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【発明の名称】 焼き食品の製造装置
【発明者】 【氏名】山田 幸造

【要約】 【課題】鯛焼きや人形焼きなどの焼き食品を全自動で製造できるようにした装置を開発し提案する。

【解決手段】ヒンジ部4により互いに開閉自在に連結された一対の焼き型5,6を有する両面焼き器2を用い、平面エンドレスの搬送路3に沿って複数の両面焼き器2を循環搬送させる搬送装置26と、搬送路3上の両面焼き器2を下から加熱する加熱手段27と、両面焼き器2を開く型開きセクション29と、開いた両面焼き器2内から焼き食品を取り出す取出セクション30と、開いた両面焼き器2内へ食材を投入する食材投入セクションと、開いた両面焼き器2を閉じる型閉じセクション34と、閉じた両面焼き器2を上下反転させる反転セクション35,36とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ部(4)により互いに開閉自在に連結された一対の焼き型(5,6)を有して両焼き型(5,6)を閉じたときの重合間で食材を挟持可能になった両面焼き器(2)を用いて製造する焼き食品の製造装置であって、
平面的なエンドレスの搬送路(3)に沿って複数の両面焼き器(2)を循環走行的に搬送させる搬送装置(26)と、
上記搬送装置(26)における搬送路(3)中の所定領域で搬送路(3)上の両面焼き器(2)を下から加熱する加熱手段(27)と、
上記搬送装置(26)により搬送される両面焼き器(2)に対して搬送流れに沿って所定の調理手順を順々に施すべく設けられた複数の作業セクションとを有しており、
上記作業セクションは、
両面焼き器(2)の上側の焼き型(6)を開く型開きセクション(29)と、
開かれた両面焼き器(2)内に調理後の焼き食品があるときにはこの焼き食品を取り出す取出セクション(30)と、
開いている両面焼き器(2)の下側の焼き型(5)へ食材を投入する食材投入セクション(31〜33)と、
開いている両面焼き器(2)の上側の焼き型(6)を下側の焼き型(5)上へ閉じる型閉じセクション(34)と、
閉じた状態にされた両面焼き器(2)を上下の焼き型(5,6)が反転するように半回転させる反転セクション(35)(36)とを有している
ことを特徴とする焼き食品の製造装置。
【請求項2】
前記反転セクション(35)(36)は複数設けられており、これら複数の反転セクション(35,36)が設置される位置付けに対し、上流側に位置付けられる反転セクション(35)よりも更に上流側位置と、複数の反転セクション(35,36)の相互間位置と、下流側に位置付けられる反転セクション(36)よりも更に下流側位置とのそれぞれに対応させて前記加熱手段(27)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の焼き食品の製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、焼き食品の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鯛焼きや人形焼きなど、表裏両側に立体的な造形を施した焼き食品を製造するには、表裏両面を被加熱面として使用できる(火にかけて調理できる)ようになった両面焼き器を使用する。この両面焼き器は、ヒンジ部により互いに開閉自在に連結された一対の焼き型を有したものとされ、両焼き型を閉じたときの重合間で食材(シュー素材や餡など)を挟持可能になっている。
ところで、従来、この種の両面焼き器を自動搬送しつつ、焼き食品を製造できるようにした装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。この装置は、複数の両面焼き器を搬送するためにチェーンコンベアを使っている。
【特許文献1】特開平10−56942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来提案されている焼き食品の製造装置は、実質的には両面焼き器を搬送しつつ、加熱できるようにしただけの装置である。そのため、両面焼き器を開いたり、食材を投入したり、両面焼き器を閉じたり、両面焼き器を必要に応じて反転させたり、その後、両面焼き器を再び開いて焼き食品を取り出したり、といった面倒な作業は、結局は作業者が付きっきりで行わなければならなかった。すなわち、焼き食品を製造する作業の自動化、というにはほど遠いものであり、作業能率(焼き食品の製造効率)は著しく低く、また面倒で且つ疲労の激しい作業が改善されたものではなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、鯛焼きや人形焼きなどの焼き食品を全自動で製造できるようにし、もって焼き食品の製造効率を飛躍的に高めることができると共に、人的作業の負担を殆ど不要にできるようにした、焼き食品の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る焼き食品の製造装置は、ヒンジ部により互いに開閉自在に連結された一対の焼き型を有して両焼き型を閉じたときの重合間で食材を挟持可能になった両面焼き器を用いて製造するためのものであって、平面的なエンドレスの搬送路に沿って複数の両面焼き器を循環走行的に搬送させる搬送装置と、上記搬送装置における搬送路中の所定領域で搬送路上の両面焼き器を下から加熱する加熱手段と、上記搬送装置により搬送される両面焼き器に対して搬送流れに沿って所定の調理手順を順々に施すべく設けられた複数の作業セクションとを有している。
【0006】
上記作業セクションは、両面焼き器の上側の焼き型を開く型開きセクションと、
開かれた両面焼き器内に調理後の焼き食品があるときにはこの焼き食品を取り出す取出セクションと、開いている両面焼き器の下側の焼き型へ食材を投入する食材投入セクションと、開いている両面焼き器の上側の焼き型を下側の焼き型上へ閉じる型閉じセクションと、閉じた状態にされた両面焼き器を上下の焼き型が反転するように半回転させる反転セクションとを有している。
このような構成であるため、鯛焼きや人形焼きなどの焼き食品を全自動で製造できるものであり、焼き食品の製造効率が飛躍的に高められる。また、人的作業の負担が殆ど不要になる。
【0007】
反転セクションは複数設けられており、これら複数の反転セクションが設置される位置付けに対し、上流側に位置付けられる反転セクションよりも更に上流側位置と、複数の反転セクションの相互間位置と、下流側に位置付けられる反転セクションよりも更に下流側位置とのそれぞれに対応させて前記加熱手段が設けられているものとするのがよい。
このような構成を追加することで、焼き食品として焼きムラを生じさせることがなく、もって、見栄えも味も良好な焼き食品を製造することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る焼き食品の製造装置では、鯛焼きや人形焼きなどの焼き食品を全自動で製造できるものであり、焼き食品の製造効率が飛躍的に高められる。また、人的作業の負担が殆ど不要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
[製造装置の概要]
図1乃至図12は、鯛焼きや人形焼きなどの焼き食品95を製造するための製造装置1を示している。図1から明かなように、この製造装置1は、表裏両面を被加熱面として使用できる(火にかけて調理できる)ようになった両面焼き器2(図14乃至図20参照)を複数用いて、これらを平面的なエンドレスを描いて形成された搬送路3に沿って循環走行的に搬送させつつ、焼き食品95を流れ作業的に製造するようになっている。
【0010】
なお、図1では、両面焼き器2がその搬送に伴ってどのように向きを変えるかにつき、判り易くなるように、図1下部のX部及び図1上部のY部として、この両面焼き器2で焼き食品95を調理するために設けられた食材収納凹部7の向きを添え書きしてある。
[両面焼き器]
両面焼き器2は、図14乃至図20に示すように、ヒンジ部4により互いに開閉自在に連結された一対の焼き型5,6を有しており、これら両焼き型5,6を閉じたときの重合間で食材を挟持可能になっている。図例では、両焼き型5,6が長方形の盤体状に形成され、互いに重合される面を凹ますような状態で食材を挟持するための食材収納凹部7が形成されたものを示している。
【0011】
両焼き型5,6に設けられた食材収納凹部7は、投入された食材を所定形状(図例では釣り鐘型としているが鯛型や人形型等としてもよい)に焼き上げることができるように、この形状(釣り鐘型)を半割にしたものに対応させた凹部形状になっている。すなわち、両焼き型5,6間で食材収納凹部7は同じ凹部形状である。なお、食材収納凹部7は、ヒンジ部4の近くから遠のく方向に複数(図例では3つ)並んで形成されている。
この両面焼き器2には、両焼き型5,6を閉じた状態としたとき、ヒンジ部4より遠い位置付けの端部と、ヒンジ部4に近い位置付けの端部との双方に、互いに同軸で相反する方向へ突出する状態で回転軸8,9が設けられている。
【0012】
ヒンジ部4に近い方の回転軸8は一方の焼き型5に対して一体的に設けられたもので、その断面形状は円形に形成されている。本実施形態では、ヒンジ部4から見て焼き型5とは反対側にフランジ12が設けられ、このフランジ12を超えて突出するような状態で回転軸8が設けられたものとしてある。このフランジ12は、焼き型5を開いたときの開き角度の制限作用を奏する。なお、このようにする他、ヒンジ部4と焼き型5との間に回転軸8を設けるようにしてもよい。
ヒンジ部4から遠い方の回転軸9は、図20に示すように、軸中心を境に二分された状態で各焼き型5,6に対して別々に設けられたもので、両焼き型5,6が閉じた状態にあるときに、互いに合体して断面円形に形成されるようになっている。すなわち、各焼き型5,6に対し、それぞれ半月形の断面形状をした軸半体9a,9bが一体的に設けられている。
【0013】
軸半体9a,9bが合体して確実に断面円形の回転軸9が形成されるようにするために、一方の軸半体9b(焼き型6側)にはダボ10が設けられたものとし、他方の軸半体9a(焼き型5側)には、このダボ10をガタツキ無く嵌めるためのダボ受11が凹設されたものとしている。ダボ10は、軸半体9bに対してボルトをねじ込むことによってそのボルト頭を利用して形成してある。
各焼き型5,6において、ヒンジ部4に近い方の回転軸8にはその軸方向の外方側に姿勢決め用の回り止め部材13が設けられている。この回り止め部材13は、両焼き型5,6を閉じた状態とさせたうえで、焼き型5が下側になり焼き型6が上側になる姿勢と、これとは反対に焼き型6が下側になり焼き型5が上側になる姿勢との二つの姿勢のうち、いずれか一方の姿勢を選択し保持させる(姿勢決めする)ためのものである。
【0014】
実際には、図11に関して後述するように、この両面焼き器2を搬送させるために設けられた搬送路3の所定領域に対し、その脇方で搬送方向に沿うようにしてガイドレール50が設けられており、このガイドレール50上に回り止め部材13の下端が摺接するような状態で両面焼き器2が搬送されることになる。
なお、このときのガイドレール50に対する回り止め部材13の摺接時に過大な抵抗が生じないようにするため、この回り止め部材13は回転自在なコロ(カムフォロワーを採用)によって形成されている。また、この回り止め部材13が回転自在なコロによって形成されることから、この回り止め部材13は、回転軸8の中心から偏心させ、且つ上記した搬送方向で所定間隔をおいて複数(図例では2個)設けられている。
【0015】
一方、各焼き型5,6において、ヒンジ部4から遠い方の回転軸9にはその軸方向の外方側にフランジ部15が設けられており、このフランジ部15からは、その外方側へ向けて2本のカム従節部材17,18と1本のフック受け19とが突出状態で設けられている。
フランジ部15は、その全体としての側面形状は、四隅部に半円形状の突出部を有した正方形状を呈するように形成されているが、この正方形状を一組の辺部中央で二分割して各焼き型5,6に振り分けることによって、焼き型5に対しては側面形状が長方形状となるフランジ半体15aが設けられ、焼き型6に対しては側面形状が長方形状となるフランジ半体15bが設けられたものとなっている。
【0016】
カム従節部材17,18及びフック受け19は、いずれも両面焼き器2の搬送方向に対し、この脇方へ突出する状態となっている。図例では丸棒状に突出したものを示している。カム従節部材17,18は、各焼き型5,6のフランジ半体15a,15bに振り分けられるようにして、それそれ1本ずつが設けられており、フック受け19は、回転軸8を具備する焼き型5のフランジ半体15aに対してだけ設けられている。
なお、カム従節部材17,18は、閉じた状態にある両焼き型5,6を、焼き型5が下側になり焼き型6が上側になる姿勢と、これとは反対に焼き型6が下側になり焼き型5が上側になる姿勢との二つの姿勢のうちで反転させるときに使用されるものである。この使用状況については、製造装置1の反転セクションを説明するところで後述する。
【0017】
またフック受け19は、両焼き型5,6が閉じた状態にあり且つヒンジ部4に近い方の回転軸8と一体の関係にある焼き型5が下側となる姿勢にあるときに、この焼き型5を開いたり、また開いた状態の焼き型5を閉じたりさせるときに使用されるものである。この使用状況については後述する。
[製造装置の全体構成]
図1乃至図4に示すように、この焼き食品の製造装置1は、上記した両面焼き器2を、平面的なエンドレスを描いて形成された搬送路3に沿って循環走行的に搬送する搬送装置26を有したものであり、またこの搬送装置26の所定領域に設けられた加熱手段27を有したものである。そして、搬送装置26により搬送される両面焼き器2に対し、その搬送流れに沿って所定の調理手順を順々に施すべく設けられた複数の作業セクション(29〜36)を有したものとなっている。
【0018】
複数の作業セクションとしては、型開きセクション29と、取出セクション30と、食材投入セクション31〜33と、型閉じセクション34と、反転セクション35,36とを有している。型開きセクション29には開閉装置62が開放専用機として設置されており、取出セクション30には取出装置90が設置されており、食材投入セクション31〜33には各種調理手順に必要とされる適宜装置が設置されており、型閉じセクション34には開閉装置62が閉止専用機として設置されており、反転セクション35,36のそれぞれには、同じ構成の反転装置85が設置されている。
[搬送装置]
搬送装置26は、上記したように平面的なエンドレスの搬送路3を有したもので、この搬送路3が装置フレーム39上に支持されたものとなっている。搬送路3は、互いに所定間隔をおいて平行に設けられた一対の(2本の)横搬送路40,41と、これら両横搬送路40,41の長手方向両端位置で両横搬送路40,41間を繋ぐ状態に架け渡された一対の(2本の)縦搬送路42,43とを有している。
【0019】
本実施形態において、横搬送路40,41及び縦搬送路42,43はいずれも直線路であって、横搬送路40,41の方が縦搬送路42,43よりも長く形成されており、また横搬送路40,41と縦搬送路42,43とは平面直交状の接続関係に置かれている。そのため、搬送路3のエンドレス形状は楕円形などではなく長方形の枠形状を呈するようになっている。
この搬送装置26では、搬送路3上に図13に示すような搬送枠45を介して両面焼き器2を個別に支持するようになっている。すなわち、搬送路3とそれぞれの両面焼き器2との上下間には、個々に搬送枠45が設けられた状態になる。
【0020】
この搬送枠45は、両面焼き器2よりも一回り大きな平面視長方形として形成され且つ中央部に上下方向へ貫通した通気口46が設けられて枠型を呈している。平面視長方形における両側の短辺側となる部分に、両面焼き器2に設けられた両側の回転軸8,9を両端支持できるようにするための軸受け部47が設けられている。
これら軸受け部47は2片で一対の上部突出片47aを有しており、これら上部突出片47aの相互間に上部を開放させたU溝状凹部47bが形成されて成るものである。そのため、このU溝状凹部47b内で回転軸8,9の各外周面を面接触状態で下受けしつつ、ガタツキの無い状態で回転自在に保持したり、必要に応じて上方へ取り出したり(又は嵌め入れたり)できるようになっている。
【0021】
このようなことから、この搬送枠45に対して両面焼き器2を載せると(図5参照)、いずれか一方の焼き型5(又は6)を下側に向けた姿勢のまま、この下側に向いた焼き型5(又は6)を、通気口46を介して下から加熱できる。また両面焼き器2が閉じられている状態にあれば、両側の軸受け部47で支持した回転軸8,9を軸心として、そのまわりで両面焼き器2を上下反転させる(焼き型5が下向きとなっている姿勢から焼き型6を下側に向けた姿勢に変える)ように回転可能となっている。
上記した横搬送路40,41は、上記搬送枠45の複数を、互いに接触させつつ横並べ状態で支持したまま、横方向へスライド自在に設けられている。このとき搬送枠45は、その長辺側同士が面接触するように並べられる。
【0022】
図例の横搬送路40,41では9台分の搬送枠45を横並べした長さに合わせて形成されている。実質的には、搬送枠45を1台分に相当させて間欠送りさせるため、横搬送路40,41に対してそれぞれ8台の搬送枠45が載せられている。
なお、これらの説明から明かなように、搬送枠45において、両側の短辺側(長辺側の両端部側)に設けられた軸受け部47は、横搬送路40,41に沿う方向(搬送方向)の両端部(例えば搬送方向を「前後向き」とおけばこれに対する「左右両側」に相当するという意味)に設けられていることになる。
【0023】
図5に示すように、横搬送路40,41は、搬送枠45をその長辺側の両端部(その上側で支持される両面焼き器2で言えば焼き型5,6の両端となる位置に相当)で支持できるように、互いに平行して架設された一対の(2本の)レール部材48を有している。
これらレール部材48は断面L型のアングル材などによって形成されており、断面L型を成す一方の断片を水平にし他方の断片を起立させた状態で、この起立させた断片が2本のレール部材48相互間で互いに両外側に配するようにして対向させてある。
従って搬送枠45は、その短辺側の下面(長辺側両端部の下面)が2本のレール部材48における水平な断片上面で支持され、短辺側の外向きとなる側面(長辺側両端部の側面)が2本のレール部材48における起立した断片内面で規制された状態となって、これら2本のレール部材48(即ち、横搬送路40や41)の長手方向に沿ってスライド自在に保持されることになる。
【0024】
横搬送路40,41には長手方向の一端部に搬送枠45の1個分を押出可能にする横送り駆動部49が設置されている。この横送り駆動部49はエアシリンダを駆動源とされている。
横送り駆動部49が搬送枠45の1個分を押出可能になっているというのは、横送り駆動部49として採用されるエアシリンダの押出ストロークが、搬送枠45の短辺側寸法に合わせてあるという意味である。
従って横送り駆動部49が1回、押出動作をすると、この横送り駆動部49に最も近い位置にある搬送枠45が1個分押し出されるようになり、それに伴って隣の搬送枠45も同じ分だけ押し出される、といったことが連鎖的に生ずるので、横搬送路40,41上に支持された搬送枠45は、いわゆる「押せ押せ」の状態で押出駆動され、結果として、各搬送枠45上に支持された両面焼き器2が1ピッチ分、横送りされることになる。
【0025】
両側の横搬送路40,41間において、横送り駆動部49の設けられる位置付けは相対逆位置となる端部とされている。従って、各横送り駆動部49は、それらの押出方向が逆向きになっている。
図例では、下側の横搬送路40に設けられた横送り駆動部49が左向きに押出力を発生するものとされ、上側の横搬送路41に設けられた横送り駆動部49が右向きに押出力を発生するものとされている。これにより、各横搬送路40,41は、横送り駆動部49の設置側端部が搬送始端(40a,41a)で、これの反対側端部が搬送終端(40b、41b)となるように設定されている。
【0026】
このような横搬送路40,41には、後述する反転セクション35,36に対応するようにしてガイドレール50が設けられている。
またこれら横搬送路40,41は、後述する加熱手段27に対してその上方域に形成される加熱帯へ両面焼き器2の搬入及び搬出を案内するものとされているので、加熱手段27からすれば、両面焼き器2において下側とされている方の焼き型5又は6に対して、それらの下から加熱するのを補佐する役目を果たすことになる。
上記した縦搬送路42,43は、1個の搬送枠45を支持したまま縦方向へスライド自在に設けられている。このとき搬送枠45は、横搬送路40,41で横送りされた搬送向きを維持したまま、縦搬送路42,43によって平面直交状に縦送りされることになり、結果、搬送枠45はその長辺側に沿った搬送方向となる(短辺側が前後向きとなる)。
【0027】
なお、上記したように横搬送路40,41はそれらの横送り駆動部49が押出方向を逆向きにしている関係上、互いの横送り方向も相対逆となっており、これに伴って一方の縦搬送路42は、横搬送路41の搬送終端41b側から横搬送路40の搬送始端40aへ向けて1個分の搬送枠45を送り渡し可能とし、同他方の縦搬送路43は、横搬送路40の搬送終端40b側から横搬送路41の搬送始端41aへ向けて1個分の搬送枠45を送り渡し可能とするものである。
図6及び図7に示すように、縦搬送路42,43は、搬送枠45をその短辺側の両端部(すなわち、長辺側の下面)で支持できるように、互いに平行して架設された一対の(2本の)レール部材54を有している。
【0028】
これらレール部材54は断面L型のアングル材などによって形成されており、断面L型を成す一方の断片を水平にし他方の断面を起立させた状態で、この起立させた断片が2本のレール部材54相互間で互いに両外側に配するようにして対向させてある。従って搬送枠45は、その短辺側の両端部下面(長辺側の下面)が2本のレール部材54における水平な断片上面で支持され、短辺側の両端部側面(長辺側の外向きとなる側面)が2本のレール部材54における起立した断片内面で規制された状態となって、これら2本のレール部材54(即ち、縦搬送路42や43)の長手方向に沿ってスライド自在に保持されることになる。
【0029】
なお、縦搬送路42,43と横搬送路40,41とが接続される部分(平面交差する部分)では、これら横搬送路40,41のレール部材48(図5参照)が突き当たる位置のレール部材54は、起立する方の断片が切除されてあり、搬送枠45の乗り移りに邪魔とならないようにしてある。
これら縦搬送路42,43には縦送り駆動部55が設けられており、この縦送り駆動部55によって上記横搬送路41の搬送終端41b側から横搬送路40の搬送始端40aへ向けた搬送枠45の送り渡し、及び横搬送路40の搬送終端40b側から横搬送路41の搬送始端41aへ向けた搬送枠45の送り渡しを可能にしている。
【0030】
このようなことから明かなように、本実施形態の搬送装置26では、横搬送路40→縦搬送路43→横搬送路41→縦搬送路42→横搬送路40→・・・と言う具合に、図1の平面視において右回りとなる状態で搬送枠45(両面焼き器2)を循環走行させるようになっている。
上記した縦送り駆動部55はエアシリンダを駆動源とされている。本実施形態では、縦送り駆動部55のエアシリンダとしてロッドレスシリンダを用いてあり、これによって取付スペースのコンパクト化が可能になっている(送りストロークよりやや長い程度で収まる)。
【0031】
なお、言うまでもなく、縦送り駆動部55として採用されるエアシリンダの送りストロークは、横搬送路40,41の平行間隔(中心間距離)を基準として設定されており、少なくとも搬送枠45の長辺側寸法の2倍以上とされている。
縦搬送路42,43には、縦送り駆動部55によって一旦縦送りされた後の搬送枠45が反射的に戻り挙動を起こすことが無いようにするため、図6に示すように戻り止め部材52が設けられている。この戻り止め部材52は、装置フレーム39等に固定されたヒンジ台53に対して枢軸部51を介して上下揺動自在に保持されており、縦送り終端位置に達した搬送枠45の後端に戻り止め部材52の先端が当接するようになっている。
【0032】
枢軸部51は、レール部材54上をスライドする搬送枠45の厚さ分を超えて上方に位置付けられており、搬送枠45が戻り止め部材52の下方を通過するときには、この戻り止め部材52が搬送枠45にならって跳ね上げられ、搬送枠45の通過に邪魔になることはない。
かくして、縦搬送路42の縦送り終端位置での搬送枠45の位置付けが正確なものとされ、横搬送路40の搬送始端40aへの乗り移りが確実に行われるようになり、同様に、縦搬送路43の縦送り終端位置での搬送枠45の位置付けが正確なものとされ、横搬送路41の搬送始端41aへの乗り移りが確実に行われるようになっている。
【0033】
図2及び図3に示すように、上記した装置フレーム39の内側には、横搬送路40,41に備えられる横送り駆動部49や、縦搬送路42,43に備えられる縦送り駆動部55を駆動させるエア圧発生装置56(エアタンク57及びコンプレッサ58)及び制御装置59が収納設置されている。
そのため、これら横送り駆動部49や縦送り駆動部55を駆動させるためにわざわざ外部エアの供給源は必要とせず、電源供給さえ受けることができる場所であればこの製造装置1を設置し、稼働させることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、エア圧発生装置56が備えるコンプレッサ58として比較的小型のものを複数(図例では2台)設ける構成とさせ、エアタンク57が所定内圧を割るようになった段階で一方のコンプレッサ58を稼働させ、エアタンク57が満タンになるまでエア充填を行わせて自動停止させ、次にエアタンク57が所定内圧を割るようになったときには上記とは異なる、他方のコンプレッサ58を稼働させてエアタンク57を満タンにさせる、といった制御をする構成とした。
このように小型のコンプレッサ58を使い分けることで、各コンプレッサ58の負担を抑え、発熱量の低減化や各コンプレッサ58の小型化が図れると共に、大型のコンプレッサを採用した場合の振動や騒音等に比べて、それらの低減化が図れるといった利点がある。
[加熱手段]
図4に示すように、加熱手段27は、搬送装置26における搬送路3中の所定領域で、搬送中の両面焼き器2を下から加熱するためのもので、ガス、灯油、炭、電気など、燃焼方式や使用燃料が特に限定されるものではない。
【0035】
図例では、搬送路3のうち、横搬送路40及び41の全長に沿うようにして複数本(3本)設けられた長尺のガスバーナ60を有したものとしてある(図5をも併せて参照のこと)。各ガスバーナー60にはその長手方向に沿って多数のノズル孔(図示略)が設けられ、その個々のノズル孔から炎が発生するようになっているのである。要するに、搬送路3のうち、縦搬送路42,43を除いた殆どの領域に加熱手段27が設けられていることになる。
この加熱手段27は、後述する反転セクション35,36に対してその設置位置を挟んだ上流側及び下流側に対応するような配置であると言うことができる。
【0036】
すなわち、上記したように本実施形態の搬送装置26は、搬送路3を図1の平面視において右回りとなる状態で搬送枠45(両面焼き器2)の循環走行を行わせるが、後述するように、型開きセクション29(平置き姿勢の両面焼き器2において上向きとされている焼き型6を開かせ、起立させるためのセクション)が縦搬送路42に対して設けられていることから、この製造装置1で焼き食品95を製造する最初の工程は、搬送枠45(両面焼き器2)が横搬送路41から縦搬送路42へと乗り移った直後にこの縦搬送路42を搬送される段階であると言うことができる。
【0037】
このような事情に加え、本実施形態では反転セクション35,36が複数設けられている。そのため、搬送装置26による搬送方向に対し、一方の反転セクション35(第一の反転セクション35)が上流側に位置付けられたものであり、他方の反転セクション36(第二の反転セクション36)が下流側に位置付けられたものであると言うことができる。
そこで、このような上流側及び下流側の反転セクション35,36に対し、加熱手段27は、上流側に位置付けられる方の反転セクション35よりも更に上流側位置と、複数の反転セクション35,36の相互間位置と、下流側に位置付けられる反転セクション36よりも更に下流側位置とのそれぞれに対応して存在するような配置となっている、と説明することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、搬送装置26における各横搬送路40,41ごとに各別の加熱手段27A,27Bを配置させることで、上流側反転セクション35の上流側位置と複数の反転セクション35,36の相互間のうちの上流域とを加熱手段27Aで相当させ、複数の反転セクション35,36の相互間のうちの下流域と下流側反転セクション36の下流側位置とを加熱手段27Bで相当させるようにしている。
しかし、上流側反転セクション35の上流側位置、複数の反転セクション35,36の相互間位置、下流側反転セクション36の下流側位置の三箇所に対応させて各別に独立した加熱手段27を配置することもできる。
[型開きセクション]
型開きセクション29(図1参照)は、両面焼き器2において、一方の焼き型5が下側となり他方の焼き型6が上側となる平置き姿勢とされている状態から、上側となっている方の焼き型6を開かせ、起立させるところである。
【0039】
本実施形態では、搬送路3のうち、縦搬送路42に対してこの型開きセクション29が設けられ、この型開きセクション29には開放専用機としての開閉装置62が設けられたものとしてある。
そのためこの縦搬送路42において、開閉装置62が設けられる位置付けは、加熱手段27(27A)によってその上方に形成される加熱帯に両面焼き器2が搬入されるより前位置に相当する。
図8及び図9に示すように、この開閉装置62は、フック63及びフック移動手段64を有している。また背部ガイド65を有している。
【0040】
フック63は、縦搬送路42上で支持された両面焼き器2において、ヒンジ部4から遠い位置付けの端部に係合可能となっている。両面焼き器2は、横搬送路41から縦搬送路42上へと乗り移った段階では、回転軸8と一体化された方の焼き型5が下側となり他方の焼き型6が上側となる平置き姿勢とされているが、上記したようにこの上側の焼き型6には上記回転軸8とは反対側の端部(軸半体9b側)から突出するフック受け19(図14乃至図19参照)が設けられており、フック63は、このフック受け19に対して係合可能となっている。
【0041】
フック63は、フック受け19に対して実質的な係合関係を生じるフック片67と、このフック片67をフック受け19へ係合させる突出位置と、係合を解除させる待避位置との間で進退させるフック駆動部68とを有している。
フック片67は丸棒材により形成されており、軸方向にガタツキ無く摺動自在な状態で保持するスリーブ69内に収納されている。スリーブ69に対してフック片67が収納された状態(図9中にフック片67を実線及び破線で示した状態)にあって、フック片67の軸方向は横搬送路41の搬送方向に平行するようになっている(図1参照)。
【0042】
この開閉装置62が待機状態とあるとき、フック片67の先端は、横搬送路41から縦搬送路42上へと乗り移った直後の両面焼き器2(上記したように回転軸8と一体化された方の焼き型5が下側となり他方の焼き型6が上側となる平置き姿勢である)に対して、そのフック受け19の直下を側方から狙う位置(未だ係合はしていない)に位置付けられるようになっている。
従って、この状態からフック片67がスリーブ69にガイドされつつフック受け19へ向けて進出するようになる(図9中にフック片67を二点鎖線で示した状態)ことで、フック受け19に対してフック片67が係合することになる。
【0043】
フック駆動部68は例えばエアシリンダ等であって、伸縮動作をする部分(シリンダロッド等)の先端に上記フック片67の基端部(スリーブ69内に収まる方の端部)が連結されている。このフック駆動部68はソレノイドやモータ駆動の軸移動機構等で代用することもできる。また、フック駆動部68において伸縮動作をする部分の先端自体をフック片67として形成させることもできる。
フック移動手段64は、上記のように焼き型6のフック受け19に係合するフック63(フック片67)を、焼き型6を開かせるための動作に合わせて円弧移動させるためのものであって、横搬送路41から縦搬送路42上へと乗り移った直後の両面焼き器2(すなわち、回転軸8と一体化された方の焼き型5が下側となり他方の焼き型6が上側となる平置き姿勢にある)に対して、そのヒンジ部4が位置付けられた近傍に揺動支点70を配置して、この揺動支点70を中心に揺動自在となった揺動レバー71を有している。
【0044】
この揺動レバー71の先端部に、上記したフック63(フック片67)が設けられている。
この揺動レバー71には、揺動支点70を介して「へ」字状に折れ曲がった方向へ突出する駆動レバー72が一体的に設けられており、この駆動レバー72の先端にエアシリンダー等の駆動具73が連結されることにより、揺動レバー71の円弧移動が可能となっている。
なお、両面焼き器2の焼き型6を開かせた後の揺動レバー71の円弧移動は、ストッパ75によって当て止めするようにしてある。
【0045】
フック移動手段64の動作は、揺動レバー71が下位置に伏した状態(図8中に実線で示した状態)にあって、フック63がスリーブ69先端からフック片67を進出させた後(即ち、フック片67を両面焼き器2のフック受け19へ係合させる動作が終わった後)、駆動具73が揺動レバー71を上方へ立ち上げるように揺動させるようになっている。これにより、両面焼き器2は一方の焼き型6が開かれる。
また、焼き型6を開き終えた後、フック63がフック片67をスリーブ69内へ退入させるのを待って、駆動部73は揺動レバー71を元の下位置へ向けて揺動させ、伏した状態に戻すようになっている。
【0046】
背部ガイド65は、両面焼き器2において上方へ開かれた焼き型6を、その背面で受けて立て掛け状態に支持するためのものである(図1及び図6も併せて参照のこと)。本実施形態では支持状態の安定を図るため、軸半体9bを当て止めするようにしており、そのために支持柱76によって所定高さに背部ガイド65を保持させてある。
また、図6に示したように背部ガイド65を保持する支持柱76は、縦搬送路42に設けられた縦送り駆動部55(ロッドレスシリンダ)のスライダー部55a上に固定されているものとしてある。そのためこの背部ガイド65は、縦送り駆動部55が両面焼き器2を載せた搬送枠45を縦搬送路42に沿って送り出すときに、この搬送枠45と一緒に縦搬送路42を移動するものとなる。
【0047】
結果として、搬送枠45上の両面焼き器2は、一方の焼き型6が開かれた状態のまま、横搬送路41の搬送終端41bから横搬送路40の搬送始端40aへ向けて縦搬送路42を縦送りされることになる。
なお、フック63のフック駆動部68や揺動レバー71用の駆動具73にエアシリンダを採用する場合、これらを駆動させるための駆動エアも、装置フレーム39の内側に設置されたエア圧発生装置56(図3参照)から供給し、またその駆動制御は制御装置59によって行えるようにすればよい。
[型閉じセクション]
型閉じセクション34(図1参照)は、開いている両面焼き器2の上側の焼き型6を下側の焼き型5上へ閉じさせるところである。
【0048】
本実施形態では、搬送路3のうち、横搬送路40の搬送終端40b近傍へ搬送された両面焼き器2に対応するようにして、この型閉じセクション34が設けられ、この型閉じセクション34には閉止専用機としての開閉装置62が設けられたものとしてある。
そのためこの横搬送路40において、開閉装置62が設けられる位置付けは、加熱手段27(27A)によってその上方に形成される加熱帯内を両面焼き器2が搬送されている中途域に相当する。
この開閉装置62は、基本的な構成は型開きセクション29に設けられた開放専用の開閉装置62(図8で説明したもの)と略同様である。但し、図10に示すようにフック63は、フック片67が長く、これに伴って長さの長いスリーブ80を有したものとなっており、またこのスリーブ80の先端部には鉤型に折曲されたクランプ片81が付属されたものとなっている。
【0049】
またフック63においてフック片67が突出する動作とフック駆動部68によって揺動レバー71が揺動されるタイミング及び揺動方向が、開放専用の開閉装置62(図8で説明したもの)とは逆になっている。
すなわち、フック63は、横搬送路40上で支持された両面焼き器2において、ヒンジ部4から遠い位置付けの端部(フック受け19)に対して係合可能なもので、フック片67と、このフック片67をフック受け19へ係合させる突出位置と、係合を解除させる待避位置との間で進退させるフック駆動部68とを有している。
【0050】
フック63は、スリーブ80に対してフック片67が収納された状態(図10中にフック片67を実線及び破線で示した状態)にあって、フック片67の軸方向は横搬送路40の搬送方向に平行するようになっている(図1参照)。
この開閉装置62が待機状態とあるとき、フック片67の先端は、横搬送路40上を搬送される両面焼き器2(上側の焼き型6が開いた状態(起立した状態)にあり、これに伴ってフック受け19は上方へ突出した姿勢になっている)に対して、そのフック受け19の背側を側方から狙う位置(未だ係合はしていない)に位置付けられるようになっている。
【0051】
またフック移動手段64は、フック63(フック片67)を円弧移動させるためのものであって、横搬送路40上を搬送される両面焼き器2のヒンジ部4近傍に揺動支点70を配置して、この揺動支点70を中心に揺動自在となった揺動レバー71を有している。
この揺動レバー71の先端部に、上記したフック63(フック片67)が設けられている。また、この揺動レバー71に駆動レバー72を介してエアシリンダー等の駆動具73が連結されている。
背部ガイド65については、上方へ開かれた焼き型6を、その背面で受けて立て掛け状態に支持する、といった作用の面で、型開きセクション29に設けられた開放専用の開閉装置62(図8で説明したもの)で採用されたものと同じであるが、その細部構造は全く異なっている。
【0052】
すなわち、この型閉じセクション34で閉止専用機として設けられた開閉装置62において、背部ガイド65は、図1及び図5に示すように横搬送路40に沿って所定高さに架設されたレール状のものとされており、焼き型6の軸半体9bとの当接状態を保持したまま、横搬送路40上での両面焼き器2の横送り中、軸半体9bと摺接する状態を維持するようになっている。
フック移動手段64は、揺動レバー71を上位置で起立させた状態(図8中に二点鎖線で示した状態)にあって、またフック63はフック片67をスリーブ80内へ退入させた状態で待機する。そのためスリーブ80の先端ではクランプ片81だけが突出状態となっており、横搬送路40による両面焼き器2の横送りに伴ってこのクランプ片81の正面側に側方から焼き型6のフック受け19が滑り込むようになる。
【0053】
クランプ片81の正面にフック受け19が滑り込んだ状態となれば、フック63はスリーブ80先端からフック片67を突出させ、これによってクランプ片81とフック片67との間でフック受け19が挟持されるような状態となる。この状態が、フック67によるフック受け19の係合状態である。
その後、駆動具73が揺動レバー71を下方へ倒すように揺動させるようになっている。これにより、両面焼き器2はその直前まで起立していた方の焼き型6が閉じられる。
また、焼き型6を閉じ終えた後、フック63がフック片67をスリーブ80内へ退入させるのを待って、駆動部73は揺動レバー71を元の上位置へ向けて揺動させ、起立させた状態に戻すようになっている。
[反転セクション]
反転セクション35,36(図1参照)は、閉じた状態にされた両面焼き器2(一方の焼き型5(又は6)が下側となり他方の焼き型6(又は5)が上側となる平置き姿勢とされている状態)から、上下の焼き型5,6が反転する(上下が逆になる)ように半回転させるところである。
【0054】
本実施形態では、搬送路3のうち、横搬送路40の搬送終端40b近傍へ搬送された両面焼き器2に対応する位置に第一の反転セクション35が設けられ、また横搬送路41の中途部を搬送される両面焼き器2に対応する位置に第二の反転セクション36が設けられたものとして、これら第一、第二の各反転セクション35,36に、それぞれ同じ構成の反転装置85が設けられたものとしてある。
この反転装置85は、搬送装置26における横搬送路40,41の各所定位置に設けられたカム原節部材86を有している。また、このカム原節部材86に対し、横搬送路40,41の上流位置及び下流位置で横搬送路40,41に沿うように設けられたガイドレール50を有している。またこの反転装置85では、上記した搬送枠45を用いることが好適とされている。すなわち、搬送路3とそれぞれの両面焼き器2との上下間に、個々に搬送枠45を設けるのがよい。
【0055】
搬送枠45(図13参照)には上記したように一対の軸受け部47が設けられているものであり、これに対して両面焼き器2にはその両端側に互いに同一軸心となるように回転軸8,9が設けられているので、これら回転軸8,9を搬送枠45の軸受け部47へ嵌め込ませることで、搬送枠45にて両面焼き器2が回転自在な状態に支持されることは既に詳説したところである。
また両面焼き器2(図14乃至図19参照)には、回転軸9を超えて側方へ突出するカム従節部材17,18が設けられていることについても既に詳説したところである。なお再記すると、一方のカム従節部材17は焼き型5に設けられたものであり、他方のカム従節部材18は焼き型6に設けられたものである。
【0056】
このようなことから、両面焼き器2が搬送枠45に支持された状態で横搬送路40,41を搬送されるとき、カム従節部材17,18は横搬送路40,41の搬送方向に対して平面上で直交する方向へ、搬送枠45の外側面を超えて突出する状態となる。
上記したカム原節部材86は、このように横搬送路40,41から突出状態となって両面焼き器2の搬送と共に移動するカム従節部材17,18に対して係合するように、横搬送路40,41の搬送方向に対する位置付け、横搬送路40,41に対する高さ、横搬送路40,41に向けた接近度合い、をそれぞれ設定したうえで横搬送路40,41に各別に設けられている。
【0057】
これらカム原節部材86は、図21及び図22並びに図23及び図24に示すように、正方形状の断面形状を基本形としたもので、且つ、カム従節部材17.18が係合のため近接してくる方の上角部がアール面として大きく面取りされたものとして形成されている。
なお、横搬送路40,41を搬送される両面焼き器2は、一方の焼き型5(又は6)を下側とし他方の焼き型6(又は5)を上側とする平置き姿勢とされる。この姿勢を確実に維持させるため、上記ガイドレール50が作用する。すなわち、このガイドレール50は、両面焼き器2を反転動作させる前、及び反転動作させた後に、両面焼き器2においてカム従節部材17,18とは反対方向へ突出して設けられた回り止め部材13との摺接をするようになっている。この摺接により、両面焼き器2の上記平置き姿勢が保証されるのである。
【0058】
換言すれば、ガイドレール50は両面焼き器2を反転動作させる直前の位置から両面焼き器2を反転動作させた直後の位置までは設けられていない。従って、この両位置相互間で両面焼き器2は回転自在な状態となり、カム従節部材17,18とカム原節部材86との係合が、両面焼き器2に対して回転力として発生することになるのである。
この回転力は、図21及び図22並びに図23及び図24に示すように、両面焼き器2に対して搬送方向に沿った前転力を生じさせるものである。
[取出セクション]
取出セクション30は、開かれた両面焼き器2内に調理後の焼き食品95があるときにはこの焼き食品95を取り出すようにするところである。
【0059】
図1乃至図3に示すように、この取出セクション30には食品取出装置90が設けられている。この食品取出装置90は、搬送装置26における縦搬送路42の搬送終端部42b(横搬送路40の搬送始端40aと同じである)に対して平面交差状に接続されて設置された搬出コンベア91と、縦搬送路42の搬送終端部42bから搬出コンベア91へと焼き食品95を移載する移載装置92とを有している。
移載装置92は、図12に示すように、一対のハンドリング部材93をエアシリンダなどの駆動具94で開閉させることで両面焼き器2上の焼き食品95を掴み取るようになっている。ハンドリング部材93は、焼き食品95を掴みやすくするため、三角刃状の突片93aがギザギザに並んだ掴み端を備えたものとした。
【0060】
移載装置92は、このような一対のハンドリング部材93を、駆動具94を介して昇降台97で吊り下げ、この昇降台97を昇降駆動具98で昇降可能にさせると共に、この昇降駆動具98全体を横移動駆動具99で横移動可能にさせたものとして構成されている。
昇降駆動具98や横移動駆動具99にはエアシリンダを採用した。ハンドリング部材93用の駆動具94をはじめ、昇降駆動具98や横移動駆動具99を駆動させるための駆動エアも、装置フレーム39の内側に設置されたエア圧発生装置56(図3参照)から供給し、またその駆動制御は制御装置59によって行えるようにしてある。
[食材投入セクション]
食材投入セクション31〜33は、開いている両面焼き器2の下側の焼き型5へ食材を投入するところである。この食材投入セクション31〜33には、製造しようとする焼き食品95の種類に応じて各種のものが採用される。例えば人形焼きや鯛焼きを製造する場合であれば、油の塗布装置やシュー素材の流し込み装置、餡の投下装置などが設けられる。シュー素材の流し込み装置は、餡の投下装置を挟んでその上流側と下流側の二箇所に必要となる。
【0061】
これらの各装置には従来公知のものを採用可能であり、またこれら各装置の装置構成自体が本発明にとって必須不可欠の構成要件となるものでもないため、ここでの詳説は省略する。
[全体的な動作の流れ]
以上詳説したような構成を具備した製造装置1において、その全体的な動作の流れを説明する。
図1において、横搬送路41の搬送終端41bへ1個の搬送枠45が到達され縦搬送路42の搬送始端42aへ送り渡された段階となったとき(即ち、型開きセクション29へ両面焼き器2が搬入されたときである)、この搬送枠45上に支持されている両面焼き器2は、回転軸8と一体化された方の焼き型5が下側となり他方の焼き型6が上側となる平置き姿勢にある。
【0062】
この状態で型開きセクション29に設けられた開放専用の開閉装置62が、予め下方位置で待機させていた揺動レバー71を上方へ向けて揺動させ、図8に示すように両面焼き器2の上側の焼き型6を開かせる。開かれた焼き型6は、その背面が背部ガイド65に立て掛け状態に支持され、開いた状態(起立状態)が維持される。
次に、搬送装置26が、図6に示すように縦搬送路42の縦送り駆動部55を作動させて、横搬送路41の搬送終端41bにある搬送枠45を横搬送路40の搬送始端40aへと縦送りする。そのため、横搬送路40の搬送始端40aに、上側の焼き型6を開かせた状態の両面焼き器2が位置付けられることになる。
【0063】
横搬送路40の搬送始端40aは取出セクション30であるため、図12に示すように、この横搬送路40の搬送始端40aに位置付けられた両面焼き器2において下側の焼き型5に既に調理後の焼き食品95があるときには、この取出セクション30に設けられた食品取出装置90の移載装置92が作動し、焼き型5から焼き食品95を掴み取り、搬出コンベア91上へと取り出し、この搬出コンベア91で装置外へと搬出するようにする。
このような取出装置90の食品取出動作が終了すると、搬送装置26は横搬送路40の横送り駆動部49を1回、押出動作させ、横搬送路40上に支持された搬送枠45をいわゆる「押せ押せ」の状態で1個分、押し出すようになる。結果として、横搬送路40上の両面焼き器2は全体として1ピッチ分、間欠的に横送りされる。
【0064】
言うまでもなく、横搬送路40上において、型閉じセクション34及び第一の反転セクション35が設けられた位置よりも上流域では、図5に示すように両面焼き器2は上側の焼き型6が開かれて起立した状態に維持されている。
このような状態で横搬送路40上を搬送される両面焼き器2は、加熱手段27(27A)の上方で形成される加熱帯を移動することになり、下側の焼き型5が加熱される。そして、食材投入セクション31〜33(油の塗布装置、シュー素材の流し込み装置(下敷き側)、餡の投下装置、シュー素材の流し込み装置(上掛け側)、など)の下方を通過することで食材の供給を受け、これらの食材が加熱調理される(図1、図2及び図4参照)。
【0065】
次に、型閉じセクション34へ両面焼き器2が到達すると、この型閉じセクション34に設けられた閉止専用の開閉装置62が、予め上方位置で待機していた揺動レバー71を下方へ向けて揺動させ、両面焼き器2の上側の焼き型6を閉じさせる。
この状態で横搬送路40上の両面焼き器2が1ピッチ分、横送りされると、次に図21及び図22に示すように、第一の反転セクション35に設けられた反転装置85のカム原節部材86に両面焼き器2のカム従節部材17が係合することに伴い、両面焼き器2は上下が逆になるように半回転(反転)される。すなわち、両面焼き器2は、回転軸8と一体化された方の焼き型5が下側となり他方の焼き型6が上側となる平置き姿勢から、回転軸8と一体化された方の焼き型5が上側となり他方の焼き型6が下側となる平置き姿勢へと反転されるのである。
【0066】
反転された両面焼き器2は、横搬送路40の搬送終端40bへと至った段階で、次に縦搬送路43によって横搬送路41の搬送始端41aへと縦送りされる。そして横搬送路41の横送り駆動部49の作動を受けて、当該横搬送路41をその搬送終端41bへ向けて押せ押せ状態で1ピッチ分ずつ、間欠的に横送りされる。
この横送り途中でも、両面焼き器2は、加熱手段27(27B)の上方で形成される加熱帯を移動することになり、下側の焼き型6が加熱されるので、両面焼き器2内(両方の焼き型5,6間)に挟持された食材が加熱調理される(図1、図2及び図4参照)。
【0067】
横搬送路41を搬送される途中、両面焼き器2は、第二の反転セクション36へ至ったときに、図23及び図24に示すように、この第二の反転セクション36に設けられた反転装置85のカム原節部材86に両面焼き器2のカム従節部材18が係合することに伴い、両面焼き器2は上下が逆になるように半回転(反転)される。
すなわち、両面焼き器2は、回転軸8と一体化された方の焼き型5が上側となり他方の焼き型6が下側となる平置き姿勢から、回転軸8と一体化された方の焼き型5が下側となり他方の焼き型6が上側となる平置き姿勢へと反転されるのである。
【0068】
このようにして、両面焼き器2はやがて横搬送路41の搬送終端41bへと送り込まれることとなり、この製造装置1全体としての1サイクル動作が終了する。以降、このサイクル動作が繰り返される。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る焼き食品製造装置の一実施形態を示した平面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】図1のB−B線矢視図である。
【図4】加熱手段の配置を説明するため図1を簡略化して示した平面図である。
【図5】図1のC−C線拡大断面図である。
【図6】図1のD−D線拡大矢視図である。
【図7】図6のE−E線拡大断面図である。
【図8】図1のF−F線拡大矢視図である。
【図9】図8のG−G線矢視図である。
【図10】閉止専用の開閉装置において開放専用の開閉装置との違いを説明するために図9と比較し易く描いた平面図である。
【図11】図1のH−H線拡大矢視図である。
【図12】図2のJ部を判りやすく示した斜視図である。
【図13】搬送枠を示した斜視図である。
【図14】両面焼き器を示した側面図である。
【図15】図14のK−K線矢視図である。
【図16】両面焼き器を開放状態にして示した斜視図である。
【図17】図16のL−M−N線矢視図である。
【図18】図14のP−P線矢視図である。
【図19】図14のQ−Q線矢視図である。
【図20】図14のR−R線拡大断面図である。
【図21】図1のS−S線矢視図を利用して両面焼き器を最初に反転させる状況を説明した動作説明図である。
【図22】図21に続く動作説明図である。
【図23】図1のT−T線矢視図を利用して両面焼き器を2回目に反転させる状況を説明した動作説明図である。
【図24】図23に続く動作説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1 焼き食品の製造装置
2 両面焼き器
3 搬送路
4 ヒンジ部
5 焼き型
6 焼き型
8 回転軸
9 回転軸
9a 軸半体
9b 軸半体
13 回り止め部材
17 カム従節部材
18 カム従節部材
19 フック受け
26 両面焼き器の搬送装置
27 加熱手段
29 型開きセクション
30 取出セクション
31〜33 食材投入セクション
34 型閉じセクション
35 反転セクション
36 反転セクション
39 装置フレーム
40 横搬送路
40a 搬送始端
40b 搬送終端
41 横搬送路
41a 搬送始端
41b 搬送終端
42 縦搬送路
43 縦搬送路
45 搬送枠
46 通気口
47 軸受け部
49 横送り駆動部
50 ガイドレール
55 縦送り駆動部
56 エア圧発生装置
59 制御装置
62 両面焼き器の開閉装置
63 フック
64 フック移動手段
65 背部ガイド
67 フック片
68 フック駆動部
70 揺動支点
71 揺動レバー
85 両面焼き器の反転装置
【出願人】 【識別番号】591002290
【氏名又は名称】株式会社山田製作所
【出願日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄


【公開番号】 特開2008−113593(P2008−113593A)
【公開日】 平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願番号】 特願2006−299080(P2006−299080)