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水槽水浄化装置 - 特開2008−301787 | j-tokkyo
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【発明の名称】 水槽水浄化装置
【発明者】 【氏名】千代田 良雄

【氏名】森 直人

【要約】 【課題】水槽水を自然発生的に増殖する微生物により効率的に浄化処理を行うとともに、特に浄化処理の立ち上がり時において安定した浄化処理を行うことができるようにする。また小型化を図り、メンテナンスを容易に行うことができるようにする。

【解決手段】水槽水の導入口4と導出口5を有するケース本体1内に、酸化処理濾材14と、アンモニア吸着材13と、還元性装填材16を収納し、前記導入口4から導入した水槽水を、これら酸化処理濾材、アンモニア吸着材及び還元性装填材を通して浄化処理した後、前記導出口5から水槽内に返水する。酸化処理濾材14はシリカを主原料とするリング材が好ましく、アンモニア吸着材13は、無機粘土鉱物を主原料とする吸着材が好ましい。また還元性装填材16は、生分解性プラスチック材が好ましい
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽水の導入口と導出口を有するケース本体内に、酸化処理濾材と、アンモニア吸着材と、還元性装填材を収納し、前記導入口から導入した水槽水を、これら酸化処理濾材、アンモニア吸着材及び還元性装填材を通して浄化処理した後、前記導出口から水槽内に返水するように構成したことを特徴とする水槽水浄化装置。
【請求項2】
前記酸化処理濾材はシリカを主原料とするリング材であることを特徴とする請求項1に記載の水槽水浄化装置。
【請求項3】
前記アンモニア吸着材は、無機粘土鉱物を主原料とする吸着材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水槽水浄化装置。
【請求項4】
前記還元性装填材は、生分解性プラスチック材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水槽水浄化装置。
【請求項5】
水槽水の導入口と導出口を有するケース本体と、
前記ケース本体内に配置される第一処理材収納容器及び第二処理材収納容器を有し、
前記第一処理材収納容器と第二処理材収納容器の底面部を通水可能に構成するとともに、
前記第一処理材収納容器に酸化処理濾材とアンモニア吸着材を収納し、
前記第二処理材収納容器に還元性装填材を収納したことを特徴とする水槽水浄化装置。
【請求項6】
前記第一処理材収納容器を前記ケース本体の水槽水導入口側に配置し、前記第二処理材収納容器を水槽水導出口側に配置したことを特徴とする請求項5に記載の水槽水浄化装置。
【請求項7】
前記第一処理材収納容器の下部に前記アンモニア吸着材を収納し、その上部に前記酸化処理濾材を収納するとともに、前記第二処理材収納容器の下部に還元性装填材を収納し、その上部に活性炭を収納したことを特徴とする請求項5又は6に記載の水槽浄化装置。
【請求項8】
前記ケース本体の導出口から導出した水槽水を、水槽の水面上方部から散水させて返水するための返水管を備えていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の水槽水浄化装置。
【請求項9】
前記ケース本体の上部開口部を、水槽水の導入口と導出口を有する蓋体で密封することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の水槽水浄化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、観賞魚や食用魚、貝類等を飼育する水槽の貯留水を循環させて浄化するための水槽水浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水槽に魚類や貝類等を入れて飼育、鑑賞する場合、水質管理のための水替えが重要となる。水槽の貯留水には、魚類の排泄物等から生成されるアンモニア成分、残餌、ゴミ等が混じっており、これらが水質悪化の原因となっている。特にアンモニア成分や、アンモニア成分が、水槽水に自然に含まれる好気性菌により硝酸塩まで分解される過程で生成される亜硝酸塩は、飼育魚等にとってきわめて有害であり、また硝酸塩の増加は藻の発生や、pHバランスを崩す原因にもなっている。
【0003】
このため、水槽水を循環させて化学的、物理的又は微生物学的に浄化する装置が従来から多種提案されている。微生物学的な浄化装置としては、例えば特許文献1に示すように、嫌気性浄化モジュール、水圧送手段、好気性浄化モジュール、水温制御殺菌モジュール等を配管で連結した浄化装置や、特許文献2に示すように、水槽本体の上部に濾過装置を設けるとともに、濾過装置を嫌気性であるウエット浄化槽と、好気性であるドライ濾過槽で構成し、両槽に水槽水を上方からシャワーパイプにより給水し、一部をドライ濾過槽を通して水槽水に戻し、残りをウエット濾過槽に通した後、ドライ濾過槽を介して水槽に戻すようにした濾過装置が知られている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置は、多数のモジュールで構成され、各モジュールを配管で連結するため、構造が複雑であり濾過装置全体が大型化するという問題がある。また同文献2の装置は、水槽本体の上部に載置するため設置場所に制約があるという問題や、各浄化槽を各微生物に適した状態に管理維持するのが困難であるという問題がある。さらに、これらの装置は浄化処理の立ち上げ時に、各濾過容器に微生物が繁殖するまでに時間が掛り、その間に適切な浄化処理が行われない等の問題がある。
【0005】
【特許文献1】特開平6−22664号公報
【特許文献2】特開平10−244290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような現状に鑑みて提案されたものであり、水槽水を循環させて水槽水に含まれる有害成分を連続的に浄化する装置であって、水槽水を自然発生的に増殖する微生物により効率的に浄化処理するとともに、特に浄化処理の立ち上がり時において安定した浄化処理を行うことができる水槽水浄化装置を提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、全体の構成が簡単で装置の小型化を可能とし、さらにはメンテナンスが容易な水槽水浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明にあっては、水槽水の導入口と導出口を有するケース本体内に、酸化処理濾材と、アンモニア吸着材と、還元性装填材を収納し、前記導入口から導入した水槽水を、これら酸化処理濾材、アンモニア吸着材及び還元性装填材を通して浄化処理した後、前記導出口から水槽内に返水させるように構成したことを特徴とする。
【0009】
本発明の水槽水は、淡水、塩水(海水)、汽水のいずれでもよく、また水槽は家庭用、業務用を問わない。酸化処理濾材とは、そこに増殖する微生物によりアンモニア成分を酸化分解する濾材であり、アンモニア吸着材とはアンモニア成分そのものを吸着する材料で構成されている。また還元性装填材とは、該装填材を栄養源として繁殖する微生物により、前記酸化処理濾材で生成された酸化成分を無害成分に還元化する材料である。
【0010】
請求項2乃至4の発明によれば、前記酸化処理濾材はシリカを主原料とするリング材であり、前記アンモニア吸着材は、無機粘土鉱物を主原料とする吸着材であり、前記還元性装填材は、生分解性プラスチック材であることを特徴とする。
【0011】
シリカを主原料とするリング材の酸化処理濾材は、水槽水の流れを阻害せず、目詰まりもしにくく、微生物の繁殖にも好適である。ここで繁殖する微生物は主として硝化菌等の好気性独立栄養菌である。無機粘土鉱物を主原料とするアンモニア吸着材は、層状結晶構造であり、特に濃度の高いアンモニア成分の吸着に効果的である。また硝化菌の立ち上がりも早いという特性もある。生分解性プラスチック材の還元性装填材は、脱窒菌等の通性嫌気性菌の栄養源として最適であり、通性嫌気性菌の繁殖を促すことができる。
【0012】
また請求項5の発明によれば、
水槽水の導入口と導出口を有するケース本体と、
前記ケース本体内に配置される第一処理材収納容器及び第二処理材収納容器を有し、
前記第一処理材収納容器と第二処理材収納容器の底面部を通水可能に構成するとともに、
前記第一処理材収納容器に酸化処理濾材とアンモニア吸着材を収納し、
前記第二処理材収納容器に還元性装填材を収納したことを特徴とする。
【0013】
このように、第一処理材収納容器と第二処理材収納容器に各浄化処理材を分けて収納することにより、高さを抑えることができケース本体の小型化が可能となる。また、各収納容器を別々にケース本体から取り出して必要な浄化処理材だけの交換清掃を行うことができるため、従来のように浄化槽等の全体を清掃交換する方法に比べると、酸化処理濾材や還元性充填材で自然発生した微生物を捨て去ることなく効率的に増殖することができ、メンテナンスも容易である。
【0014】
また請求項6の発明によれば、前記第一処理材収納容器を前記ケース本体の水槽水導入口側に配置し、前記第二処理材収納容器を水槽水導出口側に配置したことを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、水槽水を第一処理材収納容器に収納された酸化処理濾材とアンモニア吸着材で、アンモニア成分を酸化分解又は吸着した後、第二処理材収納容器の還元性装填材において酸化成分を無害な成分に還元化することができ、効率的な浄化処理を行うことができる。
【0016】
また請求項7の発明によれば、前記第一処理材収納容器の下部に前記アンモニア吸着材を収納し、その上部に前記酸化処理濾材を収納するとともに、前記第二処理材収納容器の下部に還元性装填材を収納し、その上部に活性炭を収納したことを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、上記請求項6の発明で述べた浄化処理をさらに効率的に且つ安定的に実現することができる。活性炭は還元性装填材と層状に組み合わせてもよいが、還元性装填材の中に混入してもよい。活性炭は、水槽に返送される水槽水の脱臭、脱色のために使用される。
【0018】
また請求項8の発明によれば、前記ケース本体の導出口から導出した水槽水を、水槽の水面上方部から散水させて返水するための返水管を備えていることを特徴とする。
【0019】
このようにすれば、返送水は周囲の空気を巻き込んで水槽に供給されるため、水槽水中の溶存酸素が高くなり、水槽水を好気性に保つことができる。
【0020】
また請求項9の発明によれば、前記ケース本体の上部開口部を、水槽水の導入口と導出口を有する蓋体で密封することを特徴とする。
【0021】
このようにすれば、水槽水の導入口と導出口を蓋体に設けることで全体的な構成、外観が簡素化し、排水ポンプや返水管との連結管の連結操作も容易に行うことができる。また大気圧の影響を受けないため、ケース本体内を水槽水を還流させるための排水ポンプを小型化することができる。さらにケース本体内部が水密に保持されるため、空気中のゴミ、虫、菌等の混入を防止できる。
【発明の効果】
【0022】
上述した本発明の水槽水浄化装置によれば、水槽水を循環させて水槽水に含まれる有害成分を連続的に浄化する装置において、水槽水を自然発生的に増殖する微生物により効率的に浄化処理を行うとともに、特に浄化処理の立ち上がり時において安定した浄化処理を行うことができる。また、全体の構成が簡単で装置の小型化を可能とし、さらにはメンテナンスも容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の水槽水浄化装置の実施態様を添付図面に従って説明する。図1は、本発明の水槽水浄化装置を構成するケース本体1の全体斜視図であり、ケース本体1は、上部開口部が蓋体3により開閉可能に、かつ水密的に密封されている。蓋体3は、図2に示すように、ケース本体1の上部開口部近くに枢着されたバックル6,6により、蓋体3の上端部が押圧されてケース本体1に止着されている。
【0024】
蓋体3の上面部には水槽水の導入口4と導出口5が設けられており、導出口5には連結管の締付リング5aが設けられている。なお、導入口4側の締付リングは、導入管4に連結する連結管(図示せず)の端部に設けられている。
【0025】
ケース本体1の内部は、図3に示すように、隔壁9により水密的に仕切られており、これにより水槽水導入口4と通じる第一処理室7と、水槽水導出口5と通じる第二処理室8が形成されている。第一処理室7の容積は第2処理室の容積よりも大きく構成されている。なお、隔壁9の下部には通水孔9aが形成されている。
【0026】
またケース本体1の内部には、第一処理材収納容器10と第二処理材収納容器11が収納されている(図4では、便宜的に第一処理材収納容器10だけを収納した状態を示している)。即ち、ケース本体1内部の第一処理室7には図5(A)に示すような容積の大きい第一処理材収納容器10が収納され、第二処理室8には図5(B)に示すような容積の小さい第二処理材収納容器11が収納されている。
【0027】
第一処理材収納容器10の底面部には、図6に示すように多数の通水孔10aが形成され、底面部の外側四隅部に脚部10bが突設されるとともに、側面部に把手部10cが突設されている。また第二処理材収納容器11の底面部にも図6に示すように多数の通水孔11aが形成されており、外側四隅部に脚部11bが突設されるとともに、側面部に把手部11cが突設されている。
【0028】
このような第一処理材収納容器10と第二処理材収納容器11をケース本体1の処理材収納体2に収容することにより、図3に示すように各処理材収納容器10,11の脚部10b,11bにより各濾材収納容器10,11の底面部下方に通水路12が形成されることになる。
【0029】
一方、第一処理材収納容器10には、図3に示すように下部にアンモニア吸着材13が装填され、その上部に酸化処理濾材14が装填され、その上部にスポンジ材15が装填されている。また第二処理材収納容器11には下部に還元性装填材16が装填され、その上部に活性炭17が装填され、その上部にスポンジ材18が装填されている。ここでは、アンモニア吸着材13として無機粘土鉱物を主原料とし酸化性雰囲気で焼成して得られた吸着材を使用し、酸化処理濾材14としてシリカを主原料としたリング状の濾材を使用している。また、還元性装填材16として生分解プラスチックを使用している。
【0030】
他方、蓋体3に設けられた水槽水導出口4には、水槽内に設置された排水ポンプと連結する連結管(図示せず)が連結され、導出口5には図7に示すような返水管20と連結する連結管(図示せず)が連結される。返水管20は、吸着部材21,21により水槽側面部の適所に吸着され、導出管5から導出された浄化済みの水槽水が、多数の吐出口22から水面上に散水される。
【0031】
つぎに、上述した水槽水浄化装置の使用例を説明する。まずケース本体1の水槽水の導入口4と水槽内に設置した排水ポンプを連結管で連結するとともに、導出口5を水槽の側面部に吸着した返水管20と連結管で連結する。
【0032】
その後、排水ポンプを作動させ、水槽水を、導入口4を通してケース本体1内の第一処理室7に導入する。水槽水は、第一処理室7の第一処理材収納容器10に装填されたスポンジ材15により魚糞、残餌、ゴミ等の比較的大きな異物が除去された後、酸化処理濾材14において繁殖した消化菌等の好気性独立栄養細菌により、水槽水に含まれるアンモニア成分が亜硝酸イオン、硝酸イオンに分解される。
【0033】
酸化処理濾材14を通った水槽水は、アンモニア吸着材13において、酸化処理濾材14で分解しきれなかったアンモニア成分が吸着される。したがって、浄化処理の立ち上がり時に、酸化処理濾材14で消化菌等が充分に繁殖していない状態でも、水槽水に含まれるアンモニア成分は、このアンモニア吸着材13により吸着されることになる。
【0034】
アンモニア吸着材13を通った水槽水は、第一処理材収納容器10の底面部の通水孔10aから流出し、通水路12及び隔壁9の通水孔9aを通って第二処理室8に至る。この水槽水は、第二処理室8に収納された第二処理材収納容器11の底面部通水孔11aから送水圧により同収納容器11の内部に流入する。
【0035】
第二処理材収納容器11においては、還元性装填材16を栄養源として繁殖した脱窒菌等の通性嫌気性菌により、酸化処理濾材14で生成された硝酸イオンが亜硝酸イオン及び窒素ガスまで還元分解される。
【0036】
還元性装填材16を通った水槽水は、活性炭17において脱臭及び脱色が行われた後、スポンジ材18により、最終的に大きな異物が水槽内に戻らないように除去される。スポンジ材18を通った水槽水は、導出口5から連結管を通って返水管20の多数の吐出口22から水槽内に散水状態で返水される。
【0037】
また、ケース本体1の底部に溜まった残留物の清掃、スポンジ材15,18、活性炭17、還元性装填材16等の交換を行うときは、各処理材収納容器10,11の把手部10c,11cを持って各処理材収納容器10,11を同時に又は別々にケース本体1から取り出してその作業を行う。
【0038】
上述した実施態様は、本発明の水槽水浄化装置の一例を示したものであり、ケース本体1、第一処理材収納容器10、第二処理材収納容器11等の構成は図示したものに限定されるものではなく、また各処理材収納容器10,11等の上記各処理材の装填順序なども必要により変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の水槽水浄化装置のケース本体の全体斜視図である。
【図2】ケース本体のバックル取付部の断面図である。
【図3】ケース本体の内部構成を説明するための断面説明図である。
【図4】第一処理材収納容器のケース本体内の収納状態を示した透視斜視図である。
【図5】第一処理材収納容器と第二処理材収納容器の斜視図である。
【図6】第一処理材収納容器と第二処理材収納容器の底面部を示す平面図である。
【図7】水槽に取り付けられる返水管の斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1はケース本体
3は蓋体
4は水槽水導入口
5は水槽水導出口
6はバックル
7は第一処理室
8は第二処理室
9は隔壁
10は第一処理材収納容器
11は第二処理材収納容器
12は通水路
13はアンモニア吸着材
14は酸化処理濾材
15はスポンジ材
16は還元性装填材
17は活性炭
18はスポンジ材
20は返水管
【出願人】 【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
【出願日】 平成19年6月11日(2007.6.11)
【代理人】 【識別番号】100078259
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 茂美


【公開番号】 特開2008−301787(P2008−301787A)
【公開日】 平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願番号】 特願2007−153702(P2007−153702)