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【発明の名称】 ガイド付き振り出し竿の竿先保護カバー
【発明者】 【氏名】大村 一仁

【要約】 【課題】釣人が楽な姿勢でカバーへの竿先の挿入動作を行おうとすると、ガイドの並び方向と、糸通しバーの軸方向とが往々にしてずれる。そのような場合には、糸通しバーの軸方向を無理やり曲げてガイドの並び方向に一致させることになるが、そのような無理な曲げ状態を長時間続けたり、繰り返しそのような無理な曲げ状態を強いたりすると、糸通しバーがその曲げ状態に永久変形される。

【解決手段】カバー本体3のカバー部5と竿体取付部7との間で移動される、上面が開口した竿先の係止駒13に糸通しバー37を連結させる。係止駒13を引き出すと糸通しバー37も一緒に引き出されるので、糸通しバー37の可動範囲が従来より広くなっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーであって、
カバー本体と、前記カバー本体内で移動される、上面が開口した竿先の係止駒と、前記係止駒に連結された糸通しバーとを備えたことを特徴とする竿先保護カバー。
【請求項2】
請求項1に記載したガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーにおいて、
糸通しバーが揺動自在に係止駒に連結されていることを特徴とするガイド付き振り出し竿の竿先保護カバー。
【請求項3】
請求項1または2に記載したガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーにおいて、
糸通しバーは係止駒に着脱自在に連結されていることを特徴とするガイド付き振り出し竿の竿先保護カバー。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載したガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーにおいて、
振り出し竿の竿先に取り付けたときには、カバー本体のカバー部は竿体に装着されたガイドの少なくとも1/3をカバーするものであることを特徴とするガイド付き振り出し竿の竿先保護カバー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11に示す従来品のガイド付き振り出し竿の竿先保護カバー101のカバー本体103は、筒状のカバー部105とその後端に連続した竿体取付部107により構成されており、竿体取付部107側からカバー部105内に竿先tが差し込まれ、本体に固定された係止部109により軸方向の位置が規制された状態で収納される。また、竿先取付部107には締付ベルト111が設けられており、この締付ベルト111が元竿sの外周面に巻き付けられて、元竿sが締付け保持される。
この竿先保護カバー101では、カバー本体103のカバー部105の前端に糸通しバー113が取り付けてあり、振り出し竿を縮めた状態で複数のガイドgにスムーズに糸通しを行えるようになっている。
【0003】
【特許文献1】実開昭62−167569号公報
【特許文献2】特開平8−280302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
竿先tをカバー部105内に収納する際には、糸通しバー113を順次ガイドgに挿入させていくが、釣人が挿入動作を行おうとすると、ガイドgの並び方向と、糸通しバー113の軸方向とが往々にしてずれる。そのような場合には、糸通しバー113の軸方向を無理やり曲げてガイドgの並び方向に一致させることになるが、そのような無理な曲げ状態を長時間続けたり、繰り返しそのような無理な曲げ状態を強いたりすると、糸通しバー113がその曲げ状態に永久変形される。
而して、一旦永久変形されると、今度は、竿先tをカバー部105から取り外す際に、穂先側のガイドgがカバー部105内に残ってスムーズに竿先tを引き出すことができなくなる。その時、竿先tを無理に引き出そうとするとカバー部105から引き出すことになり、高価な穂先を折ってしまうことになりかねない。
【0005】
曲げの問題を解決するために、特許文献1や特許文献2で、糸通しバー113を可撓性のあるもので形成したり、糸通しバー113を上下方向に揺動自在にしたりすることが提案されている。
しかしながら、いずれの提案を具現化しても、糸通しバー113の可動範囲は包囲するカバー部105により制限されてしまうことには変わりはない。
【0006】
それ故、本発明は、竿先をカバー本体のカバー部に収納する際に、糸通しバーを無理に曲げずに済み、且つ、ガイドを通し易い新規且つ有用なガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、鋭意研究の結果、カバー本体に収納されたときに振り出し竿を係止することでその軸方向の位置を規制する係止部を利用して、この係止部をカバー部から出し入れ可能にすると共に、その係止部に糸通しバーを連結することで、上記の課題を解決できることを思い付き、本発明の具体的な構造を案出するに至ったので、以下に記載する。
請求項1の発明は、ガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーであって、カバー本体と、前記カバー本体内で移動される、上面が開口した竿先の係止駒と、前記係止駒に連結された糸通しバーとを備えたことを特徴とする竿先保護カバーである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載したガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーにおいて、糸通しバーが揺動自在に係止駒に連結されていることを特徴とするガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載したガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーにおいて、糸通しバーは係止駒に着脱自在に連結されていることを特徴とするガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載したガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーにおいて、振り出し竿の竿先に取り付けたときには、カバー本体のカバー部は竿体に装着されたガイドの少なくとも1/3をカバーするものであることを特徴とするガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーによれば、係止駒の引き出しと共に、糸通しバーの連結支点も引き出されるので、無理に曲げなくとも可動範囲を従来品101より広げることができる。そのため、釣人が従来と同じように装着しても糸通しバーは曲がり難く、ガイドに通し易い。
更に、長い間の使用により糸通しバーが多少変形されて、竿先を取り外すときに竿先側のガイドが糸通しバーに残るようなことがあっても、係止駒の引き出しにより糸通しバーの連結支点もカバー本体のカバー部の後端付近までまたは更にそこから後方にあるので、指で直接ガイドgを保持して取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態に係るガイド付き振り出し竿の竿先保護カバー1を、図面に従って説明する。
図1は竿先保護カバー1の斜視図を示す。
図1中、符号3は透明なカバー本体を示し、樹脂成形により形成されている。カバー本体3の前側部分は筒状のカバー部5となっており、後側部分は筒の上部が切り欠かれて上面に開口した竿体取付部7となっている。
符号9はキャップを示し、このキャップ9によりカバー本体3のカバー部5の前端が閉塞されている。
符号11は締付けベルトを示す。
【0013】
符号13は係止駒を示し、この係止駒13は略円筒形をなす。係止駒13はカバー本体3のカバー部5と竿体取付部7との間でスライド移動により出し入れ自在になっている。
スライド手段はカバー本体3のカバー部5に形成された(図示しない)スリットと、係止駒13の外周部下面に形成されたスライド突起15(図3参照)により構成されている。この係止駒13は最大限後方に引き出された際には締付けベルト11の基部に乗り上がるが、乗り上げを容易にする傾斜突起17(図3参照)も形成されている。
【0014】
図2に示すように、係止駒13の前端は前端壁19により閉塞され、後端は開口している。そして、係止駒13の内周面21に囲まれた空間が竿先tの受入空間となっている。係止駒13の前端から後端まで上部側の円弧部が前後方向に連続して切り欠かれて受入口23を形成している。
図1、図6に示すように、符号37は糸通しバーを示し、この糸通しバー37はバー部39と揺動軸41(図6参照)からなり、全体としてT字状をなしている。係止駒13に糸通しバー37の前端である揺動軸41が揺動自在に連結されている。
【0015】
以下、係止駒13のバー取付部の構造と、糸通しバー37の連結状態について、図3から図6に従って詳細に説明する。
係止駒13の前端壁19の受入空間側面は、途中に段差があり、その段差より下部は受入空間側に突出している。この段差部分がバー取付部25となっている。
バー取付部25の受入空間側表面27の横断面は、図4に示すように、上後方に膨出するように湾曲している。
符号29は挿入孔を示し、この挿入孔29はバー取付部25の下面から垂直に上方に延びて受入空間側表面27より下方の位置に到達している。挿入孔29は、図3に示すように、係止駒13の幅方向に細長く形成されており、糸通しバー37の揺動軸41が挿入できる大きさに調整されている。
符号31は低い係止壁を示し、この係止壁31は挿入孔29を画定する内周面のうち前面側から内方に突出するように立設されている。係止壁31は上面が水平面であるのに対して下面が傾斜面になっており、下側からは係止壁31を乗り越え易く、上側のものは安定的に係止される。
この挿入孔29と係止壁31によって囲まれる空間が遊合空間33である。
【0016】
符号35は揺動溝を示し、この揺動溝35はバー取付部25の受入空間側表面27から奥方に向かって延びており、バー取付部25から略四角形の板が切欠かれたように見える。揺動溝35は前方の下端で挿入孔29と連通している。揺動溝35の幅方向の長さは糸通しバー37のバー部39がスムーズに揺動できる長さに調整されている。
【0017】
糸通しバー37を係止駒13に取り付けた後の揺動状態について説明する。
糸通しバー37の揺動軸41は挿入孔29と係止壁31により画定される遊合空間33内に遊合状態で収納される。一方、バー部39の遊端側は揺動溝35から外に延出する。
従って、バー部39はバー取付部25を揺動支点として揺動溝35の形成範囲で、即ち上方から側方にかけて揺動可能となっている。
【0018】
糸通しバー37の係止駒13への取付け作業について、図7に従って説明する。
図7(1)に示すように、挿入孔29に、糸通しバー37をバー部39側から挿入し、図7(2)、(3)に示すように、バー部39の遊端を揺動溝35から上方に向かって外に出し、今度はその遊端側から引張って揺動軸41に係止壁31を乗り越えさせて、遊合空間33内に導く。その後に、図7(4)に示すように、バー部39を横に下ろして作業を終了する。
【0019】
図8に示すように、竿先保護カバー1では、係止駒13の引き出しと共に糸通しバー部37の揺動支点も後方に引き出されるので、バー部39の自然な可動範囲が広い。しかも、この竿先保護カバー1ではバー部39が揺動自在になっている。従って、装着作業の際にバー部39が無理な曲げ状態になることはない。
また、長い間の使用により糸通しバー37が多少変形されて、竿先tを引き出すときに竿先側のガイドgが糸通しバー37に多少残るようなことがあっても、糸通しバー37の大部分はカバー部5から引き出されているので、指で残ったガイドgを直接取り外すことができる。
従来の竿先保護カバーではガイドgが残るような場合の不都合の回避を優先的に考慮すると、カバー部の長さを短くしてガイドの一部のむき出しを許容せざるを得なかったが、この竿先保護カバー1によればそのような不都合は無いので、図8に示すように、カバー部5を竿体に装着されたガイドgの少なくとも1/3、更にはそれ以上カバーするように長く設計することができる。
【0020】
本発明の第2の実施の形態に係る竿先保護カバー51について、図9の断面図に従って説明する。
この竿先保護カバー51は、第1の実施の形態に係る竿先保護カバー1と、バー取付部53の構造と、糸通しバー61の形状とが異なるだけであり、共通する箇所は同じ符号を付して説明を省略する。
バー取付部53には貫通孔55が係止駒13の前端壁19を前後方向に貫通して形成されている。この貫通孔55には途中で段差57が形成されており、段差57より後側は内方に突出する環状の係止突起59となっている。
糸通しバー61の頭部はその余の部分より太くなっており、その頭部に環状溝63が形成されている。
【0021】
貫通孔55に糸通しバー61を遊端側から挿入して外方に貫出させ、今度はその遊端側から引張って段差57に環状溝63の内面64を当接させることで、取付け作業を終了する。
取付け後には、糸通しバー61の環状溝63に係止突起59が嵌め込まれている。
この竿先保護カバー51では、糸通しバー61は係止駒13の前端壁19に連結されているが、揺動自在にはなっていない。しかしながら、糸通しバー61を可撓性の材料で構成することにより、無理に曲げなくとも十分な可動範囲を確保できる。
【0022】
本発明の第3の実施の形態に係る竿先保護カバー71について、図10の断面図に従って説明する。
この竿先保護カバー71は、第1の実施の形態に係る竿先保護カバー1と、バー取付部73の構造が異なるだけでなり、共通する箇所は同じ符号を付して説明を省略する。
バー取付部73には貫通孔75が係止駒13の前端壁19を前後方向に貫通して形成されている。この貫通孔75は前方の開口部76が狭くなっている。
符号77,77は断面U字状のフード状係止部を示し、これらの係止部77,77は前端壁19上の受入空間側表面上の同じ高さに互いに離間した状態で一体に形成されており、その面上に限定された包囲空間79,79をそれぞれ画定している。係止部77,77は前端壁19の幅方向両端側で閉塞し、中間側で開口している。図10は軸方向に沿って切断された断面が示されたものであり、一方の係止部77のみを表示している。
糸通しバー37の揺動軸41は、対向する包囲空間79,79とその間を繋ぐ隙間空間81に遊合状態で収納される。また、対向する係止部77の間の隙間空間81が糸通しバー37のバー部39の揺動範囲を規制する揺動溝に相当する。
【0023】
貫通孔75に、糸通しバー37を遊端側から挿入し、バー部39の遊端側を隙間空間81を通して外方に延出させ、今度はその遊端側から引張って揺動軸41を係止部77により係止させることで、取付け作業を終了する。
【0024】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の具体的構成は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更があっても本発明に含まれる。
例えば、第2の実施の形態のように、糸通しバーは必ずしも揺動自在に構成する必要はない。
いずれにしても、特許請求されている形状等を除いては、従来からあるまたは将来案出される形状や製造を任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の竿先保護カバーは、楽な姿勢で竿先の装着作業を行っても、糸通しバーのバー部が変形されないので、従来品に比べて格段に使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーの斜視図である。
【図2】図1の係止駒の平面図である。
【図3】図1の係止駒の底面図である。
【図4】図1の係止駒の一部断面図である。
【図5】図1の係止駒の一部分を切断した斜視図である。
【図6】図5の係止駒への糸通しバーの連結状態の説明図である。
【図7】図6の係止駒への糸通しバーの取付け方法の説明図である。
【図8】図1の竿先保護カバーへの竿体の装着作業の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーの一部断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るガイド付き振り出し竿の竿先保護カバーの一部断面図である。
【図11】従来品の竿先保護カバーの側面図である。
【符号の説明】
【0027】
1‥‥竿先保護カバー(第1の実施の形態)
3‥‥カバー本体 5‥‥カバー部
7‥‥竿体取付部 9‥‥キャップ
11‥‥締付けベルト 13‥‥係止駒
15‥‥スライド突起 17‥‥傾斜突起
19‥‥前端壁 21‥‥内周面
23‥‥受入口 25‥‥バー取付部
27‥‥受入空間側表面 29‥‥挿入孔
31‥‥係止壁 33‥‥遊合空間
35‥‥揺動溝 37‥‥糸通しバー
39‥‥バー部 41‥‥揺動軸
51‥‥竿先保護カバー(第2の実施の形態)
53‥‥バー取付部 55‥‥貫通孔
57‥‥段差 59‥‥係止突起
61‥‥糸通しバー 63‥‥環状溝
71‥‥竿先保護カバー(第3の実施の形態)
73‥‥バー取付部 75‥‥貫通孔
76‥‥開口部 77‥‥係止部
79‥‥包囲空間 81‥‥隙間空間
t‥‥竿先 g‥‥ガイド
s‥‥元竿
【出願人】 【識別番号】000237385
【氏名又は名称】富士工業株式会社
【出願日】 平成19年2月22日(2007.2.22)
【代理人】 【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司

【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子


【公開番号】 特開2008−199988(P2008−199988A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−41728(P2007−41728)