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【発明の名称】 水槽及び水槽装置
【発明者】 【氏名】別府 和憲

【要約】 【課題】外槽の中の内部ケーシングに各種ディスプレイ用の物品を収めることができるようにした二重構造の水槽において、鏡以外の方法で内部ケーシングに魚を映り込ませることによって、実際の数よりも魚を多く見せることができると共に、魚からは内部ケーシングに映った自分の姿が見えないようにして魚がストレスを受けることを防止できるようにした水槽及び水槽装置を提供する。

【解決手段】水槽装置1は、水槽2と、水槽2を載せる台部材3を備えている。水槽2は、透視性を有する外槽5の中に、透視性を有する内部ケーシング4を備え、外槽5と内部ケーシング4との間が貯水部6となっている。内部ケーシング4は、全反射によって水中にある物体(例えば魚B1)の像が映る側壁面42bを備えた断面多角形の筒状体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、
内部ケーシング(4)は、全反射によって水中にある物体(B1)の像が映る側壁面(42b)を備えた断面多角形の筒状体である、
水槽。
【請求項2】
透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、
内部ケーシング(4)は、周方向に複数連設された側壁面(42a,42b)を有する断面多角形の筒状体であり、隣り合う一方の側壁面(42a)と他方の側壁面(42b)の傾斜角度は、一方の側壁面(42a)の正面側から他方の側壁面(42b)を見た際に、貯水部(6)内の水と内部ケーシング(4)内の気体との屈折率の違いから生じる全反射によって、水中にある物体(B1)の像(C1)が他方の側壁面(42b)に映るようにすべく、設定されている、
水槽。
【請求項3】
透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、
内部ケーシング(4)は、周方向に複数連設された側壁面(42a,42b)を有する断面正六角形の筒状体であり、隣り合う一方の側壁面(42a)と他方の側壁面(42b)は、一方の側壁面(42a)の正面側から他方の側壁面(42b)を見た際に、水と内部ケーシング(4)内の気体との屈折率の違いから生じる全反射によって水中にある物体(B1)の像(C1)が他方の側壁面(42b)に映るようにすべく、連設されている、
水槽。
【請求項4】
透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、
外槽(5)は横断面正六角形の筒状体であり、
内部ケーシング(4)は、周方向に複数連設された側壁面(42a,42b)を有する断面正六角形の筒状体であり、隣り合う一方の側壁面(42a)の正面側から他方の側壁面(42b)を見た際に、水と内部ケーシング(4)内の気体との屈折率の違いから生じる全反射によって水中にある物体(B1)の像(C1)が他方の側壁面(42b)に映るようになっている、
水槽。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の水槽(2)と、該水槽(2)を載せる台部材(3)を備えており、台部材(3)は水槽(2)での動物または植物の飼育に必要な機器類を収容可能な空間部を備えている、
水槽装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽及び水槽装置に関する。
更に詳しくは、外槽の中の内部ケーシングに各種ディスプレイ用の物品を収めることができるようにした二重構造の水槽において、鏡以外の方法で内部ケーシングに魚を映り込ませることによって、実際の数よりも魚を多く見せることができると共に、魚からは内部ケーシングに映った自分の姿が見えないようにして魚がストレスを受けることを防止できるようにした水槽及び水槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱帯魚や金魚を入れた水槽は、リビングのインテリアとして、あるいは病院の待合室やホテルのロビーなどのインテリアとして人気がある。一般的に多く使用されている水槽は平面視方形状の箱体であり、熱帯魚であればサンゴや海草等の装飾物と一緒に入れて飾られる。
【0003】
また近年、ディスプレイ効果を高めるために、外筒と外筒の内部に設けられた内筒とからなる円筒水槽が提案されている(特許文献1等)。外筒と内筒の間の貯水部には水が入れられており、更にその貯水部には水面に円周方向へ進行する波を作り出す造波機構が設けられている。
【特許文献1】特開平5−305800号公報(第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の一般的な水槽は、構造が単純な平面視方形状の箱形で、観賞用としては形に特徴もなく面白みに欠ける。
【0005】
また特許文献1記載の円筒水槽は、周方向に歩きながら観察することができるので、一般的な箱形の水槽と比べて、ディスプレイ効果は幾分高いと思われる。また水面に周方向の波を発生させるために、内筒と外筒からなる二重構造を採用しており、内筒には各種ディスプレイ用の物品を展示できるという利点もある。
【0006】
しかしながら、中に内筒を設けた二重構造を採用しているため、その分、水槽全体の水量が少なくなってしまう。このため、特にリビングに置くような小さめの水槽の場合、水の量が少ない分、水槽に入れることができる熱帯魚やサンゴ等の装飾物の数が限られ、逆に水槽内の華やかさが少なくなる。
【0007】
そこで、本発明者は、内筒に各種ディスプレイ用の物品等を収めることができるようにした二重構造の水槽において、仮に小さめの水槽であっても、実際の数よりも魚を多く見せることはできないか、という観点から鋭意研究開発を進めた。
【0008】
そして、本発明者はその開発過程において、内筒の中に鏡を入れ、その鏡に魚を映り込ませれば良いのではないかという発想に至り、試作品を製作した。しかしながら、内筒に鏡を入れると、鏡を設けた箇所の内筒内の展示品が隠れて見えなくなるという問題がある。更に、熱帯魚の種類によっては、鏡に映った自分の姿に対して威嚇を始め、その結果、ストレスによって魚の寿命が短くなるということも言われている。
【0009】
(本発明の目的)
そこで本発明の目的は、外槽の中の内部ケーシングに各種ディスプレイ用の物品を収めることができるようにした二重構造の水槽において、鏡以外の方法で内部ケーシングに魚を映り込ませることによって、実際の数よりも魚を多く見せることができると共に、魚からは内部ケーシングに映った自分の姿が見えないようにして魚がストレスを受けることを防止できるようにした水槽及び水槽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
なお、後述する作用の説明の理解を助けるため、図面において使用した符号を括弧を用いて記載しているが、各構成要件を図面記載のものに限定するものではない。
【0011】
本発明は、透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、内部ケーシング(4)は、全反射によって水中にある物体(B1)の像が映る側壁面(42b)を備えた断面多角形の筒状体であることを特徴とする、水槽である。
【0012】
本発明は、透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、内部ケーシング(4)は、周方向に複数連設された側壁面(42a,42b)を有する断面多角形の筒状体であり、隣り合う一方の側壁面(42a)と他方の側壁面(42b)の傾斜角度は、一方の側壁面(42a)の正面側から他方の側壁面(42b)を見た際に、貯水部(6)内の水と内部ケーシング(4)内の気体との屈折率の違いから生じる全反射によって、水中にある物体(B1)の像(C1)が他方の側壁面(42b)に映るようにすべく、設定されている、水槽である。
【0013】
本発明は、透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、内部ケーシング(4)は、周方向に複数連設された側壁面(42a,42b)を有する断面正六角形の筒状体であり、隣り合う一方の側壁面(42a)と他方の側壁面(42b)は、一方の側壁面(42a)の正面側から他方の側壁面(42b)を見た際に、水と内部ケーシング(4)内の気体との屈折率の違いから生じる全反射によって水中にある物体(B1)の像(C1)が他方の側壁面(42b)に映るようにすべく、連設されている、水槽である。
【0014】
本発明は、透視性を有する外槽(5)の中に、透視性を有する内部ケーシング(4)を備え、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間が貯水部(6)となっている水槽であって、外槽(5)は横断面正六角形の筒状体であり、内部ケーシング(4)は、周方向に複数連設された側壁面(42a,42b)を有する断面正六角形の筒状体であり、隣り合う一方の側壁面(42a)の正面側から他方の側壁面(42b)を見た際に、水と内部ケーシング(4)内の気体との屈折率の違いから生じる全反射によって水中にある物体(B1)の像(C1)が他方の側壁面(42b)に映るようになっている、水槽である。
【0015】
本発明は、上記したいずれかに記載の水槽(2)と、該水槽(2)を載せる台部材(3)を備えており、台部材(3)は水槽(2)での動物または植物の飼育に必要な機器類を収容可能な空間部を備えている、水槽装置である。
【0016】
(作 用)
本発明に係る水槽(1)は、次のように作用する。
即ち、水は、外槽(5)と内部ケーシング(4)との間の貯水部(6)に入れられる。内部ケーシング(4)には、魚の飼育に必要な循環ポンプ等の各種機器類を収容したり、花や観葉植物等のような各種ディスプレイ用の物品を収容できる。
【0017】
内部ケーシング(4)は、側壁面(42a,42b)を備えた断面多角形の筒状体であり、側壁面(42b)には全反射の現象によって水中の魚(B1)や、岩(D)、サンゴ等のような物体(B1)の像が映る。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係る水槽によれば、内部ケーシングに生じる全反射の現象により、鏡以外の方法で内部ケーシングに水中の魚を映り込ませることができる。これにより、実際の数よりも魚やサンゴや海草等の各種の装飾物を多く見せることができる。したがって、仮に水槽の容積が小さいことが原因で、水槽に入れる魚の数や装飾物の数が限られる場合であっても、実際の数よりも魚や装飾物を多く見せることが可能となり、その結果、水槽内の華やかさを効果的に演出することができる。
【0019】
(b)また本発明に係る水槽によれば、どの角度から見ても必ず映って見える鏡とは異なり、内部ケーシングの側面部上面にいる水中の魚からは内部ケーシングに映った自分の姿は見えない。よって、鏡に映った自分の姿に対して威嚇を始めるということは起こり難く、魚が自分の姿によってストレスを受けることを防止できる。
【0020】
(c)本発明に係る水槽装置によれば、上記した水槽を載せる台部材を備えており、魚の飼育に必要な濾過装置やクーラー等の各種機器類は、この台部材の中の空間部に収容できる。よって、各種機器類が乱雑に露出することがなく、水槽装置内にすっきりと収容でき、インテリアとしての見た目が損なわれない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明では、上記したように、外槽の中に内部ケーシングが設けてある。外槽及び内部ケーシングは、透視性を有していれば、その材質は特に限定されない。外槽及び内部ケーシングの材質としては、ガラスやアクリル等の合成樹脂を挙げることができる。なお、アクリル製のものに比べ、ガラス製のものが表面に傷がつきにくいので、より好ましい。
【0022】
断面多角形の筒状体である内部ケーシングの具体例としては、横断面六角形(横断面正六角形を含む)、横断面八角形(横断面正六角形を含む)、あるいは横断面三角形等の他の断面多角形の筒状体を挙げることができる。断面正多角形の筒状体であれば、側壁面の数によって、隣り合う一方の側壁面と他方の側壁面の傾斜角度が決まる。
【0023】
また外槽の形状は特に限定するものではなく、上記したような断面多角形(正多角形を含む)の有底筒状体や、断面が円形、楕円形、あるいは四角形等の他の形状のものであっても良い。
【0024】
なお、水槽に飼育する生き物としては、魚(熱帯魚、淡水魚)の他、ビーシュリンプやチェリーシュリンプ等のようなエビ、亀、あるいはワニ等のように水槽で飼うことができるものであれば、特に限定されてない。また生き物に限らず、水生植物だけといった植物観賞用の水槽としても使用しても良い。
【0025】
以上の具体例はあくまで代表的なものであり、特にこれらに限定するものではない。
【0026】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明する。
【実施例】
【0028】
図1ないし図9は、本発明に係る水槽装置の一実施例を説明するための図である。
図1は水槽装置の斜視説明図、 図2は水槽装置の平面視説明図、図3は水槽装置の使用状態を示す正面視斜視説明図、図4は図3における水槽を拡大して示した一部拡大説明図である。
【0029】
なお、図3及び図4に示す使用状態図では、後述する水槽2の構造及び本実施例の全反射の現象を理解しやすいように、水槽2内を泳ぐ魚B1,B2の数や、実際に使用する際に水槽2内に配置する岩Dやサンゴの数を省略して図示している。
【0030】
更に、図5は水槽装置の正面視縮小説明図、図6は図5の右側側面説明図、図7は図5の左側面説明図、図8は図5の背面視説明図、図9は図2の底面視説明図である。
また、水槽2全体は透視性を有する無色透明な板ガラスで主に形成しているが、図3及び図4以外のその他の図面では、水槽2を不透明体として表し、外槽5内の板ガラスを破線で表している。
【0031】
図1及び図3に示すように、水槽装置1は、上部側に位置する水槽2と、水槽2を上面に載せて載置する台部材3と、を有している。図2に示すように、水槽装置1は、全体形状が平面視正六角形の六角柱状に形成されている。本実施例では、水槽装置1全体の大きさは、横幅が最大で約620mm、高さが約1300mmであるが、特にこれに限定するものではない。
以下、水槽装置1について、台部材3、水槽2の順で詳しく説明する。
【0032】
(台部材3)
図1に示すように、台部材3は、六角柱状に形成されている台部材本体31と、台部材本体31の底面に設けてある転動手段であるキャスター32を備えている。本実施例では、台部材3の大きさは、横幅が最大で約620mm、高さが約900mmであるが、特にこれに限定するものではない。
【0033】
上記したキャスター32により、水槽装置1を容易に移動させることができる。また上部側の水槽2を水で満たすと、水槽装置1全体は相当な重量になるが、本実施例のようにキャスター32を設けることにより、大きな地震が発生した場合でも最大限、転倒を防止することができる。即ち、地震時の揺れによりキャスター32が前後に走行して水槽装置1が受ける衝撃を吸収し、その結果、水槽装置1が転倒するといった最悪の事態を防止することができる。なお、その他の地震対策用グッズ等によって、水槽装置1の転倒を防止できるような場合は、キャスター32にストッパー機能を持たせても良い。
【0034】
台部材本体31は、主に木製の板材で形成されている。台部材本体31は、例えば金属、合成樹脂、あるいはそれらを組み合わせたものやその他の材料で形成することもできる。
【0035】
台部材本体31は内部が中空となっており、側壁部には前後に開閉する扉33が設けてある。台部材本体31の内部には、濾過装置やクーラー等の水槽2に必要な各種機器類(図示省略)を収容することができる。
【0036】
図1及び図2において破線で示すように、台部材本体31の上面部には、正六角形状の開口部34(破線で示す)が形成されている。通常の使用状態では、開口部34は、左右一対の台形状の蓋体35a,35bによって、ほぼ全体(後述する中央にある円形の蓋体開口部36を除いて)が閉じられている。開口部34を有することで、水槽2に必要な各種機器類を台部材本体31の上方から収容することもできる。
【0037】
図面では表れていないが、開口部34の内縁部には、載置した蓋体35a,35bの外縁部を受ける枠部が設けてある。各蓋体35a,35bは、上記したようにその外形が平面視で台形状に形成された板体であり、長辺部側が合致するように向かい合わせて配置することで、開口部34のほぼ全体を覆う正六角形を構成する。
【0038】
更に各蓋体35a,35bの長辺部側中央には、上記した蓋体開口部36を構成する半円弧状の切欠部(符号省略)が設けてある。一対の蓋体35a,35bを向かい合わせて配置すると、この切欠部の間に蓋体開口部36が形成される。
【0039】
また後述するように(図3も参照)、台部材本体31の内部に花Aを生けた花瓶(図示省略)等のディスプレイ用の物品を収容し、その花Aを蓋体開口部36から上方に引き出し、後述する水槽2の内部ケーシング4側へ収めるようにすることができる。
【0040】
(水槽2)
図1に示すように、水槽2は、透視性を有する外槽5と、外槽5の中に設けてあり、透視性を有する内部ケーシング4とを備えている。水槽2を使用する際の水を入れる箇所は、内部ケーシング4の外方と外槽5の内方の間の空間部である貯水部6である。内部ケーシング4には、物品を収容することができる。内部ケーシング4に収容する物品としては、上記した花やソテツやサボテン等の観葉植物、その他の各種草花、クリスマス時期であればクリスマスツリー等のような他の装飾品等を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。
【0041】
外槽5は、平面視正六角形の六角柱状に形成された凹型容器である。外槽5は、透視性を有する複数の板ガラスを貼り合わせて形成されている。即ち、外槽5は、正六角形である板ガラス製の底板51と、底板51の六つの辺に垂直に起立した状態でそれぞれ設けられた方形または矩形状である板ガラス製の側壁板52(合計で六枚)を有している。
【0042】
本実施例では、底板51の外縁部の一辺の長さは約300mmである。また、側壁板52の大きさは、横幅が約300mm、高さが約400mmである。この大きさは、水槽装置1を設置する場所等を考慮して適宜設定され、特にこの大きさに限定するものではない。
【0043】
図1に示すように、底板51の中央には円形の孔510(破線で示す)が形成されている。そして、この孔510を上から塞ぐ(覆い隠す)ようにして、平面視正六角形の筒状体である内部ケーシング4が立設して固定されている。
【0044】
内部ケーシング4は、長方形である複数の板ガラス製の側壁板42(合計六枚)を周方向に貼り合わせることで形成されている。側壁板42の大きさは、横幅が約100mm、高さが約394mmであるが、特にこれに限定されない。この内部ケーシング4の側壁板42の高さが外槽5の側壁板の高さよりも約6mm低くなっており、後述する外槽用の蓋体71,72を内部ケーシング4と外槽5の間に載置した際に、蓋体71,72が水平状態に保たれるように設計されている。
【0045】
更に、内部ケーシング4を断面正六角形状の筒状体で構成することにより、図4に示すように、内部ケーシング4の隣り合う一方の側壁面42aと他方の側壁面42bの傾斜角度は、一方の側壁面42aの正面側から、この好ましくは側壁面42aの正面側から他方の側壁面42bを見た際に、水中にある物体の像が他方の側壁面42bに映るようになっている。
【0046】
即ち、水槽2に水と魚を入れた状態である図4に示すように、外槽5を構成する六枚のうちのどれか一つの側壁面42aの正面位置(図4で中央前方)に立ち、この側壁面42aを通して内部ケーシング4を見る。そうすると、内部ケーシング4の正面の側壁面42aからは中の花A(実線で示す)を透視できるが、正面側方に位置する二つの側壁面42b,42bからは花A(破線で示す)は透視できずに、水中にある物体の像(図4で言えば、水中を泳いでいる魚B1の像C1と、魚B2の像C2)が映って見える。その結果、水中を泳ぐ実際の数よりも、魚を多く見せることができる。これについての詳しい作用は、後述する。
【0047】
図1において、外槽5の上面を閉じる二種類の蓋体71,72は、板ガラス製で平面視台形状に形成されている。蓋体71,72は、水槽2の上部面において、内部ケーシング4と外槽5の間(貯水部6の上方、内部ケーシング4の上部面内方を除く)を塞ぐようにして、着脱可能に取り付けてある。
【0048】
詳しくは、蓋体71,72は所要数(本実施例では複数、六枚)設けてあり、この六枚の蓋体71,72のうちの二枚(以下、「小蓋体72」という。)は、残る四枚と比べ、先部側の一部がカットされて平行な対辺間の長さ(台形の高さ)が短く、面積が小さい。これは、後述するように、小蓋体72と内部ケーシング4の間に若干隙間Sを設け、その隙間Sに内部ケーシング4から導出した循環ポンプ等(図示省略)を小蓋体72の上方から貯水部6内に差し入れるためのものである。なお、この隙間Sの大きさは特に限定するものではなく、また隙間Sを省略するために、蓋体71,72をすべて同じ大きさで形成することもできる。
【0049】
面積が大きい方の四枚の各蓋体71(以下、「大蓋体71」という。)は、先端側が内部ケーシング4の側壁板42上部に載置され、基端側の角部が外槽5に取り付けてある蓋体受部53(図4参照)に載置されている。蓋体受部53は、金属製で断面L字状に形成され、外槽5の内角部分の上端部にそれぞれ(合計で六箇所に)取り付けてある。蓋体受部53は、外槽5の内角部分の角度(約120度)に合わせ、平面視で山形状(「く」の字状)に形成されている。蓋体受部53の断面L字状に屈曲する側に、蓋体71の基部側の角部が載置される。
【0050】
面積が小さい方の二枚の各小蓋体72は、図1及び図2に示すように、向かい合うようにして対で配置されている。この小蓋体72は、基部側の角部が上記した同じ蓋体受部53に載置され、斜めにカットされた側辺側が、両隣の大蓋体71,71に取り付けられた他の蓋体受部54に載置されている。この蓋体受部54は、図4に示すように、薄い金属板をL字状に二段階に屈曲させて形成されている。そして、蓋体受部54の幅方向の一方側が大蓋体71に固定されており、他方側の断面L字状に屈曲する側に小蓋体72が載置される。
【0051】
なお、上記した二種類の蓋体受部53,54は、金属材料以外のプラスチックやその他の材料で形成することもできる。また、内部ケーシング4上方の開口部(符号省略)の一部または全部を別の蓋体で塞ぎ、ゴミや埃がなるべく入らないようにすることもできる。
【0052】
(作 用)
本実施例に係る水槽装置1は、次のように作用する。
【0053】
魚の飼育に必要な濾過装置やクーラー等の各種機器類は、図1に示す水槽2下の台部材3の中に収容する。これにより、各種機器類が乱雑に露出することがなく、水槽装置1内にすっきりと収容でき、インテリアとしての見た目が損なわれない。
【0054】
まず、水槽2に水を入れるために、外槽5上面の所要位置の蓋体71,72を外す。そして、内部ケーシング4と外槽5の間の貯水部6に水を入れたら、元のように蓋体71,72を戻す。
【0055】
図示は省略しているが、台部材3の中に収容した上記各種機器類から、循環ポンプ用のパイプ、ヒーター、あるいはサーモスタット等(以下、「パイプ等」という)を引き出し、貯水部6の水の中に設置する。詳しく説明すると、各種機器類に接続されるパイプ等を台部材3上面の蓋体開口部36から上方に引き出し、更に内部ケーシング4の中を上方に通して、内部ケーシング4の上から貯水部6内に差し入れる。差し入れ箇所は、小蓋体72横の隙間Sからが好ましい。なお、吸盤等の固定手段を使用して、パイプ等を内部ケーシング4の外側のガラス面に固定することもできる。内部ケーシング4に照明装置を固定することもできる。
【0056】
図4に示すように、内部ケーシング4には、上記したパイプ等の他、花Aを生けた花瓶等の各種物品を入れることができる。図4では、一例として生花Aを入れた場合を図示しているが、特にこれに限定されない。ただし、ディスプレイの効果が高い物品が好ましい。例えば花Aを生けた花瓶を収容する際は、台部材3の内部に花瓶を載置するための載置台(図示省略)を設けることもできる。また内部ケーシング4の上方に花弁が出るようにして、生けても良い。
【0057】
また例えばソテツのように、背が高く、土台の鉢が比較的大きい観葉植物を収容する場合は、鉢を水槽2下の台部材3に収容すると共に、幹を内部ケーシング4に通し、更に枝葉の部分を内部ケーシング4から上に引き出すようにすれば良い。鉢等のような重量のあるものを台部材3に収容すれば、水槽装置1全体の安定性が更に向上するという利点がある。更に、淡水魚を飼う場合は、水槽2内の水を観葉植物を育てる際の灌水用の水としても利用できる。また、例えば循環ポンプ用のパイプから観葉植物に灌水を行うことも可能である。
【0058】
以上のように、本実施例に係る水槽装置1では、外槽5の中の内部ケーシング4に花A等のような各種ディスプレイに適した物品を収容することができる。これにより、例えば図4に示すように、陸上の植物である生花Aの周りを熱帯魚が優雅に泳ぐといった、自然界では通常あり得ない斬新なディスプレイを施すことができる。
【0059】
なお、図4に示すように、水槽2内には、底砂E、岩Dの他、サンゴや海草等の各種の装飾物を入れることができる。
【0060】
図10は、水中を泳ぐ魚が内部ケーシングの側壁面に映る全反射の現象を説明するための図である。図10で符号4は内部ケーシング、符号5は外槽5を示している。
図4及び図10を参照する。
【0061】
上記したように、内部ケーシング4は断面正六角形の筒状体であり、これによって、内部ケーシング4の隣り合う一方の側壁面42aと他方の側壁面42bは、一方の側壁面42aの正面側から他方の側壁面42bを見た際に、水中にある物体の像が他方の側壁面42bに映るように連設されている。
【0062】
即ち、外槽5を構成する六枚のうちのどれか一つの側壁面42aの正面位置に立ち、この側壁面42aを通して内部ケーシング4を見る。そうすると、図10に示す内部ケーシング4を構成する側壁面42aのうち、正面に位置する側壁面42aの隣に位置する側壁面42bに、水中を泳いでいる魚B1の像C1が映って見える。これは、水と内部ケーシング4内の気体(空気)との屈折率の違いによって生じる、いわゆる「全反射」という現象に起因すると考えられる。
【0063】
つまり、光が水中から内部ケーシング4内の空気(あるいは側壁部である板ガラス)へと進む際に、図10に示す入射角θがある大きさより大きくなると、光がすべて反射し、その結果、水中にある物体(魚B1)の像C1が映って見えるのである。なお、本実施例で言えば、入射角θは、図10で右前方に位置する側壁面42bの面に垂直な破線L1と、看者の視線L2の方向とがなす角を示す。
【0064】
この全反射の現象により、図4に示すように、水中を泳ぐ実際の数よりも、魚を多く見せることができる。また底砂Eに載置する岩D、あるいは外槽1内に置いたサンゴや海草の装飾物等も映り込ませることができる(図4では岩Dの像D1が映った状態を図示している)。これにより、仮に水槽2の容積が小さいことが原因で、水槽2に入れる魚の数や各種装飾物の数が限られる場合であっても、実際の数よりも魚や装飾物を多く見せることが可能となり、その結果、水槽2内の華やかさを効果的に演出することができる。
【0065】
また、この全反射の現象が起こることで、図10で側方の側壁面42bを通しては内部ケーシング4内の花が見えない。即ち、図4に示すように、全反射が起こっていない正面側の側壁面42aからは、内部ケーシング4内の花A(実線で示す)が見えるものの、全反射が起こっている両側の側壁面42b,42bからは花A(破線で示す)は見えない。しかし、全反射が起こっている側壁面42bの前に移動してその正面に立つと、今度は側壁面42bから花Aが見えるようになり、逆に先ほどまで見えていた側壁面42aに全反射現象が起こり、その面からは花Aが見えなくなる。このように、内部ケーシング4の場所によって花Aの見え具合が変わるといった不思議な現象が起こり、インテリアとしての視覚的な面白みが高い。
【0066】
更に図示はしていないが、外槽5上面の蓋体71,72の上から内部ケーシング4を見ると、下斜め方向から見下ろす状態となるため、上記した場合と少し異なり、内部ケーシング4の全ての側壁板42a,42bに全反射の現象が起こる。これによって、見える範囲の内部ケーシング4全体に底砂や魚が映るといった、更に変わった現象が起こる。
【0067】
図11は、側壁部の正面に位置する魚から内部ケーシングを見た場合の状態を示す説明図である。
また更に、全反射の現象は、上記したように入射角θが十分に大きくならないと発生しない(即ち、図10に示す側壁面42bを斜め方向から見ないと、水中の物体が映り込まない)。したがって、図11に示すように、側壁面42bの前方にいる魚B3が内部ケーシング4を見ても、全反射の現象は起きず、像C3は映らない。単に、板ガラスからなる側壁面42bを通して、内部ケーシング4内の花が見えるだけである。
【0068】
このように、どの角度から見ても必ず映って見える鏡とは異なり、魚B3からは内部ケーシング4に映った自分の姿は見えないので、鏡に映った自分の姿に対して威嚇を始めるということは起こり難く、自分の姿によって魚がストレスを受けにくいと考えられる。
【0069】
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0070】
更に、特許請求の範囲には、請求項記載の内容の理解を助けるため、図面において使用した符号を括弧を用いて記載しているが、特許請求の範囲を図面記載のものに限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】水槽装置の一実施例を示す斜視説明図。
【図2】水槽装置の平面視説明図。
【図3】水槽装置の使用状態を示す正面視斜視説明。
【図4】図3における水槽を拡大して示した一部拡大説明図。
【図5】水槽装置の正面視縮小説明図。
【図6】図5の右側側面説明図
【図7】図5の左側面説明図
【図8】図5の背面視説明図
【図9】図2の底面視説明図
【図10】水中を泳ぐ魚が内部ケーシングの側壁面に映る全反射の現象を説明するための図。
【図11】側壁部の正面に位置する魚から内部ケーシングを見た場合の状態を示す説明図
【符号の説明】
【0072】
1 水槽装置
2 水槽
3 台部材
4 内部ケーシング
5 外槽
6 貯水部
31 台部材本体
32 キャスター
33 扉
34 開口部
35a,35b 蓋体
36 蓋体開口部
42 側壁板
42a,42b 側壁面
51 底板
52 側壁板
53 蓋体受部
54 蓋体受部
71 大蓋体
72 小蓋体
A 生花
B1,B2 魚
C1,C2,C3 魚の像
S 隙間
【出願人】 【識別番号】507052658
【氏名又は名称】別府 和憲
【出願日】 平成19年2月16日(2007.2.16)
【代理人】 【識別番号】100085327
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 克彦


【公開番号】 特開2008−199915(P2008−199915A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−36947(P2007−36947)