| 【発明の名称】 |
生体植込み用RFIDタグ及びその挿入冶具体 |
| 【発明者】 |
【氏名】齋藤 武志
【氏名】芦沢 実
【氏名】坂間 功
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| 【要約】 |
【課題】小型動物の皮下に植え込んでもストレスを与えず、かつ所定の通信距離を確保することができる生体植込み用RFIDタグを提供する。
【構成】長さ7mmで幅2.4mmのインレットフィルム2aの表面に、長さ6mmで幅1.5mmのアンテナ3を蒸着してスリット4を形成する。さらに、スリット4を跨いでICチップ5をアンテナ3上に搭載してインレットを構成する。そして、長さ7mmで直径0.8mmの樹脂性の軸11の長手方向に合わせてインレットを巻く。次に、長さが11mm程度で直径1mmの樹脂性の外皮カバー12の内部へ、軸11に巻きつけられたインレットを挿入する。さらに、軸11及びインレットが挿入された外皮カバー12を図示しないヒータ加熱筒に通過させて熱融着させコーティングする。これにより、長さ7mmで直径1mmの超小型な生体植込み用RFIDタグ9が実現する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動物の生体に植え込み、無線通信によって当該動物に関する情報管理を行う生体植込み用RFIDタグであって、 樹脂性の可撓性素材からなるフィルム上にインピーダンスマッチング用のスリットを有するアンテナが配置されると共にICチップが搭載されたインレットと、 樹脂性の可撓性素材からなり、前記インレットを自己の外周に貼付する棒材と、 樹脂性の生体親和性素材からなり、前記棒材の外周に貼付された前記インレットを覆うようにコーティングされた外皮カバーと によって構成されていることを特徴とする生体植込み用RFIDタグ。 【請求項2】 前記動物は体長が10cm程度以下の小型動物であって、前記体長の10%以下となる長さ、及び前記体長の1.5%以下となる直径または幅を有することを特徴とする請求項1に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項3】 長さが7mm以下であり、前記直径または前記幅が1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項4】 前記棒材は、前記ICチップが突出しないように当該ICチップを収納する凹部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項5】 前記棒材は、前記ICチップが突出しないように、自己の長手方向全体に亘って当該ICチップの厚さ分だけ切削されていることを特徴とする請求項1に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項6】 前記棒材は中心部が空洞になっていることを特徴とする請求項1に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項7】 前記インレットと前記棒材と前記外皮カバーは熱融着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項8】 樹脂性の可撓性素材からなるフィルム上にインピーダンスマッチング用のスリットを有するアンテナが配置されると共にICチップが搭載され、円筒状に形成されたインレットと、 樹脂性の生体親和性素材からなり、円筒状に形成された前記インレットを覆うようにコーティングされた外皮カバーと によって構成されていることを特徴とする生体植込み用RFIDタグ。 【請求項9】 前記インレットと前記外皮カバーは熱融着されていることを特徴とする請求項8に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項10】 前記外皮カバーは、前記インレットが変形したときに前記アンテナの両端部分が短絡しないような変形状態となるように、外周上における1箇所以上の位置に所定の深さの溝を形成していることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項11】 U字型のプリント基板で形成され、動物の生体に植え込んで無線通信により当該動物に関する情報管理を行う生体植込み用RFIDタグであって、 前記プリント基板は、 インピーダンスマッチング用のスリットを有するアンテナが配置されると共にICチップが搭載され、先端部分が尖鋭に形成された針状部を有する基板部と、 前記基板部を把持するための把持部と を備えることを特徴とする生体植込み用RFIDタグ。 【請求項12】 前記基板部の付根部分には当該基板部を切断しやすくするための溝が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項13】 前記把持部の内側エッジと前記基板部の内側エッジとによって、前記基板部を前記動物の生体に植え込んだときに皮下植え込み深さが規制されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項14】 前記基板部の内側エッジは、前記把持部の内側エッジに対して、針状部に行くにしたがって僅かに広がるように形成されていることを特徴とする請求項13に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項15】 前記アンテナは前記針状部の末端位置と前記溝との間に形成され、当該アンテナの長さは7mm以下、幅は1mm以下であることを特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項16】 前記ICチップは、データの書き換えが不可能なROM型チップで構成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項15のいずれか1項に記載の生体植込み用RFIDタグ。 【請求項17】 無線通信によって動物の情報管理を行う生体植込み用RFIDタグを当該動物の生体に植え込むための挿入冶具体であって、 生体植込み用RFIDタグを収納する筒状孔を有する注射針と、 前記筒状孔に挿入された前記生体植込み用RFIDタグを前記注射針の先端から放出させるピストンと、 少なくとも前記生体植込み用RFIDタグと前記注射針の先端部分を収納するカバーと を備えることを特徴とする挿入冶具体。 【請求項18】 無線通信によって動物の情報管理を行う生体植込み用RFIDタグを当該動物の生体に植え込むための挿入冶具体であって、 生体植込み用RFIDタグを収納する筒状孔を有する注射針と、 前記筒状孔に挿入された前記生体植込み用RFIDタグを前記注射針の先端から放出させるピストンと、 前記生体植込み用RFIDタグと前記注射針と前記ピストンとを収納するブリスタ包装容器と を備えることを特徴とする挿入冶具体。 【請求項19】 無線通信によって動物の情報管理を行う生体植込み用RFIDタグを当該動物の生体に植え込むための挿入冶具体であって、 生体植込み用RFIDタグに一体的に結合された針付き縫合糸 を備えることを特徴とする挿入冶具体。 【請求項20】 U字型のプリント基板で形成され、無線通信によって動物の情報管理を行う生体植込み用RFIDタグを当該動物の生体に植え込むための挿入冶具体であって、 インピーダンスマッチング用のスリットを有するアンテナが配置されると共にICチップが搭載された前記生体植込み用RFIDタグを備え、先端部分が尖鋭に形成された針状部を有すると共に付根部分に溝を有する基板部と、 前記基板部を把持すると共に、当該基板部を前記動物の生体に植え込むときに皮下植え込み深さを規制する把持部と を備えることを特徴とする挿入冶具体。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ICチップに記録された情報を無線で送信するRFID(Radio Frequency Identification)タグなどに関し、特に、動物の生体に植え込んで情報管理等に利用される生体植込み用RFIDタグ及びその挿入冶具体に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、ペット、家畜、実験用動物などを管理するために、RFIDタグが広く利用されている。このようなRFIDタグはICチップと小型アンテナとによって構成されていて、ICチップに記録されているID(Identification:識別情報)などを小型アンテナからRF(Radio Frequency:無線周波数)で送信することができるので、タグリーダによってICチップに記録されている情報を非接触で読みとってそれらの動物を管理することができる。このようなRFIDタグは、動物の生体に植え込んで利用されるので生体植込み用RFIDタグなどと呼ばれ、牛や馬などの大型動物から羊、ペンギン、犬、猫などの中型動物にまで広く利用されている。例えば、長さが12mmで直径が1.6mm程度の生体植込み用RFIDタグが、犬や猫などの中型動物の皮下に植え込まれて情報管理に利用されている(例えば、非特許文献1参照)。 【0003】 前記した長さ12mm×直径1.6mm程度の大きさのRFIDタグを体長20cm以上の中型動物(例えば、ラットなど)の生体に植え込んだ場合、RFIDタグの長さはラットの体長の6%以下であるので、ラットなどはストレスを受けることなく生存し続けることができる。一般に、RFIDタグなどの異物を動物の皮下に植え込んだとき、それらの動物がストレスを感じないで生存し続けることができるRFIDタグの大きさは、長さ方向が動物の体長の10%以下、直径が動物の体長の1.5%以下であると言われている。 【非特許文献1】Terry Watkins "Is the biochip the Mark of the Beast?" [online]. Dial-the-Truth Ministries, 1999. [retrieved on 2006-08-08]. Retrieved from the Internet:URL: http://www.av1611.org/666/biochip.html. 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、前記した長さ12mm×直径1.6mm程度の大きさのRFIDタグを体長10cm以下の小型動物の生体に植え込んだ場合は、RFIDタグの長さは小型動物の体長の12%程度になるので、小型動物はストレスを受けて生存し続けることができなくなる。例えば、動物実験などに利用されている小型動物のマウスなどに前記の大きさのRFIDタグを植え込んだ場合はストレスが大きくて生存することができない。すなわち、マウスの成獣の大きさは、体長が7〜8cmで尾長が7cm程度であるから、長さ12mm×直径1.6mm程度の大きさのRFIDタグは、長さがマウスの体長の17%以上で、直径がマウスの体長の2.2%以上に相当するため、マウスはかなり大きなストレスを受けて長く生存できないことが予想される。 【0005】 このRFIDタグは、コンピュータマイクロチップ、フェライトまたは鉄のコアに銅線を巻回したアンテナコイル、コンデンサ、及びガラスカプセルからなるものであるから、小型化及び軽量化が困難であり、また、可撓性がないため、これを植え込む小型動物に大きなストレスを与え、寿命を大幅に短くしてしまう問題点があった。 【0006】 本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、マウスのような小型動物の皮下に植え込んでもそれらの小型動物にストレスを与えることがないと共に、所定の通信距離を確保することができるような生体植込み用RFIDタグと、その生体植込み用RFIDタグを動物の生体に挿入するための挿入冶具体を提供すること目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 前記の目的を達成するために、本発明の生体植込み用RFIDタグは、動物の生体に植え込み、無線通信によってその動物に関する情報管理を行う生体植込み用RFIDタグであって、樹脂性の可撓性素材からなるフィルム上にインピーダンスマッチング用のスリットを有するアンテナが配置されると共にICチップが搭載されたインレットと、樹脂性の可撓性素材からなり、インレットを自己の外周に貼付する棒材と、樹脂性の生体親和性素材からなり、棒材の外周に貼付されたインレットを覆うようにコーティングされた外皮カバーとによって構成し、可撓性及び生体親和性を持たせ、マウスなどの小型動物に植え込んでも、ストレスを与えず、また、充分な通信性能を有するようにした。 【0008】 また、本発明の生体植込み用RFIDタグはプリント基板によって実現することもできる。すなわち、U字型のプリント基板で形成され、動物の生体に植え込んで無線通信によりその動物に関する情報管理を行う生体植込み用RFIDタグであって、プリント基板は、インピーダンスマッチング用のスリットを有するアンテナが配置されると共にICチップが搭載され、先端部分が尖鋭に形成された針状部を有する基板部と、基板部を把持するための把持部とを備えた構成となっている。さらに、基板部の付根部分には基板部を切断しやすくするための溝が形成されている。なお、把持部の内側エッジと基板部の内側エッジとによって、基板部(つまり、生体植込み用RFIDタグ)を動物の生体に植え込んだときに皮下植え込み深さが規制されるようになっている。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、マウスなどのような小型動物に植え込んでも、ストレスを与えず、また、充分な通信性能を有する生体植込み用RFIDタグ及びその挿入冶具体を提供できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 《発明の概要》 以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)に係る生体植込み用RFIDタグについて好適な例をあげて説明するが、理解を容易にするために、まず、本発明における生体植込み用RFIDタグの概要について説明する。 【0011】 本発明では、マウスなどの小型動物の皮下に植え込むことが可能な超小型の生体植込み用RFIDタグを提供する。すなわち、マウスの成獣の大きさは体長が7〜8cmで、尾長が7cm程度であるので、マウスの皮下に植え込んでもそのマウスがストレスを受けない生体植込み用RFIDタグの大きさは、長さがマウスの体長の10%以下で直径がマウスの体長の1.5%以下とすると、直径1mm×長さ7mm以下とする必要がある。 【0012】 直径1mm×長さ7mmの生体植込み用RFIDタグは、長さ6mm×幅1.5mmの超小型アンテナに0.5mm角のICチップ(ミューチップ(登録商標))を搭載して、可撓性素材からなる樹脂棒の長手方向にその超小型アンテナを巻き付けるように配置した構成となっている。なお、この超小型アンテナは、インピーダンスマッチング用のスリットが形成されているので、超小型であっても所定の通信距離を確保することができる。例えば、電波の周波数を2.45GHzとした場合には数mmの通信距離を確保することができる。 【0013】 図1に示すように、アンテナ3には、概略直角に屈曲しているL字形のスリット4が設けられている。スリット4の一方の直線部は、アンテナ3の幅方向の中央に長軸方向に沿って延伸している。また、スリット4の他方の直線部は、スリット4の一方の直線部の端部から短軸方向に延伸し、アンテナ3の外縁部に開口している。このようにスリット4を設けたことにより、アンテナ3には、インピーダンスマッチング用のスタブが形成される。 【0014】 ICチップ5の2つの入出力端子(図示せず)のうち、一方は、スリット4によって形成されるアンテナ3のスタブ部分(図1のICチップ5の右下の部分)の先端近傍(ICチップ5に近いところ)に接続され、他方は、アンテナ3のスリット4を挟んで反対側部分に接続されている。つまり、スリット4の幅は、ICチップの端子間隔より狭い程度になっている。このように接続することにより、スリット4によって形成されるアンテナ3のスタブ部分が、直列に接続されているインダクタンス成分として働く。このインダクタンス成分により、ICチップ5内のキャパシタンス成分が相殺され、アンテナ3とICチップ5との入出力インピーダンスがマッチングされる。 【0015】 なお、通信距離(アンテナ3の放射効率)に着目すると、アンテナ3の電気的な長さは、使用する電波の波長の2分の1にすることが望ましい。例えば、通信周波数を2.45GHzとすると、アンテナ長L2は、5cmから6cm程度となる。また、ICチップ5の入出力インピーダンスが例えば50Ωとすると、スリット4のアンテナ3の長手方向に沿った長さ(すなわち、スタブの長さ)を5mmから6mm程度にし、給電点のインピーダンスをマッチングさせる。このように構成したRFIDタグ1a(図6参照)に対して、5cmから6cm程度の長さの導電体をアンテナ素子として用いた読取アンテナを具備したタグリーダ(いずれも図示せず)を用いて、数十cm程度の通信距離を実現できる。 【0016】 前記のとおりインピーダンスマッチングを行っても、アンテナ長L2が使用する電波の波長の1/2より充分に短くすると、インピーダンスが所期の状態からずれてしまう。その結果、前記した読取アンテナでは、RFIDタグ1aに密着させたとしても、通信が困難になる。ところが、このRFIDタグ1aのアンテナ3に対して、やはり読取アンテナとしてインピーダンスをずらしたものを用意して、この読取アンテナを超小型のアンテナに密着させるか、数ミリメートル以下に近づけると、この読取アンテナと超小型のアンテナとの相互作用が生じ、インピーダンスが整合するようになり、通信が可能になる。 【0017】 また、ICチップを構成するミューチップ(登録商標)は、放射線や高温によってIC内のデータが消失してしまわないように、書き替え不可能なROM型チップとする。さらに、この生体植込み用RFIDタグは、小型動物の皮下に植え込むことを考慮して放射線滅菌や高温加熱滅菌に耐えるような構成となっている。また、この生体植込み用RFIDタグの表面は動物に対して生体親和性のあるフィルムでコーティングされている。 【0018】 以下、図面を参照しながら、本発明における生体植込み用RFIDタグの実施形態の幾つかについて詳細に説明する。 【0019】 《第1の実施形態》 図1は、本発明の第1の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグ9(図5参照)に適用されるインレットテープ1の平面図である。また、図2は、図1に示すインレットテープ1を貼付するための丸棒6の斜視図である。さらに、図3は、図2に示す丸棒6に対して図1に示すインレットテープ1を貼付した状態のRFIDタグ棒7を示す斜視図である。また、図4(a)は図3に示すRFIDタグ棒7の一断面形状のA−A断面図であり、(b)は図3に示すRFIDタグ棒7の他の断面形状のA−A断面図である。さらに、図5は、図3に示すRFIDタグ棒7に外皮をコーティングした後に切断して形成された本発明の第1の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグ9であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。 【0020】 図1に示すように、幅W1が2.4mmの細長いテープ状になった樹脂製のベースフィルム2に対して、アルミなどの金属箔または金属蒸着によって形成された複数のアンテナ3を等間隔で貼付する。これらのアンテナ3は、それぞれ、長さL2が6mmで幅W2が1.5mmであって、インピーダンスマッチング用のスリット4がL字状の鉤型に形成され、そのスリット4の鉤の部分(角部分)に0.5mm角で厚さが0.1mm程度のICチップ5が表面実装により搭載された構成となっている。なお、アンテナ3に対してインピーダンスマッチング用のスリット4を形成することによってアンテナ特性が向上するので、超小型アンテナであっても所定の通信距離を確保することができる。 【0021】 なお、ICチップ5は、パッシブ型の無線ICチップである。アンテナ3は、図示しないタグリーダから電磁波を受け、その長手方向に生じる電位差を給電点(前記した接続の箇所)経由でICチップ5へ供給し、この電位差で生じる起電力によって、ICチップ5が動作する。 【0022】 つまり、図1に示すように、細長いテープ状のインレットテープ1は、ICチップ5を搭載したアンテナ3が、ベースフィルム2の長手方向に対してピッチL1が7mmの間隔で複数個配置された構成となっている。なお、ベースフィルム2は、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)などを熱で融着しやすいようにPVC(ポリ塩化ビニル)シートを貼り合わせるなどして加工した樹脂製の材料によって形成されている。このように、PET材には、基材のPETに熱癒着性の高い樹脂シート(図示せず)を貼り付けたものや、熱融着性を有する特別のPETが利用される。 【0023】 次に、図2に示すような直径φが0.8mmのPETやPPなどの樹脂製の細長い丸棒6を用意して、図1に示すインレットテープ1を長手方向に巻く。つまり、図3に示すように、細長い丸棒6の長手方向に対して、図1のインレットテープ1を沿わせるようにして巻き付ける。このとき、インレットテープ1のベースフィルム2は、幅方向の両側の端部が重ならない程度に丸棒6の外周に巻き付けられる。なお、ベースフィルム2は熱を加えなくても丸棒6に仮接着され、図3に示すようなRFIDタグ棒7が形成される。また、丸棒6の直径φを0.6mmにした場合は、インレットテープ1を丸棒6に巻き付けたときにベースフィルム2の幅方向の両側端部が重なるが、アンテナ3の幅方向の両側端部が接触するおそれはない。 【0024】 このようにして形成されたRFIDタグ棒7の断面は、図4(a)に示すように、丸棒6の外周にベースフィルム2が巻かれ、さらにその外周にアンテナ3が巻かれてその上にICチップ5が搭載された形状となる。したがって、RFIDタグ棒7の断面は、ICチップ5の厚さ(高さ)分、すなわち0.1mmだけ突出した形状となる。なお、図4(b)に示すように、丸棒6に凹部6aを設け、アンテナ3の内周側に設置したICチップ5をこの凹部6aに収納するようにすれば、ICチップ5が外部に突出するおそれはない。 【0025】 次に、図3のように形成されたRFIDタグ棒7の外周に、PETやPPやエラストマーなどの熱可塑性のフィルムを巻き付けながら、そのRFIDタグ棒7を図示しないヒータ加熱筒に通過させる。これによって、インレットテープ1のベースフィルム2は丸棒6の外周に強力に接着されると共に、外皮カバー8(図5参照)は熱融着されてRFIDタグ棒7の外周に確実にコーティングされる。 【0026】 図3のRFIDタグ棒7では、外皮カバー8(図5参照)がコーティングされた状態では示されていないが、外皮カバー8がコーティングされたRFIDタグ棒7をピッチL1=7mmの間隔で切断すると、図5に示すような外皮カバー8のコーティングされた生体植込み用RFIDタグ9が形成される。すなわち、図5(b)に示すように、PETなどの樹脂性の丸棒6の外周に対して、ベースフィルム2、ICチップ5を搭載したアンテナ3、外皮カバー8がこの順で巻かれた生体植込み用RFIDタグ9が形成される。このとき、ICチップ5の突起は外皮カバー8の外周内に収容されるので、ICチップ5が外部に突出するおそれはない。なお、図4(b)のようにICチップ5を丸棒6の凹部6aに植え込むようにすればさらに好ましい。 【0027】 前記した構成により、図5に示す生体植込み用RFIDタグ9の大きさは、直径が1mmで長さが7mm程度の極めて小さなものである。また、外皮カバー8は、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、フッ素樹脂(テフロン(登録商標)など)、ラテックス、親水性ポリマーなどの生体親和性のある樹脂材料またはゴム材料でコーティングされた状態となっている。したがって、このような小さな生体植込み用RFIDタグ9を皮下植え込み用冶具(例えば、注射針)によってマウスなどの小型動物の皮下に植え込んでも、侵襲傷口を小さくすることができるので、傷の治癒が早く、かつ感染などのリスクを低減させることができる。さらには、生体植込み用RFIDタグ9の大きさが極めて小さいことと外皮カバー8が生体親和性材料であることとが相俟って、このような生体植込み用RFIDタグ9をマウスなどの小型動物の皮下に植え込んでも、マウスなどには殆んどストレスを与えることはない。特に、マウスなどの皮膚の厚さは0.5〜1.0mm程度であるが、このような皮膚の薄い小型動物に対しても、図5に示すような微小な生体植込み用RFIDタグ9を容易に皮下に植え込むことができる。 【0028】 すなわち、通信周波数を130〜200kHz程度の長波帯を使用した場合、その波長は約1500mであって非常に長いものとなる。このような波長の長い長波帯の信号を、長さ12mm、直径2mm程度の容積の従来の生体植込み用RFIDタグ9で受信しようとする場合は、フェライトコアの芯に銅線を数百回程度巻きつけてコイルを形成する必要がある。したがって、フェライトコアと銅線が共に金属性の塊となった生体植込み用RFIDタグ9が形成されるために、従来の生体植込み用RFIDタグ9は、大きさ及び重さの面からマウスなどの小型動物に対しては大きなストレスを与える。しかし、本実施の形態の生体植込み用RFIDタグ9は、長さが7mmで直径が1mm程度の超小型であって、かつ生体親和性のある材料でコーティングされているので、マウスなどの小型動物の生体に植え込んでも、それらの小形動物に殆んどストレスを与えることはない。 【0029】 《第2の実施形態》 第2の実施形態では、RFIDタグ棒に外皮テープを巻き付けるのではなく、RFIDタグ棒をストロー状の外皮カバーに挿入して生体植込み用RFIDタグを実現する形態について説明する。したがって、第2の実施形態では、RFIDタグ棒をストロー状の外皮カバーに挿入し易くするために、長尺もののRFIDタグ棒を切断して1個ずつの生体植込み用RFIDタグを製造するのではなく、1個ずつの長さのRFIDタグ棒を同じ長さまたはやや長いストロー状の外皮カバーに挿入して、1個の生体植込み用RFIDタグを製造する場合について説明する。 【0030】 図6は、本発明の第2の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグの製造工程を説明するための構造図である。また、図7は、本発明の第2の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグであり、図7(a)は斜視図、図7(b)は図7(a)のC−C断面図である。まず、図6(a)に示すように、長さL1が7mmで幅W1が2.4mmのインレットフィルム2aの表面に、長さL2が6mmで幅W2が1.5mmのアンテナ3を蒸着してスリット4を形成する。スリット4の形成は、インレットフィルム2aの表面へのアンテナ3の蒸着形成時にマスキングを施すことによって実現することができる。さらに、このスリット4を跨ぐようにしてICチップ5をアンテナ3上に搭載する。このようにして1個ずつのインレット1aを製造する。 【0031】 一方、図6(b)に示すような、直径φ2が0.8mmで長さL1が7mmの樹脂性の軸11を準備する。なお、この軸11にはICチップ5を収納できるような凹部11aを形成しておく。そして、第1の実施形態と同様な方法により、この軸11の長手方向に合わせて図6(a)のインレット1aを巻き付ける。もちろん、ICチップ5が凹部11aに収納されるように位置決めをしてインレット1aを軸11に巻き付ける必要がある。このとき、加熱しなくてもインレットフィルム2aは軸11に仮接着される。 【0032】 そして、軸11に巻きつけられたインレット1aを、図6(c)に示すような直径φ1が1mmで長さが11mm程度の樹脂性の外皮カバー12の内部に挿入する。さらに、軸11及びインレット1aが挿入された外皮カバー12を図示しないヒータ加熱筒に通過させて熱融着させる。これによって、外皮カバー12の両端が密封されると共に、インレット1aは軸11に融着され、インレット1aの表面は外皮カバー12によって均一にコーティングされる。もちろん、外皮カバー12としては、熱可塑性の素材を使用する必要があることは云うまでもない。なお、外皮カバー12の両端の密封は接着剤を充填することによって実現してもよい。この場合は、外皮カバー12の長さは軸11と同じ長さ(すなわち、7mm)でよい。 【0033】 なお、図6(b)のように、ICチップ5が当る軸11の部分のみに凹部11aを設けてICチップ5が突出しないように収納する場合は、ICチップ5と凹部11aとの位置合わせが必要となる。そこで、図6(b)の破線で示すように、軸11の長手方向全体をICチップ5の厚さ分だけ削れば、軸11の長手方向においてはICチップ5の位置合わせが不要となり、軸11の円周方向の位置合わせのみを行えばよいため、ICチップ5と軸11の位置合わせが極めて容易になる。 【0034】 このようにして形成された1個の生体植込み用RFIDタグ9は、図7(a)に示すような形状及び大きさとなり、直径が1mmで長さが7mm程度の極めて小さなRFIDタグである。なお、生体植込み用RFIDタグ9の断面形状は、軸11の凹部11aまたは軸11の長手方向全体に削り取られた部分にICチップ5が搭載されるので、生体植込み用RFIDタグ9の円周方向の外形は滑らかな円形となり、生体植込み用RFIDタグ9は皮膚の薄いマウスなどの小型動物の皮下に対して一層植え込み易くなる。 【0035】 《第3の実施形態》 第3の実施形態では、ストロー状の中空軸からなるRFIDタグ棒を外皮カバーに挿入した生体植込み用RFIDタグについて説明する。図8(a)は第3の実施形態に適用される中空軸11bの斜視図であり、(b)は中空軸11bのRFIDタグ棒を外皮カバー12に挿入した生体植込み用RFIDタグ9の断面図である。図8(a)に示すような可撓性素材からなる中空軸11bに対して図6(a)に示すインレット1aを巻き付けてから、これらを図6(c)に示す外皮カバー12に挿入する。 【0036】 このような構成にすることにより、図8(b)に示すように、中空軸11bのRFIDタグ棒(つまり、中空軸11bとICチップ5とアンテナ3)を外皮カバー12の内部に挿入して熱融着すると、ICチップ5の搭載部分において中空軸11bが内部につぶれるため、外皮カバー12の外周に突起が発生するおそれはなくなる。また、ICチップ5が中空軸11bの外周のどの部分に当っても同様の効果を呈するので、ICチップ5と中空軸11bの位置合わせを行う必要はない。なお、中空軸11bの素材を外皮カバー12と同じ熱可塑性素材にすることにより、外皮カバー12の端面開口部を熱融着させるときに中空軸11bと一体的に融合されるため、外皮カバー12の端面の密封がより確実になる。 【0037】 また、第3の実施形態の生体植込み用RFIDタグ9の別の形態として、軸または中空軸を使用しないで、図6(a)に示すようなインレット1aを筒状に丸めて、図6(c)に示すような外皮カバー12の内部に挿入する方法もある。すなわち、図6(a)において、ICチップ5が内周側に存在するようにしてインレット1aを筒状に丸めて、図6(c)に示す外皮カバー12の内部に挿入した後、これらをヒータ加熱筒に通過させて熱融着させる。これによって、ICチップ5の部分は円筒内部側に逃げるので、外皮カバー12の外周に突起は発生するおそれはなくなる。また、この場合もICチップ5の位置合わせを行う必要はない。 【0038】 なお、軸または中空軸を使用しない場合は、生体植込み用RFIDタグ9が円周方向の内側につぶれた場合、つぶれ方によってはアンテナ3の両端が短絡するおそれがある。そこで、このような不具合を回避するために、外皮カバー12の所定の箇所に溝13a及び溝13b(図9参照)を設けて外皮カバー12(つまり、生体植込み用RFIDタグ9)のつぶれる方向を一定の方向に規制する。 【0039】 図9(a)は、第3の実施形態の別の形態に適用される生体植込み用RFIDタグ9の断面図であり、(b)は(a)の生体植込み用RFIDタグ9がつぶれたときの断面図である。すなわち、軸や中空軸を使用しない場合は、外皮カバー12の所定の位置(つまり、外皮カバー12の内側に存在するアンテナ3の両端部分に対して円周上で対称となる外皮カバー12の位置)に溝13a及び溝13bを形成する。これによって、生体植込み用RFIDタグ9のつぶれる方向は、溝13a、13bの部分を中心にして円周上で対称的につぶれる。 【0040】 すなわち、図9(b)に示すように、生体植込み用RFIDタグ9は、溝13a、13bの部分を中心にして円周上において上下対称になるようにつぶれるため、アンテナ3の両端が短絡するおそれはない。言い換えると、外皮カバー12の所定の位置に溝13a、13bを形成することによって、生体植込み用RFIDタグ9の全体がつぶれたときにアンテナ3の両端が短絡しない方向につぶれやすくすることができる。 【0041】 《第4の実施形態》 第4の実施形態では、第1の実施の形態乃至第3の実施の形態で製造された生体植込み用RFIDタグ9を流通させるための梱包形態について説明する。前記したように、生体植込み用RFIDタグ9は、直径が1mmで長さが7mm程度であって非常に小さいことと、マウスなどの小型動物の皮下に植え込むためには注射器などが必要であるので、生体植込み用RFIDタグ9と注射器とを一体にした梱包形態が必要となる。したがって、それを考慮した梱包形態の構成について説明する。 【0042】 図10は、本発明の第4の実施形態における生体植込み用RFIDタグ9と注射針(注射器)19からなる挿入冶具体の梱包概念図である。図10に示す挿入冶具体は、カバー14の内部に生体植込み用RFIDタグ9と注射針15が収納され、ピストン16とストッパ17の部分はカバー14から外部に露出している。基本的には、この挿入冶具体は、ピストン16、注射針15、カバー14、及び生体植込み用RFIDタグ9の4パーツから構成されている。一方、従来から流通している既存の注射器を使用した挿入冶具体の場合は、ピストン、シリンジ(本体)、針、カバー、及び生体植込み用RFIDタグからなる5パーツで構成されているので、本発明に適用される挿入冶具体の方が部品点数は少なくとも1点は少なくなる。 【0043】 図10に示す挿入冶具体の梱包形態についてさらに詳しく説明する。カバー14の内部で生体植込み用RFIDタグ9と注射針15を分離している理由は、金属製の注射針15と生体植込み用RFIDタグ9をインシュレートすることにより、工場出荷時や生体への植え込み時において生体植込み用RFIDタグ9の通信テストをしやすくしているためである。また、この挿入冶具体は、生体植込み用RFIDタグ9と注射器(つまり、注射針15及びピストン16)を図10のように組み合わせてカバー14に収納した後に滅菌処理を施すため、第1の実施形態で前記したように、放射線や高温加熱による滅菌処理を行っても生体植込み用RFIDタグ9のデータが消えないような構造になっている。さらに、この挿入冶具体は、感染等を防ぐために、1匹ごとの小型動物に生体植込み用RFIDタグ9を植え込んだ後は、注射針15も含めて全て使い捨てとすることを前提としているので、シリンジをなくして、従来より部品点数を1点でも少なくして低価格化を図っている。 【0044】 次に、図10に示す挿入冶具体の使用方法について説明する。ユーザは、図10に示す挿入冶具体を使用するときは、カバー14を注射針15側へ押し込んで生体植込み用RFIDタグ9を注射針15の内部に挿入した後、カバー14を取り除く。そして、注射針15を小型動物の皮下に差し込み、ピストン16に付設されたストッパ17で止まるまでそのピストン16を注射針15の方向へ押す。これによって、生体植込み用RFIDタグ9は小型動物の皮下に移植されるので、注射針15を小型動物の皮下から抜き、その注射針15を含めた挿入冶具体の全てを破棄する。 【0045】 図11は、本発明の第4の実施形態の別形態で適用される生体植込み用RFIDタグ9と注射針をブリスタ包装した構成を示す概念図である。なお、ブリスタ18とは、PET樹脂などで構成された成形容器であり、また、ブリスタ包装とは、ブリスタ(成形容器)18と台紙もしくはフィルムとを、熱溶着または接着剤によって密封した包装形態をいう。 【0046】 図11において、あらかじめ成形されたブリスタ18の収納容器に注射針19と生体植込み用RFIDタグ9を収納し、プラスチック(例えば、PET樹脂)などからなるフィルムを熱溶着などによって密封して蓋20を形成してブリスタ包装を行う。なお、生体植込み用RFIDタグ9は注射針19の針側に配置された状態でブリスタ包装されている。 【0047】 このようにして、注射針19と生体植込み用RFIDタグ9を一体的に包装したブリスタ包装の状態で流通させることにより、既存の包装インフラを活用することができるので、流通形態において低価格化を図ることができる。 【0048】 また、ユーザが生体植込み用RFIDタグ9を使用するときには、ブリスタ包装から蓋20を剥がした後、注射針19と生体植込み用RFIDタグ9がブリスタ18に収納された状態のまま、注射針19を生体植込み用RFIDタグ9の方向へ移動させて、生体植込み用RFIDタグ9を注射針19の内部に挿入させる。これによって、ユーザの手が生体植込み用RFIDタグ9や注射針19に触れることなく、生体植込み用RFIDタグ9を注射針19の内部に装填することができる。なお、生体植込み用RFIDタグ9を小型動物の皮下に移植させる方法は前述と同じであるので、その説明は省略する。 【0049】 《第5の実施形態》 第5の実施形態では、針付き縫合糸によって生体植込み用RFIDタグ9を小形動物の皮下に移植する方法について説明する。図12は、一般的な動物の皮膚の構造図である。皮膚の構造は、表面から順に、表皮層21、真皮層22、皮下組織層23となっていて、その下に筋肉24が存在している。一般的に云われている皮膚の厚さは、表皮層21と真皮層22を合わせた厚さである。マウスなどの小型動物の皮膚の厚さ(つまり、表皮層21と真皮層22の合計厚さ)は0.5〜1.0mmであるので、前記の第1の実施形態乃至第3の実施形態で実現されたような直径1mmで長さが7mm程度の微小な生体植込み用RFIDタグ9を皮下組織層23に移植する必要がある。 【0050】 そこで、針付きの縫合糸によって生体植込み用RFIDタグ9を小形動物の皮下に移植する場合は、次のような幾つかの方法によって移植を行う。図13は、本発明の第5の実施形態で適用される縫合糸と生体植込み用RFIDタグ9の第1の接合方法を示す概念図である。以下の説明では、第2の実施形態で前記した図6及び図7を参照する。 【0051】 まず、図6(a)のインレット1aを同図(b)の軸11に巻いて外皮カバー12のない生体植込み用RFIDタグ9aを構成する。その後、図6(c)に示す外皮カバー12をやや長めにして生体植込み用RFIDタグ9aを挿入する。さらに、外皮カバー12の一方の端部から縫合糸26を挿入する。これによって、図13に示すように、外皮カバー12には、生体植込み用RFIDタグ9aが挿入された状態で、一方の端部から縫合糸26が挿入される。このとき、外皮カバー12には熱収縮材を使用し、縫合糸26が挿入された状態で外皮カバー12をかしめておく。その後、外皮カバー12の外周から加熱して外皮カバー12を熱融着させる。これによって、生体植込み用RFIDタグ9aと縫合糸26を一体的に結合することができる。なお、縫合糸26に外皮カバー12と同じ熱可塑性素材を用いて熱融着すれば一層効果的にコーティング処理が施される。 【0052】 一般的に、針付き縫合糸は医科用及び歯科用として広く市販されているので、図13の縫合糸26の他方の端部にはあらかじめ針27(図16参照)が取り付けられているものとする。また、針27は、皮下植え込みに適した長さと湾曲を有するものを使用する。例えば、尖端の断面形状が逆三角形で、全体の形状が強湾曲となった長さ18mm、太さ0.43mmの縫合糸26付きの針27を用いる。このような針27を用いることにより、皮下の適切な深さに挿入されると共に、皮下に沿った方向に生体植込み用RFIDタグ9を適正に移植することができる。 【0053】 なお、針27付きの縫合糸26を用いて生体植込み用RFIDタグ9を小型動物の皮下に移植した後は、糸に結び目を設けることによって体内での生体植込み用RFIDタグ9の移動を防止することができる。さらには、糸の結び目によって生体植込み用RFIDタグ9が移植されている位置を目視で確認することができる。 【0054】 図14は、本発明の第5の実施形態で適用される縫合糸26と生体植込み用RFIDタグ9の第2の接合方法を示す概念図である。図14に示す第2の接合方法では、図9(a)に示すような軸を使用しない生体植込み用RFIDタグ9bを用いる。この場合は縫合糸26を生体植込み用RFIDタグ9bの内部に貫通させて生体植込み用RFIDタグ9bの軸として用いる。その後、外皮カバー12の内部に縫合糸26が貫通された生体植込み用RFIDタグ9bを挿入して、外皮カバー12の外周から加熱して外皮カバー12を熱融着させる。これによって、生体植込み用RFIDタグ9bと縫合糸26を一体的に結合することができる。 【0055】 図15は、本発明の第5の実施形態で適用される縫合糸26と生体植込み用RFIDタグ9cの第3の接合方法を示す概念図である。図15に示す第3の接合方法が図14に示す第2の接合方法と異なるところは、縫合糸26を外皮カバー12の他方の端部より外部まで貫通させた点である。このようにして、縫合糸26を外皮カバー12を通じて貫通させることにより、皮下に沿って生体植込み用RFIDタグ9cを移植するときに、誤って生体植込み用RFIDタグ9cを抜き取ってしまうおそれがなくなる。すなわち、生体植込み用RFIDタグ9cが皮下から他方の縫い出し口へ飛び出してしまったら、縫合糸26の反対側の端部を引っ張って生体植込み用RFIDタグ9cを皮下の適正な位置に戻せばよい。 【0056】 図16は、本発明の第5の実施形態に適用される針27付き縫合糸26と生体植込み用RFIDタグ9の接合状態を示す概念図である。図16のように、あらかじめ針27の付けられた縫合糸26に対して生体植込み用RFIDタグ9aを前記の方法で接合することにより、マウスのような小型動物の皮下の適正な深さに生体植込み用RFIDタグ9aを容易に植え込むことができる。 【0057】 《第6の実施形態》 第6の実施形態ではプリント基板31に生体植込み用RFIDタグを形成してマウスなどの小型動物の皮下に植え込む形態について説明する。図17は、本発明の第6の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグに適用されるプリント基板31の図面であり、図17(a)は側面図、図17(b)は平面図である。 【0058】 図17(b)に示すような、把持部32と基板部33からなるU字型の形状をしたプリント基板31を用意する。把持部32と基板部33との間の隙間は約1mmであり、基板部33の幅も約1mmである。なお、把持部32と基板部33の間隔は平行ではなく、基板部33の先端に行くにしたがって間隔が幾分広がっている。また、把持部32は手で持ちやすい形状になっていればよく、特に幅には制限はない。 【0059】 また、図17(b)に示すように、基板部33の先端部分の針状部33aは尖鋭な形状になっており、基板部33の付根部分には、図17(a)に示すように、V溝33bが形成されている。そして、針状部33aとV溝33bとの間には金属蒸着などによってアンテナ34が形成されている。さらに、アンテナ34の針状部33a寄りの部分にはL型のスリット35が形成され、そのスリット35の鉤型部分を跨ぐようにしてICチップ36が搭載されている。また、アンテナ34の長さは7mmとなっている。なお、アンテナ34の幅は基板部33の幅と同じで1mmである。 【0060】 さらに、基板部33の表面は、前述の第1の実施の形態で説明した場合と同様に生体親和性のある樹脂材(図示せず)でコーティングされている。また、ICチップ36もROM型チップで構成されている。すなわち、図17のように構成されたプリント基板31は、生体植込み用RFIDタグと生体への挿入冶具とを兼ねている。 【0061】 次に、図17に示すプリント基板31を用いて生体植込み用RFIDタグをマウスなどの小型動物に皮下に植え込む方法について説明する。ユーザは、プリント基板31の把持部32を持って、基板部33の針状部33aから生体の皮下に挿入する。そして、基板部33がV溝33bの付近まで生体の皮下に挿入された後、把持部32を左右に揺するとV溝33bの部分で基板部33が折れて、アンテナ34、スリット35及びICチップ36からなる生体植込み用RFIDタグが生体の皮下に植え込まれた状態となる。 【0062】 前記したように、把持部32と基板部33は平行ではなく、基板部33が先端に行くにしたがって少しずつ開いているので、基板部33の針状部33aから生体の皮下に挿入するとき、把持部32の内側エッジが深さガイドとなって、生体の奥部に向かいながら皮下の最適な深さを沿うようにして基板部33(つまり、生体植込み用RFIDタグ)が植え込まれる。このようなプリント基板31は安価であるので汎用の生体植込み用RFIDタグとして利用することができる。 【産業上の利用可能性】 【0063】 本発明の生体植込み用RFIDタグは超小型であるので、バイオや病理学の研究機関などにおいてマウスなどの小型動物の実験管理などに有効に利用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0064】 【図1】本発明の第1の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグに適用されるインレットの平面図である。 【図2】図1に示すインレットを貼付するための丸棒の斜視図である。 【図3】図2に示す丸棒に対して図1に示すインレットを貼付した状態のRFIDタグ棒を示す斜視図である。 【図4】(a)は図3に示すRFIDタグ棒の一断面形状のA−A断面図であり、(b)は図3に示すRFIDタグ棒の他の断面形状のA−A断面図である。 【図5】図3に示すRFIDタグ棒に外皮をコーティングした後に切断して形成された本発明の第1の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグであり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。 【図6】本発明の第2の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグの製造工程を説明するための構造図である。 【図7】本発明の第2の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグであり、(a)は斜視図、(b)は(a)のC−C断面図である。 【図8】(a)は本発明の第3の実施形態に適用される中空軸の斜視図であり、(b)は中空軸のRFIDタグ棒を外皮カバーに挿入した生体植込み用RFIDタグの断面図である。 【図9】(a)は本発明の第3の実施形態の別の形態に適用される生体植込み用RFIDタグの断面図であり、(b)は(a)の生体植込み用RFIDタグがつぶれたときの断面図である。 【図10】本発明の第4の実施形態における生体植込み用RFIDタグと注射針からなる挿入冶具体の梱包概念図である。 【図11】本発明の第4の実施形態の別形態で適用される生体植込み用RFIDタグと注射針をブリスタ包装した構成を示す概念図である。 【図12】一般的な動物の皮膚の構造図である。 【図13】本発明の第5の実施形態で適用される縫合糸と生体植込み用RFIDタグの第1の接合方法を示す概念図である。 【図14】本発明の第5の実施形態で適用される縫合糸と生体植込み用RFIDタグの第2の接合方法を示す概念図である。 【図15】本発明の第5の実施形態で適用される縫合糸と生体植込み用RFIDタグの第3の接合方法を示す概念図である。 【図16】本発明の第5の実施形態に適用される針付き縫合糸と生体植込み用RFIDタグの接合状態を示す概念図である。 【図17】本発明の第6の実施形態に係る生体植込み用RFIDタグに適用されるプリント基板の図面であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。 【符号の説明】 【0065】 1 インレットテープ 1a インレット 2 ベースフィルム 2a インレットフィルム 3、34 アンテナ 4、35 スリット 5、36 ICチップ 6 丸棒 6a 凹部 7 RFIDタグ棒 8、12 外皮カバー 9、9a、9b 生体植込み用RFIDタグ 11 軸 11a 凹部 11b 中空軸 12 外皮カバー 13a、13b 溝 14 カバー 15 注射針 16 ピストン 17 ストッパ 18 ブリスタ 19 注射針 21 表皮層 22 真皮層 23 皮下組織層 24 筋肉 26 縫合糸 27 針 31 プリント基板 32 把持部 33 基板部 33a 針状部 33b V溝
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成18年8月21日(2006.8.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064414 【弁理士】 【氏名又は名称】磯野 道造
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| 【公開番号】 |
特開2008−43302(P2008−43302A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−224476(P2006−224476) |
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