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【発明の名称】 ガス焼成装置
【発明者】 【氏名】阿部 淳

【要約】 【課題】リボン炎孔の形成されているバーナー管の外面に対面する前記混合気配分管の外周面には、リボン炎孔に臨在する着火および検出用電極に向けて混合気を噴出する混合気噴出孔が少なくとも1つ穿設されていることにより、低燃焼時の火炎検出ミスを低減する。

【解決手段】前記混合気噴出孔35により、ピンポイントで火炎を大きくし、前記着火及び検出用電極34を常にリボン炎に曝し、接触させ、殊に低燃焼時の火炎検出ミスを低減し、バーナー17、18を安定よく連続的に使用する。この際、コンベア16の移送方向に沿いリボン炎孔32からリボン炎が略水平に噴射されている。この結果、温度制御、製品焼き色調整を適切に行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成室内に複数本のバーナーを配設し、このバーナーにガスと一次空気との混合気を供給して燃焼させるガス焼成装置において、前記各バーナーは、混合気供給孔がその長手軸線方向で間隔を置いて複数個、その外周一側面に穿設し形成されている混合気配分管と、この混合気配分管の外側に偏芯して設置され、リボン炎孔がその外周面でその長手軸線方向にスリット状に形成され、配置されているバーナー管とを備え、前記混合気供給孔は前記バーナー管の内側で、リボン炎孔が形成されてない外周面寄りに位置し、前記混合気供給孔は前記リボン炎孔とは前記混合気配分管と前記バーナー管の直径方向で反対側に位置し、前記リボン炎孔の形成されている前記バーナー管の外面に対面する前記混合気配分管の外周面には、前記リボン炎孔に臨在する着火および検出用電極に向けて混合気を噴出する混合気噴出孔が前記混合気供給孔とバーナーの軸線方向で位置ずれして、少なくとも1つ穿設されていることを特徴とするガス焼成装置。
【請求項2】
前記混合気噴出孔を含む前記バーナー管の少なくとも周囲上部を覆う遮熱板が配置されていることを特徴とする請求項1記載のガス焼成装置。
【請求項3】
前記混合気供給孔と混合気噴出孔の直径は略同一またはそれ以下とし、リボン炎孔は、バーナー管の長手方向に形成したスリットに複数の波型薄板からなるガスの燃焼による炎を整形するための炎孔リボンを装着し固定してなることを特徴とする請求項1又は2記載のガス焼成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成室内に複数本のバーナーを配設してなるパンや菓子類を焼成するために適したガス焼成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
焼成室内にガスバーナーを設けてなるガス焼成装置としては、被焼成物を一定位置に載置して焼成する定置型焼成装置、被焼成物を回転駆動されるラック上に載置して焼成する回転型焼成装置及びトンネル状の焼成室に搬送コンベアを設け被焼成物をこの搬送するコンベア上に載置して焼成する連続型焼成装置等が知られている。
従来のパンを焼成するための連続型のガス焼成装置を示すもので、焼成室内に管状の上火バーナーおよび下火バーナーを複数本配設し、その上下のバーナーの間を焼成すべきパン生地を移送するコンベアを設けて成るものである。
焼成室は一方の側にパン生地を搬入するための搬入口が、また、他方の側には焼成されたパンを搬出するための搬出口を有し、搬入口にはパン生地搬入用コンベアが、また、搬出口にはパン搬出用コンベアが設置されている。
焼成室内は、コンベア上の被焼成物の移送を許容する間隔を置いて設けられた二つの仕切壁により三つの区域に区画されている。焼成室の上部には、ガスの燃焼により生成した燃焼ガスを吸気する排気ダクトが取付けられており、排気ファンにより外部に排出されるようになっている。
パン生地の焼成においては、コンベアを利用して搬入口より成型されたパン生地を焼成室内に導入し、コンベア上に載せて焼成室内を搬出口側へ搬送する。コンベアにより搬送されるパン生地は、搬送される過程において燃焼する上下バーナーにより加熱され、搬入口側から順次、3つの区画において、予熱、焼成、色付乾燥されて最終的に完成品として搬出口より焼成室から取り出される。
上火バーナー及び下火バーナーには、ガスに適量の一次空気を混合した燃料ガスが配管を経由して供給され、バーナー周辺の空気を二次空気としてガスが燃焼する。燃焼によって生じた燃焼排ガスは、排気ファンの運転により吸気ダクトより吸引されて外部に排出される。燃焼ガスの排出に伴って、燃焼室内に、搬入口及び搬出口より外気が導入される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の構成になるガス焼成装置においては、各バーナーは、混合気供給孔がその長手軸線方向で間隔を置いて複数個、その外周一側面に貫通して穿設し形成されている混合気配分管と、この混合気配分管の外側に偏芯して設置され、リボン炎孔がその外周面でその長手軸線方向にスリット状に形成、配置されているバーナー管とを備え、前記混合気供給孔は前記バーナー管の内側で、リボン炎孔が形成されてない外周面寄りに位置し、前記混合気供給孔は前記リボン炎孔とは前記混合気配分管と前記バーナー管の直径方向で反対側に位置している。前記リボン炎孔に臨在する着火および検出用電極が配置されている。
着火および検出の両方で最適な位置の中間に前記電極の先端をあわせる必要があるが、その調整が極めてシビアであり、焼成室11内の対流風等の外乱或は電極の熱歪みにより検出ミスを起こしやすい。
【0004】
また、温度制御、製品焼き色調整時に火炎検出部の炎を小さくさせる必要性が頻繁に発生し、この際に検出電極の位置から炎がはずれ、弁失火することがしばしば発生し、製品品質の不安定を招いている。
更に、検出可能領域での最低燃焼の熱量が大きいため、温度制御範囲が縮小される傾向にある。
【0005】
この発明は上記問題点に鑑みなされたもので、ガス焼成装置のバーナーを改良し、火炎検出を低燃焼時でも容易に行え、バーナーを安定よく連続的に使用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本件特定発明は、焼成室内に複数本のバーナーを配設し、このバーナーにガスと一次空気との混合気を供給して燃焼させるガス焼成装置において、前記各バーナーは、混合気供給孔がその長手軸線方向で間隔を置いて複数個、その外周一側面に穿設し形成されている混合気配分管と、この混合気配分管の外側に偏芯して設置され、リボン炎孔がその外周面でその長手軸線方向にスリット状に形成され、配置されているバーナー管とを備え、前記混合気供給孔は前記バーナー管の内側で、リボン炎孔が形成されてない外周面寄りに位置し、前記混合気供給孔は前記リボン炎孔とは前記混合気配分管と前記バーナー管の直径方向で反対側に位置し、前記リボン炎孔の形成されている前記バーナー管の外面に対面する前記混合気配分管の外周面には、前記リボン炎孔に臨在する着火および検出用電極に向けて混合気を噴出する混合気噴出孔が前記混合気供給孔とバーナーの軸線方向で位置ずれして、少なくとも1つ穿設されていることを特徴とするガス焼成装置としてある。
前記リボン炎孔の形成されている前記バーナー管の外面に対面する前記混合気配分管の外周面には、前記リボン炎孔に臨在する着火および検出用電極に向けて混合気を噴出する混合気噴出孔が少なくとも1つ貫通して穿設されていることにより、ピンポイントで火炎を大きくし、検出電極を常にリボン炎に曝され、接触し、殊に低燃焼時の火炎検出ミスを低減し、バーナーを安定よく連続的に使用する。この結果、温度制御、製品焼き色調整を適切に行う。
前記混合気噴出孔を含む前記バーナーの少なくとも周囲上部を覆う遮熱板が配置されていることが好ましい。この結果、ピンポイントの火炎で、この付近を通過する製品が熱的な影響を受けず、安定よく、製品の焼き色調整を適切に行う。
前記混合気供給孔と混合気噴出孔の直径は略同一またはそれ以下とし、リボン炎孔は、バーナー管の長手方向に形成したスリットに複数の波型薄板からなるガスの燃焼による炎を整形するための炎孔リボンを装着し固定してあることが燃焼学的に望ましい。
【発明の効果】
【0007】
特定発明のガス焼成装置によれば、前記リボン炎孔の形成されている前記バーナー管の外面に対面する前記混合気配分管の外周面には、前記リボン炎孔に臨在する着火および検出用電極に向けて混合気を噴出する混合気噴出孔が少なくとも1つ穿設されていることにより、ピンポイントで火炎を大きくでき、検出電極は常にリボン炎に曝され、接触し、殊に低燃焼時の火炎検出ミスを低減でき、バーナーを安定よく連続的に使用することができる。この結果、温度制御、製品焼き色調整を適切に行うことができる。
請求項2記載の発明においては、前記混合気噴出孔を含む前記バーナーの少なくとも周囲上部を覆う遮熱板が配置されていることにより、ピンポイントの火炎で、この付近を通過する製品が熱的な影響を受けず、安定よく、製品焼き色調整を適切に行うことができる。
請求項3記載の発明においては、前記混合気供給孔と混合気噴出孔の直径は略同一またはそれ以下としてあることが燃焼学的に安定よく燃焼できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態
実施の形態は、請求項1乃至3記載の発明の代表的な実施の形態であり、図1乃至図3において、10は、パン焼成用のガス焼成装置全体を示し、その焼成室11には、上部及び下部にその長手方向の軸に直交する向きで、それぞれ、多数本のバーナーが上火バーナー17及び下火バーナー18として配設されている。
焼成室11内には、また、上火バーナー17と下火バーナー18との中間位置に、焼成すべきパン生地の成型品111を搬送するコンベア16が設けられている。焼成室11は、内部は、搬入口側より、コンベア16の移送方向の順に、予熱区域,焼成区域及び色付乾燥区域の3区域に上下の仕切り壁(図示せず)によって区画されている。
焼成室11の天井にはガスの燃焼に伴って生じる燃焼ガスを排出する排気ダクトが設けられ、排気ファン19により燃焼ガスを吸引排気するようになっている。各バーナー17、18には分岐管を有するガスラインを通してガスが分配供給される。なお、ガスラインの上流には装置不使用時および異常時にガスを遮断する遮断弁12及びガス圧を大気圧に保持するゼロガバナー13が取付けられている。
ガスラインの分岐管から各バーナー17、18には混合器を経由して配管接続され、この経路途中には電磁弁15が取付けられている。この混合器14は、空気ラインの分岐管に接続されており、ターボ送風機により各混合器に一次空気としての空気を送り込むようになっている。各混合器においてはガスラインからのガスを吸引し、ガスと燃焼用空気としての一次空気との混合気体が各バーナー17、18に供給される。
空気ラインには、バーナー17、18に供給する空気量を制御して燃焼量を調整し、燃焼室11内の温度を制御するための制御弁20が設けられている。制御弁20は、焼成室11に取付けられた温度センサー21からの検出信号に基づいて作動する温度調節計22によって制御される。
【0009】
図2乃至図5はバーナー17、18の詳細を示すものである。バーナー17、18は、混合気供給孔30がその長手軸線方向で間隔を置いて複数個、その外周一側面に貫通して穿設し形成されている混合気配分管31と、この混合気配分管31の外側に偏芯して設置され、リボン炎孔32がその外周面でその長手軸線方向にスリット状に形成、配置されているバーナー管33とを備える。前記混合気供給孔30は前記バーナー管33の内側で、リボン炎孔32が形成されてない外周面寄りに位置し、前記混合気供給孔30は前記リボン炎孔32とは前記混合気配分管31と前記バーナー管33の直径方向で反対側に位置する。前記リボン炎孔32の形成されている前記バーナー管33の外面に対面する前記混合気配分管31の外周面には、前記リボン炎孔32に臨在する着火および検出用電極34に向けて混合気を噴出する混合気噴出孔35が前記混合気供給孔30とバーナー17、18の軸線方向で位置ずれして1つ穿設されている。
前記混合気供給孔30は、ガス導入側から離れるに従い、その数を多くし、全長にわたり吐出量を均一化するように配列されている。
リボン炎孔32は、バーナー管33の長手方向に形成したスリットに複数の波型薄板からなるガスの燃焼による炎を整形するための炎孔リボンを装着し固定してなる。
前記混合気噴出孔35を含む前記バーナー管3の少なくとも周囲上部を覆う遮熱板36が配置されている。この遮熱板36により、ピンポイントの火炎で、この付近を通過する製品が熱的な影響を受けず、安定よく、製品の焼き色調整を適切に行う。この遮熱板36は、逆L字形で、その垂直壁37の基部は前記リボン炎孔32と反対側に位置するバーナー管33の外周面に固定され、その水平壁38は、このバーナー管33の上方で水平に延在し、その先端は、前記電極34の上方に至る。この水平壁38には小孔39が明けられている。なお、この遮蔽板36は、下炎バーナー18にのみ取り付け、上炎バーナー17に取付けなくとも良い場合もある。
前記混合気供給孔30と混合気噴出孔35の直径は略同一としてある。
【0010】
このガス焼成装置の動作を図1乃至図3と共に説明する。先ず、上火バーナー17及び下火バーナー18への燃料ガスの供給はガスラインの遮断弁を開にしてガスラインにガスを供給すると共にターボ送風機を動作させて空気ラインに空気を送り込む。
空気は、混合器を通り、ここで、ガスラインにより供給されるガスを吸引混合し、ガスと空気との混合ガスは上下のバーナー17、18の混合気配分管31に送り込まれる。
前記混合気配分管31の前記混合気供給孔30から出るガスと空気との混合気は、着火および検出用電極34のスパークにより点火されると、燃焼が開始する。
【0011】
パンの焼成においては、図1に於いて、焼成室11内のコンベア16上に焼成すべきパン生地111を載せたトレイを搬入口(図示せず)より導入する。パンの焼成は、焼成室11の搬入口より搬出口へコンベア16により移送する過程において、予熱、焼成、色付乾燥の各工程が夫々の区画で行われることで達成される。
前記混合気噴出孔35により、ピンポイントで火炎を大きくし、前記着火及び検出用電極34を常にリボン炎に曝し、接触させ、殊に低燃焼時の火炎検出ミスを低減し、バーナー17、18を安定よく連続的に使用する。この際、コンベア16の移送方向に沿いリボン炎孔32からリボン炎が略水平に噴射されている。この結果、温度制御、製品焼き色調整を適切に行う。
この遮熱板36により、ピンポイントの火炎で、この付近を通過する製品が熱的な影響を受けず、安定よく、製品の焼き色調整を適切に行う。
この実施例は、本発明を連続型のガス焼成装置に適用した例であるが、本発明は連続型の焼成装置に限らず、固定型や回転型の焼成装置にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例に係るパン焼成用のガス焼成装置の全体構成を示す図である。
【図2】バーナーの一部破断省略平面図である。
【図3】遮熱板部分を示すバーナーの一部省略拡大斜視図である。
【図4】バーナーの縦断拡大断面図である。
【図5】リボン炎孔の拡大斜視図である。
【図6】バーナーの使用状態を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
【0013】
10 ガス焼成装置
11 焼成室
16 コンベア
17 上火バーナー
18 下火バーナー
30 混合気供給孔
31 混合気配分管
32 リボン炎孔
33 バーナー管
34 着火および検出用電極
35 混合気噴出孔
36 遮熱板
【出願人】 【識別番号】506411704
【氏名又は名称】日新工業株式会社
【出願日】 平成18年11月14日(2006.11.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−118973(P2008−118973A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−333820(P2006−333820)