| 【発明の名称】 |
多獣種対応型侵入防止柵 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 雅央
【氏名】米田 健一
【氏名】阿呉夢 相達
【氏名】尾田 隆司
【氏名】尾田 英登
【氏名】小林 一木
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| 【要約】 |
【課題】省力的な設置およびメンテナンスが可能であり、しかも多獣種に対して効果の高い侵入防止柵を提供する。
【構成】二重柵において、外側柵手段10に物理的進入阻害資材11を採用し、内側柵手段20に視覚阻害資材21を採用した。また外側柵手段10と内側柵手段20を逆V字構造に連結した。さらに外側および内側柵手段10,20における支柱12,22に導電性素材を採用し、地表部には導電性抑草シートを敷設した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支柱に資材を張設した柵手段が所定の間隔をもって外側と内側に設置された二重柵であり、外側の柵手段には野生動物の行動を物理的に阻害する資材を張設し、内側の柵手段には野生動物の視覚を阻害する遮光ネットを張設したことを特徴とする野生動物侵入防止柵。 【請求項2】 支柱に資材を張設した柵手段が所定の間隔をもって外側と内側に設置された二重柵であり、外側柵手段の支柱を内側方向に、内側柵手段の支柱を外側方向にそれぞれ傾け、上部で互いの支柱を連結した逆V字構造をもつことを特徴とする野生動物侵入防止柵 【請求項3】 請求項1または2に記載されている野生動物侵入防止柵において、外側柵手段もしくは内側柵手段の支柱が導電性素材からなることを特徴とする野生動物侵入防止柵。 【請求項4】 請求項1または2に記載されている野生動物侵入防止柵において、導電性抑草シートを地表部に設置したことを特徴とする野生動物侵入防止柵。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、イノシシ、シカなどの大型獣から、タヌキ、アライグマなどの小型獣まで、多種多様な野生動物による農作物などへの被害を防止するため、畑の周囲など所定の場所に設置する野生動物進入防止柵に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、野生動物による農林業被害は深刻化の一途を辿っている。そこで、その対策として進入防止柵の設置が広く行われている。侵入防止柵としては、ネットなどを用いた物理障壁により対象動物の侵入を遮断するもの(特許文献1)や、電源装置に接続して張設された裸電線による電気衝撃をもって対象動物の侵入を防ぐもの(特許文献2)などが一般的である。また、柵外から内部が窺えないようにトタン板などの目隠し資材を設置することにより、警戒心の強い野生動物に対しての心理的侵入阻害効果をねらった柵も使用されている。 【0003】 【特許文献1】特開2005-304454号公報 【特許文献2】特開2003-38083号公報 【0004】 また、対象となる野生動物はサル、シカ、イノシシ、タヌキ、アライグマなど多種にわたり、さらに殆どの場合は複数種が同時に問題となる。そのため、侵入防止柵には多種多様な野生動物の体サイズや運動能力に対応することが求められる。 【0005】 しかし、先に述べた物理障壁柵では、サルなど登攀能力に優れた動物の侵入を防ぐために圃場の天井部分まで完全に覆ってしまう必要があり、設置およびメンテナンスに多大な労力・コストを要する。また、電気衝撃柵では、多様な体サイズの動物に対応するため多段階の高さに裸電線を張設する必要がある。さらに、小型の動物がすり抜けないようにするためには、地際に近い高さに裸電線を張設する必要があるが、雑草が触れて漏電する事態を防ぐために頻繁な除草作業が必須となるなど、メンテナンスに多大な労力を要する。なお、目隠し資材柵は柵高が大きくなるほど風の影響を受けやすくなり、強風時に倒壊してしまう可能性が非常に高くなる。そのため、シカなど目線の高い動物に対応することは困難である。 【0006】 このように、多種の動物に対応した侵入防止柵を設置・維持するためには多大な労力及びコストが必要となる。しかし、野生動物による被害が発生するのは中山間地域が主である。これらの地域では地形が険しく、さらに住民の高齢化も著しいため、必要な労力を確保することは非常に困難である。また、平地とくらべて耕作面積が狭く、収益性も悪いことから投入可能なコストも限られている。以上より、従来の技術では効率的に被害を防ぐことは困難なのが現状である。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 上記のように従来の技術では、多様な野生動物に対応でき得るような侵入防止柵を設置することは、効果及び労力面において非常に難しいという問題があった。本発明は、省力的な設置およびメンテナンスが可能であり、しかも多獣種に対して効果の高い侵入防止柵を実現することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明によれば、支柱に資材を張設した柵手段が所定の間隔をもって外側と内側に設置された二重柵であり、外側の柵手段には野生動物の行動を物理的に阻害する資材を張設し、内側の柵手段には野生動物の視覚を阻害する遮光ネットを張設したことを特徴とする野生動物侵入防止柵を提供する。 【0009】 また本発明は、支柱に資材を張設した柵手段が所定の間隔をもって外側と内側に設置された二重柵であり、外側柵手段の支柱を内側方向に、内側柵手段の支柱を外側方向にそれぞれ傾け、上部で互いの支柱を連結した逆V字構造をもつことを特徴とする野生動物侵入防止柵を提供する。 【0010】 また本発明は、柵手段の支柱が導電性素材からなることを特徴とする野生動物侵入防止柵を提供する。 【0011】 また本発明は、導電性抑草シートを地表部に設置したことを特徴とする野生動物侵入防止柵を提供する。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、内側の柵手段に張設された視覚阻害資材により、種類を問わず警戒心の強い野生動物は、柵内の安全が確認されないため侵入行動が消極的となる。そのため、外側の柵手段に張設された物理的行動阻害資材の効果が最大限に発揮される。また、視覚阻害資材も、物理的行動阻害資材によっての対象動物の至近距離への接近が回避されるため、最大限の効果が発揮される。つまり、行動阻害と視覚阻害を組み合わせによる相乗効果により、多くの獣種に対してより大きな侵入阻害効果を得ることが出来る。それにより、物理的侵入阻害資材としては、衝撃電圧をかける電源装置に接続された裸電線やネットなど設置作業性・メンテナンス性に優れ、コストの低い簡易資材のみで効果を発揮することができ得る。さらに、耐風性は強いが至近距離では透けて見えてしまう欠点のある遮光ネットを、視覚阻害資材として適用することが可能となり、強風時に柵が倒壊または変形するような事態を回避することができる。 【0013】 また、支柱が合掌構造をもつことにより、単純な構造で頑強な柵強度を実現可能となる。このことにより、設置作業性・メンテナンス性を高め、かつシカやイノシシなど大型獣にも対応可能な強度を保持できる。また、二重柵でありながら、それぞれの柵手段に個別の支持構造を設ける必要が無くなるために柵の奥行きが小さくなり、柵の設置による耕作領域の犠牲を最小限に抑えることができる。 【0014】 さらに、物理侵入阻害資材として電源装置に接続された裸電線を用いる際、柵手段の支柱に鉄パイプなどの導電性資材を用いることにより、対象動物が地面と裸電線に接触した場合だけでなく、支柱の一部と裸電線に接触した場合にも衝撃電圧を感じることとなる。このことにより、対象動物の感電機会を高めることが可能となり、さらに裸電線に接触する際に地面から脚が離れてしまうような小型動物についても感電させることができるため、より多くの種類の動物に対して高い侵入阻害効果を得ることができる。 【0015】 また、地表部に導電性抑草シートを設置することにより、衝撃電圧による効果を損なうことなく、繁茂した雑草が裸電線に接触することによる漏電を防ぐことが出来る。このことにより、労力負担の大きい頻繁な草刈り作業が不要となるため、柵のメンテナンス性を著しく高めることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、本発明の実施の一形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。 【0017】 図1は本発明の一実施形態を示す外観斜視図、図2は断面図である。本発明に係る野生動物侵入防止柵は基本的に、物理的な侵入阻害効果を持つ外側柵手段10と視覚遮断効果を持つ内側柵手段20を、横パイプ30によって逆V字構造に連結した構成をもつ。侵入を試みた野生動物は、内側柵手段20によって柵の内部の安全を確認することができないため、侵入行動が消極的となり、外側柵手段10による物理的侵入抑止効果が最大限発揮される。また、外側柵手段10によって対象動物は内側柵手段20の至近距離まで近づくことができないため、内側柵手段20の持つ視覚阻害効果も最大限発揮される。 【0018】 外側柵手段10には行動を物理的に阻害する資材である行動阻害ネット11が張設されている。行動阻害ネット11はポリエチレンなどを素材としており、イノシシなどの大型獣が侵入を試みた場合においても切れない強度を有している。また、すこしたるませた状態で設置することにより、対象動物の足が行動阻害ネット11に絡み、侵入阻害効果を高める。 【0019】 外側柵手段支柱12には碍子41が2段取り付けられ、衝撃電流パルスを発生する電源装置のプラス極に接続された下段裸電線42および中段裸電線43が張設されている。また、外側柵手段支柱12の上には折り返しポール50が設置され、そこにも同様に電源装置に接続された上段裸電線44が張設されている。なお、電源装置のマイナス極は地面70にアースされている。外側柵手段支柱12および横パイプ30は金属製直管パイプなど導電性の資材を使用しており、外側柵手段支柱12は地中に打ち込まれているため、対象動物が裸電線42または43と地面に同時接触した場合だけではなく、外側柵手段支柱12と同時接触した場合においても対象動物に衝撃電流を与えることができる。従って、鼻面など体の一部分しか通電しないイノシシや、裸電線に接触する際に地面から足が離れてしまうタヌキ等の小型動物においても衝撃電流による侵入阻害効果を高める。また、サルなど登攀能力に優れた動物が侵入を試みる際には、対象動物は外側に張り出した折り返しポール50に不安定な体勢で取り付くことになり、張設された裸電線44と外側柵手段支柱12または横パイプ30に同時接触した際の衝撃電流と併せて、侵入が阻害される。なお、裸電線および碍子の設置段数は何段でもよく、柵設置場所における対象動物の種類や出没頻度によって調整する。 【0020】 内側柵手段20には遮光ネット21が張設されている。遮光ネット21は暗色の糸を高密度に編み込んだネット資材であり、大部分の光を遮断するため、対象動物の視覚を阻害することができる。また、ある程度の風通しが確保されるため、トタン板など全く光を通さないと共に風も通さない資材を用いた場合と比べて、柵の耐風性を大幅に向上させる。また、遮光ネット21は至近距離では向こうが少し透けて見えるという欠点があるが、外側柵手段10によって対象動物の至近距離への接近を避けることにより、この欠点をカバーしている。 【0021】 外側柵手段支柱12と内側柵手段支柱22は逆V字構造で連結されている。この構造をとることにより、外側柵手段10と内側柵手段20はお互いを支え合うこととなり、シカやイノシシなど大型獣にも対応し得る柵強度を実現する。また、単純な構造であるため設置作業性、メンテナンス性も確保される。 【0022】 地表部には導電性抑草シート60が敷設されている。導電性抑草シート60は光を遮断することにより雑草の生育を抑える働きをするため、裸電線42、43または44に雑草が接触して漏電する事態を省力的に回避できる。また、導電性抑草シート60は導電プラスチックなどの導電性素材を用いる方法や、抑草機能に支障が出ない程度にシートに多くの小孔を開けるなどの方法により、地面との間の導電性を確保している。そのため、対象動物が導電性抑草シート60の上に乗っている状態で裸電線42、43または44に接触した場合においても、衝撃電流によって侵入行動が阻害される。 【図面の簡単な説明】 【0023】 【図1】本発明の一実施形態を示す外観斜視図である。 【図2】本発明の一実施形態を示す断面図である。 【符号の説明】 【0024】 10 外側柵手段 11 行動阻害ネット 12 外側柵手段支柱 20 内側柵手段 21 遮光ネット 22 内側柵手段支柱 30 横パイプ 41 碍子 42 下段裸電線 43 中段裸電線 44 上段裸電線 50 折り返しポール 60 導電性抑草シート 70 地面
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| 【出願人】 |
【識別番号】000225142 【氏名又は名称】奈良県 【識別番号】391024722 【氏名又は名称】タイガー株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月22日(2006.6.22) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2008−66(P2008−66A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−172475(P2006−172475) |
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