| 【発明の名称】 |
甲殻類の飼育装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡本 一利
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| 【要約】 |
【課題】飼育管理が容易で、飼育容器内を良好な環境状態に保持し、甲殻類を個体別に飼育することが可能な甲殻類の飼育装置を提供する。
【構成】水槽1内には甲殻類3を各別に収容するメッシュ状の飼育容器5をそれぞれ該水槽の底面7から上方に離した状態で取外し自在に配設し、各飼育容器は上端に開口部13を備え、各飼育容器内に新鮮な飼育水15を各別に供給する飼育水供給手段17を設け、各飼育容器内に気泡を各別に供給する気泡供給手段23を設け、更に、各飼育容器外に出た排泄物と残餌とを水槽の底部を一定方向に流れる水流31により水槽の外部に排出させることを特徴とする甲殻類の飼育装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水槽内には甲殻類を各別に収容するメッシュ状の飼育容器をそれぞれ該水槽の底面から上方に離した状態で取外し自在に配設し、各飼育容器は上端に開口部を備え、各飼育容器内に新鮮な飼育水を各別に供給する飼育水供給手段を設け、各飼育容器内に気泡を各別に供給する気泡供給手段を設け、更に、各飼育容器外に出た排泄物と残餌とを水槽の底部を一定方向に流れる水流により水槽の外部に排出させることを特徴とする甲殻類の飼育装置。 【請求項2】 前記飼育水は海洋深層水若しくは他の海水又は淡水であることを特徴とする請求項1に記載の甲殻類の飼育装置。 【請求項3】 前記水流は水槽内を巡環することを特徴とする請求項1又は2に記載の甲殻類の飼育装置。 【請求項4】 前記飼育容器に対する光量又は光質の調整が可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の甲殻類の飼育装置。 【請求項5】 前記飼育水の水温調節手段を備えさせたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の甲殻類の飼育装置。 【請求項6】 飼育装置の排水を浄化手段により浄化清浄することにより再び飼育水として使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の甲殻類の飼育装置。 【請求項7】 前記水槽は、該水槽内の飼育水を利用して強制的に水流をつくることが可能な循環水槽であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の甲殻類の飼育装置。 【請求項8】 前記甲殻類は、集団飼育では生存率が低い種類又は実験的に個別飼育が必要な種類であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の甲殻類の飼育装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、飼育管理が容易で、飼育容器内を良好な環境状態に保持し、甲殻類を個体別に(各別に)飼育することが可能な甲殻類の飼育装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 エビ・カニ等の甲殻類は産業上重要な種類であり、試験研究的、学習教材的なものから産業的なものまで数多くの増養殖事業が実施されてきた。しかしながら、甲殻類を飼育する場合において、共食い等の個体間関係によりその生残率は極めて低かった。そこで、個体間の干渉を排除し、以て飼育対象の甲殻類の生残率を向上させることを目的に、個体別に飼育する装置が例えば特開昭60−133820号公報に示す如く、多数開発されている。 【特許文献1】特開昭60−133820号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、上記従来の甲殻類の飼育装置においては、飼育容器が垂直方向に重なり又は固定されているため、観察、取り上げ、給餌等の飼育管理が容易でなく、他の飼育容器内を通過した飼育水が飼育容器に供給されるなど、各飼育容器内に新鮮な飼育水が供給されず、通気も各飼育容器にまんべんなく到達するようには配慮されてていなかった。 【0004】 試験研究的、学習教材的なものから産業的な増養殖事業において使用するための、飼育管理が容易で、飼育容器内を良好な環境状態に保持し、甲殻類を個体別に飼育することが可能な甲殻類の飼育装置の開発が求められている。 【0005】 このような状況に鑑み、本発明は、飼育管理が容易で、飼育容器内を良好な環境状態に保持し、甲殻類を個体別に飼育することが可能な甲殻類の飼育装置を提供しようとしてなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記課題を解決するために、本発明は、下記の甲殻類の飼育装置を提供するものである。 【0007】 (1)水槽内には甲殻類を各別に収容するメッシュ状の飼育容器をそれぞれ該水槽の底面から上方に離した状態で取外し自在に配設し、各飼育容器は上端に開口部を備え、各飼育容器内に新鮮な飼育水を各別に供給する飼育水供給手段を設け、各飼育容器内に気泡を各別に供給する気泡供給手段を設け、更に、各飼育容器外に出た排泄物と残餌とを水槽の底部を一定方向に流れる水流により水槽の外部に排出させることを特徴とする甲殻類の飼育装置 (請求項1)。 【0008】 (2)前記飼育水は海洋深層水若しくは他の海水又は淡水である(請求項2)。 【0009】 (3)前記水流は水槽内を巡環する(請求項3)。 【0010】 (4)前記飼育容器に対する光量又は光質の調整が可能である(請求項4)。 【0011】 (5)前記飼育水の水温調節手段を備えている(請求項5)。 【0012】 (6)飼育装置の排水を浄化手段により浄化清浄することにより再び飼育水として使用する(請求項6)。 【0013】 (7)前記水槽は、該水槽内の飼育水を利用して強制的に水流をつくることが可能な循環水槽である(請求項7)。 【0014】 (8)前記甲殻類は、集団飼育では生存率が低い種類又は実験的に個別飼育が必要な種類である(請求項8)。 【発明の効果】 【0015】 [請求項1の発明] 各飼育容器は、メッシュ状のものであるため、飼育水、気体(空気、酸素)、排泄物、残餌等が通過する。 【0016】 飼育容器は甲殻類を各別に収容するため、甲殻類の共食いが防止され、その生存率が高まる。また、飼育対象甲殻類の履歴の把握が容易となり、トレースアビリティーの実践が可能となる。更に、この飼育装置は、試験研究的、学習教材的なものから産業的な増養殖事業において使用することができる。 【0017】 各飼育容器は水槽の底面から上方に離した状態で配設され、各飼育容器外に出た排泄物と残餌とを水槽の底部を一定方向に流れる水流により水槽の外部に排出させるようにしているため、飼育容器内から水槽内に出た排泄物や残餌により飼育環境が悪化するおそれはない。即ち、飼育容器内を良好な環境状態に保持することが可能である。 【0018】 各飼育容器は上端に開口部を備えているため、該開口部を介して各飼育容器内の甲殻類の観察や取り上げ、給餌等の飼育管理を容易に行なうことができる。なお、水面を各飼育容器の開口部よりも低く維持すれば、甲殻類が該開口部より飼育容器外に脱出するおそれはない。 【0019】 各飼育容器は水槽内に取外し自在に配設されているため、水槽内の飼育容器を必要に応じて甲殻類のサイズに適した大きさとメッシュとを備えた飼育容器に容易に交換することができる。 【0020】 各飼育容器内に新鮮な飼育水を各別に供給する飼育水供給手段を備えさせているため、各飼育容器内には常に新鮮な飼育水が注入される。 【0021】 各飼育容器内に気泡を各別に供給する気泡供給手段を備えさせているため、飼育容器内が良好な環境状態に保持される。 【0022】 [請求項2の発明] 飼育水として、海洋深層水若しくは他の海水又は淡水を使用することができるため、多種類の飼育条件を設定することができ、多種類の甲殻類を飼育することができる。 【0023】 [請求項3の発明] 前記水流は水槽内を巡環するため、排泄物や残餌が水槽の排出口に効率良く運ばれ、水槽の外部へ効率良く排出される。 【0024】 [請求項4の発明] 飼育容器に対する光量又は光質の調整が可能であるため、多種類の飼育条件を設定することができる。 【0025】 [請求項5の発明] 飼育水の水温調節手段を備えさせているため、多種類の飼育条件を設定することができ、多種類の甲殻類を飼育することができる。 【0026】 [請求項6の発明] 飼育装置の排水を浄化手段により浄化清浄することにより再び飼育水として使用することができるため、飼育水を効率的、省力的に利用することができる。 【0027】 [請求項7の発明] 前記水槽は、該水槽内の飼育水を利用して強制的に水流をつくることができる循環水槽であるため、飼育水を効率的、省力的に利用することができる。 【0028】 [請求項8の発明] 甲殻類は、集団飼育では生存率が低い種類又は実験的に個別飼育が必要な種類であるため、その甲殻類の生残、成長が向上し、効率的な増養殖事業が可能となり、さらに、その飼育履歴の把握が容易となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0029】 符号1に示すものは水槽である。 【0030】 水槽1内には甲殻類3を各別に収容するメッシュ状の飼育容器5、5・・・をそれぞれ該水槽1の底面7から上方に離した状態で取外し自在に配設する。甲殻類3は、各別に、即ち各飼育容器5に1匹ずつ、飼育容器5に収容される。 【0031】 各飼育容器5は、飼育水、気体(空気、酸素)、排泄物、残餌等が通過可能なメッシュ9により形成されている。 【0032】 各飼育容器5は、該水槽1の底面7から上方に離した状態で取外し自在に架台11上に水平に載置されている。 【0033】 各飼育容器5は上端に開口部13を備えている。 【0034】 各飼育容器5内に新鮮な飼育水15を各別に供給する飼育水供給手段17を備えさせる。 【0035】 飼育水供給手段17は、他の飼育容器5内を通過していない新鮮な飼育水15を飼育容器5内に供給する。 【0036】 即ち、飼育水供給手段17は、各飼育容器5に対し少なくとも一つの注水口19を備えている。各注水口19からは新鮮な飼育水15がよどみなく飼育容器5内に注水される。符号20に示すものは、各注水口19に飼育水15を供給する飼育水供給管である。 【0037】 各飼育容器5内に気泡21を各別に供給する気泡供給手段23を備えさせる。 【0038】 気泡供給手段23は、一例として、通気管25を介して好ましくは各飼育容器5下方の気泡分散器27へ気体(空気、酸素)を送り、該気体を気泡分散器27に備えさせた多数の透孔29、29・・・より好ましくは微細な気泡21、21・・・として各飼育容器5内に送入するようにしてなるものである。 【0039】 更に、各飼育容器5外に出た排泄物と残餌とを水槽1の底部を一定方向に流れる水流31により水槽1の外部に排出させる。 【0040】 即ち、飼育容器5の外部へ出た排泄物と残餌とが該飼育容器5の周辺や水槽1内の底部に留まって飼育環境を悪化させないようにするために、水槽1内に一定方向の水流31をつくりだすための注水口33を飼育水供給管20に備えさせ、当該一定方向の水流31により排泄物と残餌とが水槽1の底面7付近を移動して水槽1内の底面7に臨む排出口35に運ばれ、該排出口35から水槽1の外部へ排出されるようになす。 【0041】 飼育水15は海洋深層水若しくは他の海水又は淡水である。 【0042】 前記水流31は水槽1内を巡環する。 【0043】 即ち、一例として、水槽1を図6に示す巡流水槽となすことにより、効率良く一定方向の水流を作り出し、排泄物と残餌とを水槽1の排出口35から効率良く水槽1外部へ排出させる。 【0044】 各飼育容器5に対する光の光量又は光質の調整が可能である。 【0045】 即ち、一例として、水槽1に開閉自在の蓋37を取り付け、該蓋37を閉じることにより各飼育容器5内を暗状態になし、該蓋37を開けることにより各飼育容器5を天然光下の状態にすることが可能である。 【0046】 また、該蓋37の内面に蛍光灯、発光ダイオード等の光源39、39・・・を取り付け、該光源39、39・・・により光量、光質を調整することが可能である。 【0047】 飼育水15の水温調節手段を備えさせる。 【0048】 即ち、一例として、飼育水供給手段17に水温調節機41を備えさせ、該水温調節機41により飼育水15の水温調節を行なう。 【0049】 また、水槽1内にヒーター、クーラー等の水槽内水温調節機43を配設し、水温調節された飼育水15が一時的に注水されない場合においても、該水槽内水温調節機43により水槽1内の水温を調節するようにしてもよい。図6参照。 【0050】 飼育装置の排水を濾過手段等の浄化手段45により浄化清浄することにより再び飼育水15として使用する。図5参照。 【0051】 水槽1は、一例として、該水槽1内の飼育水15を利用して強制的に水流をつくることができる循環水槽とする。 【0052】 即ち、水槽1内の水流31を確保するために、水槽1内の飼育水15を利用して循環ポンプ47により強制的に水流をつくることが可能な循環水槽を用いる。図5参照。 【0053】 本発明における甲殻類3は、例えば、集団飼育では生存率が低い種類又は実験的に個別飼育が必要な種類であるものとする。 【0054】 即ち、本発明においては、例えば、増養殖事業、飼育実験、学習教材等の対象とされる世界の全ての甲殻類が対象となる。 【0055】 本発明における甲殻類3としては、例えば、タカアシガニ、オオエンコウガニ、タラバガニ、ハナサキガニ、イバラガニモドキ、イバラガニ、エゾイバラガニ、ケガニ、クリガニ、アサヒガニ、イシガニ、シマイシガニ、ヒラツメガニ、ショウジンガニ、ガザミ、タイワンガザミ、ノコギリガザミ、ジャノメガザミ、サワガニ、モクズガニ、中国モクズガニ、ブルークラブ、ダンジネスクラブ、ヨーロッパケアシガニ、ヨーロッパイチョウガニ、ロッククラブ、レッドクラブ、タスマニアオオガニ、ズワイガニ、ベニズワイガニ、アカザエビ、クルマエビ、ウシエビ、コウライエビ、クマエビ、ヨシエビ、シバエビ、モエビ、アカエビ、ツノナガチヒロエビ、ヒゲナガエビ、ジンケンエビ、ボタンエビ、トヤマエビ、ヒゴロモエビ、モロトゲアカエビ、ホッコクアカエビ、ホッカイエビ、イセエビ、ウチワエビ、セミエビ、ロブスター、サクラエビ、シラエビ、コシオリエビ、シャコ、テナガエビ、スジエビ等の食用甲殻類が挙げられる。 【0056】 本発明においては、さらに、食用甲殻類のみでなく、オトヒメエビ、ショウグンエビ、アカシマモエビ、サラサエビ、ヒオドシエビ、ヌマエビ、テッポウエビ、ザリガニ、ヤドカリ、ヤシガニ、イソガニ、ワレカラ、ヨコエビ等の飼育、鑑賞、学習教材用等の甲殻類も対象とすることができる。 【0057】 尚、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【0058】 【図1】甲殻類を各別に収容するための飼育容器を示す断面図である。 【図2】同上飼育容器を示す斜視図である。 【図3】飼育装置の一例を示す断面図である。 【図4】同上飼育装置を示す斜視図である。 【図5】同上飼育装置の別の一例を示す斜視図である。 【図6】同上飼育装置の更に別の一例を示す斜視図である。 【図7】気泡分散器の一例を示す斜視図である。 【符号の説明】 【0059】 1 水槽 3 甲殻類 5 飼育容器 7 底面 9 メッシュ 11 架台 13 開口部 15 飼育水 17 飼育水供給手段 19 注水口 20 飼育水供給管 21 気泡 23 気泡供給手段 25 通気管 27 気泡分散器 29 透孔 31 水流 33 注水口 35 排出口 37 蓋 39 光源 41 水温調節機 43 水槽内水温調節機 45 浄化手段 47 循環ポンプ
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| 【出願人】 |
【識別番号】590002389 【氏名又は名称】静岡県
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| 【出願日】 |
平成18年8月8日(2006.8.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082913 【弁理士】 【氏名又は名称】長野 光宏
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| 【公開番号】 |
特開2008−35800(P2008−35800A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月21日(2008.2.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−215625(P2006−215625) |
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