トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業

【発明の名称】 排泄物吸収シート
【発明者】 【氏名】高原 利雄

【氏名】山本 正満

【氏名】木村 憲行

【氏名】越智 健吾

【氏名】池上 武

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートとの間に介在する吸収コアとを有する四角形の吸収マット、および前記吸収マットの少なくとも一辺から延出するフラップとを有し、前記フラップは、このフラップの延出方向と平行な前記吸収マットの辺の長さの0.3倍以上の延出長を有することを特徴とする排泄物吸収シート。
【請求項2】
前記フラップは、前記裏面シートで形成されている請求項1記載の排泄物吸収シート。
【請求項3】
透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートとの間に介在する吸収コアとを有する四角形の吸収マット、および前記吸収マットの前記吸収コアを覆っている前記表面シートの上を起点として延出するフラップが設けられていることを特徴とする排泄物吸収シート。
【請求項4】
前記裏面シートが前記吸収マットの縁部で折り曲げられて吸収コアの上に延び、この裏面シートが前記吸収コアを覆う前記表面シートの上を起点として延出し前記フラップが形成されている請求項3記載の排泄物吸収シート。
【請求項5】
前記フラップは、前記裏面シートとは別体の不透液性シートで形成されている請求項1または3記載の排泄物吸収シート。
【請求項6】
前記不透液性シートは、前記吸収マットの縁部において前記裏面シートに対して接合されている請求項5記載の排泄物吸収シート。
【請求項7】
前記フラップを形成する裏面シートまたは前記不透液性シートには、表面処理が施され、またはエンボス処理が施されている請求項2,4,5,6のいずれかに記載の排泄物吸収シート。
【請求項8】
前記フラップには、不織布層が設けられている請求項1〜7のいずれかに記載の排泄物吸収シート。
【請求項9】
前記不織布層は、前記吸収マットから延出する表面シートである請求項8記載の排泄物吸収シート。
【請求項10】
前記フラップには、前記吸収マットからほぼ直角に折り曲げた状態で壁面に掛止するための手段が設けられて、ペットの排泄物吸収用として用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の排泄物吸収シート。
【請求項11】
前記吸収マットの2辺から互いに逆方向に延出する前記フラップを有し、この両フラップがベッド上のシーツまたはマットに巻き込み可能とされて、ベッド上での排泄物吸収用として用いられる請求項1〜9のいずれかに記載の排泄物吸収シート。
【請求項12】
折り畳まれた不透液性の裏面シートまたはチューブ状の不透液性の裏面シートと、透液性の表面シートとの間に、吸収コアを介在させて、吸収コアの外周で前記裏面シートと表面シートとを接着または融着させ、
前記裏面シートと前記表面シートとの間に吸収コアが介在する四角形の吸収マットを形成し、前記折り畳みを解除しまたはチューブを切断した前記裏面シートによって前記吸収マットから延出するフラップを形成することを特徴とする排泄物吸収シートの製造方法。
【請求項13】
不透液性の裏面シートと、前記裏面シートのほぼ全面に重ねられる透液性の表面シートとの間で、吸収コアを片寄らせて介在させて、少なくとも吸収コアの外周で前記裏面シートと表面シートとを接着または融着させ、
前記裏面シートと前記表面シートとの間に吸収コアが介在する四角形の吸収マットと、前記裏面シートおよび前記表面シートが重ねられた状態で前記吸収マットから延出するフラップと、を形成することを特徴とする排泄物吸収シートの製造方法。
【請求項14】
前記吸収マットの縁部で前記裏面シートまたは前記裏面シートおよび前記表面シートを折り返し、この裏面シートまたは表面シートを前記吸収コアを覆う前記表面シートの上に接合させる工程を含む請求項12または13記載の排泄物吸収シートの製造方法。
【請求項15】
前記フラップを、前記吸収マットの辺の長さの0.3倍以上の長さで延出させる請求項12〜14のいずれかに記載の排泄物吸収シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットの排泄物吸収用またはベッドに設置される介護用などの排泄物吸収シートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、壁などに排泄物が跳ねて壁が汚れるのを防止できるペットの排泄物吸収用、またはベッド上でシーツやマットに対してずれを防止できる介護用の排泄物吸収シートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内で飼われる犬や猫等のペットの排泄物を処理するために、ペットの排泄物吸収シートが使用されている。このペットの排泄物吸収シートは、不織布などの透液性の表面シートと、樹脂フィルムなどの不透液性の裏面シートと、表面シートと裏面シートの間に介在する吸収コアとから構成されている。
【0003】
吸収コアは、例えばパルプ層の表面に高吸水性樹脂層を設けたもの、または、粉砕されたパルプ層と、そのパルプ層中に分散されている高吸水性樹脂とにより構成さたもの、または高吸水性樹脂層のみが、ティッシュペーパーなどの吸収紙に覆われて形成される。この種の排泄物吸収シートは、主に尿などの水分の吸収を目的として部屋や風呂場の隅、すなわち壁際などに配置されて使用される。
【0004】
しかし、ペットの排尿時の位置によっては尿が排泄物吸収シートの外へと飛散することがあり、特に牡犬などは本能的に後足をあげて横向きに排尿する習慣があるために尿が多く飛散して、周辺の壁が汚れるという問題がある。このような問題を解決するために、下記特許文献1には、長方形の吸収マットを折り曲げて床から壁へと連続して設置できる牡犬用排尿マットが開示されている。
【特許文献1】実公平3−6205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記牡犬用排尿マットは壁に設置する部分にも吸収体が設けられている。したがって、マットは比較的大型なものとなり、コストが高くなるばかりでなく、嵩張るために持ち運びや保管に不便である。また、壁に設置する部分が吸収体を有しているために比較的重量があり、継続的に壁に保持させることが難しく、壁に設置されている部分が床面方向へずり落ちやすい欠点がある。それを防ぐために接着剤を強くすることもできるが、接着強度を高くするとマットを剥がしたときに壁に接着剤が残ってしまう。
【0006】
一方、介護用または出産用として、ベッドのマットまたはシーツ上に設置される吸収シートが用いられる。この吸収シートも、前記マットまたはシーツ上で位置がずれやすいという欠点がある。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、排泄物の跳ねによる壁の汚れを防止できるもので且つ壁面に設置された部分がずり落ちにくいペット用の排泄物吸収シートおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
また本発明は、ベッドのマットまたはシーツ上に設置したときに、位置ずれし難い介護用などとして使用される排泄物吸収シートおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明の排泄物吸収シートは、透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートとの間に介在する吸収コアとを有する四角形の吸収マット、および前記吸収マットの少なくとも一辺から延出するフラップとを有し、前記フラップは、このフラップの延出方向と平行な前記吸収マットの辺の長さの0.3倍以上の延出長を有することを特徴とするものである。この延出長さは好ましくは0.5倍以上である。
【0010】
例えば、前記フラップは、前記裏面シートで形成されている。
好ましくは前記延出長は前記辺の2倍以下である。また、前記延出長さは、前記吸収マットの一辺の最もそばに位置する吸収コアの辺(末端部)から測定する値である。
【0011】
第2の本発明の排泄物吸収シートは、透液性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと裏面シートとの間に介在する吸収コアとを有する四角形の吸収マット、および前記吸収マットの前記吸収コアを覆っている前記表面シートの上を起点として延出するフラップが設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
これは、例えば、前記裏面シートが前記吸収マットの縁部で折り曲げられて吸収コアの上に延び、この裏面シートが前記吸収コアを覆う前記表面シートの上を起点として延出し前記フラップが形成されているものとすることが可能である。
【0013】
例えば、前記フラップには、前記吸収マットからほぼ直角に折り曲げた状態で壁面に掛止するための手段が設けられて、ペットの排泄物吸収用として用いられる。
【0014】
上記ペット用の排泄物吸収シートは、前記吸収マットを床やペット用トイレなどに設置し、前記フラップを接着剤などの掛止手段によって家屋の壁やペット用トイレの内壁などの壁面に掛止させて使用する。このフラップは、不透液性シートから形成され、内部に吸収コアを有していないため、従来のものに比べて安価に得ることができる。また、フラップは非常に軽量であるため、壁に保持させるための接着剤の接着力がさほど強くなくても、フラップが壁面からずり落ちることがない。
【0015】
あるいは、前記吸収マットの2辺から互いに逆方向に延出する前記フラップを有し、この両フラップがベッド上のシーツまたはマットに巻き込み可能とされて、ベッド上での排泄物吸収用として用いられる。
【0016】
上記の介護用などの排泄物吸収シートは、吸収マットをベッドのシーツやマットの上に設置し、側方へ延出する吸収コアの存在していないフラップを前記シーツやマットに巻き込むことができ、ベッド上での吸収マットの位置ずれを防止できる。
【0017】
また、前記のように、吸収コアを覆う表面シートの上を起点として前記フラップが延出する構造にすると、前記ペットの排泄物吸収用として用いるときに、壁面に掛止されるなどした前記フラップに付着した尿などが前記フラップを流れ落ちて、前記吸収コアで確実に吸収されるようになる。また前記介護用などとして使用する場合に、吸収コアが設けられている領域に排出された尿などが、前記フラップの起点の部分で堰き止められ、尿などが前記フラップの領域に流れ出るのを防止できる。
【0018】
また、前記フラップは、前記裏面シートとは別体の不透液性シートで形成することが可能である。この場合に、前記不透液性シートは、前記吸収マットの縁部において前記裏面シートに対して接合されていることが好ましい。
【0019】
前記不透液性シートと前記裏面シートとを接合させると、不透液性シートと吸収マットとの接合部から尿などの液が裏面シートの裏側へ滲み出るのを防止できる。
【0020】
また、前記フラップを形成する裏面シートまたは前記不透液性シートには、表面処理が施され、またはエンボス処理(凹凸化)が施されていることが好ましい。
【0021】
さらに前記フラップには、不織布層が設けられている。この不織布層は、前記吸収マットから延出する表面シートであることが好ましい。前記フラップの液を受ける面に表面シートが重ねられていると、フラップに与えられる液が他の領域へ広く飛散するのを防止できる。
【0022】
また本発明の排泄物吸収シートの製造方法は、折り畳まれた不透液性の裏面シートまたはチューブ状の不透液性の裏面シートと、透液性の表面シートとの間に、吸収コアを介在させて、吸収コアの外周で前記裏面シートと表面シートとを接着または融着させ、
前記裏面シートと前記表面シートとの間に吸収コアが介在する四角形の吸収マットを形成し、前記折り畳みを解除しまたはチューブを切断した前記裏面シートによって前記吸収マットから延出するフラップを形成することを特徴とするものである。
【0023】
または、不透液性の裏面シートと、前記裏面シートのほぼ全面に重ねられる透液性の表面シートとの間で、吸収コアを片寄らせて介在させて、少なくとも吸収コアの外周で前記裏面シートと表面シートとを接着または融着させ、
前記裏面シートと前記表面シートとの間に吸収コアが介在する四角形の吸収マットと、前記裏面シートおよび前記表面シートが重ねられた状態で前記吸収マットから延出するフラップと、を形成することを特徴とするものである。
【0024】
この場合に、前記吸収マットの縁部で前記裏面シートまたは前記裏面シートおよび前記表面シートを折り返し、この裏面シートまたは表面シートを前記吸収コアを覆う前記表面シートの上に接合させる工程を含ませることが可能である。
【0025】
また、例えば、前記方法においては、前記フラップを、前記吸収マットの辺の長さの0.3倍以上の長さで延出させる。なお前記のように延出長さの上限は前記辺の2倍が好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の排泄物吸収シートのフラップは、不透液性シートから形成されているので、従来のものに比べて安価に得ることができる。また、フラップは非常に軽量であるため、壁に保持させるための接着剤は接着力がさほど強くなくてもよい。また、前記フラップを両側方に延ばし、ベッド上でシーツやマットに巻き付けることにより介護用などとして使用したときの位置ずれを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の排泄物吸収シートを図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の排泄物吸収シートを受液側から見た平面図である。図2は図1におけるII−II線の断面図である。図3は、排泄物吸収シートの第2の実施の形態の断面図である。図4は、図1ないし図3に示した排泄物吸収シートをペット用としたときの使用状態を説明する斜視図である。図5は、図1と図2に示す排泄物吸収シートの製造方法の一例を示す斜視図、図6は、図3に示す排泄物吸収シートの製造方法の一例を示す斜視図、図7と図8はそれぞれ本発明の排泄物吸収シートの第3と第4の実施の形態を示す断面図である。なお、図2、図3、図7、図8では、排泄物吸収シートの厚みを少々誇張して描いている。
【0028】
本発明のペットの排泄物吸収シート1は、図1及び図2に示すように、長方形の吸収コア4が、長方形の不透液性の裏面シート3と、長方形の透液性の表面シート2との間に挟まれている。そして、吸収コア4が存在しない部分、すなわち吸収コア4の外側の周縁領域において表面シート2と裏面シート3とがホットメルト型接着剤などにより接合されている。あるいは表面シート2と裏面シート3とが、前記周縁領域で互いに熱融着されていてもよい。表面シート2は、例えば45cm×32cmの長方形であり、吸収コアはそれより一回り小さなものとなっている。なお、吸収コア4や表面シート2の大きさは、対象とするペットの体格に応じて適宜変更できる。たとえば、90×120cm程度の長方形であってもよい。
【0029】
図2に示すように、裏面シート3は、吸収コア4及び表面シート2より大きく、吸収コア4及び表面シート2の長辺側においてX方向に延出されて不透液性のフラップ10を形成している。すなわち、表面シート2、裏面シート3並びに吸収コア4とで形成されている長方形の吸収マット1aの1辺において、裏面シート3のみが延出してフラップ10を形成し、全体として長方形の排泄物吸収シート1となっている。なお、排泄物吸収シート1の形状やサイズは適宜調整され、全体として正方形であってもよい。そして、フラップ10の端部(裏面シート3の端部3b)では、剥離可能な接着手段として接着テープ11、11が設けられている。
【0030】
この排泄物吸収シート1の使用にあたっては、図4に示すように、床面15に吸収マット1aを設置し、フラップ10を床面15に対して垂直に立ち上げて、接着テープ11を用いて壁面16などに掛止させる。図4に示すような状態で使用することにより、例えば牡犬が後足を挙げて排尿して尿が壁側へ飛散しても、不透液性のフラップ10の存在によって壁が汚れない。なお、尿の壁への飛散を有効に防止するためには、フラップ10の表面シート2の端部2bより側方へ延出している部分の延出長さ(X方向における裏面シート3の延出長さ)10pは、吸収コア4の短辺長さ(X方向における長さ)4pの0.3倍以上で2.0倍以下であることが好ましい。また、延出長さ10pは、吸収コア4の短辺長さ4pの0.5倍以上であることがさらに好ましい。
【0031】
透液性の表面シート2は、例えばポイントボンド不織布である。ポイントボンド不織布は、親水性繊維または親水化処理された疎水性繊維で形成されたものであり、その繊維は例えばポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維あるいはこれらの複合繊維などの合成繊維である。また、ポイントボンド不織布はレーヨン繊維などの吸水性繊維を含有していても良い。ただし、疎水性繊維で形成された透液性の不織布や、開孔部を多数設けた不織布であってもよい。
【0032】
不透液性の裏面シート3は、ポリオレフィン系のポリエチレン(PE)フィルムやビニールシートなどである。あるいはフィルムの裏面に不織布が積層されたものであってもよい。また裏面シート3の受液側において、少なくともフラップ10を形成する領域には、表面処理が施されていることが好ましい。表面処理を施すことによって、壁に当たった尿が跳ねてさらに他の場所を汚すことがない。表面処理としては、表面にコロナ放電処理を施したり、界面活性剤のコーティングを施することにより行われる。あるいは裏面シート3を構成するフィルムをエンボス加工などにより凹凸化することによっても、尿の飛散防止効果を期待できる。
【0033】
ただし、裏面シート3のフラップ10を形成する領域において表面にフッ素やシリコンを塗工して撥水性を高めても良い。例えば、図4に示すように排泄物吸収シート1が設置されたとき、フラップ10へと跳ねた尿が、フラップ10上を流れ落ちて吸収マット1a側へと移動し、吸収マット1aの吸収コア4に吸収されるようにしてもよい。この場合、フラップ10において吸収コア4に近い領域は撥水性が高く、吸収コア4から遠い領域は前記飛散防止効果が高くなるようにしてもよい。
【0034】
また、不透液性の裏面シート3を不織布や紙で形成し、表面にフッ素やシリコンを塗工して撥水性や防水性を高めたものも使用できる。
【0035】
吸収コア4は、パルプ層6に高吸水性樹脂5が分散したものが、ティッシュなどの吸収紙に包まれている。吸収コアは、パルプ層の表面と底面の両方に高吸水性樹脂が設けられたものであってもよい。高吸水性樹脂5は、例えば、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、無水マレイン酸その他の付加重合体、ポリエーテル系、縮合系に代表されるポリマー、でんぷん系、セルロース系その他多糖類系、コラーゲン等の蛋白質からなる粒状体などを使用することができる。高吸水性樹脂の例としては、ポリアクリル酸ナトリウムの橋かけ化合物、ポリアクリル酸ナトリウムのデンプン共重合体、ポリアクリロニトリルのセルロース共重合体である。この中でもポリアクリル酸ナトリウムまたはポリアクリル酸の橋かけ化合物が安価であるため好ましい。その他、吸収コア4は、高吸水性樹脂は設けられず、パルプのみで形成されていてもよい。
【0036】
なお、吸収コア4がティッシュで覆われると、製造段階での扱いが容易である。また、ティッシュの存在によって比較的硬い高吸水性樹脂が裏面シート3を傷つけることを抑えることができる。また、ペットの排泄物吸収シート1の表面シート2の直下のティッシュは清潔感を与えるように青色等に着色されたものが好ましい。
【0037】
接着テープ11は例えば図2に示すように受液側に設けられてZ形状に三つ折りとされ収納時には邪魔にならないようにし、使用時にはX方向へ図1及び図4に示すように伸ばして粘着層を露出させて壁に掛止させる。または、V字状に二つ折りされて、使用時に伸ばして剥離紙を剥がして粘着層を露出させて壁に掛止させてもよい。その他、接着テープを両面テープとし、裏面シート3の裏面側(受液側の反対側)に設けてもよい。また、接着テープの他、壁に掛止できるものであればどのような手段を用いても良い。たとえば、フックや面ファスナーのようなものを用いて壁面に掛止させてもよい。その他、予め壁面に設けられた突起物に、排泄物吸収シートに設けられたループやフックを掛止させるものであってもよい。
【0038】
次に、図3に示す第2の実施の形態について説明する。図3に示す排泄物吸収シート1では、表面シート2と裏面シート3とがほぼ同じ面積を有しており、表面シート2の端部2bが裏面シート3の端部3bとほぼ同じ位置まで延出し、表面シート2と裏面シート3とが重ねられたものによりフラップ10が形成されている。この場合、フラップ10の受液側を表面シート2の不織布が覆っているため、少量の尿であれば表面シート2によって保持され、さらに他の場所への跳ねが少なくなる。なおこの場合、フラップ10の延出長さとして、吸収コア4の端部(図1に示す4b)から裏面シート3の端部3bまでの長さが、吸収コア4の短辺長さ(X方向における長さ)4pの0.3倍以上、さらに好ましくは0.5以上で2.0倍以下であることが好ましい。
【0039】
図5は、図1と図2に示す構造を持つ排泄物吸収シート1の製造方法の一例を示している。この製造方法では、後に主にフラップ10となる部分が裏面側に重なるように、裏面シート3を二つ折りにし、裏面シート3は二つ折りの状態で、折り線3AがMD方向へ沿うようにして送られる。この二つ折りされた裏面シート3の表面側に、吸収コア4を一定の間隔で載置する。そして、表面シート2をMD方向へ供給し、二つ折りされた裏面シート3と表面シート2との間に吸収コア4を挟み、吸収コア4の外側の周縁部において裏面シート3と表面シート2とをホットメルト型接着剤などで接着する。そして、切断線CLにより切断することにより個々の排泄物吸収シート1が完成する。
【0040】
完成後の排泄物吸収シート1は、裏面シート3が二つ折りされた状態で、さらに二つ折りまたは四つ折りなどの折り畳み状態で梱包される。使用時には、吸収コア4が挟まれている部分が吸収マット1aとなり、二つ折りされた裏面シート3を展開させることによりフラップ10となる。
【0041】
図5に示す製造方法では、裏面シート3を二つ折り状態で送っているため、製造装置上での送り幅は、二つ折りされた裏面シート3の幅寸法Wを基準にすればよい。よって製造ラインの幅を短くでき、生産設備の大型化を避けることができる。
【0042】
図6は、図3に示す排泄物吸収シート1の製造方法の一例を示している。この製造方法では、裏面シート3がMD方向へ送られるが、その上に吸収コア4が間隔を開けて載置される。そしてその上から表面シート2がMD方向へ送られ、裏面シート2と表面シート3との間に吸収コア4が挟まれる。そして、少なくとも吸収コア4の外側の周辺領域で、裏面シート3と表面シート2とがホットメルト型接着剤などで接着される。
【0043】
前記のように形成された積層体が、MD方向へ送られると共に、切断線CLで切断されて個々の排泄物吸収シート1が完成する。ここで、前記積層体のMD方向への送り速度とカッタでの切断タイミングとを調整することにより、切断後の積層体では、裏面シート3と表面シート2に対して吸収コア4がMD方向へ片寄った位置に挟まれたものとなる。そして切断された排泄物吸収シート1では、前記吸収コア4が挟まれている領域が吸収マット1aとなり、それに連続する裏面シート3と表面シート2とが重ねられた部分がフラップ10となる。
【0044】
図6に示す製造方法でも、製造装置上の幅寸法は、裏面シート3および表面シート2の幅寸法Wを基準にすればよく、製造装置の幅寸法を大きくする必要がない。また積層体の送り速度や吸収コア4の載置速度とカッタでの切断タイミングの調整により、フラップ10の長さを容易に設定できる。
【0045】
図7は本発明の排泄物吸収シート1の変形例(第3の実施の形態)を示している。図7に示すものでは、裏面シート3と表面シート2の幅寸法が共にほぼWであり、この裏面シート3と表面シート2との間に吸収コア4が挟まれ、吸収コア4の外側の周縁領域で裏面シート3と表面シート2とが接着されている。
【0046】
そして表面シート2の端部2bの上に、不透液性シート9の端部9aが接合されて、前記不透液性シート9が吸収マット1aの上に重ねられた状態で製造される。この排泄物吸収シートの使用時には、前記不透液性シート9を側方へ広げることによりフラップ10を形成できる。このフラップ10が、図4に示すように壁面16に掛止される。
【0047】
図8、図9及び図10は、それぞれ図7に示す本発明の排泄物吸収シートの変形例を示す周縁領域の部分拡大断面図である。図8では、不透液性シート9は吸収コア4の外側の周縁領域において、ホットメルト型接着剤などによって裏面シート3に面接合されている。なお、不透液性シート9と裏面シート3とは、接触している面全てにおいて接合されていてもよいが、1本または複数本の接着剤の連続線や、スパイラル形状に塗付された接着剤によって接合されていてもよい。このとき、表面シート2は不透液性シート9と裏面シート3との間に挟まれているが、表面シート2の端部2bは、X方向において不透液性シート9の端部9a及び裏面シート3の端部3bと同じ位置まで延びていない。すなわち、排泄物吸収シートのフラップ10が設けられる側の端部では、透液性の表面シート2が現れていない。
【0048】
この場合、尿が透液性の表面シート2を伝って排泄物吸収シートの端部へと移動したとしても、尿は表面シート2の端部2bまでしか移動できず、端部側へのさらなる移動は、接着剤20によって接合されている不透液性シート9と裏面シート3とで阻止される。したがって、尿が排泄液吸収シートの端部から排泄物吸収シートの外へと漏れたり滲み出たりすることがない。
【0049】
図9では、裏面シート3の端部3bを、表面シート2の端部2bと不透液性シート9の端部9aより、X方向へ(吸収コア4から離れる方向へ)長く延出させ、端部3bをZ方向へと巻き上げている。その後、裏面シート3の端部3bを不透液性シート9の端部9aの表面へ、接着剤20によって面接合する。この場合、図8の例と同様に、尿が透液性の表面シート2を伝ったとしても、不透液性の裏面シート3によって堰き止められ、排泄物吸収シートの外へと漏れることがない。
【0050】
図10では、図9に示すように裏面シート3を延出させる代わりに、フラップを形成する不透液性シート9をX方向へ延出し、延出した端部9aを裏面シート3の端部3bの裏側に接着剤20によって面接合している。この場合においても、表面シート2を伝って端部へと流れた尿は不透液性シート9によって堰き止められ、排泄物吸収シートの外側へと漏れることがない。
【0051】
図11、図12及び図13は、それぞれ本発明の排泄物吸収シートのさらに他の変形例(第5の実施の形態、第6の実施の形態、第7の実施の形態)を示す断面図である。
【0052】
図11に示す排泄物吸収シート30は、図2に示す排泄物吸収シート1を変形させたものである。排泄物吸収シート30は、吸収マット1aの1辺において延出するフラップ10が、吸収マット1aの縁部で表面シート2を挟んで折り畳まれ、接合部10sにおいて、吸収マット1aの吸収コア4を覆う表面シート2の表面1sに接合されている。この接合部10sでは、図11の紙面直交方向(Y方向)に連続して、前記表面シート2とフラップ10とがホットメルト型接着剤や熱溶着によって接合されている。このとき、接合部10sから吸収マット1aの端部24までの間隔25は、10〜50mm程度であり、接合部10sから吸収コア4の端部4bまでの間隔26は、5〜45mm程度であることが好ましい。
【0053】
排泄物吸収シート30の使用時には、接合部10sを基点としてフラップ10を壁面16側へと立ち上げ掛止させる。不透液性のフラップ10へと飛散した尿が多量の場合、フラップ10を伝わって下へ落ちるが、この尿は前記接合部10sから表面シート2を透過して、吸収コア4で吸収される。したがって、フラップ10を伝わって流れ落ちてきた尿が吸収マット1aの外へ流れ出にくい。
【0054】
前記のように接合部10sにおいて、表面シート2とフラップ10とがY方向へ連続して接合されていると、フラップ10を伝わって流れ落ちた尿が前記接合部10sに沿ってY方向へ広がりながら吸収コア4に吸収されるため、流れ落ちた尿が吸収マット1sの外部へ出難い。
【0055】
ただし、前記接合部10sにおいて、表面シート2とフラップ10とがY方向へ間隔を開けて部分的に(飛び飛びに)接合されていてもよい。この場合には、接合されていない部分のフラップ10と表面シート2との間にポケットが形成され、フラップ10を伝わって流れ落ちた尿が前記ポケットの内部へ流れ込んで、表面シート2を透過して吸収コア4に吸収されるようになる。よってフラップ10を伝わって流れ落ちてきた尿の飛散を防止できる。
【0056】
図12に示す排泄物吸収シート30Aは、図3に示す排泄物吸収シート1を変形させたものである。排泄物吸収シート30Aは、表面シート2と裏面シート3とが同じ位置まで延出して形成されたフラップ10が、図11に示した排泄物吸収シート30と同様に、吸収マット1aの縁部で折り畳まれ、接合部10sにおいて吸収コア4を覆う表面シート2の表面1sとフラップ10とが接合されている。この場合、フラップ10の受液側の表面が表面シート2と同じ不織布で構成されている為、フラップ10へと跳ねた尿が比較的ゆっくりと吸収マット1a側へと流れ落ちるようになり、飛散しにくくなって、吸収マット1aに確実に吸収されやすくなる。
【0057】
図13に示す排泄物吸収シート30Bは、図7に示す排泄物吸収シート1を変形させたものである。排泄物吸収シート30Bでは、不透液性シート9が吸収コア4を覆う表面シート2の表面1sに接合されている。この場合、不透液性シート9が接合部9sを起点として上方に立ち上がってフラップを形成することになり、図11や図12に示す排泄物吸収シートと同様の効果を得ることができる。この場合、不透液性シート9の端部9aをX方向において、表面シート2の端部2bや裏面シート3の端部3bが位置する箇所まで延出させ、例えば図8、図9または図10に示すように各シートを接合し、端部からの漏れを防止しても良い。
【0058】
また、図13に示すように、裏面シート3とは別体の不透液性シート9でフラップを形成する場合に、不透液性シート9の受液側に不織布を接合して、尿の飛散を防止できるようにしてもよい。
【0059】
なお、図11と図12に示す排泄物吸収シート30および30Aは、図5に示す製造方法において、裏面シート3を吸収コア4の上まで手繰り上げて吸収コア4を覆う表面シート2の表面に接合する工程を加えることにより製造できる。また、図6に示す製造方法において、表面シート2と裏面シート3とが接合されたものを吸収コア4の上まで手繰り上げて、吸収コア4を覆う表面シート2と、前記手繰り上げた表面シートと接合する工程を加えることにより製造可能である。
【0060】
図14は本発明の排泄物吸収シートのさらに他の変形例(第8の実施の形態)を示している。この変形例の製造方法としては、チューブ状のフィルムなどで形成された裏面シート3を平坦になるように折り(チューブを平坦に潰し)、図5に示したものと同様にMD方向へ送る。この裏面シート3の上に吸収コア4を載置し、その上から表面シート2を供給し、吸収コア4の外側の周縁領域で裏面シート3の表面と表面シート2とを接着して接合する。そして、個々の寸法に切断されて排泄物吸収シート1が完成する。
【0061】
使用時にはチューブ状の裏面シート3を、一方の側部に片寄った位置にある切断線CLaで切断し、切断された裏面シート3を側方に展開することにより図1、図2、図3などに示したのと同様に、吸収マット1aの1辺から側方へ延出するフラップ10を形成することができる。この排泄物吸収シート1は、図4に示すようにペット用の排泄物吸収シートとして使用できる。
【0062】
また、図14においてチューブ状の裏面シート3を幅方向の中心にある切断線CLbで切断すると、介護用などのベッド用の排泄物吸収シート(ベッド用シーツ)として最適な構造となる。すなわち、吸収マット1aをベッド上のマットやシーツの上に敷き、両側のフラップをシーツやマットに巻き込ませて使用することにより、ベッド上での吸収マット1aの位置ずれを防止しやすくなる。この種のベッド用の排泄物吸収シート1は、介護用や産褥用などとして使用できる。
【0063】
この排泄物吸収シートは、吸収コア4を有する吸収マット1aを、ベッド上のマットの幅寸法と同じかあるいはわずかに短い面積を有するように形成する。前記中央の切断線CLbで切断された裏面シート3を展開させると、裏面シート3は吸収マット1aの両側方へ突出するフラップとなる。このフラップの延出長も、吸収マット1aの幅寸法の0.3倍以上、さらに好ましくは0.5倍以上で2倍以下が好ましい。
【0064】
また、前記介護用の排泄物吸収シートを製造する際に、図14の状態において、裏面シート3を、吸収コア4を覆う表面シート2の上に折り畳むようにして、表面シートと裏面シート3とを接合してもよい。この方法で製造された介護用の排泄物吸収シートでは、吸収マット1aの両側から延びるフラップが、吸収コア4を覆う表面シート2の表面を起点として延出するものとなる。この介護用の排泄物吸収シートを用いると、吸収コア4を覆う表面シート2の部分へ与えられた排泄物、例えば尿が、表面シート2とフラップとの接合部で堰き止められるようになり、尿などが両側のフラップの部分に流れ出にくくなる。
【0065】
その他、本発明の排泄物吸収シートは、切り花などの輸送用ドリップシートとしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の排泄物吸収シートの第1の実施の形態を示す平面図
【図2】図1のII−II線による断面図
【図3】本発明の排泄物吸収シートの第2の実施の形態を示す断面図
【図4】ペット用の排泄物吸収シートとしての使用状態を説明する斜視図
【図5】図1と図2に示した排泄物吸収シートの製造方法の一例を示す斜視図
【図6】図3に示した排泄物吸収シートの製造方法の一例を示す斜視図
【図7】排泄物吸収シートの変形例を示す断面図
【図8】本発明の排泄物吸収シートの変形例を示す周縁領域の部分拡大断面図
【図9】本発明の排泄物吸収シートの変形例を示す周縁領域の部分拡大断面図
【図10】本発明の排泄物吸収シートの変形例を示す周縁領域の部分拡大断面図
【図11】本発明の排泄物吸収シートの第5の実施の形態を示す断面図
【図12】本発明の排泄物吸収シートの第6の実施の形態を示す断面図
【図13】本発明の排泄物吸収シートの第7の実施の形態を示す断面図
【図14】介護用シーツとして使用可能な排泄物吸収シートを示す断面図(第8の実施の形態)
【符号の説明】
【0067】
1、30、30A、30B ペットの排泄物吸収シート
1a 吸収マット
1s 表面
2 表面シート
2a、2b 表面シートの端部
3 裏面シート
3a、3b 裏面シートの端部
4 吸収コア
4b 吸収コアの端部
5 高吸水性樹脂
6 パルプ層
9 不透液性シート
9a 端部
10 フラップ
10s 接合部
11 接着テープ
15 床面
16 壁面
20 接着剤
【出願人】 【識別番号】393000283
【氏名又は名称】ユニ・チャームペットケア株式会社
【出願日】 平成20年7月15日(2008.7.15)
【代理人】 【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫


【公開番号】 特開2008−245662(P2008−245662A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2008−184197(P2008−184197)