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【発明の名称】 イカヅノに装着される魚類忌避体並びにこれを具えたイカヅノ
【発明者】 【氏名】佐々木 一樹

【要約】 【課題】本来の捕獲対象であるイカ以外の魚類が掛かってしまうのを確実に回避することができる、新規なイカヅノに装着される魚類忌避体並びにこれを具えたイカヅノの開発を技術課題とした

【構成】イカヅノ10における笠針12の後方に突出するように位置する忌避作用部2と、この忌避作用部2をイカヅノ10のボディ11に対して装着するための固着部3とを具えたことを特徴として成るものであり、固着部3によってイカヅノ10に装着され、笠針12の後方に突出するように位置する魚類忌避体1によって魚Fの捕食動作を妨げることができるため、魚Fが掛かってしまうのを回避することができる。一方、前記魚類忌避体1は、本来の対象であるイカSの捕食動作を妨げてしまうことがないため、確実にイカSのみを掛けることが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イカヅノにおける笠針の後方に突出するように位置する忌避作用部と、この忌避作用部をイカヅノのボディに対して装着するための固着部とを具えたことを特徴とするイカヅノに装着される魚類忌避体。
【請求項2】
前記固着部と忌避作用部とは、一本の線材を曲げ加工して形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のイカヅノに装着される魚類忌避体。
【請求項3】
前記固着部はボディに対してたすき掛け状に装着されるものであることを特徴とする請求項2記載のイカヅノに装着される魚類忌避体。
【請求項4】
前記請求項1、2または3記載の魚類忌避体が具えられたことを特徴とするイカヅノ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はイカ釣りに用いられる疑似餌であるイカヅノに関するものであり、特に本来の対象であるイカ以外の魚類が掛かってしまうのを回避することができるイカヅノに装着される魚類忌避体並びにこれを具えたイカヅノに係るものである。
【背景技術】
【0002】
沖釣りでヤリイカ、スルメイカ等を対象とした釣りや漁が行われる際には、図7に示すようにイカヅノ10′と呼ばれる疑似餌がラインLに5〜10本程度取り付けられた仕掛けが用いられる。そして仕掛けをイカSが群棲するタナ(層)にまで落とし込み、ラインLを上下させてイカヅノ10′に生きている小魚のような動きを与えてイカSに捕食させている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところでイカSが群棲するタナは、水深50〜200mの領域であり、これよりも上層は回遊魚であるサバ等の魚Fのタナとなっている。
このためイカヅノ10′がイカSのタナに到達する前に魚Fが掛かってしまい、捕獲対象であるイカSの釣果に悪影響を及ぼしてしまうことも珍しくはなかった。
すなわち複数あるイカヅノ10′の一つにでも魚Fが掛かってしまうと、もはや仕掛けをイカSのタナにまで落としこむことは不可能となり、いったん仕掛けを引き上げて魚Fを外さなければならない。
更には掛かった魚Fがもがいて仕掛けが絡まってしまうばかりか、甚だしいときには他の釣り人の仕掛けに絡んでしまうこともあった。
【特許文献1】特開2001−204303公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、本来の捕獲対象であるイカ以外の魚類が掛かってしまうのを確実に回避することができる、新規なイカヅノに装着される魚類忌避体並びにこれを具えたイカヅノの開発を技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1記載のイカヅノに装着される魚類忌避体は、イカヅノにおける笠針の後方に突出するように位置する忌避作用部と、この忌避作用部をイカヅノのボディに対して装着するための固着部とを具えたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、固着部によってイカヅノに装着され、笠針の後方に突出するように位置する魚類忌避体によって魚の捕食動作を妨げることができるため、魚が掛かってしまうのを回避することができる。
一方、前記魚類忌避体は、本来の対象であるイカの捕食動作を妨げてしまうことがないため、確実にイカのみを掛けることが可能となる。
【0006】
また請求項2記載のイカヅノに装着される魚類忌避体は、前記要件に加え、前記固着部と忌避作用部とは、一本の線材を曲げ加工して形成されたものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、魚類忌避体を容易に且つ安価で製作することができる。
【0007】
更にまた請求項3記載のイカヅノに装着される魚類忌避体は、前記請求項2記載の要件に加え、前記固着部はボディに対してたすき掛け状に装着されるものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、魚類忌避体をイカヅノのボディに対して確実に装着することができ、脱落を回避することができる。
【0008】
また請求項4記載の魚類忌避体を具えたイカヅノは、前記請求項1、2または3記載の魚類忌避体が具えられたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、固着部によってイカヅノに装着され、笠針の後方に突出するように位置する魚類忌避体によって魚の捕食動作を妨げることができるため、魚が掛かってしまうのを回避することができる。
一方、前記魚類忌避体は、本来の対象であるイカの捕食動作を妨げてしまうことがないため、確実にイカのみを掛けることが可能となる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、忌避作用部によって魚の捕食動作を妨げて魚が掛かってしまうのを確実に回避することができ、一方、前記魚類忌避体は、本来の捕獲対象であるイカの捕食動作を妨げてしまうことがないため、確実にイカのみを掛けることが可能となり、イカ釣りの釣果を飛躍的に向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図示の実施例に基づいて説明する。
なお以下の実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
【実施例】
【0011】
図中、符号1で示すものが本発明の魚類忌避体であって、このものは符号10で示すイカヅノに対して装着され、サバ等の魚類の捕食動作を妨げて確実にイカのみを釣ることを可能とする部材である。
始めに前記イカヅノ10について説明すると、このものは図2に示すように、プラスチック等の合成樹脂や木材等によって魚体を模して形成されたボディ11の尾部に、複数の針を具備した笠針12が具えられて成るものである。
またボディ11の頭部にはラインLを接続するためのラインアイ13が形成される。
なおこの実施例では一例として、前記笠針12を二本具えるようにし、またこれら笠針12はテグス15を巻いてボディ11に固定されるようにした。
【0012】
次に魚類忌避体1について説明すると、このものは図3に示すように、忌避作用部2と、この忌避作用部2をイカヅノ10のボディ11に対して装着するための固着部3とを具えて成るものであり、この実施例では前記固着部3と忌避作用部2とを、一本の線材(一例としてφ0.3mm、長さ13cmのステンレスバネ鋼)を曲げ加工して形成するようにした。
具体的には、線材の中央をU字型に曲げて係止部30とすると共に、中央から約3mmの個所を、線材が約120°の角度を持つように曲げることにより第一折曲部31を二箇所に形成する。
更にこれら第一折曲部31から約20mmの個所を、線材が約120°の角度を持つように曲げることにより第二折曲部32を形成するとともに、この第二折曲部32から約3mmの個所を、線材が約90°の角度を持つように曲げることにより第三折曲部33を形成する。
線材に対して上述したような曲げ加工を施すことにより、係止部30から第三折曲部33までの範囲を固着部3とし、更に第三折曲部33から端部の部分を忌避作用部2とするものである。
なお上記の折り曲げ個所の数や寸法は、装着対象となるイカヅノ10の寸法に合わせて適宜選択されるものである。
また魚類忌避体1を、複数の線材を曲げ加工し、組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0013】
本発明の魚類忌避体1は一例として上述したように構成されるものであり、以下、このものをイカヅノ10に対して装着する手順を説明するとともに、その作用効果について説明を行う。
先ず図4(a)に示すように、係止部30にイカヅノ10のボディ11を入れ込む。
次いで図4(b)に示すように、第一折曲部31と第二折曲部32との間を交差させる。
更に図4(c)に示すように第二折曲部32と第三折曲部33をボディ11の下側に移動させるとともに、第三折曲部33同士を交差させることにより、固着部3がボディ11に対してたすき掛け状となった状態で装着されることとなる。
このため、魚類忌避体1はイカヅノ10に対して強固に固定され、容易に脱落してしまうのを回避することができるものである。
【0014】
また忌避作用部2は笠針12の後方に突出するように位置することとなるため、以下に述べるように魚Fが笠針12に掛かるのを回避しながらも、イカSを掛けるのを可能とするものである。
すなわち図1に示すように、魚Fは捕食対象である小魚の後方から接近してこれに噛み付いたり、飲み込んだりする捕食動作を行うものであるため、魚Fがイカヅノ10に近づくとボディ11に噛み付く前に魚類忌避体1の忌避作用部2に触れることとなり、魚Fは違和感を感じて捕食動作を中断することとなる。
【0015】
一方、イカSの場合図5に示すように、捕食対象である小魚の斜め後方から接近してこれに抱き付くといった捕食動作を行うものであるため、魚類忌避体1が捕食動作を妨げてしまうことはなく、笠針12に掛かることとなるものである。
なお魚類忌避体1は線材によって構成されているため、水の抵抗が少なく、更には軽量であるため、イカヅノ10本来の動きを妨げてしまうことがない。
このように本発明によれば、イカヅノ10はサバ等のタナを通過する最に魚Fが掛かってしまうことはなく確実にイカSが群棲するタナに到達することとなるため、イカSのみを釣り上げることが可能となり、また魚Fによる仕掛けの絡みも発生しないため、釣果が飛躍的に向上するものである。
【0016】
〔他の実施例〕
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示す実施例を採ることもできる。
まず基本となる実施例では魚類忌避体1を一つのみイカヅノ10に装着するようにしたが、図6(a)に示すように二つまたはそれ以上の複数を装着するようにしてもよい。
【0017】
また基本となる実施例では、イカヅノ10に対して魚類忌避体1を後付けする形態を示したが、これらを予め一体化した状態で製造するようにしてもよい。
具体的には図6(b)に示すように、笠針12をボディ11に取り付ける際に、魚類忌避体1も同時にテグス15で巻いて取り付けるようにするものである。
なおこの場合にはテグス15が固着部3として機能するので、魚類忌避体1に固着部3を設けなくても済むため、一例として線材をV字型に曲げて形成した魚類忌避体1を採用した。
【0018】
またこのようなV字型の魚類忌避体1をイカヅノ10に対して後付けするようにしてもよく、この場合には図6(c)に示すように防水性の粘着テープ等を固着部3として適用すればよい。
【0019】
更にまた基本となる実施例では、忌避作用部2の形態を直線状としたが、図6(d)に示すように複数箇所で折り曲げて複雑な形状とすれば、後方から接近してくる魚Fの魚体により確実に忌避作用部2を接触させることができる。
【0020】
更にまた上述した複数の実施例では、二本以上の複数の忌避作用部2が笠針12の後方に突出するようにしたが、図6(b)に示すように一方の忌避作用部2を短寸とし、一本の忌避作用部2が笠針12の後方に突出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の魚類忌避体を具えたイカヅノの使用状態を示す斜視図である。
【図2】イカヅノを示す側面図である。
【図3】魚類忌避体を示す斜視図である。
【図4】魚類忌避体をイカヅノに装着する様子を段階的に示す斜視図である。
【図5】イカの捕食動作を説明するための斜視図である。
【図6】捕食忌避体の他の実施例を示す平面図である。
【図7】イカの群棲域と従来のイカヅノの問題点を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0022】
1 魚類忌避体
2 忌避作用部
3 固着部
30 係止部
31 第一折曲部
32 第二折曲部
33 第三折曲部
10 イカヅノ
11 ボディ
12 笠針
13 ラインアイ
15 テグス
F 魚
L ライン
S イカ
【出願人】 【識別番号】598015095
【氏名又は名称】株式会社 デュオ
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦


【公開番号】 特開2008−67615(P2008−67615A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247052(P2006−247052)