路を一部遮断する。これと同時に調節ネジ24を介して支持フレーム23に架設された横垂板26の高さは、上部熱源3を遮蔽することが可能な高い位置に配置され、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けての輻射熱の過度の到達が防止される。
【0037】
一方、火力を強める設定とする場合には、横垂板26に対する調節ネジ24の取付位置の変更により横垂板26の下縁側の隙間を拡げる方向に遮熱用調整板25を移動させることで下部熱源4の輻射熱流路を開放する。これと同時に調節ネジ24を介して支持フレーム23に架設された横垂板26の高さは、上部熱源3を開放することが可能な低い位置に配置され、上部熱源3から熱板2上の被加工物W側へ向けての輻射熱の強度が増大させられる。
【0038】
また、横垂板26の下縁側の隙間を遮熱用調整板25によって完全閉塞した際には、輻射熱流路が横垂板26の上縁側のみとなり、この方向から輻射熱対流が生じる。
【0039】
対流熱調整機構20による火力調整のための配置パターンとして、例えば図3に示すように、当該対流熱調整機構20における横垂板26および遮熱用調整板25を支持フレーム23に沿って2つに分割して配置させている場合について説明する。
【0040】
先ず、下部熱源4の輻射熱流路を開放するために、一方の横垂板26および遮熱用調整板25、他方の横垂板26および遮熱用調整板25それぞれの隙間を両者共に全開状態とする場合には、図3(a)に示すように、各脚部27の最下部にある孔部27Aと、両遮熱用調整板25の最上部にある孔部25Aとを合致させてそこに調節ネジ24をねじ込んだ後、支持フレーム23の上端に脚部27の挿入用溝部28を嵌め込んで支持フレーム23に各調節ネジ24を係止させる。
【0041】
また、一方の横垂板26および遮熱用調整板25間の隙間を開状態とし、他方の横垂板26および遮熱用調整板25間の隙間を完全閉塞状態とする場合には、図3(b)に示すように、一方の横垂板26における脚部27の例えば略中段にある孔部27Aと、一方の遮熱用調整板25の最上部にある孔部25Aとを合致させてそこに調節ネジ24をねじ込んだ後、支持フレーム23の上端に脚部27の挿入用溝部28を嵌め込んで支持フレーム23に調節ネジ24を係止させる。また、他方の横垂板26における脚部27の最下部にある孔部27Aと、他方の遮熱用調整板25の最下部にある孔部25Aとを合致させてそこに調節ネジ24をねじ込んだ後、支持フレーム23の上端に脚部27の挿入用溝部28を嵌め込んで支持フレーム23に調節ネジ24を係止させる。
【0042】
また、下部熱源4の輻射熱流路を完全遮断するために、一方の横垂板26および遮熱用調整板25、他方の横垂板26および遮熱用調整板25それぞれの隙間を両者共に完全閉塞状態として設定する場合には、図3(c)に示すように、各脚部27の最下部にある孔部27Aと、両遮熱用調整板25の最下部にある孔部25Aとを合致させてそこに調節ネジ24をねじ込んだ後、支持フレーム23の上端に脚部27の挿入用溝部28を嵌め込んで支持フレーム23に各調節ネジ24を係止させる。
【0043】
尚、上記した配置パターンはほんの一例にしか過ぎず、両孔部27A,25A同士の種々の組み合わせ合致状態に応じてその他多くの配置パターンが可能である。また、図示による説明を省略するが、横垂板26および遮熱用調整板25を支持フレーム23に沿って3つあるいはそれ以上に分割して配置させている場合においても、上記と同様な操作で対流熱調整機構20による火力の調整が行われる。
【0044】
このように横垂板26と遮熱用調整板25との間の隙間を調節ネジ24を介して予め調整設定することによって、焼成されるべき被加工物Wへの輻射熱を均等に分散できるので当該被加工物Wが焦げ付くことが無くなると共に、上下部熱源3,4からの輻射熱の対流伝熱により、オーブン窯1内を焼成条件に応じた対流熱伝達系とすることができるので被加工物Wに対し焼きムラ等を生じることが無くなるのである。
【0045】
(シャッター機構30)
以下に本発明に係るオーブン装置におけるシャッター機構30の具体的構成について図1および図2に基づき説明する。オーブン窯1内部の前記反射機構10が付設されている天井部31には、図4および図5に示すように、例えば円形状の複数の孔部32が隣接形成され、該孔部32は上側の天井側ダクト部33の幅広の下部開口部33A側に連通させると共に、当該天井側ダクト部33はオーブン窯1の例えば背面側に設けられた排気口34に連通させてある。
【0046】
この天井部31における孔部32と天井側ダクト部33における下部開口部33Aとの間には、オーブン窯1外部に設けたダンパー35の押し込み操作および引っ張り操作によって、オーブン窯1内部に篭もらせた水蒸気量を調整可能にするようメッシュ構造のシャッター機構30を備えている。
【0047】
すなわち、このシャッター機構30は、天井部31における孔部32と天井側ダクト部33における下部開口部33Aとの間でスライド可能としたシャッター板36に、前記天井部31における複数の孔部32に対応した個数の開口部36Aとメッシュ部36Bとがスライド方向に沿って前後に隣接配置されており、シャッター板36の端部中央に突設されオーブン窯1外部に延出させたダンパー35を引き出し乃至押し込み方向に操作させることにより、孔部32に対し開口部36Aとメッシュ部36Bとが交互に配置されるようにしてある。
【0048】
例えば、ダンパー35を引き出してシャッター板36を前方にスライドさせることで、孔部32に対しメッシュ部36Bが合致配置され、ダンパー35を押し込んでシャッター板36を後方にスライドさせることで、孔部32に対し開口部36Aが合致配置されるのである。
【0049】
このようにオーブン窯1外部に設けたダンパー35の引っ張り操作により、シャッター機構30のメッシュ部36Bが孔部32を閉塞した際には、オーブン窯1内部の熱を水蒸気と共に篭もらせることとなり、しかもメッシュ部36Bであるため孔部32を完全に密封するのでないために上下部熱源3,4の燃焼不良が避けられるものとなる。
【0050】
一方、オーブン窯1外部に設けたダンパー35の押し込み操作により、シャッター機構30の開口部36Aが孔部32に配置した際には、天井側ダクト部33に連通配置した排気口34からオーブン窯1内部の熱を水蒸気と共に外部に短時間に排気させるものとなる。
【0051】
また、ダンパー35の引っ張り程度または押し込み程度を適宜加減することにより、孔部32に対し開口部36Aおよびメッシュ部36Bの両面積を自由に変更できるから、オーブン窯1内部の水蒸気量の微妙な調整が短時間で可能となる。
【0052】
(給気機構40)
図6には、オーブン窯1を多段に構成したオーブン装置の例が示されている。すなわち、このオーブン装置は、オーブン窯1が中間台41を介して複数段で積み重ねられている複数段構成とし、中間台41には給気機構40を設けたものであり、該給気機構40は、オーブン窯1の底部と中間台41側方の外部とにそれぞれ連通する給気ダクト部42を形成すると共に、中間台41の側壁には外部に連通して給気ダクト42内に外気を導入する給気孔43を、オーブン窯1の底壁にはオーブン窯1の底部に連通して給気ダクト42内の給気をオーブン窯1内に送気する送気孔44をそれぞれ開穿して成る。
【0053】
中間台41は例えば、オーブン窯1の四隅位置で、上下で配置したオーブン窯1相互間で配した支持柱と、この支持柱を囲繞するように設けた周囲壁とから成り、周囲壁内部を給気ダクト部42となしてある。そして、給気ダクト部41と中間台41外部とを連通させる給気孔43を周囲壁例えば左右側壁に開穿し、給気ダクト部41とオーブン窯1内部とを連通させる送気孔44を、オーブン窯1の底壁において適当に配列させて複数にして開穿してある。もとより、これらの給気孔43、送気孔44の孔径、数、配列形態その他は特に限定されるものではない。
【0054】
また、この中間台41は、最下段のオーブン窯1を支持する支持台としても使用され、同様に給気機構40が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明を実施するための最良の形態におけるオーブン装置の内部構造の概略を示す断面図である。
【図2】同じくオーブン装置の対流熱調整機構の一例を示す要部分解斜視図である。
【図3】同じく対流熱調整機構おける異なる配置パターンを示す(a)、(b)、(c)の説明図である。
【図4】同じくオーブン装置の天井部におけるシャッター機構の一例を示す一部切欠斜視図である。
【図5】同じくオーブン装置の天井部におけるシャッター機構の一例を示す要部の縦断面図である。
【図6】同じくオーブン装置が多段的に構成された場合の給気機構の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
W…被加工物
1…オーブン窯 2…熱板
3…上部熱源 4…下部熱源
10…反射機構 11…支持部材
12…取付部 13…支持棒材
14…反射部材
20…対流熱調整機構 21…仕切壁部
22…固定基台 23…支持フレーム
24…調節ネジ 25…遮熱用調整板
25A…孔部 26…横垂板
27…脚部 27A…孔部
28…挿入用溝部
30…シャッター機構 31…天井部
32…孔部 33…天井側ダクト部
33A…下部開口部 34…排気口
35…ダンパー 36…シャッター板
36A…開口部 36B…メッシュ部
40…給気機構 41…中間台
42…給気ダクト部 43…給気孔
44…送気孔
【出願人】 【識別番号】393000238
【氏名又は名称】キュウーハン株式会社
【出願日】 平成19年6月14日(2007.6.14)
【代理人】 【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛


【公開番号】 特開2008−306964(P2008−306964A)
【公開日】 平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願番号】 特願2007−156946(P2007−156946)