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【発明の名称】 菓子焼成型
【発明者】 【氏名】島岡 幸一

【要約】 【課題】焼成型の開閉構造などを複雑なものにせず、菓子生地から発生する多量の蒸気を満遍なく逃がすことができる菓子焼成型を提供する。

【解決手段】上型1aに形成された輪状溝2の外側端に外側輪状リブ2aを、下型1bに形成された輪状溝8の外側端に外側輪状リブ8aをそれぞれ形成すると共に、輪状溝2の内側端に内側輪状リブ2bを、輪状溝8の内側端に内側輪状リブ8bをそれぞれ形成し、上型1aの外側輪状リブ2aと下型1bの外側輪状リブ8a、および上型1aの内側輪状リブ2bと下型1bの内側輪状リブ8bをそれぞれ重ね合わせることにより、上型1aと下型1bの外方に蒸気抜き空間10を形成すると共に、上型1aと下型1bの内方に蒸気抜き空間11を形成し、蒸気抜き空間11に連通する蒸気排出口12を、上型1aと下型1bの少なくといずれか一方に設けたものとしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が略半円状の輪状溝(2)が形成された上型(1a)と、断面が略半円状の輪状溝(8)が形成された下型(1b)とを重ね合わせて開閉自在とした焼成型(1)であって、前記輪状溝(2)の外側端に外側輪状リブ(2a)を、前記輪状溝(8)の外側端に外側輪状リブ(8a)をそれぞれ形成すると共に、前記輪状溝(2)の内側端に内側輪状リブ(2b)を、前記輪状溝(8)の内側端に内側輪状リブ(8b)をそれぞれ形成し、前記上型(1a)の外側輪状リブ(2a)と下型(1b)の外側輪状リブ(8a)、および前記上型(1a)の内側輪状リブ(2b)と下型(1b)の内側輪状リブ(8b)をそれぞれ重ね合わせることにより、前記上型(1a)と下型(1b)の外方に蒸気抜き空間(10)を形成すると共に、前記上型(1a)と下型(1b)の内方に蒸気抜き空間(11)を形成し、さらに前記蒸気抜き空間(11)に連通する蒸気排出口(12)を、前記上型(1a)と下型(1b)の少なくといずれか一方に設けたことを特徴とする菓子焼成型。
【請求項2】
前記上型(1a)を、支持杆(3)の一端に固着し、この支持杆(3)の他端に開閉アーム(4)を固着し、前記下型(1b)を型台(5)の一端に固着し、この型台(5)に前記開閉アーム(4)を支軸(6)により軸支したものとして、前記上型(1a)を上下に回動するようにして、前記焼成型(1)を開閉自在にしたことを特徴とする請求項1記載の菓子焼成型。
【請求項3】
前記蒸気排出口(12)を、前記上型(1a)の内側輪状リブ(2b)と下型(1b)の内側輪状リブ(8b)の内方に輪状に点在するようにして、前記上型(1a)と下型(1b)にそれぞれ複数個設けたことを特徴とする請求項1記載の菓子焼成型。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ドーナツ状の焼菓子を焼成するための菓子焼成型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小麦粉、米粉等の穀粉を主原料とし、場合によってはこれを発酵させた菓子生地を原材料とする焼菓子の焼成型からは、焼成中に多量の蒸気が発生する。この発生した蒸気は、大きな泡となって焼成型内に残ると、製品に空洞ができてしまい商品価値を劣化させてしまう。
【0003】
そのため、従来のこの種の菓子焼成型は、例えば図6、7に示したように、開閉自在とした上型21と下型22の間に、菓子形の穴23を有して開閉自在とした中間枠24を設けたものが存在する。すなわち、従来の菓子焼成型は、前記下型22を装着した型台25の一端に上型21の一端を軸支することにより、上型21と下型22とを開閉自在とし、さらに前記型台25の一端に上型21と同軸で前記中間枠24の一端を軸支することにより、中間枠24を開閉自在としている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−184524号公報(第2頁、図1、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の菓子焼成型は、蒸気抜きの隙間が上型21と中間枠24との間、及び中間枠24と下型22との間にできるので、焼成時に菓子生地から発生する多量の蒸気は逃げ易くなり、菓子の品質が低下することはないとしている。
【0005】
しかしながら、上記従来の菓子焼成型では、上型21と下型22の他に中間枠24という余分な部材が必要となるため、部材点数が多くなり、さらにその焼成型の開閉構造なども複雑になるという問題点を有していた。
【0006】
さらに、上記従来の菓子焼成型では、菓子生地から発生する蒸気を菓子生地の周囲からしか逃がすことができず、菓子生地の周辺部に発生した蒸気は逃がし易くても、菓子生地の中央部に発生した蒸気は逃がし難いという問題点を有していた。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、焼成型の部品点数を増やすことなく、その焼成型の開閉構造などを複雑なものにせず、菓子生地から発生する多量の蒸気を満遍なく逃がすことができる菓子焼成型を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の菓子焼成型は、断面が略半円状の輪状溝2が形成された上型1aと、断面が略半円状の輪状溝8が形成された下型1bとを重ね合わせて開閉自在とした焼成型1であって、前記輪状溝2の外側端に外側輪状リブ2aを、前記輪状溝8の外側端に外側輪状リブ8aをそれぞれ形成すると共に、前記輪状溝2の内側端に内側輪状リブ2bを、前記輪状溝8の内側端に内側輪状リブ8bをそれぞれ形成し、前記上型1aの外側輪状リブ2aと下型1bの外側輪状リブ8a、および前記上型1aの内側輪状リブ2bと下型1bの内側輪状リブ8bをそれぞれ重ね合わせることにより、前記上型1aと下型1bの外方に蒸気抜き空間10を形成すると共に、前記上型1aと下型1bの内方に蒸気抜き空間11を形成し、さらに前記蒸気抜き空間11に連通する蒸気排出口12を、前記上型1aと下型1bの少なくといずれか一方に設けたものとしている。
【0009】
さらに、この発明の菓子焼成型は、前記上型1aを、支持杆3の一端に固着し、この支持杆3の他端に開閉アーム4を固着し、前記下型1bを型台5の一端に固着し、この型台5に前記開閉アーム4を支軸6により軸支したものとして、前記上型1aを上下に回動するようにして、前記焼成型1を開閉自在にしたものとしている。
【0010】
また、この発明の菓子焼成型は、前記蒸気排出口12を、前記上型1aの内側輪状リブ2bと下型1bの内側輪状リブ8bの内方に輪状に点在するようにして、前記上型1aと下型1bにそれぞれ複数個設けたものとしている。
【発明の効果】
【0011】
この発明の菓子焼成型は、以上に述べたように構成されているので、焼成型の部品点数を増やすことなく、その焼成型の開閉構造などを複雑なものにせず、菓子生地から発生する多量の蒸気を満遍なく逃がすことができるものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の菓子焼成型の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
この発明の菓子焼成型は、図に示したように、平盤状とした上型1aと平盤状とした下型1bとを重ね合わせて開閉自在とした焼成型1としている。
【0014】
前記上型1aには、断面が略半円状の輪状溝2が形成されており、支持杆3の一端に固着されている。さらに、この支持杆3の他端に開閉アーム4が固着されており、この開閉アーム4は、前記下型1bを装着した型台5に支軸6により軸支されている。また、開閉アーム4の先端にはガイドローラ7が取り付けられている。
【0015】
前記下型1bには、断面が略半円状の輪状溝8が形成されており、前記型台5の一端に固着されている。なお、前記型台5の他端は、菓子自動焼成機に具備された回転台等の搬送手段9に固着されている。
【0016】
そして、前記焼成型1は、上型1aに形成された断面が略半円状の輪状溝2と、下型1bに形成された断面が略半円状の輪状溝8とを重ね合わせて、上型1aを上下に回動するようにして、この上型1aを開閉自在としている。
【0017】
さらに、前記上型1aの輪状溝2の外側端には外側輪状リブ2aを、下型1bの輪状溝8の外側端には外側輪状リブ8aをそれぞれ形成すると共に、前記輪状溝2の内側端には内側輪状リブ2bを、前記輪状溝8の内側端には内側輪状リブ8bをそれぞれ形成している。なお、前記上型1aの輪状溝2は、下型1bの輪状溝8より浅く形成したものとしているが、逆に下型1bの輪状溝8より深く形成したものとしても、同じ深さに形成したものとしてもよい。
【0018】
そして、前記上型1aの外側輪状リブ2aと下型1bの外側輪状リブ8a、および前記上型1aの内側輪状リブ2bと下型1bの内側輪状リブ8bをそれぞれ重ね合わせることにより、前記上型1aと下型1bの外方に蒸気抜き空間10を形成すると共に、前記上型1aと下型1bの内方に蒸気抜き空間11を形成している。さらに、前記蒸気抜き空間11に連通する蒸気排出口12を、前記上型1aと下型1bの少なくといずれか一方に設けたものとしている。
【0019】
前記蒸気排出口12は、図示したものでは、前記上型1aの内側輪状リブ2bと下型1bの内側輪状リブ8bの内方に輪状に点在するようにして、前記上型1aと下型1bにそれぞれ複数個(図示したものでは8個)を対向させて設けたものとしている。なお、前記上型1aと下型1bに設けた蒸気排出口12は、互いに対向させることなく、ずらした位置の設けたものとしてもよい。
【0020】
このように構成されたこの発明の菓子焼成型は、図2に示したように焼成型1が開放された状態で、下型1bの輪状溝8に菓子生地が盛られる。そして、この菓子生地を図1に示したように焼成型1が閉鎖された状態で焼成すると、前記菓子生地が焼成型1内で膨れ上がり、ドーナツ状の菓子が焼成される。
【0021】
この場合、膨れ上がった菓子生地から発生する多量の蒸気は、焼成中に上型1aが僅かに浮き上がって、上型1aの外側輪状リブ2aと下型1bの外側輪状リブ8aの間に生じた隙間から逃げ、蒸気抜き空間10を通過して焼成型1の外部に排気される。さらに、膨れ上がった菓子生地から発生する多量の蒸気は、焼成中に上型1aが僅かに浮き上がって、上型1aの内側輪状リブ2bと下型1bの内側輪状リブ8bの間に生じた隙間から逃げ、蒸気抜き空間11に入り、上型1aと下型1bに設けた蒸気排出口12を通過して焼成型1の外部に排気される。
【0022】
したがって、この発明の菓子焼成型では、ドーナツ状の菓子の菓子生地の外側周囲から発生する蒸気は、焼成型1の外側から逃がすことができ、この菓子生地の内側周囲から発生する蒸気は、焼成型1の内側から逃がすことができるので、菓子生地から発生する多量の蒸気を満遍なく逃がすことができる。
【0023】
さらに、この発明の菓子焼成型では、菓子生地から発生する多量の蒸気を満遍なく逃がすために、上型1aと下型1bを前記したようにするだけでよく、余分な部材を必要とすることもないので、部品点数が多くなることもなく、焼成型1の開閉構造なども複雑になることがない。
【0024】
また、このように構成されたこの発明の菓子焼成型は、菓子自動焼成機の焼成型として使用される。以下、その使用状態について説明する。
【0025】
先ず、菓子自動焼成機には、前記搬送手段9が配設されており、この搬送手段9の周囲に沿って焼成型1の開放用ガイドレール13と閉鎖用ガイドレール14とが設置されている。
【0026】
前記搬送手段9には、この発明の菓子焼成型の複数個が設置されており、それぞれの焼成型1のガイドローラ7が前記開放用ガイドレール13と閉鎖用ガイドレール14とを転動して、菓子自動焼成機の生地盛り領域、焼成領域、菓子取出し領域(いずれも図示せず)などを移動する。
【0027】
生地盛り領域では、それぞれの焼成型1のガイドローラ7が前記開放用ガイドレール13を転動して、上型1aが支軸6を中心に上方に回動して、図2に示したように垂直状態となり、焼成型1が開放される。この開放状態において、下型1bの輪状溝8に菓子生地が盛られる。
【0028】
さらに、焼成領域では、それぞれの焼成型1のガイドローラ7が前記閉鎖用ガイドレール14を転動して、前記開放状態から上型1aが支軸6を中心に下方に回動して、図1に示したように水平状態となり、焼成型1が閉鎖される。この閉鎖状態において、焼成領域で焼成型1の上下方になるように配設されたガス赤外線バーナなどの加熱手段15により、前記下型1bの輪状溝8に盛られた菓子生地が焼成され、この菓子生地が焼成型1内で膨れ上がり、ドーナツ状の焼菓子が焼成される。
【0029】
また、菓子取出し領域においても、それぞれの焼成型1のガイドローラ7が前記開放用ガイドレール13を転動して、上型1aが支軸6を中心に上方に回動して、図2に示したように垂直状態となり、焼成型1が開放される。この開放状態において、焼成型1で焼成された菓子が取り出される。
【0030】
なお、前記菓子生地の盛り操作、菓子生地の焼成操作、焼成菓子の取出し操作は、焼成型1が前記開放用ガイドレール13と閉鎖用ガイドレール14とを転動して移動する途中で自動的に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の菓子焼成型の閉鎖した状態を示す一部断面側面図である。
【図2】この発明の菓子焼成型の開放した状態を示す一部断面側面図である。
【図3】この発明の菓子焼成型の閉鎖した状態を示す平面図である。
【図4】この発明の菓子焼成型の下型を示しており、(a)はその下型の平面図であり、(b)はその下型の中央断面図である。
【図5】この発明の菓子焼成型の上型を示しており、(a)はその上型の平面図であり、(b)はその上型の中央断面図である。
【図6】従来の菓子焼成型の閉鎖した状態を示す側面図である。
【図7】従来の菓子焼成型の上型を完全に開放し、中間枠を少し開放した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 焼成型
1a 上型
1b 下型
2 輪状溝
2a 外側輪状リブ
2b 内側輪状リブ
3 支持杆
4 開閉アーム
5 型台
6 支軸
8 輪状溝
8a 外側輪状リブ
8b 内側輪状リブ
10 蒸気抜き空間
11 蒸気抜き空間
12 蒸気排出口
【出願人】 【識別番号】000143189
【氏名又は名称】株式会社幸和工業
【出願日】 平成18年10月11日(2006.10.11)
【代理人】 【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義

【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士

【識別番号】100129975
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 康成


【公開番号】 特開2008−92852(P2008−92852A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−277687(P2006−277687)