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【発明の名称】 釣竿支持具
【発明者】 【氏名】木田 久雄

【要約】 【課題】別体の上部挟持体の上面側に突出するものをなくして、上部挟持体と下部挟持部とでグリップ部を強固に挟持できるようにすることである。

【解決手段】後部竿支持部4の上部挟持体6を、グリップ部Aの上側を挟持する湾曲部6aの左右両側に、下部挟持部5の外径面の左右両側に設けた溝5b、5cに上方から差し込まれる垂下部6b、6cを設けたものとし、これらの垂下部6b、6cの外側面に雄ねじ18aを切り、各溝5b、5cに差し込まれた各垂下部6b、6cの外側から、内径面に雌ねじ18bが切られたねじリング19を雄ねじ18aと螺合させるように、下部挟持部5の外径面に嵌着し、ねじリング19を回転させて各垂下部6b、6cを上下に移動させるようにすることにより、上部挟持体6の上面側に突出するものをなくして、別体の上部挟持体6と下部挟持部5とでグリップ部Aを強固に挟持できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定用のクランプ部を設けた基台に、釣竿のグリップ部を前後2点で支持する前部竿支持部と後部竿支持部とを設け、前記後部竿支持部を柱状の下部挟持部と別体の上部挟持体で形成して、これらの下部挟持部と上部挟持体とで前記グリップ部を上下に挟持する釣竿支持具において、前記後部竿支持部の上部挟持体を、前記グリップ部の上側を挟持する湾曲部の左右両側に、前記下部挟持部の外径面に上方から沿わされる垂下部を設けて、これらの垂下部の外側面に雄ねじを切り、前記下部挟持部の外径面に、この外径面に沿わされた各垂下部の外側から、内径面に雌ねじが切られたねじリングを、前記各垂下部の雄ねじと螺合させるように嵌着し、この下部挟持部の外径面に嵌着したねじリングを回転させることにより、前記各垂下部を上下に移動させて、前記上部挟持体と下部挟持部とで前記グリップ部を上下に挟持するようにしたことを特徴とする釣竿支持具。
【請求項2】
前記上部挟持体の左右両側の垂下部の一方の垂下長さを他方の垂下長さよりも長くし、この垂下長さを長くした垂下部を、前記雄ねじが切られた部分の下側に、屈曲可能なヒンジ部を介して延長部を設けたものとした請求項1に記載の釣竿支持具。
【請求項3】
前記別体の上部挟持体を複数個用意し、前記グリップ部の上側を挟持する湾曲部の下面を、それぞれ曲率半径が異なる凹円弧面とした請求項1または2に記載の釣竿支持具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、船べりの手摺り等に固定して使用する釣竿支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
船べりの手摺り等に固定して使用する釣竿支持具には、手摺り等への固定用のクランプ部を設けた基台に、釣竿のグリップ部を前後2点で支持する前部竿支持部と後部竿支持部とを設け、後部竿支持部を柱状の下部挟持部と別体の上部挟持体で形成して、これらの下部挟持部と上部挟持体とでグリップ部を上下に挟持するようにしたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1、2に記載されたものでは、前部竿支持部が釣竿を下方から受ける支持腕とされ、後部竿支持部の別体の上部挟持体は、柱状の下部挟持部に一対のねじで上方から締め付けられて、グリップ部を上下に挟持するようにしている。また、下部挟持部は、前後に傾動可能な支持台に設けられた係合突起に係脱可能に取り付けられており、釣った魚を引き上げるときに、釣竿を立てることができるようにするとともに、釣竿を後部竿支持部と一緒に基台から取り外して、自由に持ち上げることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−84550号公報
【特許文献2】登録実用新案第3011201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された釣竿支持具は、船べりの手摺り等に釣竿を強固に安定して支持できるとともに、釣った魚を引き上げるときに、簡単に釣竿を取り外して魚を捕獲することができるが、下部挟持部に上部挟持体を上方から締め付けるねじが上部挟持体の上面側に突出し、釣竿を後部竿支持部と一緒に基台から取り外すときに、突出したねじが釣竿のグリップ部を把持する手の手首部に当たる問題がある。このように突出したねじが手首部に当たると、手首部が圧迫されるのみでなく、急いで釣竿を取り外すときは、手首部を負傷する恐れもある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、別体の上部挟持体の上面側に突出するものをなくして、上部挟持体と下部挟持部とでグリップ部を強固に挟持できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、固定用のクランプ部を設けた基台に、釣竿のグリップ部を前後2点で支持する前部竿支持部と後部竿支持部とを設け、前記後部竿支持部を柱状の下部挟持部と別体の上部挟持体で形成して、これらの下部挟持部と上部挟持体とで前記グリップ部を上下に挟持する釣竿支持具において、前記後部竿支持部の上部挟持体を、前記グリップ部の上側を挟持する湾曲部の左右両側に、前記下部挟持部の外径面に上方から沿わされる垂下部を設けて、これらの垂下部の外側面に雄ねじを切り、前記下部挟持部の外径面に、この外径面に沿わされた各垂下部の外側から、内径面に雌ねじが切られたねじリングを、前記各垂下部の雄ねじと螺合させるように嵌着し、この下部挟持部の外径面に嵌着したねじリングを回転させることにより、前記各垂下部を上下に移動させて、前記上部挟持体と下部挟持部とで前記グリップ部を上下に挟持する構成を採用した。
【0008】
すなわち、後部竿支持部の上部挟持体を、グリップ部の上側を挟持する湾曲部の左右両側に、下部挟持部の外径面に上方から沿わされる垂下部を設けて、これらの垂下部の外側面に雄ねじを切り、下部挟持部の外径面に、この外径面に沿わされた各垂下部の外側から、内径面に雌ねじが切られたねじリングを、各垂下部の雄ねじと螺合させるように嵌着し、この下部挟持部の外径面に嵌着したねじリングを回転させることにより、各垂下部を上下に移動させて、下部挟持部と上部挟持体とに設けた竿挟持面で釣竿を上下に挟持することにより、別体の上部挟持体の上面側に突出するものをなくして、上部挟持体と下部挟持部とでグリップ部を強固に挟持できるようにした。
【0009】
前記上部挟持体の左右両側の垂下部の一方の垂下長さを他方の垂下長さよりも長くし、この垂下長さを長くした垂下部を、前記雄ねじが切られた部分の下側に、屈曲可能なヒンジ部を介して延長部を設けたものとすることにより、各垂下部が上方へ移動するようにねじリングを回転させて、垂下長さを短くした垂下部のねじリングとの螺合が外れたときに、垂下長さを長くした垂下部の延長部をねじリングに係止した状態で、ヒンジ部の屈曲によりグリップ部の上側を覆う湾曲部を逃がして、釣竿を後部竿支持部に着脱可能とし、別体の上部挟持体の紛失を防止することができる。
【0010】
前記別体の上部挟持体を複数個用意し、前記グリップ部の上側を挟持する湾曲部の下面を、それぞれ曲率半径が異なる凹円弧面とすることにより、直径が異なるグリップ部を強固に挟持することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の釣竿支持具は、後部竿支持部の上部挟持体を、グリップ部の上側を挟持する湾曲部の左右両側に、下部挟持部の外径面に上方から沿わされる垂下部を設けて、これらの垂下部の外側面に雄ねじを切り、下部挟持部の外径面に、この外径面に沿わされた各垂下部の外側から、内径面に雌ねじが切られたねじリングを、各垂下部の雄ねじと螺合させるように嵌着し、この下部挟持部の外径面に嵌着したねじリングを回転させることにより、各垂下部を上下に移動させて、下部挟持部と上部挟持体とに設けた竿挟持面でグリップ部を上下に挟持するようにしたので、別体の上部挟持体の上面側に突出するものをなくして、上部挟持体と下部挟持部とでグリップ部を強固に挟持することができる。
【0012】
前記上部挟持体の左右両側の垂下部の一方の垂下長さを他方の垂下長さよりも長くし、この垂下長さを長くした垂下部を、雄ねじが切られた部分の下側に、屈曲可能なヒンジ部を介して延長部を設けたものとすることにより、各垂下部が上方へ移動するようにねじリングを回転させて、垂下長さを短くした垂下部のねじリングとの螺合が外れたときに、垂下長さを長くした垂下部の延長部をねじリングに係止した状態で、ヒンジ部の屈曲によりグリップ部の上側を覆う湾曲部を逃がして、釣竿を後部竿支持部に着脱可能とし、別体の上部挟持体の紛失を防止することができる。
【0013】
前記別体の上部挟持体を複数個用意し、グリップ部の上側を挟持する湾曲部の下面を、それぞれ曲率半径が異なる凹円弧面とすることにより、直径が異なるグリップ部を強固に挟持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この釣竿支持具は、図1に示すように、船べりの手摺り等への固定用のクランプ部1を設けた基台2に、釣竿のグリップ部Aを前後2点で支持する前部竿支持部3と後部竿支持部4とが設けられており、後部竿支持部4は、柱状の下部挟持部5と別体の上部挟持体6とで形成され、これらの下部挟持部5と上部挟持体6でグリップ部Aを上下に挟持するようになっている。基台2、前部竿支持部3および後部竿支持部4の下部挟持部5と上部挟持体6は、いずれも樹脂で形成されている。
【0015】
前記クランプ部1は、基台2の下面に設けられた上クランプ1aと、基台2の下方へL字状に延びる腕部2aに螺合されたねじ棒1bに取り付けられた下クランプ1cとからなり、手摺りとしてのパイプBを上下にクランプするようになっている。
【0016】
前記前部竿支持部3は、グリップ部Aの前側を下方から受ける湾曲した支持腕7で形成され、支持腕7は基台2にピン8で傾動可能に枢着されており、枢着された基部近傍の下面に螺着されたボルト9の出し入れによって、傾動位置を調節されるようになっている。
【0017】
前記後部竿支持部4の下部挟持部5は円柱状で、底面側から抉り込まれた凹部5aが設けられ、基台2にピン10で前後方向へ傾動可能に枢着された支持台11に設けられた係合突起12に上方から嵌め込まれており、後面側に取り付けられた係合レバー13を係合突起12の顎部12aに係合させることにより、係脱可能とされている。なお、支持台11は、ピン10に装着されたねじりコイルばね14で前方へ傾動するように付勢され、係合突起12に嵌め込まれた下部挟持部5が直立する位置で、基台2に設けられたストッパ15に係止されるようになっている。
【0018】
図2および図3に示すように、前記別体の上部挟持体6は、下面にグリップ部Aの上側を挟持する凹円弧面16が形成された湾曲部6aと、湾曲部6aの左右両側に垂下された扁平な垂下部6b、6cとからなる。また、円柱状の下部挟持部5は、上面にグリップ部Aの下側を挟持する2本の凸条17が形成され、外径面の左右両側には、上端から下方に延びる平底の溝5b、5cが設けられており、各垂下部6b、6cはこれらの溝5b、5cに沿って上方から差し込まれるようになっている。なお、グリップ部Aを挟持する凹円弧面16の部分と2本の凸条17の周辺部分は、弾力性の高い樹脂で形成されている。
【0019】
前記各垂下部6b、6cの外側面には雄ねじ18aが切られ、各溝5b、5cに差し込まれた各垂下部6b、6cの外側から、内径面に雌ねじ18bを切られたねじリング19が、各垂下部6b、6cの雄ねじ18aと螺合するように下部挟持部5の外径面に嵌着されて、下部挟持部5の上端部に設けられた鍔20と後面側の係合レバー13との間で上下に抜け止めされており、ねじリング19を回転させることにより各垂下部6b、6cが上下に移動する。なお、ねじリング19の外径面には、回転を容易にするためのローレット加工が施されている。したがって、上部挟持体6の上面側に突出するものはなく、各垂下部6b、6cを下方に移動させることにより、上部挟持体6と下部挟持部5とでグリップ部Aを強固に挟持することができる。
【0020】
また、前記上部挟持体6の一方の垂下部6bは、他方の垂下部6cよりも垂下長さが長く形成され、垂下部6bが差し込まれる溝5bの長さも、垂下部6cが差し込まれる溝5cよりも長く形成されている。垂下長さが長く形成された垂下部6bは、雄ねじ18aが切られた部分の下側に、屈曲可能に薄肉化されたヒンジ部21を介して延長部22が設けられ、垂下長さが短く形成された垂下部6cは、下端まで雄ねじ18aが切られている。
【0021】
したがって、図4に示すように、各垂下部6b、6cを上方へ移動させるようにねじリング19を回転させ、垂下長さの短い垂下部6cがねじリング19との螺合が外れたときに、垂下長さの長い垂下部6bの延長部22をねじリング19に係止した状態で、ヒンジ部21を屈曲させて湾曲部6aを上方へ逃がすことにより、上部挟持体6と下部挟持部5の間からグリップ部Aを取り外すことができ、別体の上部挟持体6が紛失するのを防止することができる。
【0022】
図5は、前記別体の上部挟持体6を、グリップ部Aの上側を挟持する凹円弧面16の曲率半径が大きいものに交換した状態を示す。このように上部挟持体6を交換することにより、直径が大きいグリップ部Aの釣竿も強固に挟持することができる。
【0023】
上述した実施形態では、後部竿支持部の下部挟持部を基台の支持台に係脱可能とし、円柱状のものとしたが、下部挟持部は基台または支持台と一体に形成することもでき、その形状も円柱状のものに限定されることはなく、例えば、角柱状のコーナ部をR面取りしたもののように、外径面にねじリングを嵌着できるものであればよい。
【0024】
また、上述した実施形態では、クランプ部をパイプの手摺りを上下にクランプするものとしたが、鍔状の手摺りを上下にクランプするものとすることもでき、これらの手摺りを前後に挟持するものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】釣竿支持具の実施形態を示す切欠き側面図
【図2】図1の後部竿支持部の分解斜視図
【図3】図1の後部竿支持部の切欠き後面図
【図4】図1の後部竿支持部から釣竿を取り外す状態を示す切欠き後面図
【図5】図3の上部挟持体を交換した状態を示す切欠き後面図
【符号の説明】
【0026】
1 クランプ部
1a 上クランプ
1b ねじ棒
1c 下クランプ
2 基台
2a 腕部
3 前部竿支持部
4 後部竿支持部
5 下部挟持部
5a 凹部
5b、5c 溝
6 上部挟持体
6a 湾曲部
6b、6c 垂下部
7 支持腕
8 ピン
9 ボルト
10 ピン
11 支持台
12 係合突起
12a 顎部
13 係合レバー
14 ねじりコイルばね
15 ストッパ
16 凹円弧面
17 凸条
18a 雄ねじ
18b 雌ねじ
19 ねじリング
20 鍔
21 ヒンジ部
22 延長部
【出願人】 【識別番号】000208754
【氏名又は名称】第一精工株式会社
【出願日】 平成19年6月7日(2007.6.7)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由

【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博


【公開番号】 特開2008−301756(P2008−301756A)
【公開日】 平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願番号】 特願2007−151297(P2007−151297)