| 【発明の名称】 |
水槽用ろ過材集成体 |
| 【発明者】 |
【氏名】荒川 友子
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| 【要約】 |
【課題】水質浄化作用を向上させやすく、メンテナンス性にも優れた水槽用ろ過材集成体を提供すること。
【構成】平面的に配列された複数のろ過材と、ろ過材の配列を保持する保持部材とを有する水槽用ろ過材集成体とする。配列は、列方向にろ過材が複数並んだろ過材列が行方向に複数並んでおり、行方向に隣接する各ろ過材は互い違いになるように配置されていると良い。保持部材としては、線状体、または、その表面に通水用の複数の孔部を有し、ろ過材を内部に収容可能な筐体などを用いることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平面的に配列された複数のろ過材と、前記ろ過材の配列を保持する保持部材とを有することを特徴とする水槽用ろ過材集成体。 【請求項2】 前記配列は、列方向に前記ろ過材が複数並んだろ過材列が、行方向に複数並んで配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の水槽用ろ過材集成体。 【請求項3】 前記配列は、行方向に隣接する各ろ過材が、互い違いとなるように配置されてなることを特徴とする請求項2に記載の水槽用ろ過材集成体。 【請求項4】 前記各ろ過材は、互いの外表面が接触可能に保持されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の水槽用ろ過材集成体。 【請求項5】 前記保持部材は、線状体、および/または、その表面に通水用の複数の孔部を有し、前記ろ過材を内部に収容可能な筐体であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の水槽用ろ過材集成体。 【請求項6】 前記保持部材は、有機材料よりなることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の水槽用ろ過材集成体。 【請求項7】 前記ろ過材の形状は、中空略筒状または略球状であることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の水槽用ろ過材集成体。 【請求項8】 前記中空略筒状のろ過材の中空部分または前記略球状のろ過材に形成された貫通孔に前記線状体が挿通されることにより、各ろ過材の配列が保持されていることを特徴とする請求項7に記載の水槽用ろ過材集成体。 【請求項9】 前記中空略筒状のろ過材は、その筒の中心軸が前記平面とほぼ平行であることを特徴とする請求項7または8に記載の水槽用ろ過材集成体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、水槽用ろ過材集成体に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、観賞魚等の水生生物の飼育には、水槽内の水質を良好な環境に保つため、ろ過器が使用されている。 【0003】 ろ過器の種類としては、例えば、水槽の周壁などに設置する外掛け式、水槽の上部に設置する上部式、水槽内部の底面に設置する底面式、水槽から離れた場所に独立して設置する外部式などがある。その中でも、取扱いが比較的容易な外掛け式、上部式のろ過器が一般的に使用されている。 【0004】 例えば、特許文献1には、活性炭を繊維質マットで両面から挟持したろ過部材により、ろ過槽部を、ろ過前室とろ過後室とに区画した外掛け式のろ過器が開示されている。 【0005】 図13に示すように、この種のろ過器100では、モーター102が駆動されると、ストレーナ104の開口部より水槽内の飼育水Wが吸い込まれる。吸い込まれた飼育水Wは、流量調整弁106により適宜流量が調整され、給水管108を通ってろ過槽部110のろ過前室112に供給される。ろ過前室112に供給された飼育水Wは、ろ過部材114(繊維質マット114a、活性炭114b)を通過し浄化され、ろ過後室116に至る。ろ過後室116内の浄化水は、排出口118を通って再び水槽内に注ぎ込まれる。 【0006】 上記のようなろ過方式では、ろ過機能が低下したろ過部材は、通常、新しいろ過部材に定期的に交換される。とりわけ、ろ過機能が飽和状態になりやすい活性炭をろ過材に用いている場合には、比較的早くその交換時期が訪れる。 【0007】 ところで、ろ過部材を新品に取り替えた場合には、せっかく交換前に繊維質マットに定着していた水質浄化を担う微生物が、古いろ過部材と一緒に水槽内から除去されてしまうことになる。 【0008】 それ故、これを回避するため、随時新品に取り替える必要のない多孔質セラミックス製のろ過材単体を、複数個、ろ過槽部にバラで投入するなどし、これにより、微生物の確保と水質浄化の向上とを図ることが行われてきた。 【0009】 【特許文献1】特開2006−149221号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 上記方法によれば、活性炭を用いたろ過部材だけを使用した場合に比較して、それなりの水質浄化効果を見込めると考えられる。 【0011】 しかしながら、投入されたろ過材は、水の通りが悪いろ過槽部の底部に溜まってしまうため、ろ過槽部に供給された飼育水は、まんべんなくろ過材と接触し難い。 【0012】 通常、微生物による水の浄化は、微生物が定着しているろ過材と飼育水とが接触することによりなされる。そのため、せっかくろ過材を余分に投入しているにもかかわらず、その効果が十分に得られないといった問題があった。 【0013】 一方、このように投入されたろ過材は、活性炭を用いたろ過部材ほどの頻度ではないが、付着した汚れなどを取り除くなど、メンテナンスを行う必要がある。 【0014】 これまで、ろ過槽部の底部に溜まった個々のろ過材を取り出すには、ろ過槽部から1つまたは数個ずつ拾い上げるか、ろ過器をひっくり返して取り出すしか方法がなかった。そのため、手が汚れたり、水が飛び散って水槽周辺が汚れたりしやすかった。また、取り出したバラのろ過材を洗浄するのは、手が汚れやすく、大変な手間もかかっていた。 【0015】 このように、従来の方法では、メンテナンス性に劣るといった問題があった。 【0016】 本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、水質浄化作用を向上させやすく、メンテナンス性にも優れた水槽用ろ過材集成体を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0017】 上記課題を解決するため、本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、平面的に配列された複数のろ過材と、上記ろ過材の配列を保持する保持部材とを有することを要旨とする。 【0018】 ここで、上記配列は、列方向に上記ろ過材が複数並んだろ過材列が、行方向に複数並んで配置されてなると良い。好ましくは、上記配列は、さらに、行方向に隣接する各ろ過材が互い違いとなるように配置されてなると良い。 【0019】 また、上記各ろ過材は、互いの外表面が接触可能に保持されていると良い。 【0020】 また、上記保持部材は、線状体、および/または、その表面に通水用の複数の孔部を有し、上記ろ過材を内部に収容可能な筐体であると良い。 【0021】 また、上記保持部材は、有機材料よりなると良い。 【0022】 また、上記ろ過材の形状は、中空略筒状または略球状であると良い。 【0023】 また、上記中空略筒状のろ過材の中空部分または上記略球状のろ過材に形成された貫通孔に上記線状体が挿通されることにより、各ろ過材の配列が保持されていると良い。 【0024】 また、上記中空略筒状のろ過材は、その筒の中心軸が上記平面とほぼ平行であると良い。 【発明の効果】 【0025】 本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、複数のろ過材が平面的に配列されており、ろ過材の配列が保持部材により保持されている。 【0026】 そのため、ろ過槽部に供給された飼育水とろ過材との接触面積、接触時間を十分に確保することができ、水質浄化作用を向上させやすい。 【0027】 また、メンテナンス時には、水槽用ろ過材集成体ごと取り出すことが可能である。そのため、従来のように、1つまたは数個ずつろ過材を拾い上げたり、ろ過器をひっくり返したりして取り出す必要がない。さらに、取り出した水槽用ろ過材集成体は、それ自体に流水をかけたり、それ自体を溜め水中で揺すったりするなどすれば、簡単に洗浄することができる。 【0028】 このように、上記水槽用ろ過材集成体は、メンテナンス性にも優れる。 【0029】 ここで、上記配列が、列方向にろ過材が複数並んだろ過材列が行方向に複数並んで配置されて形成されている場合には、水槽用ろ過材集成体の一方面から他方面へ飼育水がすり抜けし難くなり、各ろ過材による水質浄化作用を一層発揮させやすくなる。 【0030】 上記配列において、とりわけ、行方向に隣接する各ろ過材が互い違いとなるように配置されて形成されている場合には、各ろ過材列における各ろ過材同士の接触部位が行方向で不連続になる。そのため、上記飼育水のすり抜けを効果的に防止可能となり有利である。 【0031】 また、各ろ過材の互いの外表面が接触可能に保持されている場合にも、水槽用ろ過材集成体の一方面から他方面へ飼育水がすり抜けし難くなり、各ろ過材による水質浄化作用を一層発揮させやすくなる。 【0032】 また、上記保持部材が線状体である場合には、各ろ過材に直接飼育水を接触させることができるので、各ろ過材による水質浄化作用を向上させる上で有利である。 【0033】 さらに、線状体は目立ち難いので、ろ過材の配列が奏する美感を直接視認しやすい。そのため、上記水槽用ろ過材集成体を、ろ過器内部のみならず、例えば、ろ過器のストレーナ付近や排出口付近など、水槽内部の通水性の高い箇所に取り付けた場合には、ろ過機能ばかりでなく、水槽内アクセサリーとしても機能させることができる。それ故、水槽鑑賞性を高めることができる。 【0034】 一方、上記保持部材が上記筐体である場合には、ろ過材の配列、保持がしやすく、上記ろ過材集成体の生産性を向上させることが可能となる。また、筐体により、内部のろ過材が保護されるので、ろ過材の破損などが生じ難く、取扱い性などにも優れる。 【0035】 また、上記保持部材が有機材料よりなる場合には、有害な金属成分などが水槽内に拡散するのを防止することができ、水生生物に優しい。 【0036】 また、上記保持部材が有機材料よりなる場合に、保持部材が線状体であるときには、十分な柔軟性を確保することができ、ろ過材の配列を保持しやすい。また、保持部材が上記筐体であるときには、筐体の成形性、加工性などに優れる。 【0037】 また、上記ろ過材の形状が、中空略筒状または略球状である場合には、水槽用ろ過材集成体の一方面から他方面への飼育水の通水性を確保しやすい。 【0038】 また、上記中空略筒状のろ過材の中空部分または上記略球状のろ過材に形成された貫通孔に上記線状体が挿通されることにより、各ろ過材の配列が保持されている場合には、線状体の編み込みにより配列を形成することができる。 【0039】 また、上記中空略筒状のろ過材の筒の中心軸が、上記平面とほぼ平行であれば、水槽用ろ過材集成体の一方面から他方面へ飼育水がすり抜けし難くなり、各ろ過材による水質浄化作用を一層発揮させやすくなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0040】 以下、本実施形態に係る水槽用ろ過材集成体について説明する。 【0041】 (第1実施形態) 図1は、第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体の正面図である。図2は、第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体の側面図である。 【0042】 図1および図2に示すように、水槽用ろ過材集成体F1は、平面的に配列された複数のろ過材R1と、ろ過材R1の配列を保持する保持部材としての線状体Lとを少なくとも有している。 【0043】 ここで、図1および図2に示したろ過材R1は、中空略円筒状に形成されている。この場合、ろ過材R1の外径と長さ(高さ)との関係は、特に限定されるものではない。好ましくは、通水性に優れるなどの観点から、外径と長さ(高さ)とが等しい関係にある(いわゆる、ラシヒリング形状)と良い。 【0044】 上記ろ過材の形状は、中空略円筒状に限定されるものではなく、中空略角筒状などの形状であっても良い。さらには、図3に示す水槽用ろ過材集成体F2のように、ろ過材R2の形状は、略球状であっても良い。なお、上記ろ過材の形状が略球状である場合には、線状体を挿通させる貫通孔が形成されていることが好ましい。もっとも、保持部材が後述する筐体などである場合には、上記貫通孔はあってもなくても何れであっても良い。 【0045】 上記ろ過材の材質としては、具体的には、例えば、セラミックス、有機高分子、鉱物や石(麦飯石、医王石、火山岩、サンゴ石、貝殻など)、炭(活性炭など)などを好適なものとして例示することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いても良い。なお、上記ろ過材は、ろ過作用を発揮できれば、多孔質、繊維質の何れであっても良く、その材質などを考慮して選択することができる。 【0046】 上記ろ過材がセラミックスよりなる場合には、耐摩耗性に優れる上、浄化を担う微生物が一度定着したら剥がれ落ち難い。そのため、水槽用ろ過材集成体を長期間使用可能になるなどの利点がある。 【0047】 上記セラミックスとしては、具体的には、例えば、カオリナイト系の活性シリカや活性アルミナを主成分とするセラミックス、珪酸カルシウム結晶体(ワラストナイト)を主成分とするセラミックス、ガラス、陶磁器などを例示することができる。水生生物が好む水質(弱酸性、弱アルカリ性)などを考慮して選択すれば良い。 【0048】 また、上記ろ過材が有機高分子よりなる場合には、含有される有機物に、浄化を担う微生物が比較的早く定着しやすく、比較的早い時期からろ過効果を得ることができる。そのため、水槽水の立ち上げを早く行うことができるなどの利点がある。 【0049】 上記有機高分子としては、具体的には、例えば、生分解性高分子、ポリウレタン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどを例示することができる。 【0050】 上記線状体の材質は、ろ過材の配列を保持することができれば、無機材料、有機材料の何れであっても良い。あるいは、これらの組み合わせ、これらの複合材料などであっても良い。好ましくは、水生生物に有害な金属成分などを水槽中に放出し難く、水生生物に優しいなどの観点から、有機材料であると良い。 【0051】 上記線状体を形成する有機材料としては、具体的には、例えば、ナイロンなどのポリアミド、フロロカーボン、ポリエステル、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ビニロン、アクリルなどの合成樹脂、アセテート、プロミックスなどの半合成樹脂、木綿、麻、絹などの天然素材などを例示することができる。 【0052】 上記線状体を形成する有機材料のうちでは、合成樹脂、半合成樹脂が好適であり、より好ましくは、ナイロンである。柔軟性および強度に優れ、水槽用ろ過材集成体を生産しやすい点、淡水および海水に対する耐久性に優れ、ろ過集成体の配列を長期間保持しやすい点、耐薬品性に優れる点などの利点が多いからである。 【0053】 上記線状体の直径は、特に限定されるものではなく、用いる線状体の材質などを考慮して選択することができる。 【0054】 例えば、上記線状体が合成樹脂よりなる場合、上記線状体の直径の上限としては、柔軟性に優れるなどの観点から、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.4mm以下、さらにより好ましくは0.35mm以下であると良い。 【0055】 一方、上記線状体の直径の下限としては、水槽用ろ過材集成体の生産時に線状体が絡まり難い、連結されたろ過材間に隙間が出来難くなるなどの観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらにより好ましくは0.2mm以上であると良い。 【0056】 本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、複数のろ過材が平面的に配列されている。この配列としては、具体的には、例えば、図1および図2に示すように、列方向にろ過材R1が複数並んだろ過材列が行方向に複数並んでおり、行方向に隣接する各ろ過材R1が互い違いとなるように配置されてなる配列を好適な一例として例示することができる。 【0057】 上記配列であれば、各ろ過材列における各ろ過材同士の接触部位が行方向で不連続になる。そのため、水槽用ろ過材集成体の一方面から他方面へ飼育水がすり抜けし難くなり、各ろ過材による水質浄化作用を一層発揮させやすくなるからである。 【0058】 他の配列としては、図示はしないが、列方向にろ過材が複数並んだろ過材列が行方向に複数並んでおり、行方向において隣接する各ろ過材が直線状に連続して並んで配置されてなる配列、複数のろ過材が渦巻状(略円形状の渦巻状以外にも、三角形、四角形、五角形などの多角形状の渦巻状も含む)に配置されてなる配列などを例示することができる。なお、上記列と行との関係は、互いに反対に入れかえても良い。正面を90度回転させて見る方向を変えただけであり、実質的な差異はないからである。また、上記配列では、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、各ろ過材が1つ置き、2つ置きなどで配置されていても良い。 【0059】 上記のように配列された各ろ過材は、互いの外表面が接触可能に保持されていることが好ましい。水槽用ろ過材集成体の一方面から他方面へ飼育水がすり抜けし難くなり、各ろ過材による水質浄化作用を一層発揮させやすくなるからである。 【0060】 ここで、図1および図2に示した水槽用ろ過材集成体F1では、中空略筒状のろ過材R1の中心軸(筒の中心軸、以下省略)が左右方向に向いており、この中心軸とろ過材集成体F1の平面とはほぼ平行になっている。 【0061】 上記以外にも、図4および図5に示す水槽用ろ過材集成体F3のように、中空略筒状のろ過材R1の中心軸が上下方向に向いており、この中心軸とろ過材集成体F3の平面とがほぼ平行になっていても良い。また、図示はしないが、中空略筒状のろ過材の中心軸が斜め方向に向いており、この中心軸とろ過材集成体の平面とがほぼ平行になっていても良い。 【0062】 何れにせよ、ろ過材の形状が中空略筒状である場合には、ろ過材の中心軸を、ろ過材集成体の平面とほぼ平行にすることで、水槽用ろ過材集成体の一方面から他方面へ飼育水がすり抜けし難くなり、各ろ過材による水質浄化作用を一層発揮させやすくなる。 【0063】 図1および図2に示す水槽用ろ過材集成体F1の製造方法としては、例えば、以下のような方法を好適な一例として例示することができる。 【0064】 すなわち、中空略筒状のろ過材R1を、任意の数だけ行方向に並べる。次いで、各ろ過材R1の内口に線状体Lを挿通し、挿通した線状体Lの一端を、再度、各ろ過材R1の内口に挿通し、一行目とする。次いで、ろ過材R1を1個追加し、このろ過材R1の内口に線状体Lの一端を挿通し、このろ過材R1に挿通した線状体Lの一端を、一行目のすでに線状体Lが挿通されているろ過材R1に挿通する。 【0065】 この作業を繰り返し行い、図6に例示するように、線状体Lにより複数のろ過材R1を編み込みながら連結していけば、図1および図2に示す水槽用ろ過材集成体F1を得ることができる。もっとも、図1に示す配列を形成できれば、線状体Lによる編み込み方法は何れの方法であっても良く、上記編み込み方法に限定されるものではない。 【0066】 なお、図4および図5に示す水槽用ろ過材集成体F3については、列方向にろ過材R1を並べて形成したろ過材列の内口に線状体Lを挿通した後、さらに、隣接するろ過材列の内口に線状体を挿通し連結する作業を繰り返し行うなどすれば良い。 【0067】 また、本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、ろ過材および線状体(保持部材)以外にも、例えば、図7に示すように、把持部Hを有していても良い。把持部Hを有する場合には、ろ過槽部への出し入れが容易になる。 【0068】 また例えば、本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、図8に示すように、吸盤部Qを有していても良い。吸盤部Qを有する場合には、ろ過槽部や水槽内壁面などに吊り下げ易く、水槽用ろ過材集成体の取り付け性が向上する。 【0069】 (第2実施形態) 図9は、第2実施形態に係る水槽用ろ過材集成体の正面図である。図10は、第2実施形態に係る水槽用ろ過材集成体の断面図である。 【0070】 図9および図10に示すように、水槽用ろ過材集成体F’1は、平面状に配列された複数のろ過材R1と、ろ過材R1の配列を保持する保持部材としての筐体C1とを少なくとも有している。 【0071】 なお、第2実施形態に係る水槽用ろ過材集成体は、第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体と比較して、保持部材である筐体が主に異なっており、他の部分については特段変わりがない。そのため、以下では、この筐体について詳細に説明し、他の部分の説明は割愛する。 【0072】 図9および図10に示すように、筐体C1は、その表面に複数の孔部Kを有している。これら孔部Kは、ろ過前の飼育水およびろ過後の飼育水の通り道としての役割を有している。なお、孔部数、孔部形状は、特に限定されるものではなく、通水性などを考慮して適宜設定すれば良い。 【0073】 図10に示すように、筐体C1は、ほぼ中央面P1で2つに分割可能とされているが、この分割形態に限定されるものではない。例えば、筐体C1は、図10中の面P2より左側のケース本体部と、面P2より右側のケース蓋体とに分割されていても良い。要するに、その内部にろ過材を収容できれば良い。なお、図示はしないが、筐体C1は、その上面に把持部が連設されていても良い。また、筐体C1は、分割した部分にヒンジ構造を有しており、このヒンジ構造を利用して内部にろ過材R1を収容可能とされていても良い。 【0074】 ここで、筐体C1は、図1に例示したろ過材R1の配列を保持するため、筐体C1の少なくとも一方面(図では両面)の内側に、位置決め部S1を有している。この位置決め部S1は、ろ過材列の何れか一方の端部側に配置されており、隣接するろ過材列間で交互の端部側になるように配置されている。 【0075】 そのため、筐体C1によれば、ろ過材R1が線状体Lで連結されていなくても、筐体C1内にろ過材R1が、図1に示したようにろ過材R1が規則的に配列されれば、そのろ過材R1の配列を保持することができる。 【0076】 なお、上記位置決め部S1は、筐体C1の外壁の肉厚を、内側方向に部分的に厚くするなどして形成することも可能である。 【0077】 また、上記筐体C1に代えて、図11および図12に例示するような、筐体C2を用いることも可能である。すなわち、水槽用ろ過材集成体F’2が有する筐体C2は、上記位置決め部S1に代えて、筐体C2の少なくとも一方面(図では片面)の内側に、ろ過材列の各ろ過材R1の外周に沿った湾曲部cが形成された位置決め板S2を複数有している。この筐体C2では、各ろ過材列に対して、位置決め板S2が各2枚ずつ互いに離間されて配置されている場合を例示している。 【0078】 このように、筐体が位置決め板を有している場合には、バラ状のろ過材を配列させる際に、ろ過材を位置決めしやすい。 【0079】 上述したように、保持部材が筐体である場合には、保持部材が線状体である場合に比較して、ろ過材の編み込みなどが不要となるので、ろ過材の平面的な配列を形成しやすい。そのため、水槽用ろ過材集成体の生産性を向上させることが可能となる。 【0080】 上記筐体の材質は、ろ過材の配列を保持することができれば、無機材料、有機材料の何れであっても良い。あるいは、これらの複合材料であっても良い。好ましくは、水生生物に有害な金属成分などを水槽中に放出し難く、水生生物に優しいなどの観点から、有機材料であると良い。 【0081】 上記筐体を形成する有機材料としては、具体的には、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリルなどといった合成樹脂などを例示することができる。 【0082】 なお、本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、ろ過材の配列を保持する保持部材として、筐体と線状体とを併用しても構わない。このようにした場合には、筐体からろ過材群をまとめて取り出すことが可能となるので、ろ過材の洗浄や交換を行いやすくなるなどの利点がある。 【0083】 以上、本実施形態に係る水槽用ろ過材集成体のについて説明した。本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、水槽の周壁などに設置する外掛け式、水槽の上部に設置する上部式、水槽内部の底面に設置する底面式、水槽から離れた場所に独立して設置する外部式など何れのろ過方式を採用するろ過器にも適用することができる。好ましくは、外掛け式、上部式のろ過器に好適に用いることができる。 【0084】 本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、例えば、外掛け式ろ過器のろ過槽部に吊り下げるなどして使用することができる。通常、このろ過槽部は、活性炭などを用いたろ過部材を介して、ろ過前室とろ過後室とに隔てられる。本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、ろ過前室に設置しても良いし、ろ過後室に設置しても良い。あるいは、ろ過前室およびろ過後室の両方に設置しても良い。 【0085】 また、本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、例えば、上部式ろ過器、底面式ろ過器、外部式ろ過器などのろ過槽部に寝かすように設置して使用することもできる。この際、本発明に係る水槽用ろ過材集成体を2以上積層すれば、より高いろ過作用を得ることが可能となる。 【0086】 さらには、本発明に係る水槽用ろ過材集成体は、そのろ過材の規則的な配列により視覚を通じて鑑賞者に美感を起こさせることができる。そのため、ろ過器内部のみならず、例えば、ろ過器のストレーナ付近や排出口付近など、水槽内部の通水性の高い箇所に取り付けて使用することで、ろ過機能ばかりでなく、水槽内アクセサリーとしても機能させることができる。 【実施例】 【0087】 以下、本発明を実施例を用いてより具体的に説明する。 【0088】 (水槽用ろ過材集成体の作製) 初めに、図1に示すような、実施例に係る水槽用ろ過材集成体を作製した。 【0089】 すなわち、長さ10mm、高さ10mm、内口径5mmのラシヒリング形状の多孔質セラミックスろ過材(クリオン株式会社製、「パワーハウス・ソフトタイプMサイズ」)7個を行方向に並べた。 【0090】 次いで、各ろ過材の内口に、直径0.24mm(2号)のナイロンテグスを挿通し、挿通したナイロンテグスの一端を、再度、各ろ過材の内口に挿通し、一行目とした。 【0091】 次いで、ろ過材を1個追加し、このろ過材の内口にナイロンテグスの一端を挿通した。 【0092】 次いで、このろ過材に挿通したナイロンテグスの一端を、一行目のすでにナイロンテグスが挿通されているろ過材(この場合、ろ過材追加側の端から2つ目)に挿通した。 【0093】 この作業を繰り返し行い、平面的に配列された63個のろ過材が、ナイロンテグスにより連結されてその配列が保持されている実施例に係る水槽用ろ過材集成体を得た。 【0094】 ここで、得られた実施例に係るろ過材集成体は、図1に示すように、列方向にろ過材が9個並んだろ過材列が行方向に7つ並んでおり、行方向に隣接する各ろ過材が互い違いとなるように配置された配列を有している。 【0095】 また、実施例に係るろ過材集成体は、各ろ過材の互いの外表面が接触可能に保持されており、各ろ過材の中心軸は、ろ過材集成体平面とほぼ平行になっている。 【0096】 (水槽用ろ過材集成体のろ過性能の確認) 次に、作製した実施例に係る水槽用ろ過材集成体を用いて、そのろ過性能を以下の試験により確認した。 【0097】 すなわち、水槽((株)ニッソー製、「NS−4M」(縦45cm×横29.5cm×深さ30cm))の周壁に設置した外掛け式ろ過器(水量5.8〜7.5リットル/分、テトラジャパン(株)製、「テトラワンタッチフィルター OT−45」)のろ過槽部を、適当な大きさにカットした繊維質マット((株)スドー製、「ホワイトマット」)を隔壁として用いて、ろ過前室およびろ過後室の2室に区画した。 【0098】 そして、このろ過前室に、実施例に係る水槽用ろ過材集成体を吊り下げた場合と、このろ過材集成体の作製時に使用したろ過材をバラで63個投入した場合とについて、以下の試験条件の下にて水質の経日推移を測定した。 【0099】 なお、水質測定項目は、pH(pHメータによる)、アンモニア態窒素(中和滴定法による)、亜硝酸態窒素(N−1−ナフチルエチレンジアミン吸光光度法による)である。 【0100】 <試験条件> 試験水 :淡水(水道水) 水槽内水量:32リットル 水温 :約18℃(ヒータ無し) 生体 :金魚(体長15〜20cm)を各水槽に3匹 餌 :金魚用飼料((株)キョーリン製、「ベビーゴールド」)を 6g/日で設定当日より給餌 【0101】 図15に、実施例に係る水槽用ろ過材集成体を用いた場合における、経過日数と水質との関係を示す。図14に、バラのろ過材を用いた場合における、経過日数と水質との関係を示す。 【0102】 図14から分かるように、バラのろ過材を用いた場合には、水槽設置後、アンモニア態窒素の減少は確認されなかった。 【0103】 これは、投入されたろ過材がろ過槽部の底部に溜まってしまうことで、ろ過槽部に供給された飼育水がまんべんなくろ過材と接触し難く、今回の試験日数内では、微生物によるろ過現象が十分に生じ難かったためであると推測される。 【0104】 これに対し、図15から分かるように、実施例に係る水槽用ろ過材集成体を用いた場合には、水槽設置後9日目から、アンモニア態窒素の減少が確認された。また、それに伴い、亜硝酸態窒素が出現し始めた。 【0105】 これは、ろ過槽部に供給された飼育水と、実施例に係る水槽用ろ過材集成体の個々のろ過材との接触面積、接触時間を十分に確保することができたことにより、微生物によるろ過現象が早く生じたためであると推測される。 【0106】 このことから、実施例に係る水槽用ろ過材集成体は、水質浄化作用を向上させやすく、さらに、速効性もあることが分かった。 【0107】 (メンテナンス性の確認) 上記ろ過性能試験終了後、各水槽のろ過器から、実施例に係る水槽用ろ過材集成体、バラのろ過材をそれぞれ取り出した。 【0108】 この際、バラのろ過材については、初めのうちは、1つまたは数個程度指でつまんで拾い上げることができたが、ろ過槽部の底部に近づくにつれ、指を突っ込み難くなり、最後には、ろ過器をひっくり返すことにより、残りのろ過材を取り出さねばならなかった。 【0109】 これに対し、実施例に係る水槽用ろ過材集成体については、このろ過材集成体の一部を指で摘んで持ち上げることにより、容易に取り出すことができた。 【0110】 これらの結果から、実施例に係る水槽用ろ過材集成体は、メンテナンス性に優れていることが確認できた。 【0111】 以上、本発明に係る水槽用ろ過材集成体について説明したが、本発明は、上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。 【図面の簡単な説明】 【0112】 【図1】第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体(保持部材:線状体、ろ過材:中空略円筒状、ろ過材の中心軸:左右方向、かつ、ろ過材集成体の平面とほぼ平行)の正面図である。 【図2】第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体(保持部材:線状体、ろ過材:中空略円筒状、ろ過材の中心軸:左右方向、かつ、ろ過材集成体の平面とほぼ平行)の側面図である。 【図3】第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体(保持部材:線状体、ろ過材:略球状)の正面図である。 【図4】第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体(保持部材:線状体、ろ過材:中空略円筒状、ろ過材の中心軸:上下方向、かつ、ろ過材集成体の平面とほぼ平行)の正面図である。 【図5】第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体(保持部材:線状体、ろ過材:中空略円筒状、ろ過材の中心軸:上下方向、かつ、ろ過材集成体の平面とほぼ平行)の上面図である。 【図6】図1および図2に示した第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体につき、線状体を挿通した状態の一例を示した図である。 【図7】図1および図2に示した第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体に、把持部を設けた一例を示した図である。 【図8】図1および図2に示した第1実施形態に係る水槽用ろ過材集成体に、吸盤部を設けた一例を示した図である。 【図9】第2実施形態に係る水槽用ろ過材集成体(保持部材:筐体C1、ろ過材:中空略円筒状)の正面図である。 【図10】図9のA−A断面図である。 【図11】第2実施形態に係る水槽用ろ過材集成体(保持部材:筐体C2、ろ過材:中空略円筒状)の正面図である。 【図12】図11のB−B断面図である。 【図13】典型的な外掛け式ろ過器の断面図である。 【図14】バラのろ過材を用いた場合における、経過日数と水質との関係を示した図である。 【図15】実施例に係る水槽用ろ過材集成体を用いた場合における、経過日数と水質との関係を示した図である。 【符号の説明】 【0113】 F1 水槽用ろ過材集成体 R1 ろ過材 L 線状体(保持部材) F2 水槽用ろ過材集成体 R2 ろ過材 F3 水槽用ろ過材集成体 H 把持部 Q 吸盤部 F’1 水槽用ろ過材集成体 C1 筐体(保持部材) K 孔部 S1 位置決め部 F’2 水槽用ろ過材集成体 C2 筐体 c 湾曲部 S2 位置決め板
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| 【出願人】 |
【識別番号】000185949 【氏名又は名称】クリオン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月24日(2006.8.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095669 【弁理士】 【氏名又は名称】上野 登
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| 【公開番号】 |
特開2008−48656(P2008−48656A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月6日(2008.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願2006−227511(P2006−227511) |
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