| 【発明の名称】 |
水難溶性植物品質向上剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 直樹
【氏名】吉野 英武
【氏名】北条 壽一
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| 【要約】 |
【課題】植物の各種生理障害、特に、柑橘の浮き皮防止、水腐れ防止、ぶどう、オウトウ等の裂果防止を目的とした、葉面、果実散布剤として用いる水難溶性植物品質向上剤を提供する。
【構成】酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セレニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化ホルミウム、酸化インジウムスズ、酸化マンガン、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化チタン、コロイダルシリカ、硫酸バリウムから選ばれる少なくとも1種の無機粒子からなり、50%重量平均径d50が0.002μm ≦d50≦0.2μm である事を特徴とする、浮き皮防止、水腐れ防止、裂果防止用の水難溶性植物品質向上剤である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セレニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化ホルミウム、酸化インジウムスズ、酸化マンガン、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化チタン、コロイダルシリカ、硫酸バリウムから選ばれる少なくとも1種の無機粒子からなり、50%重量平均径d50が0.002μm ≦d50≦0.2μm である事を特徴とする、浮き皮防止、水腐れ防止、裂果防止用の水難溶性植物品質向上剤。 d50:ナノトラックUPA150により測定した粒子の50%重量平均径。 【請求項2】 無機粒子が酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化チタン、コロイダルシリカ、硫酸バリウムから選ばれる少なくとも1種からなる事を特徴とする請求項1記載の水難溶性植物品質向上剤。 【請求項3】 無機粒子が酸化スズ、コロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種からなる事を特徴とする請求項1又は2記載の水難溶性植物品質向上剤。 【請求項4】 下記a)の式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水難溶性植物品質向上剤。 a)20≦α≦100 α:分光光度計にて測定した水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の波長660nm 透過光の強度(%)。 【請求項5】 下記b)の式を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水難溶性植物品質向上剤。 b)0.01≦α×(β/1015)≦5000 β:水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の1ml中に含有する粒子の数(d50より計算した粒子の数)。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は植物品質向上剤に関し、更に詳しくは、植物の生理障害、特に柑橘の浮き皮防止、水腐れ防止、ぶどう、オウトウ等の裂果防止を目的とした、葉面、果実散布剤として用いる水難溶性植物品質向上剤に関する。 【背景技術】 【0002】 果樹類、果菜類、葉菜類、根菜類等では気象条件等により、様々な障害が発生することが知られている。このような障害としては、例えば、柑橘類では浮き皮や水腐れ、ぶどうやオウトウの裂果等が挙げられる。 これら問題点を解決する方法として、水難溶性の薬剤として炭酸カルシウムやゼオライト等を水に分散懸濁させ、これを散布して果面を保護する事により、果実の品質向上が図られている。 例えば、結合剤と炭酸カルシウム粉末と分散剤を主成分とする果実品質向上用果面保護剤が提案されている(特許文献1)。この製剤は、使用している炭酸カルシウムの平均粒子径が0.5〜3.0μm であり、炭酸カルシウムは比重が2.7と大きい上、この製剤は、分散状態が必ずしも良いとは言えず、水懸濁物が容器底部に沈降し易い問題がある。また、該製剤を用いた場合、散布し水分が蒸散した後、散布した炭酸カルシウムの粗大粒子・二次凝集物等が主要因で果実の表面が白く汚れるという問題点があり、この汚れをふき取るためには大きな労力、時間が必要であるという問題点を抱えている。 【0003】 また、ゼオライト、モンモリロナイト、珪藻土、及びシリカゲル等の固形剤を水で希釈した薬剤を果実及び/又は葉面に散布する事により、果面及び/又は葉面を保護し、日焼け・サビ果・薬害等予防し、軽減する方法が提案されている(特許文献2)。この方法は、固形剤として粉末の比表面積の高い多孔質粉体を用いる事で作物に有害な物質を迅速に吸収させる。また、気孔率の高い皮膜が形成されるため、保温性が向上し日焼けが抑制される。更に、吸水性・乾燥力が高く薬液が速やかに乾くため、薬害を予防・軽減できると考えられる。しかし、ここで用いられる多孔質粉体も粒子径が2.0μm (実施例1)と大きく、水懸濁物が容器底部に沈降し易いという問題がある。更に該製剤を用いた場合、水分が蒸散した後、散布した多孔質粉体の粗大粒子・二次凝集物等が主要因で果実の表面が白く汚れるという問題点がある。該特許文献2では、この汚れは散水で取り除けるとしているが、散水によってせっかく散布した薬剤が洗い流され、効果が発現しにくくなり、また収穫直前に果実に散水を行う事は、浮き皮等の生理障害を助長する結果となり好ましくない。 【0004】 また、可溶性アルミニウム又は鉄化合物と珪酸系微粉末またはアルミナ系微粉末(但し、塩基性塩化アルミニウムと珪酸微粉末からなる成分資材を除く。)からなる植物保護剤が提案されている(特許文献3)。該製剤は、植物体に噴霧・塗布等することにより、植物体への病原菌等の侵入或いは接触を防止し、以て植物体の病害感染予防や品質保持を行うことを目的とする資材である。この製剤は、可溶性アルミニウム又は鉄化合物が必須であり、対イオンである塩素イオンや硝酸イオンが薬害を引き起こす問題がある。 【0005】 更に、上記生理障害を軽減する方法として、水溶性カルシウム剤を散布する方法がある。 該目的で使用されている水溶性カルシウム剤としては、従来から塩化カルシウムや硝酸カルシウム等の水溶性カルシウムが用いられているが、これらのカルシウム剤は、対イオンである塩素イオンや硝酸イオンが薬害を引き起こすという問題点を有している。この薬害問題を回避するために、水溶性のカルシウム剤として、例えば、蟻酸カルシウムを有効成分とするものが提案されている(特許文献4)。この製剤を用いた場合、対イオン起因の薬害問題は解消されるものの、例えば、りんごのビタービット等の生理障害や柑橘類の浮き皮問題等に対しては、必ずしも十分な効果があるとは言えない。 【0006】 更にまた、高溶解性のカルシウム塩10〜50%、低溶解性のカルシウム塩90〜50%の割合で混合する事を特徴とする葉面散布用カルシウム肥料が提案されている(特許文献5)。該肥料によれば、高溶解性カルシウム塩と低溶解性カルシウム塩を所定の割合で混合する事で薬害の軽減は可能としているが、薬害の原因となる対イオンが一定量存在しているため、薬害の問題が完全に解消されているとは言い難い。また、該肥料は、特許文献4の製剤と同様、単に薬害が発生する可能性の低いカルシウム剤を散布しているに過ぎないため、ビタービット等の生理障害や柑橘類の浮き皮問題を解消するに至る程充分な効果があるとは言い難い。更に、リン酸肥料と反応してしまうため混用が出来ないという欠点も含んでいる。 【特許文献1】特公平7−84369号公報 【特許文献2】特開2004−315406号公報 【特許文献3】特許第3464920号公報 【特許文献4】特公昭62−28117号公報 【特許文献5】第2563067号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、かかる実状に鑑み、上記課題を解決した植物の品質向上剤を提供するものであり、更に詳しくは、柑橘類果実の浮き皮抑制、水腐れ抑制、ぶどうやオウトウの裂果防止等に優れるとともに、従来の水難溶性薬剤散布時に見られた果面の白斑等の汚れを解決した水難溶性植物品質向上剤を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の請求項1は、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セレニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化ホルミウム、酸化インジウムスズ、酸化マンガン、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化チタン、コロイダルシリカ、硫酸バリウムから選ばれる少なくとも1種の無機粒子からなり、50%重量平均径d50が0.002μm ≦d50≦0.2μm である事を特徴とする、浮き皮防止、水腐れ防止、裂果防止用の水難溶性植物品質向上剤を内容とする。 d50:ナノトラックUPA150により測定した粒子の50%重量平均径。 【0009】 本発明の請求項2は、無機粒子が酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化チタン、コロイダルシリカ、硫酸バリウムから選ばれる少なくとも1種からなる事を特徴とする請求項1記載の水難溶性植物品質向上剤を内容とする。 【0010】 本発明の請求項3は、無機粒子が酸化スズ、コロイダルシリカから選ばれる少なくとも1種からなる事を特徴とする請求項1又は2記載の水難溶性植物品質向上剤を内容とする。 【0011】 本発明の請求項4は、下記a)の式を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水難溶性植物品質向上剤を内容とする。 a)20≦α≦100 α:分光光度計にて測定した水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の波長660nm 透過光の強度(%)。 【0012】 本発明の請求項5は、下記b)の式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水難溶性植物品質向上剤を内容とする。 b)0.01≦α×(β/1015)≦5000 β:水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の1ml中に含有する粒子の数(d50より計算した粒子の数)。 【発明の効果】 【0013】 本発明の水難溶性植物品質向上剤は、植物の生理障害、特に柑橘の浮き皮防止、水腐れ防止、ぶどう、オウトウ等の裂果防止に優れるとともに、粒子サイズが細かく且つ均一であるため、植物に散布した際に果実表面を汚すことなく、各種生理障害を防止する事が出来る。また、本発明の水難溶性植物品質向上剤は、水溶性の薬品と比較して薬害が起こりにくく、また、天候の影響を受けにくい。更に、水中における再分散性が極めて良好であり、特殊な分散機、撹拌機等を用いずとも容易に水中に分散し、品質向上効果が一定であるのは勿論、散布機中で沈殿を起こさないため、通常用いられている水難溶性薬品に見られるような装置の故障、噴霧器の目詰まり、錆等が起こりにくい。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明の水難溶性植物品質向上剤は、無機粒子からなり、このような無機粒子としては、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セレニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化ホルミウム、酸化インジウムスズ、酸化マンガン、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化チタン、コロイダルシリカ等の金属酸化物及び硫酸バリウムが挙げられる。これらの中で、より好ましくは安全性やコストの点で、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化チタン、コロイダルシリカ、硫酸バリウムであり、更に好ましくは、酸化スズ、コロイダルシリカである。これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。 【0015】 本発明で用いられる金属酸化物の製造方法には特に制限はなく、アークプラズマ法等の気相法、ゾルゲル法、水熱合成法、金属アルコキシド法等の液相法、物理蒸着法等各種製造方法等が用いられ、市販されている金属酸化物としては、例えば、NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)やスノーテックス(商品名、日産化学工業株式会社製)、セラメース(商品名、多木化学株式会社製)が挙げられる。 本発明で用いられる硫酸バリウムに特に制限はないが硫酸基を含む硫酸塩とバリウム塩を反応させた沈降性硫酸バリウムが好ましく、例えば、BARIFINE(登録商標、堺化学工業株式会社製)が挙げられる。 【0016】 本発明の金属酸化物や硫酸バリウムは反応物をそのまま用いてもよいし、粉砕機及び/または分散機を用いて粉砕及び/又は分散させても差し支えない。粉砕機及び/又は分散機については、特に制限はないが、ダイノーミル、サンドミル、コボールミル等の湿式粉砕機、超音波分散機、ナノマイザ−、マイクロフルイタイザ−、アルティマイザー、ホモジナイザ−等の乳化・分散機等が好ましく使用できる。 【0017】 本発明の水難溶性植物品質向上剤は、ナノトラックUPA150により測定した粒子の50%重量平均径d50が0.002μm ≦d50≦0.2μm の範囲内であることが必要で、好ましくは0.002μm ≦d50≦0.15μm 、より好ましくは0.002μm ≦d50≦0.1μm である。このd50が0.2μm より大きい場合は、製品が沈降しやすく、散布機中で沈殿し、効果が不安定となる傾向がある。更に、果実表面が粗大粒子等の凝集物で汚れが残りやすく、製品の外観上を損なう。一方、d50が0.002μm より小さくなると、物性的には問題はないが、多大な分散エネルギーコストが必要となるため、経済的でない。 【0018】 本発明における水難溶性植物品質向上剤中のd50は、下記の要領で測定計算されたものである。 測定機種 :日機装(株) ナノトラック UPA150 試料の調製:水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%となるように下記20℃の溶媒中に滴下し、粒度分布測定試料とする。 溶媒 :蒸留水 予備分散 :Ultrasonic Homogenizer((株)日本精機製)を用い、超音波分散20KHz、60秒 測定温度 :20.0℃±2.5℃ 【0019】 本発明における水難溶性植物品質向上剤は、下記a)の要件を具備することが好ましく、下記c)の要件を具備する事がより好ましく、下記d)の要件を具備することが更に好ましい。 a)20≦α≦100 c)30≦α≦100 d)40≦α≦100 α:分光光度計にて測定した水難溶性植物品質向上剤を固形1重量%に調製した時の波長660nm 透過光の強度(%)。 【0020】 透過光の強度αが20%未満の場合は、水難溶性植物品質向上剤の分散が悪く、果実に散布した際に果面の汚れが目立ちやすくなる傾向があり、一方、100%を越える場合、水溶性の割合が高くなる傾向にあり、薬害を助長する場合がある。 【0021】 本発明における透過光の強度αは、下記の要領で測定計算されたものである。 測定機種 :分光光度計UV-200((株)島津製) 対照 : 蒸留水 試料の調製:水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%となるように下記20℃の溶媒中に滴下し、測定試料とする。 溶媒 :蒸留水 予備分散 :Ultrasonic Homogenizer((株)日本精機製)を用い、超音波分散20KHz、60秒 測定温度 :20.0℃±2.5℃ 【0022】 透過光の強度αの調整は、水難溶性植物品質向上剤の粒子の均一度(粗大粒子の頻度)の調整によって行う事が出来る。具体的にはαを大きくするには、水難溶性品質向上剤の粒子を均一に分散させ、粗大粒子を少なくすれば良い。一方、水難溶性植物品質向上剤の粒子が均一に分散されず、粗大粒子が多く存在する場合にはαは小さくなる。 【0023】 本発明における水難溶性植物品質向上剤は、下記b)の要件を具備することが好ましく、下記e)の要件を具備する事がより好ましく、下記f)の要件を具備することが更に好ましい。 b)0.01≦α×(β/1015)≦5000 e)0.05≦α×(β/1015)≦3000 f)0.1≦α×(β/1015)≦1000 β:水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の1ml中に含有する粒子の数(d50より計算した粒子の数)。 d50:ナノトラックUPA150により測定した粒子の50%重量平均径。 【0024】 尚、βは1011〜1017オーダーの値であるが、便宜上1015で除した値とする。 α×(β/1015)が0.01未満の場合、液中に存在する水難溶性植物品質向上剤の粒子数が少なくなり、気象条件の変化、例えば長雨等の場合、安定した効果を得る事ができにくくなる傾向がある。一方、5000を越えても効果には差が無いが、散布機等への付着が激しく洗浄性が悪くなる傾向がある。 本発明におけるβは、水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の1ml中に含有する粒子の数(d50より計算した粒子の数)であり、計算方法は以下の通りである。 βは1重量%の溶液1mlの粒子数、即ち0.01g の水難溶性植物品質向上剤の粒子数であり、ナノトラックUPA150により測定した粒子の50%重量平均径d50を粒子の1辺とし、密度を用いて粒子数を計算した。 例えば、d50=0.1μm 、密度2.2のコロイダルシリカの場合、0.01gの粒子数は1g=(10000/0.1)3 ÷2.2=4.55×1014 0.01g=4.55×1014÷100=4.55×1012となる。 (α×β/1015)の調整は、水難溶性植物品質向上剤粒子の均一度(粗大粒子の頻度)及び同重量あたりの粒子数の調整によって行う事が出来る。この値を大きくするには、水難溶性植物品質向上剤の重量あたりの粒子数を多くするか、あるいは水難溶性植物品質向上剤の粒子を均一に分散させ、粗大粒子を少なくすれば良い。一方、小さくなる場合は、水難溶性植物品質向上剤の重量あたりの粒子数が少ない場合、あるいは水難溶性植物品質向上剤の粒子を均一に分散されず、粗大粒子が多く存在する場合である。 上記α×(β/1015)の技術的意義について説明すると、本発明の水難溶性植物品質向上剤の生理障害防止効果のメカニズムは、果面をコーティングし表面が濡れることを防ぐこと、並びに、果実の気孔を詰めることで気孔が塞がるのを制御し、水分の蒸散を物理的に促進させることである。このメカニズムで効果を強めるには、重量あたりの水難溶性品質向上剤の粒子数を多くすればよい。水難溶性植物品質向上剤の場合、雨によって散布した粒子が流されることが考えられるが、粒子数を多くすることにより、例え一部の粒子が流されても、残りの多数の粒子で効果を維持することが可能となる。 一方で粒子の数を増やす方法として、散布濃度を高くするという方法も考えられるが、この場合、果面の汚れが助長される傾向にある。この果面の汚れは、分光光度計での透過度で判断することができる。 透過度が高いほど、より高濃度に散布可能であり、例え重量あたりの粒子数が少なくても高濃度に散布する事で生理障害防止効果を向上させる事が可能となる。 これらの事から、粒子数と透過度の積を特定の範囲にすることにより、生理障害防止効果と散布時の汚れが無いという効果を併せ持つ水難溶性品質向上剤を得ることが可能となる。 【0025】 本発明の水難溶性植物品質向上剤の使用時期は、植物の種類、施用目的及び地帯によって異なる。例えば果樹の場合、一般に落花直後から収穫期までとされる。特にみかんの品質向上及び浮き皮軽減を目的に使用する場合には7月〜11月にかけて果面に1〜6回、3〜6週間おきに散布することが望ましい。また、柑橘の水腐れ防止を目的に使用する場合には、7月〜1月にかけて果面に1〜10回、3〜6週間おきに散布することが望ましい。また、ぶどうやオウトウの裂果の軽減を目的にする場合はそれぞれの果樹で適期より1〜6回、1〜6週間おきに散布することが望ましい。例えばオウトウの場合、満開2週間後頃から1〜6回、1〜6週間おきに散布するのがよい。ぶどうの場合、ジベレリン処理時あるいはジベレリン処理後1〜6回、1〜6週間おきに散布するのがよい。 【0026】 散布濃度としては、施用する作物の種類、作柄、目的、気候及び天候により一概には規定できないが、一般的には金属酸化物及び/又は硫酸バリウムとして1ppm 〜2重量%の範囲が好ましく、より好ましくは10ppm 〜0.5 重量%の範囲である。1ppm 未満の場合、目的とする効果が得られにくい場合があり、2重量%を越えても効果に差はほとんどなくコスト的に有利でない。 また、散布量も作物の種類、作柄、目的、気候及び天候により一概には規定できないが、上記散布濃度で50L 〜2000L /1000m2 散布すれば良く、好ましくは100L 〜1000L /1000m2 散布すれば良い。50L /1000m2 未満の場合、薬剤が作物に充分にかからない場合があり、効果が得られにくい場合がある。一方、2000L /1000m2 を超えても効果にほとんど差はなく、コスト的に有利でない。 【0027】 また、本発明の水難溶性植物品質向上剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、蟻酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、イタコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、リンゴ酸・クエン酸カルシウム、マレイン酸・クエン酸カルシウム、乳酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、第一リン酸マグネシウム、第二リン酸マグネシウム、クエン酸鉄ナトリウム、クエン酸鉄アンモニウム等の水溶性ミネラル塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、第三リン酸マグネシウム、リン酸鉄等の水難溶性ミネラル剤、珪酸塩等の1種又は2種以上と併用しても何ら差し支えない。 【0028】 また、本発明の水難溶性植物品質向上剤には、効果の更なる向上を目的として、一般に農業用に使用される展着剤、乳化剤、補助剤、pH調整剤、キレート剤その他の添加物を適宜添加してもよい。また、殺菌剤や殺虫剤等の農薬や他の肥料も添加可能である。 【0029】 展着剤や乳化剤として好適な代表例としては、非イオン系界面活性剤ではポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリエチレンソルビタンアルキルエステル及びソルビタンアルキルエステル等、陰イオン界面活性剤ではアルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート及びアリルスルホネート等、陽イオン界面活性剤ではラウリルアミン、アルキルメチルジヒドロキシエチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びポリオキシエチレンアルキルアミン等、両性界面活性剤ではラウリルベタイン、ステアリルベタイン及びイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で又は2種以上混合して使用できる。補助剤の好適な代表例としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアセテート、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、アルギンサンプロピレングリコールエステル、キサンタンガム、パラフィン及びトラガントガム等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。 【0030】 上記の如く調製された水難溶性植物品質向上剤は、粒子サイズが細かく且つ均一であるため、植物に散布した際に果面を汚すことなく効果を発現する事が出来る。また、水難溶性粒子が果実気孔を塞ぎ、水分の蒸散をコントロールするので、水溶性植物品質向上剤と比較して効果が高い。更に、本発明の水難溶性植物品質向上剤は、水溶性の薬品と比較して薬害が起こりにくく、また、天候の影響を受けにくく、更には水溶性リン酸肥料との混用も可能である。更に、水中における再分散性が極めて良好であり、特殊な分散機、撹拌機等を用いずとも容易に水中に分散するため、品質向上効果が一定であるのは勿論であるが、散布機中で沈殿を起こさないため、通常用いられている水難溶性薬品に見られるような装置の故障、噴霧器の目詰まり、錆等が起こりにくい。 【実施例】 【0031】 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。 【0032】 実施例1 水2773gと5%NaOH26.5gを攪拌し、80℃に加温後、214gの市販のテトラエチルシリケートを3時間かけて滴下した。その後、液温を約120℃まで上昇させ、1時間水熱処理を行った。次いで上記反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、SiO2 濃度20重量%のコロイダルシリカ水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のナノトラックUPAによる重量平均径d50は0.005 μm であった。分光光度計により測定した、水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の透過光の強度αは98%であった。また、水難溶性植物品質向上剤を固形分として1重量%に調製した時の1ml中に含有する粒子の数(d50より計算した粒子の数)βは36.36 ×1015であった。α×(β/1015)は3570であった。 【0033】 実施例2 実施例1で得た20重量%のコロイダルシリカ50gと水1550gと10%NaOH13.7gを攪拌し、80℃に加温後、350gの市販のテトラエチルシリケートを6時間かけて滴下した。その後、液温を約90℃まで上昇させ、1時間環流を行った。次いで上記反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、SiO2 濃度20重量%のコロイダルシリカ水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0034】 実施例3 水1773gと10%NaOH13.3gを攪拌し、80℃に加温後、214gの市販のテトラエチルシリケートを3時間かけて滴下した。その後、液温を約90℃まで上昇させ、1時間環流を行った。次いで上記反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、SiO2 濃度20重量%のコロイダルシリカを得た。上記20重量%のコロイダルシリカ50gと水1550gと10%NaOH13.7gを攪拌し、80℃に加温後、350gの市販のテトラエチルシリケートを6時間かけて滴下した。その後、液温を約90℃まで上昇させ、1時間環流を行った。次いで上記反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、SiO2 濃度20重量%のコロイダルシリカを得た。更に該コロイダルシリカ50gを用い同様の反応を行いSiO2 濃度20重量%のコロイダルシリカ水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0035】 実施例4 実施例3で得た20重量%のコロイダルシリカ50gと水1550gと10%NaOH13.7gを攪拌し、80℃に加温後、350gの市販のテトラエチルシリケートを6時間かけて滴下した。その後、液温を約90℃まで上昇させ、1時間環流を行った。次いで上記反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、SiO2 濃度20重量%のコロイダルシリカを得た。更に該コロイダルシリカ50gを用い同様の反応を行いSiO2 濃度20重量%のコロイダルシリカ水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0036】 実施例5 市販のコロイダルシリカ スノーテックスC(日産化学社製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0037】 実施例6 水900gに水酸化バリウム206gを加え攪拌しA液とした。また、水977gに硫酸62.3gと60%メタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸3.3gを溶解しB液とした。これらA液とB液を50℃に加温した後、1.5L/minの流速でスタティックミキサーにA液、B液を同時供給し、反応させた。該反応液をダイノミルKD1.4(株式会社シンマルエンタープライゼス社製)で流量200g/分で8回粉砕を行った。上記反応液をエバポレーターにて濃縮し、20重量%の沈降性硫酸バリウム水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0038】 実施例7 ダイノミルKD1.4で流量200g/分で2回粉砕を行う以外は実施例5と同様な方法で沈降性硫酸バリウム水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0039】 実施例8 市販の沈降性硫酸バリウム BARIFINE BF−10(堺化学工業(株)製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0040】 実施例9 重炭酸アンモニウム水溶液(NH3 2.9%)1000gに塩化第二スズ水溶液(SnO2 濃度16.5%)300gを攪拌下徐々に添加してゲルを得た。このゲルを塩素イオンが認められなくなるまでろ過洗浄を行った。 この洗浄ゲル(SnO2 濃度35%)100gに1.0%アンモニア水112g及び水153gを添加した後、95℃で2時間水熱処理を行い、SnO2 濃度10重量%の酸化スズ水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0041】 実施例10 市販の酸化スズ セラメースS−8(多木化学(株)製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0042】 実施例11 炭酸アンモニウム水溶液(0.2mol/L )に硫酸亜鉛水溶液(0.2mol/L )を滴下して塩基性炭酸亜鉛を生成させ、水洗によって塩類を除去し粉末化した後、300℃で1時間加熱分解させて酸化亜鉛水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0043】 実施例12 四塩化チタン水溶液(TiO2 3.0%)1000gに塩化第二スズ水溶液(SnO2 10.0%)141.5gを加えて均一化した。この溶液に、アンモニア水2.0%アンモニア水1690gを約1.5時間かけて攪拌下滴下し、ゲルを得た。このゲルを塩素イオンが認められなくなるまでろ過洗浄を行った。 この洗浄ゲル(TiO2 7.1%、SnO2 3.3%)300gに2.0%アンモニア水16g及び水を110g添加した後、200℃で7時間水熱処理を酸化チタン−酸化スズ水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0044】 実施例13 直流アークプラズマ装置でアルミニウム原料を消費アノート電極とし、カソード電極からアルゴンガス等のプラズマフレームを発生させ、消費アノートのアルミニウム原料を加熱、蒸発させ、そのプラズマ状態のアルミニウムを酸化、冷却する事で酸化アルミニウムを得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0045】 実施例14 市販の酸化ビスマス NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0046】 実施例15 市販の酸化セレニウム NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0047】 実施例16 市販の酸化コバルト NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0048】 実施例17 市販の酸化銅 NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0049】 実施例18 市販の酸化鉄 NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0050】 実施例19 市販の酸化ホルミウム NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0051】 実施例20 市販の酸化インジウムスズ NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0052】 実施例21 市販の酸化マンガン NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0053】 実施例22 市販の酸化イットリウム NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0054】 実施例23 市販の酸化ニッケル NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0055】 実施例24 市販の酸化チタン NanoTek (登録商標、シーアイ化成製)を用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0056】 比較例1 水9kg及びゲルシリカ(NIPGEL AZ-200 東ソー・シリカ株式会社製)1kgを攪拌した混合液をダイノミルKD1.4で流速200g/分で5回粉砕しゲルシリカ水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0057】 比較例2 ダイノミルKD1.4で粉砕を行わない以外は実施例5と同様な方法で硫酸バリウム水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する。 【0058】 比較例3 特公平7−84369号公報の実施例1に記載の炭酸カルシウムを用い水難溶性植物品質向上剤を得た。 得られた水難溶性植物品質向上剤のd50、α、β/1015及びα×(β/1015)を表1に記載する 【0059】 【表1】
【0060】 応用例1 柑橘(温州みかん:青島)の木を用い、浮き皮軽減及び果実品質の確認を行った。 即ち、前記のみかんの木を用い、9月上旬より、3回(1ヶ月間隔)に渡って、実施例1記載の水難溶性植物品質向上剤を表2に示す濃度で散布した。また、処理は樹別処理とし、背負い式噴霧器により散布した。散布量は10L/1樹とした。 評価は、ランダムに選択した50果を用いて行った。浮き皮度は果実の切断面を浮き皮度0(無し)、1(軽)、2(中)、3(甚)の4段階で評価し、浮き皮指数:{(1×浮き皮度合い軽の数)+(2×中の数)+(3×甚の数)}×100÷(3×調査果数)で示した。糖度は屈折糖度計にて測定し、酸度は滴定クエン酸を測定した。果面の汚れは果実表面の水難溶性植物品質向上剤による汚れの割合から、汚れ無し:1、極微量の汚れ:2、少量の汚れ:3、中程度の汚れ:4、多量の汚れ:5とした。薬害は正常:1、極少害:2、少害:3、中害:4、大害:5とした。結果は表2に示す。 【0061】 応用例2〜24、比較応用例1〜3 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに表2記載の水難溶性植物品質向上剤を用いる他は、応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は、表2、表3に示す。 【0062】 比較応用例4 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は表3に示す。 【0063】 比較応用例5 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム・2水塩57%、塩化カルシウム27%、分散剤等16%の製剤を用いることを除き、他は応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は表3に示す。 【0064】 比較応用例6 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに塩化カルシウムを用いることを除き、他は応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は表3に示す。 【0065】 比較応用例7 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は表3に示す。 【0066】 【表2】
【0067】 【表3】
【0068】 応用例25 ぶどう(ナガノパープル)の木を用い、裂果軽減及び果実品質の確認を行った。即ち、前記のぶどうの木を用い、6月中旬より3回(2週間間隔)に渡って、実施例1の水難溶性植物品質向上剤を表4に示す濃度で散布した。また、処理は樹別処理とし、背負い式噴霧器により散布した。散布量は10L/1樹とした。評価は、ランダムに選択した20房を用いて行った。裂果度は全果数に対する裂果粒数の割合(%)とした。糖度は屈折糖度計にて測定し、酸度は滴定酒石酸を測定した。果面の汚れは果実表面の水難溶性植物品質向上剤による汚れの割合から、汚れ無し:1、極微量の汚れ:2、少量の汚れ:3、中程度の汚れ:4、多量の汚れ:5とした。薬害は正常:1、極少害:2、少害:3、中害:4、大害:5とした。結果は表4に示す。 【0069】 応用例26〜48、比較応用例8〜10 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに表4記載の水難溶性植物品質向上剤を用いる他は、応用例25と同様の方法で試験を行った。結果は、表4、表5に示す 【0070】 比較応用例11 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例25と同様の方法で試験を行った。結果は表5に示す。 【0071】 比較応用例12 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム・2水塩57%、塩化カルシウム27%、分散剤等16%の製剤を用いることを除き、他は応用例25と同様の方法で試験を行った。結果は表5に示す。 【0072】 比較応用例13 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに塩化カルシウムを用いることを除き、他は応用例25と同様の方法で試験を行った。結果は表5に示す。 【0073】 比較応用例14 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用例25と同様の方法で試験を行った。結果は表5に示す。 【0074】 【表4】
【0075】 【表5】
【0076】 応用例49 オウトウ(佐藤錦)の木を用い、裂果軽減及び果実品質の確認を行った。即ち、前記のオウトウの木を用い、5月初旬より3回(2週間間隔)に渡って、実施例1の水難溶性植物品質向上剤を表6に示す濃度で散布した。また、処理は樹別処理とし、背負い式噴霧器により散布した。散布量は10L/1樹とした。評価は、ランダムに選択した50果を用いて行った。裂果率は全果数に対する裂果発生果数の割合(%)とした。糖度は屈折糖度計にて測定し、酸度は滴定リンゴ酸を測定した。果面の汚れは果実表面の水難溶性植物品質向上剤による汚れの割合から、汚れ無し:1、極微量の汚れ:2、少量の汚れ:3、中程度の汚れ:4、多量の汚れ:5とした。薬害は正常:1、極少害:2、少害:3、中害:4、大害:5とした。結果は表6に示す。 【0077】 応用例50〜72、比較応用例15〜17 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに表6記載の水難溶性植物品質向上剤を用いる他は、応用例49と同様の方法で試験を行った。結果は、表6、表7に示す 【0078】 比較応用例18 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例49と同様の方法で試験を行った。結果は表7に示す。 【0079】 比較応用例19 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム・2水塩57%、塩化カルシウム27%、分散剤等16%の製剤を用いることを除き、他は応用例49と同様の方法で試験を行った。結果は表7に示す。 【0080】 比較応用例20 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに塩化カルシウムを用いることを除き、他は応用例49と同様の方法で試験を行った。結果は表7に示す。 【0081】 比較応用例21 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用例49と同様の方法で試験を行った。結果は表7に示す。 【0082】 【表6】
【0083】 【表7】
【0084】 応用例73 柑橘(不知火)の木を用い、みつ症軽減及び果実品質の確認を行った。即ち、前記の不知火の木を用い、9月中旬より3回(30日間隔)に渡って、実施例1の水難溶性植物品質向上剤を表8に示す濃度で散布した。また、処理は樹別処理とし、背負い式噴霧器により散布した。散布量は10L/1樹とした。 評価は、ランダムに選択した100果を用いて行った。水腐れ発生度は指数0(障害無し)、1(軽)、2(中)、3(甚)の4段階で評価し、発生度:{(1×指数1の数)+(2×指数2の数)+(3×指数3の数)}×100÷(調査果数×3)で示した。また、発生率は全果数に対する水腐れ指数1以上の果実の割合とした。糖度は屈折糖度計にて測定した。果面の汚れは、果実表面の水難溶性植物品質向上剤による汚れの割合から、汚れ無し:1、極微量の汚れ:2、少量の汚れ:3、中程度の汚れ:4、多量の汚れ:5とした。薬害は正常:1、極少害:2、少害:3、中害:4、大害:5とした。結果は表8に示す。 【0085】 応用例74〜96、比較応用例22〜24 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに表1記載の水難溶性植物品質向上剤を用いる他は、応用例73と同様の方法で試験を行った。結果は、表8、表9に示す 【0086】 比較応用例25 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに蟻酸カルシウムを用いることを除き、他は応用例73と同様の方法で試験を行った。結果は表9に示す。 【0087】 比較応用例26 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに硫酸カルシウム・2水塩57%、塩化カルシウム27%、分散剤等16%の製剤を用いることを除き、他は応用例73と同様の方法で試験を行った。結果は表9に示す。 【0088】 比較応用例27 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに塩化カルシウムを用いることを除き、他は応用例73と同様の方法で試験を行った。結果は表9に示す。 【0089】 比較応用例28 実施例1の水難溶性植物品質向上剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用例73と同様の方法で試験を行った。結果は表9に示す。 【0090】 【表8】
【0091】 【表9】
【0092】 以上のように、水溶性の薬剤を用いた場合、各種生理障害の軽減効果が弱く、また、薬害が発生する結果となった。それに対して、本発明の水難溶性植物品質向上剤は、各種植物で発生する生理障害を抑制・軽減するとともに、植物の糖度や酸味等の品質を向上させる作用も併せ持つ。また、果面の汚れも少なく商品価値を高めることができる。更に、薬害も少なく安全性が高い。 【産業上の利用可能性】 【0093】 叙上のとおり、本発明の水難溶性植物品質向上剤は、各種生理障害の軽減効果、特に、柑橘類果実の浮き皮抑制、水腐れ抑制、ぶどうやオウトウの裂果防止に優れるとともに、従来の水難溶性薬剤散布時に見られた果面の白斑等の汚れを解決したもので、その有用性は頗る大である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390008442 【氏名又は名称】丸尾カルシウム株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月22日(2006.8.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076820 【弁理士】 【氏名又は名称】伊丹 健次
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| 【公開番号】 |
特開2008−50267(P2008−50267A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−224913(P2006−224913) |
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