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【発明の名称】 害虫駆除部材着脱具
【発明者】 【氏名】小林 仁

【氏名】勝浦 信夫

【氏名】高橋 徹

【要約】 【課題】害虫駆除部材を、直接手が届かない場所に簡単に設置でき、直接手が届かない場所に設置された害虫駆除部材を簡単に取り外して回収できる害虫駆除部材着脱具を提供する。

【構成】柄部10の一端に配設され、害虫駆除部材100を把持する把持部20を備え、把持部20は、害虫駆除部材100の略リング状となる面を支持する第1の支持部25と、害虫駆除部材100の虫返し部106の先端を支持する第2の支持部26を有し、自由端111と自由端112との間に隙間が形成された害虫駆除部材100の第1の害虫駆除部101を、第1の支持部25及び第2の支持部26で把持し、害虫駆除部材100の開口部110に挿入された脚部200に、第1の害虫駆除部101の内壁を押圧することで、自由端111と自由端112とを係合させて害虫駆除部材100を脚部200に設置する害虫駆除部材着脱具1である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の脚部に設置され、且つ、第1の害虫駆除部と、当該第1の害虫駆除部の一端にヒンジ部を介して連結された第2の害虫駆除部と、前記第1の害虫駆除部の他端にヒンジ部を介して連結された第3の害虫駆除部と、を備え、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端とを係合させて閉状態にした際に略リング状をなすと共に、その略中央部に形成された開口部を画定する内壁で前記脚部を把持することで、当該脚部に設置され、前記係合を解除した際に、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との間に形成される隙間を介して前記脚部から取り外され、且つ、前記第1の害虫駆除部、第2の害虫駆除部及び第3の害虫駆除部の外周部には、前記害虫の侵入経路を強制的に変更し、当該侵入経路に沿って前進する害虫を落下あるいは前進を停止させる虫返し部が形成されてなり、前記対象物内に害虫が侵入することを防止する害虫駆除部材を、当該対象物の脚部に設置することが可能であると共に、当該脚部に設置された害虫駆除部材を取り外して回収可能な害虫駆除部材着脱具であって、
柄部と、当該柄部の一端に配設され、前記害虫駆除部材を把持する把持部と、を備え、
前記把持部は、前記害虫駆除部材の略リング状となる面を支持する第1の支持部と、前記虫返し部の先端側を支持する第2の支持部とを有してなり、
前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との係合を解除して、これらの間に隙間が形成された害虫駆除部材の第1の害虫駆除部を、前記第1の支持部及び第2の支持部で把持し、前記隙間を介して前記開口部に挿入された脚部に、当該第1の害虫駆除部の内壁を押圧することで、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端とを係合させて当該害虫駆除部材を脚部に設置する害虫駆除部材着脱具。
【請求項2】
前記把持部に、前記害虫駆除部材の虫返し部に係合可能な係合部を形成し、当該係合部を当該第1の害虫駆除部に形成された虫返し部に係合させて、当該害虫駆除部材の径方向外側に引き寄せることで、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との係合を解除する請求項1記載の害虫駆除部材着脱具。
【請求項3】
前記係合部は、前記第1の支持部及び第2の支持部の少なくとも一方の外面から突出形成されてなる請求項2記載の害虫駆除部材着脱具。
【請求項4】
前記第1の支持部及び第2の支持部は弾性部材からなり、前記害虫駆除部材を当該第1の支持部及び第2の支持部により把持した際に、その弾性復元力によって、当該害虫駆除部材を把持する請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の害虫駆除部材着脱具。
【請求項5】
前記第1の支持部及び第2の支持部は、前記柄部側から延出すると共に、互いに対向して配設され、当該第1の支持部には、先端側から柄部側にいくにしたがって前記第2の支持部に向けて徐々に突出する第1の傾斜部が形成されてなり、前記第2の支持部には、先端側から柄部側にいくにしたがって前記第1の支持部に向けて徐々に突出する第2の傾斜部が形成されてなる請求項4記載の害虫駆除部材着脱具。
【請求項6】
前記第2の傾斜部は、前記害虫駆除部材を把持した際に、当該害虫駆除部材の虫返し部の内側に位置し、当該害虫駆除部材が前記第2の支持部の先端側に移動することを阻止する請求項5記載の害虫駆除部材着脱具。
【請求項7】
前記柄部は、長さ調整可能である請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の害虫駆除部材着脱具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や各種機器のハウジング等の様々な対象物内に害虫が侵入することを防止すると共に、害虫を駆除する害虫駆除部材を、前記対象物に取り付ける及び取り外す際に使用する害虫駆除部材着脱具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、ゴキブリ、蟻、クモ、ムカデ等の昆虫等や、ネズミ等の小動物等(以下、このような昆虫や小動物等を総称して「害虫」と記す)が、建物や各種機器等、様々な対象物内に侵入することを防止する害虫駆除部材が紹介されている。例えば、自動販売機や食器洗浄機等のような機器の内部に蟻やゴキブリ等の害虫が進入すると、これが機器の電気系統の故障の原因となったり、機器内の飲食物や食器や容器等に害虫が付着する等の虞がある。そして、これら殆どの害虫は、地面や床に接地されている機器の脚部を伝い、機器の内部に侵入することから、機器の脚部に取り付けて使用するタイプの害虫駆除部材が望まれている。
【0003】
害虫駆除部材を機器の脚部に取り付ける場合、機器の前面側(手前側)に配設された脚部に害虫駆除部材を設置することは比較的容易であるが、背面側(奥側)に配設された脚部に害虫駆除部材を設置する場合、設置者の手が背面側の脚部に届かないことがあり、機器の設置位置を動かす等して、害虫駆除部材を設置する必要がある。
【0004】
ここで、機器の設置位置を動かすことなく、設置者の手が直接届かない場所に物品等を設置したり、設置された物品等を取り外したり、あるいは、設置者の手が直接届かない場所にある物品を回収することができる物品着脱具が種々紹介されている。例えば、工具の先端部に取り付けられた複数の爪で、ボルトや小ねじの頭部を挟み込み、手が入らない場所にあるボルト孔やねじ孔に前記ボルトや小ねじを螺合させる保持具が紹介されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、直接手が届かないような天井等の高所の電球を、足場等の台が無くても容易に取り付け、取り外し可能な電球取り付け器も紹介されている。この電球取り付け器は、電球に押し付けると後退する進退部材と、電球の周囲に配置され、開閉自在な複数の腕と、前記進退部材の後退によって前記腕を閉じさせ、前記進退部材の前進によって前記腕を開かせる連動手段と、前記進退部材の前進を抑制する抑制手段と、前記抑制手段による前記進退部材の前進の抑制を解除する解除手段とを備えている。(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
そしてまた、手の届かない位置の駐車発券機から磁気カードを傷付けずに取り出すことができる補助ハンドも紹介されている。パイプの一方の先端に、固定挟み部と可動挟み部とからなる挟み手段を設け、他方の先端に、固定握り部と可動握り部とからなるハンドルを設け、当該ハンドルを握ることにより可動挟み部が閉じるようにし、前記固定挟み部と可動挟み部とで磁気カードを挟んで、駐車発券機から磁気カードを取り出す構成を備えている。(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3040148号公報
【特許文献2】実開平5−39882号公報
【特許文献3】実用新案登録第3047492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した従来の物品着脱具は、ボルトやねじ、電球等を設置したり、設置されたボルトやねじ、電球等を取り外すためのものであり、害虫が建物や各種機器等、様々な対象物内に侵入することを防止する害虫駆除部材を、手が直接届かない場所に設置したり、手が直接届かない場所に設置されている害虫駆除部材を取り外して回収する構成は備えていない。また、前述した従来の補助ハンドも同様に、手が直接届かない場所に害虫駆除部材を設置したり、取り外して回収することはできなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、害虫が建物や各種機器等、様々な対象物内に侵入することを防止する害虫駆除部材を、直接手が届かない場所にある設置箇所に簡単に設置できると共に、直接手が届かない場所に設置された害虫駆除部材を簡単に取り外して回収することが可能な害虫駆除部材着脱具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため本発明は、対象物の脚部に設置され、且つ、第1の害虫駆除部と、当該第1の害虫駆除部の一端にヒンジ部を介して連結された第2の害虫駆除部と、前記第1の害虫駆除部の他端にヒンジ部を介して連結された第3の害虫駆除部とを備え、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端とを係合させて閉状態にした際に略リング状をなすと共に、その略中央部に形成された開口部を画定する内壁で前記脚部を把持することで、当該脚部に設置され、前記係合を解除した際に、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との間に形成される隙間を介して前記脚部から取り外され、且つ、前記第1の害虫駆除部、第2の害虫駆除部及び第3の害虫駆除部の外周部には、前記害虫の侵入経路を強制的に変更し、当該侵入経路に沿って前進する害虫を落下あるいは前進を停止させる虫返し部が形成されてなり、前記対象物内に害虫が侵入することを防止する害虫駆除部材を、当該対象物の脚部に設置することが可能であると共に、当該脚部に設置された害虫駆除部材を取り外して回収可能な害虫駆除部材着脱具であって、柄部と、当該柄部の一端に配設され、前記害虫駆除部材を把持する把持部とを備え、前記把持部は、前記害虫駆除部材の略リング状となる面を支持する第1の支持部と、前記虫返し部の先端側を支持する第2の支持部とを有してなり、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との係合を解除して、これらの間に隙間が形成された害虫駆除部材の第1の害虫駆除部を、前記第1の支持部及び第2の支持部で把持し、前記隙間を介して前記開口部に挿入された脚部に、当該第1の害虫駆除部の内壁を押圧することで、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端とを係合させて当該害虫駆除部材を脚部に設置する害虫駆除部材着脱具を提供するものである。
【0010】
この構成を備えた害虫駆除部材着脱具は、第2の害虫駆除部の自由端と、第3の害虫駆除部の自由端との間に隙間を形成させた状態の害虫駆除部材を、前記把持部で把持し、この把持した害虫駆除部材の前記隙間から前記脚部を挿入させ、当該害虫駆除部材の開口部に位置させて、前記第1の害虫駆除部の内壁を当該脚部に押圧させることで、前記害虫駆除部材を前記脚部に簡単に設置することができる。この時、前記把持部は、柄部の先端に配設されているため、前記害虫駆除部材を設置させる脚部が、直接手が届かない場所に位置していたとしても、対象物を移動させることなく、害虫駆除部材を設置させることができる。
【0011】
また、本発明にかかる害虫駆除部材着脱具は、前記把持部に、前記害虫駆除部材の虫返し部に係合可能な係合部を形成し、当該係合部を当該第1の害虫駆除部に形成された虫返し部に係合させて、当該害虫駆除部材の径方向外側に引き寄せることで、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との係合を解除するよう構成することもできる。このように構成することで、前記利点に加え、直接手が届かない場所に位置している脚部に設置されている害虫駆除部材であっても、対象物を移動させることなく、当該脚部から簡単に取り外すことができる。そして、脚部から取り外された害虫駆除部材は、前記係合部に虫返し部を引っ掛ける等により、簡単に回収することができる。
【0012】
前記害虫駆除部材着脱具の係合部は、前記第1の支持部及び第2の支持部の少なくとも一方の外面から突出形成することができる。このようにすることで、前記虫返し部との係合を、さらに簡単、確実に行うことができると共に、前記第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との係合をより解除し易くすることができる。
【0013】
また、本発明にかかる害虫駆除部材着脱具は、前記第1の支持部及び第2の支持部を弾性部材から形成し、前記害虫駆除部材を当該第1の支持部及び第2の支持部により把持した際に、その弾性復元力によって、当該害虫駆除部材を把持するよう構成することもできる。このようにすることで、さらに安定した状態で前記害虫駆除部材を把持することができる。
【0014】
そしてまた、本発明にかかる害虫駆除部材着脱具は、前記第1の支持部及び第2の支持部を前記柄部側から延出させる共に、互いに対向して配設し、当該第1の支持部には、先端側から柄部側にいくにしたがって前記第2の支持部に向けて徐々に突出する第1の傾斜部を形成し、前記第2の支持部には、先端側から柄部側にいくにしたがって前記第1の支持部に向けて徐々に突出する第2の傾斜部を形成した構成とすることもできる。このように構成することで、より一層安定した状態で、前記害虫駆除部材を確実に把持することができる。さらにまた、この構成の場合、前記第2の傾斜部は、前記害虫駆除部材を把持した際に、当該害虫駆除部材の虫返し部の内側に位置し、当該害虫駆除部材が前記第2の支持部の先端側に移動することを阻止するよう構成することもできる。
【0015】
また、本発明にかかる害虫駆除部材着脱具では、前記柄部の長さを調整可能とすることもできる。このようにすることで、前記利点に加え、害虫駆除部材を設置すべき脚部の配設位置に合わせて柄部の長さを任意に変更することができ、害虫駆除部材着脱具によって害虫駆除部材を設置可能な範囲を拡げることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる害虫駆除部材着脱具は、害虫駆除部材を設置させる脚部が、直接手が届かない場所に位置していたとしても、第2の害虫駆除部の自由端と、第3の害虫駆除部の自由端との間に隙間を形成させた状態の害虫駆除部材を把持部で把持し、この把持した害虫駆除部材の開口部に前記脚部を位置させて、前記第1の害虫駆除部の内壁を当該脚部に押圧させることで、前記害虫駆除部材を当該脚部に簡単に設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。また、本実施の形態では、害虫駆除部材着脱具を用いて、害虫駆除部材を自動販売機の脚部に設置する場合を例にとって説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具の平面図、図2は、図1に示す害虫駆除部材着脱具の背面図であって、その一部を拡大して示す図、図3は、図2に示すIII−III線に沿った断面図、図4は、図2に示すIV−IV線に沿った断面図、図5は、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具によって、自動販売機の脚部に着脱される害虫駆除部材の斜視図であって、第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端とを係合させて閉状態にした図、図6は、自動販売機の脚部に着脱される害虫駆除部材の斜視図であって、第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との係合を解除して開状態にした図、図7は、図6に示す害虫駆除部材の背面図、図8は、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具に、図6に示す状態の害虫駆除部材を把持させた状態を示す平面図、図9は、図8に示すIX−IX線に沿った断面図、図10は、図9の一部を示す拡大断面図、図11は、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具によって把持された害虫駆除部材を、自動販売機の脚部に設置する状態を示す斜視図、図12は、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具によって把持された害虫駆除部材を、自動販売機の脚部に設置した状態を示す斜視図、図13は、自動販売機の脚部に設置された害虫駆除部材を、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具を使用して取り外す状態を示す斜視図、図14は、自動販売機の脚部に設置された害虫駆除部材を、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具を使用して取り外す状態を示す断面図である。
【0019】
図1〜図14に示すように、本実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具1は、柄部10と、柄部10の一端に配設され、害虫駆除部材100を把持する把持部20を備えて構成されている。
【0020】
柄部10は、中空の略円筒形状を有する第1の柄部11と、中空の略円筒形状を有すると共に、第1の柄部11の中空部分に進退移動可能に挿入される第2の柄部12と、第1の柄部11と第2の柄部12との接続部分に配設され、第1の柄部11に対し第2の柄部12を固定する固定部13と、第1の柄部11の基端側に形成されたハンドル部14を備えて構成されている。この柄部10は、第1の柄部11の先端から延出する第2の柄部12の長さを調整することで、柄部10全体の長さを変更するようになっている。また、第2の柄部12の先端には、把持部20が固定されている。
【0021】
把持部20は、樹脂等の弾性部材から形成されている。この把持部20は、中空の略円筒形状を有し且つその中空部分に第2の柄部12の先端が挿入される柄部挿入部21と、柄部挿入部21の先端に形成された接続部22を介して配設され、柄部10の長手方向に延出する第1の支持部25と、柄部挿入部21の先端に形成された接続部22を介して配設され、柄部10の長手方向に延出すると共に、第1の支持部25に対向して配置される第2の支持部26を備えて構成されている。
【0022】
柄部挿入部21は、外周面にネジ孔31が形成されており、このネジ孔31と、第2の柄部12に形成された図示しないネジ孔に、ネジ32を螺合させることで、第2の柄部12に固定されている。
【0023】
接続部22の先端には、柄部10の長手方向に対し略垂直な両方向に延出したフランジ23が形成されている。このフランジ23の一方の延出端部23Aには、第1の支持部25が配設され、他方の延出端部23Bには、第2の支持部26が配設されている。したがって、第1の支持部25と第2の支持部26は、フランジ23の延出端部23Aから延出端部23Bまでの距離をもって離間された状態で配設されている。
【0024】
第1の支持部25は、第2の支持部26と対向する面に、先端側から柄部10側にいくにしたがって第2の支持部26に向けて徐々に突出する第1の傾斜部41及び42が、柄部10の長手方向に対し略垂直な方向に互いに間隔をおいて形成されている。また、この第1の支持部25の反対側の面の先端側略中央部には、後に詳述する害虫駆除部材100の虫返し部106と係合する係合部43が突設形成されている。
【0025】
第2の支持部26は、接続部22の、柄部10の長手方向に対し略垂直な両方向端に互いに間隔をおいて配設された支持片26A及び26Bから構成されている。支持片26A及び26Bは、第1の支持部25と対向する面に、先端側から柄部10側にいくにしたがって第1の支持部25に向けて徐々に突出する第2の傾斜部51及び52が各々形成されている。
【0026】
そして、前述したように、第1の支持部25と第2の支持部26は弾性部材から構成されているため、後に詳述するが、害虫駆除部材100をこれらの間に位置させて把持した際に、その弾性復元力によって害虫駆除部材100を確実に把持することができる。
【0027】
害虫駆除部材100は、平面視で略半円形状の第1の害虫駆除部101と、第1の害虫駆除部101の一方の外周端にヒンジ部102を介して連結されると共に、平面視で略扇状の第2の害虫駆除部103と、第1の害虫駆除部101の他方の外周端にヒンジ部104を介して連結されると共に、平面視で略扇状の第3の害虫駆除部105とを備えて構成されている。この害虫駆除部材100は、第2の害虫駆除部103の自由端111と、第3の害虫駆除部105の自由端112とを係合させて連結し、閉状態にした際に、平面視で、その中央部に開口部110が形成される略リング状を有している。そして、第2の害虫駆除部103の自由端111とは反対側の内周端と、第3の害虫駆除部105の自由端112とは反対側の内周端は、第2の害虫駆除部103の内周面131と、第3の害虫駆除部105の内周面132と共に、開口部110を画定する弾性変形可能な円弧状連結部133によって連結されている。なお、この開口部110には、自動販売機の脚部200が挿入されるようになっており、この開口部110に挿入された脚部を内周面131及び132と円弧状連結部133とによって把持することで、害虫駆除部材100を脚部200に設置するようになっている。
【0028】
第1の害虫駆除部101の円弧状の外周縁には、第1の害虫駆除部101から略垂直方向に延出した虫返し部106が、当該円弧状の外周に沿って形成されている。また、第1の害虫駆除部101の内周部121は、開口部110の一部に相補した円弧状を有している。第1の害虫駆除部101の背面には、特に図7に示すように、後述する円弧状連結部133に形成された係合爪134及び135と各々係合する係合爪136及び137が形成されている。また、係合爪134と係合爪135との間には、後述する円弧状連結部133に形成されたガイド片139を両側から支持する一対の支持壁138A及び138Bが形成されている。
【0029】
第2の害虫駆除部103の円弧状の外周縁には、第2の害虫駆除部103から略垂直方向に延出した虫返し部107が、当該円弧状の外周に沿って形成されている。また、第2の害虫駆除部103の自由端111には、第3の害虫駆除部105の自由端112に形成された係合爪112Aが係合する係合孔111Aが形成されている。
【0030】
第3の害虫駆除部105の円弧状の外周縁には、第3の害虫駆除部105から略垂直方向に延出した虫返し部108が、当該円弧状の外周に沿って形成されている。また、第3の害虫駆除部105の自由端112には、第2の害虫駆除部103の自由端111に形成された係合孔111Aに挿入されて係合孔111Aと係合する係合爪112Aが形成されている。
【0031】
なお、虫返し部106〜108は、害虫駆除部材100が自動販売機の脚部200に設置された際に、脚部200を伝わって侵入する害虫の侵入経路を強制的に変更し、当該侵入経路に沿って前進する害虫を落下あるいは前進を停止させることで、自動販売機内に害虫が侵入することを防止するものである。
【0032】
円弧状連結部133は、その略中央部に、害虫駆除部材100の径方向に延出した係合爪134及び135が、互いに周方向に間隔をおいて形成されている。また、円弧状連結部133の係合爪134と係合爪135との間には、ヒンジ部102及び104を介して第2の害虫駆除部103及び第3の害虫駆除部105が回動し、自由端111と自由端112とを係合させて略リング状となる(図5参照)際、及び、自由端111と自由端112との係合を解除して自由端111と自由端112との間に隙間を形成する(図6及び図7参照)際に、第2の害虫駆除部103及び第3の害虫駆除部105の回動をガイドするガイド片139が形成されている。
【0033】
この構成を備えた害虫駆除部材100を構成する材料として使用される樹脂としては、例えば、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、及びこれらの樹脂にエストラマーを混合した熱可塑性エストラマーの少なくとも1種の樹脂等が選択される。
【0034】
さらに、前記樹脂には、当該樹脂に対して害虫駆除成分を溶解保持し、徐放性を付与する作用を有するための化合物を含めることがより好ましい。このような化合物としては、例えば、スルホンアミド誘導体、スルホン酸エステル誘導体、カルボン酸アミド誘導体、カルボン酸エステル誘導体より選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができる。このような化合物を樹脂に含有させることにより、害虫駆除部材100から害虫駆除成分を長期間にわたり放出することが可能となる。
【0035】
また、害虫駆除成分としては、例えば、薬殺成分、成長制御成分、忌避成分、誘引成分等が挙げられる。具体的には、例えば、害虫駆除活性を有する化合物、殺傷害虫活性を有する化合物、害虫の摂食阻害活性、害虫の成長コントロール活性を有する化合物等を挙げることができる。
【0036】
このような害虫駆除効果を発揮する化合物としては、例えば、イミダクロプリドの様なクロロニコチニル系殺虫剤、シラフルオフェンの様なケイ素原子を有するネオフィルラジカルからなる化合物、ベンフラカルブ、アラニカルブ、メトキシジアゾン、カルボスファン、フェノブカルブ、カルバリル、メソミル、プロポクサー、フェノキシカルブ等のカーバメート系化合物、ピレトリン、アレスリン、dl,d-T80−アレスリン、d-T80-レスメトリン、バイオアレスリン、d-T80-フタルスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、プロパスリン、ペルメトリン、アクリナトリン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、フェノトリン、d-フェノトリン、フェンバレレート、エンペントリン、プラレトリン、テフルスリン、ベンフルスリン等のピレスロイド系化合物、ジクロロボス、フェニトロチオン、ダイアジノン、マラソン、プロモフォス、フェンチオン、トリクロルホン、ナレド、テメホス、フェンクロホス、クロルピリホスメチル、シアホス、カルクロホス、アザメチホス、ピリダフェンチオン、プロペタンホス、クロルピリホス等の有機リン系化合物及びこれらの異性体、誘導体、類縁体等を例示できる。また、メトプレン、ピリプロキシフェン、キノプレン、ハイドロプレン、デオヘノラン、NC-170、フルフェノロクスロン、ジフルベンズロン、ルフェヌロン、クロルアズロン等の小動物の成長をコントロールする活性を有する化合物が挙げられる。また、殺ダニ剤としてケルセン、クロルフェナビル、デブフェンピラドピリダベン、ミルベメクチン、フェンピロキシメート、殺鼠剤としてはシリロシド、ノルボマイド、隣化亜鉛、硫酸タリウム、貴隣、アンツー、ワルファリン、エンドサイド、クマリン、クマテトラリン、プロマジオロン、ディフェチアロン等が挙げられる。
【0037】
次に、本実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具1を使用して、害虫駆除部材100を自動販売機の脚部に設置する際の具体的な動作について説明する。
【0038】
先ず、自動販売機の脚部200に害虫駆除部材100を設置する際は、脚部200までの距離に合わせて、害虫駆除部材着脱具1の柄部10の長さを調整する。具体的には、固定部13を緩め、第1の柄部11から第2の柄部12を引き出す、あるいはさらに挿入して、第1の柄部11から延出する第2の柄部12の長さを調整した後、再び固定部13を締めて第1の柄部11に第2の柄部12を固定する。
【0039】
次に、害虫駆除部材着脱具1の把持部20に、害虫駆除部材100を把持させる。具体的には、先ず、第2の害虫駆除部103の自由端111に形成された係合孔111Aと、第3の害虫駆除部105の自由端112に形成された係合爪112Aとの係合を解除して自由端111と自由端112とを離間させ、この部分を開状態とする。(図6及び図7参照)。
【0040】
次いで、この状態の害虫駆除部材100の第1の害虫駆除部101を、害虫駆除部材着脱具1の第1の支持部25と第2の支持部26との間に挿入する。(図8〜図10参照)。この時、第1の害虫駆除部101の表面が、第1の支持部25に支持され、虫返し部106の先端面が、第2の支持部26によって支持されるが、第1の害虫駆除部101の表面が、第1の支持部25に形成された第1の傾斜部41及び42を押圧し、虫返し部106の先端面が、第2の支持部26を構成する支持片26A及び26Bを押圧する。したがって、第1の支持部25と支持片26A及び26Bは、外側に向けて弾性変形し、その弾性復元力によって、害虫駆除部材100を確実に把持することができる。また、虫返し部106の先端は、支持片26A及び26Bに各々形成された第2の傾斜部51及び52を超えて柄部10が側に位置しているため、支持片26A及び26Bから害虫駆除部材100が不意に抜け落ちることを、第2の傾斜部51及び52によって、より一層確実に防止することができる。
【0041】
次に、害虫駆除部材着脱具1で把持した害虫駆除部材100を脚部200に接近させ、脚部200を、第2の害虫駆除部103の自由端111と、第3の害虫駆除部105の自由端112との間に形成された隙間から開口部110に挿入させる。(図11参照)。次いで、円弧状連結部133を脚部200に押し当てると、第2の害虫駆除部103及び第3の害虫駆除部105が、ヒンジ部102及び104を介して、その自由端111及び112を閉じる方向に回動する。この時、第1の害虫駆除部101の背面に形成された一対の支持壁138A及び138Bの間にガイド片139が挿入されて、前記回動を誘導し、円弧状連結部133を第1の害虫駆除部101の内周部121に接近させ、円弧状連結部133が内周部121に当接して、内周部121が円弧状連結部133と共に脚部200を押圧すると、円弧状連結部133に形成された係合爪134及び135が、第1の害虫駆除部101の背面に形成された係合爪136及び137に弾発的に係合する。この動作によって、自由端111に形成された係合孔111Aに、自由端112に形成された係合爪112Aが係合して、自由端111と自由端112とが連結され閉状態となり、害虫駆除部材100が脚部200に設置される。(図12参照)。
【0042】
その後、害虫駆除部材着脱具1を害虫駆除部材100から離れる方向に引けば、害虫駆除部材着脱具1の把持部20から害虫駆除部材100が外れ、害虫駆除部材100が脚部200に設置された状態が維持される。この時、第1の支持部25に形成された第1の傾斜部41及び42は、第1の支持部25の先端側から柄部10側にいくにしたがって支持片26A及び26B(第2の支持部26)に向けて徐々に突出する形状を有し、支持片26A及び26Bに形成された第2の傾斜部51及び52は、支持片26A及び26Bの先端側から柄部10側にいくにしたがって第1の支持部25に向けて徐々に突出する形状を有しているため、害虫駆除部材100を害虫駆除部材着脱具1から比較的簡単に離脱させることができる。
【0043】
一方、脚部200に設置されている害虫駆除部材100を、害虫駆除部材着脱具1を使用して脚部200から取り外す際は、図13及び図14に示すように、第1の支持部25に形成された係合部43を、虫返し部106の内周面側に挿入し、虫返し部106に係合部43を係合させた状態で、害虫駆除部材着脱具1を、害虫駆除部材100の径方向外側(脚部200から離れる方向:図13及び図14に示す矢印X方向)に引き寄せればよい。このようにすることで、自由端111に形成された係合孔111Aと、自由端112に形成された係合爪112Aとの係合が解除され、自由端111と自由端112との間に隙間が形成され、この隙間を介して脚部200から害虫駆除部材100を離脱させることができ、虫返し部106と係合部43とを係合させた状態で、害虫駆除部材100を回収することができる。
【0044】
以上説明したように、害虫駆除部材着脱具1を使用することで、直接手が届かない位置にある脚部200に、害虫駆除部材100を簡単に設置することができ、また、簡単に取り外して回収することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、第1の支持部25に係合部43を形成した場合について説明したが、これに限らず、係合部43は、第2の支持部26に形成してもよい。また、所望により、第1の支持部25及び第2の支持部26の両方に形成してもよく、また、把持部20の他の位置に設置してもよい。そしてまた、係合部43は、所望により形成しなくてもよい。
【0046】
また、本実施の形態では、第2の支持部26を、支持片26A及び26Bから構成した場合について説明したが、これに限らず、第2の支持部26は、第1の支持部25のように、1つの部材から構成してもよい。
【0047】
そしてまた、本実施の形態では、柄部10を第1の柄部11と第2の柄部12から構成し、全体の長さを調整可能とした場合について説明したが、これに限らず、柄部10は、1本の連続した柄部から構成してもよく、第3、第4の柄部を設ける等、さらに分割した複数の柄部を接続した構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具の平面図である。
【図2】図1に示す害虫駆除部材着脱具の背面図であって、その一部を拡大して示す図である。
【図3】図2に示すIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図2に示すIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具によって、自動販売機の脚部に着脱される害虫駆除部材の斜視図であって、第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端とを係合させて閉状態にした図である。
【図6】自動販売機の脚部に着脱される害虫駆除部材の斜視図であって、第2の害虫駆除部の自由端と第3の害虫駆除部の自由端との係合を解除して開状態にした図である。
【図7】図6に示す害虫駆除部材の背面図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具に、図6に示す状態の害虫駆除部材を把持させた状態を示す平面図である。
【図9】図8に示すIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】図9の一部を示す拡大断面図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具によって把持された害虫駆除部材を、自動販売機の脚部に設置する状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具によって把持された害虫駆除部材を、自動販売機の脚部に設置した状態を示す斜視図である。
【図13】自動販売機の脚部に設置された害虫駆除部材を、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具を使用して取り外す状態を示す斜視図である。
【図14】自動販売機の脚部に設置された害虫駆除部材を、本発明の実施の形態にかかる害虫駆除部材着脱具を使用して取り外す状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 害虫駆除部材着脱具
10 柄部
11 第1の柄部
12 第2の柄部
13 固定部
20 把持部
21 柄部挿入部
22 接続部
23 フランジ
25 第1の支持部
26 第2の支持部
26A、26B 支持片
41、42、51、52 傾斜部
43 係合部
100 害虫駆除部材
101 第1の害虫駆除部
102、104 ヒンジ部
103 第2の害虫駆除部
105 第3の害虫駆除部
106、107、108 虫返し部
110 開口部
111、112 自由端
200 脚部
【出願人】 【識別番号】000226507
【氏名又は名称】株式会社ニックス
【出願日】 平成18年9月6日(2006.9.6)
【代理人】 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸

【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎

【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司


【公開番号】 特開2008−61559(P2008−61559A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−242059(P2006−242059)