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【発明の名称】 魚釣り用の錘
【発明者】 【氏名】地原 孝夫

【要約】 【課題】飛距離を伸ばすことができ、静かに着水して水中を潜航することができ、魚の好奇心をあおる動きをすることができ、水底からの浮き上がりが速く、根がかりトラブルが少ない、魚釣り用の錘を提供する。

【構成】錘1の外周翼2は、軸Gと、軸Gを中心として直交し回転自在に設置された連結翼3としての4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dと、4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dの外周に設置された円筒状の外周翼2とを一体形成している。外周翼2の一方は、両側に環a1,a2を有する1つの針金Gを略中央で180度曲げて外周翼2の中心穴hに通し、中心穴hより大きく広げた針金Gの曲げ部分bで係止され、外周翼2の他方は、環a1を有する針金Gの一方を外周翼2に対して略90度に曲げた点で係止され、金具Gは、外周翼2の他方に垂直尾翼Tを備える構成となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気や海水・河川水を通過させる筒状の外周翼と、この外周翼と連結される連結翼とを備え、これら外周翼と連結翼は、錘を接続する金具を中心軸として構成されていることを特徴とする魚釣り用の錘。
【請求項2】
前記筒状の外周翼は、円筒状であり、前記連結翼は、前記軸と外周翼を断面が放射状に交差する板状の連結羽根として複数枚設けられるとともに、その中心部に前記錘を接続する金具を通す中心穴が形成されていることを特徴とする請求項1項記載の魚釣り用の錘。
【請求項3】
前記複数枚の連結羽根は、その前方端に回転力を付与する傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の魚釣り用の錘。
【請求項4】
前記円筒状の外周翼の開口部は、前記複数枚の連結羽根より突出していることを特徴とする請求項2または3記載の魚釣り用の錘。
【請求項5】
前記外周翼は、前記連結翼に対して低比重物質で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の魚釣り用の錘。
【請求項6】
前記 連結翼は、タングステン合金で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の魚釣り用の錘。
【請求項7】
前記錘を接続する金具は、両側に環を有する1つの針金を略180度曲げて前記外周翼の中心穴に通し、針金の曲げ部分を中心穴より大きく広げて形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の魚釣り用の錘。
【請求項8】
前記錘を接続する金具は、垂直尾翼を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項記載の魚釣り用の錘。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣り用の錘に係り、特に、錘を接続する金具を介して取り付けられて釣りができる魚釣り用の錘に関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣りは古来より行われてきたが、近年、レジャーとしての魚釣り人口は1000万人超ともいわれ、釣り愛好家がとても多い。釣りの技術と道具は、餌釣り、トローリング、投げ餌釣り、フライフィッシングの4つの基本的な方法に即して徐々に発達している。
【0003】
投げ餌釣りとは、魚のいるポイントが遠くにあるときに、錘を使って、エサのついた仕掛けを遠くに投げて魚を釣る釣り方である。従来の投げ釣り用錘としては、特許文献1のように、流線形状の外面に一対の回転防止翼を有する金属製の錘がある。また、特許文献2のように、V字状又はY字状の紙飛行機をイメージした錘がある。さらに、根がかり防止目的としては、特許文献3のように、軸杆部分を釣り糸のねじれを解く方向に回転させるプロペラ型の羽根車部分を有する釣り糸の縒り修正具が開示されている。
【特許文献1】特開平11−289939号公報
【特許文献2】特許第3457207号公報
【特許文献3】実開平4−30870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、錘を使ってまっすぐに遠方に投げることは、実際には容易ではない。上記特許文献1記載の錘は、流線形状を有しており前方に飛び易い形状となってはいるが、反面、釣り糸の捩れを防止するための回転防止翼を有していることから、錘の飛行軌跡が放物線を描くため、飛行ロスがあり、かつ錘の着水点が不正確となる。また、上記特許文献2記載の錘は、V字状又はY字状の紙飛行機をイメージした翼を有し、プラスチックに金属板を埋設し軽量化を図っているため、飛行距離は向上するが、反面、翼が周囲の風の影響を受けやすく、左右の翼に加わる風の力のバランスがとれず、きりもみ状態(飛行物体が失速した後、螺旋状に旋回しながら急降下する状態)になり易いため、錘の着水点は不確かである。さらに、上記特許文献3記載の釣り糸の縒り修正具は、軸杆部分を釣り糸のねじれを解く方向に回転させるプロペラ型の羽根車部分を有しており、着水後に、植物などの根に錘が引っ掛かる根がかり防止としての効果はあるが、反面、それぞれの羽根車の羽根に加わる風の力のバランスがとれず、きりもみ状態になり易いため、錘の着水点は不確かである。このように、従来の投げ釣り用錘は、たとえ遠くに飛ばすことができたとしても、一方でその着水点は不確かであった。
【0005】
また、従来の投げ釣り用錘は、着水時に水しぶきがあがりやすく、水中の魚が驚いて離散する可能性が高い。例えば、上記特許文献2および上記特許文献3記載の錘は翼またはプロペラ型の羽根車を有しており、錘の構成上、翼または羽根車の羽根部などの広い面積で一度に着水しやすく、着水時に水しぶきがあがり、水中の魚が驚いて離散する可能性が高い。また、従来の投げ釣り用錘は、錘の先端部が重くなっており、着水後は、そのまま水底まで垂直に沈むため、錘の潜航距離が伸びない。
【0006】
また、従来の投げ釣り用錘は、コントロールが容易ではないため、錘自体で魚の好奇心をあおるような動き(魚がエサに食いつくような動き)は得られない。また、従来の投げ釣り用錘は、外周部に引っ掛かりがあり、水底からの浮き上がりが悪い。 例えば、上記特許文献1や上記特許文献2記載の錘は、水中で植物などの根に錘が引っ掛かる根がかりなどのトラブルを起こしやすい。
【0007】
上述のように、投げ釣り用錘に関しては、遠くに飛ばすこと、正確に飛ばすこと、静かに着水すること、水中を潜航すること、魚の好奇心をあおる動きをすること、水底からの浮き上がりが速いこと、根がかりトラブルが少ないことの要件は、いずれも投げ釣り用錘の役割として重要なものである。しかしながら、従来の投げ釣り用錘には、上記要件のうち単一の機能を有する錘は存在するが、複数ないし全ての機能を有する錘は存在しない。
【0008】
そこで本発明の目的は、飛距離を伸ばすことができ、静かに着水して水中を潜航することができ、水底からの浮き上がりが速く、魚の好奇心をあおる動きをすることができ、根がかりトラブルが少ない等の種々の利点のある魚釣り用の錘を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明の魚釣り用の錘は、空気や海水・河川水を通過させる筒状の外周翼と、この外周翼と連結される連結翼とを備え、これら外周翼と連結翼は、錘を接続する金具を中心軸として構成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明においては、錘を接続する金具に釣り糸を付けて、リール等により錘を飛ばすと、空気が筒状の外周翼に流入することで、飛行中の空気抵抗を抑え、飛行距離を延ばすことができる。また、外周翼と連結翼が錘を接続する金具を中心軸としているので、重心は中心軸と一致するため、まっすぐに飛ばすことができる。加えて、前記外周翼と連結翼が錘を接続する金具を中心軸として回転することも可能であり、錘が回転することにより重心は常に中心軸と一致し、きりもみ状態とならずに飛行姿勢が安定する。また、着水・入水に際しては、筒状の外周翼により水しぶきがあがる事態が抑制されることとなる。そして、着水・入水した後は、海水・河川水が筒状の外周翼に流入することで、水の抵抗を抑え、潜行距離を延ばして、ゆっくり海底や川底等に到達する。また、着底後、錘を引き揚げる際にも水が外周翼内に流入することで、引き揚げ易くなる。加えて、外周翼が回転することも可能であり、これにより、根がかりなどのトラブルを未然に防止できる。
【0011】
本発明としては、前記筒状の外周翼は、円筒状であり、前記連結翼は、前記軸と外周翼を断面が放射状に交差する板状の連結羽根として複数枚設けられるとともに、その中心部に前記錘を接続する金具を通す中心穴が形成されていることが好ましい。
【0012】
この発明においては、前記筒状の外周翼は、円筒状であることにより、角形等の筒状よりも外周翼の回転力が得やすくなり、また、前記軸と外周翼を断面が放射状に交差する板状の連結羽根として複数枚設けられていることにより、円筒状の外周翼の内部に空気や海水・河川水を流入しやすくし、さらに、複数枚の連結羽根とすることにより、円筒状の外周翼に揚力が生じ易くなる。このため、外周翼が安定して回転して、正確にまっすぐな方向性を保つ役割を果たすこととなる。
【0013】
本発明としては、前記複数枚の連結羽根は、その前方端に回転力を付与する傾斜部が形成されていることが好ましい。
【0014】
この発明においては、前記複数枚の連結羽根がその前方端に傾斜部を有することにより、外周翼と連結翼とを回転し易くし、錘を飛ばす際に空気が外周翼に流入して、前記複数枚の羽根に揚力が生じ易くなるとともに、外周翼が安定して回転して、正確にまっすぐな方向性を保つ役割を果たすこととなる。
【0015】
本発明としては、前記円筒状の外周翼の開口部は、前記複数枚の連結羽根より突出していることが好ましい。
【0016】
この発明においては、前記円筒状の外周翼の開口部が前記複数枚の連結羽根より突出していることにより、前記錘が着水する際、前記円筒状の外周翼が水しぶきを取り込むことで、着水時に水しぶきがあがり難くなる。また、着底後は、魚を誘うため道糸をゆっくり引くと、前記円筒状の外周翼の内側に砂等が入る。また、道糸をすばやく引くと、前記円筒状の外周翼の外側に砂等を吐き出して、浮上する。上述の動作を2〜3回繰り返すと、容易に砂煙を作り出すことができ、錘自体の動きで容易に魚の好奇心をあおることができる。
【0017】
本発明としては、前記外周翼は、前記連結翼に対して低比重物質で形成されていることが好ましい。
【0018】
この発明においては、前記外周翼が前記連結翼に対して低比重物質で形成されていることで、中心軸に近い前期連結翼の重量が中心軸から離れた前記外周翼に対して重くなるため、重心は中心軸から外れることはなく、飛行姿勢が安定してまっすぐに飛ぶ。また、着水、入水後は、前記外周翼は前記連結翼に対して低比重物質で形成されているため、前記外周翼が水に沈む割合は前記連結翼よりも小さく、その結果、前記錘は斜め前方に進むため、潜航距離をさらに延ばして、ゆっくりと海底や川底等に到着する。
【0019】
本発明としては、前記連結翼は、タングステン合金で形成されていることが好ましい。
【0020】
この発明においては、前記連結翼がタングステン合金で形成されていることにより、体積のスリム化が図れるため、空気抵抗を少なくして飛行距離を延ばすことができる。また、タングステン合金は鉛に比べて環境特性に優れている。
【0021】
本発明としては、前記錘を接続する金具は、両側に環を有する1つの針金をほぼ180度曲げて前記外周翼の中心穴に通し、針金の曲げ部分を中心穴より大きく広げて形成されていることが好ましい。
【0022】
この発明においては、1つの針金を略中央でほぼ180度曲げて前記外周翼の中心穴に通すことにより、前記錘が回転するための回転軸と道糸を通す環を有するいわゆる天秤とを同時に簡単な構成で得ることができる。そして、上記針金の曲げ部分を中心穴より大きく広げて形成されていることにより、前記外周翼と連結翼から構成される魚釣り用の錘の抜け落ちが防止される。
【0023】
本発明としては、前記錘を接続する金具は、垂直尾翼を有することが好ましい。
【0024】
この発明においては、前記錘を接続する金具が垂直尾翼を有することにより、いわゆる風見安定によって前記錘がまっすぐに飛ぶのを助けると共に、前記金具自体の回転を防止するため、道糸が縒れることがない。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、筒状の外周翼と連結翼とが錘を接続する金具を中心軸として構成されていることにより、筒状の外周翼に空気や水を取り込んで飛距離を伸ばすことができるとともに、静かに着水して水中を潜航する距離を伸ばすことができる。また、その回転によりまっすぐな方向性を持たせて飛距離や潜行距離を伸ばして、海底や川底等にゆっくりと到達する。さらに、水底からの浮き上がりが速く、魚の好奇心をあおる動きをすることができ、根がかりトラブルが少ない等の種々の効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
(第1の実施例)
本発明の一実施の形態の魚釣り用の錘は、図1に示すように、外周翼2と、この外周翼2と連結される連結翼3とを備え、錘を接続する金具Gを軸として回転可能に構成されている。この錘を接続する金具Gは、釣り糸Yのもつれを防ぐものであり(天秤と呼ばれる)、針金が使用されているが、この金具Gを軸として取り付けられている。図1は、本発明の一実施の形態の魚釣り用の錘を表したものである。図2は、図1における連結翼3の構成をわかりやすくするため、外周翼2と垂直尾翼Tを連結翼3から切り離して表したものである。図3は、図1における金具Gと連結翼3との位置関係と連結翼3における傾斜部Saの位置をわかりやすくするため、中心軸方向の断面とA断面、B断面を表したものである。
【0028】
錘を接続する金具Gは、両側に環a1,a2を有する1つの針金Gを略中央でほぼ180度に曲げて、釣り糸Yのもつれを防ぐ。上記連結翼3には、針金Gを通す中心穴hが形成されている。連結翼3は、外周翼2とともに、「翼」の昨日を有するものであり、本実施の形態では、金具(軸)Gと外周翼2を断面が放射状に交差する板状の連結羽根として複数枚設けられるとともに、その中心部に前記錘を接続する金具Gを通す中心穴が形成されている。上記連結翼3は、4枚の板状の連結羽根3a,3b,3c,3dを十字に配置し、軸Gを中心として連結翼3としての4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dが外周に設置された円筒状の外周翼2との連結をはかっている。外周翼2は、筒状を呈し、この中に空気や海水・河川水を通過させることにより、飛距離や潜行距離を伸ばすことができるとともに、着水・入水に際しては、水しぶきがあがることを抑制する働きをする。外周翼2の形態としては、角形でも良いが、円筒形状が好ましい。回転がし易い(回転抵抗が少ない)からであり、また、複数の連結翼3との連結の均衡(連結距離の均衡)が図られるからであり、さらに、横風を受けても安定姿勢を保持するからである。
【0029】
外周翼2の一方は、中心穴hを通した針金Gの曲げ部分bで係止され、外周翼2の他方は、環a1を有する針金Gの一方を外周翼2に対して略90度に曲げた点で係止される。 また、環a2を有する針金Gの他方は外周翼2の軸Gの延長線上にある。このため、外周翼2と連結翼3は、軸Gを中心として回転自在となる。環a1,a2を有する針金Gは、L字型のいわゆる天秤形状を呈しており、仕掛けの付いた道糸Yを環a1に通した後、道糸Yを環a2に通すことにより、魚の好奇心をあおる仕掛けの動きをさせる。
【0030】
錘1を接続する金具Gは、外周翼2の他方に、垂直尾翼Tを備えている。垂直尾翼Tは、強化プラスチック製の2枚の板T1,T2を貼り合わせて形成されている。垂直尾翼Tは略四角形状となっており、その直交する2辺には、それぞれ針金Gを嵌め合わせる溝部Ta,Tbが形成されている(図2)。環a1を有する外周翼2に対して略90度に曲げた針金Gの一方は溝部Taに嵌め合わされ、環a2を有する外周翼2の軸Gの延長線上にある針金Gの他方は溝部Tbに嵌め合わされて、垂直尾翼Tと金具Gとを固定する。このため、外周翼2の他方にある針金GのL字型部分は、ねじれることなく略90度の関係を保つ。従って、垂直尾翼Tは、いわゆる風見安定によって錘1がまっすぐに飛ぶのを助けると共に、金具G自体の回転を防止するため、道糸Yが縒れることがない。なお、ここでは、錘1に垂直尾翼Tのみを取り付けたが、錘1の前後の飛行姿勢をより安定させるために、水平尾翼を付け加えても良い(図示せず)。
【0031】
ここで、環a1,a2は、針金Gを1.5から2周回して形成されており、道糸Yをぴんと張って環の周側面から中央に向かって入れ込むと、環になって重なっている針金同士が開くことにより、容易に道糸Yを環a1,a2の中に通すことができる。また、一度、環a1,a2を通った道糸Yは、環になって重なっている針金同士が閉じていることにより、環a1,a2から外れることはない。
【0032】
上記連結翼3としての4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dの先端には、それぞれ傾斜部Saを有する(図3)。この傾斜部Saは、空気や海水・河川水を受けて連結翼3に回転力を付与するものであり、4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dの進行方向の縁は同じ方向に傾斜して形成されている。つまり、複数枚の連結羽根3の回転方向と反対側(複数枚の連結羽根3の板厚面)に対して傾斜部3a,3b,3c,3dを各々同じ方向に形成している。
【0033】
このため、錘1を投げると、錘1は矢印Fの方向に飛び、外周翼2に空気が流入する。流入した空気の流速は、傾斜部Saを有する面が傾斜部Saを有しない面に比べて遅くなり空気の圧力が大きくなるため、前方側から後方側に向かって揚力が生じ、外周翼2が回転する。外周翼2の回転にともない、直進性が高まるとともに推進力が生じる。なお、図1では、外周翼2は、右回転しながら前進する。また、錘1は、着水,入水後には、海水・河川水が外周翼2に流入し、前述と同様、右回転しながら前進することとなる。 このように、空気や海水・河川水が4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dに揚力を与え外周翼2が安定して回転することで、直進性を高めるとともに推進力を生じさせる。回転が伴わない錘に比較して回転が伴う錘1は、直進性を維持して飛距離を伸ばすことができるからである。
【0034】
一方、着水,入水,着底後、錘1を引き揚げる際には、錘1は矢印Bの方向に引き揚げられ、水が外周翼2に流入して、流入した水の流速は、連結翼の3の前方の傾斜部Saを有する面が後方(傾斜部Saを有しない面)に比べて遅くなり水の圧力が大きくなるため、前方側から後方側に向かって揚力が生じ、外周翼2が回転する。外周翼2の回転にともない、直進性が高まるとともに推進力が生じる。4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dに揚力を与え連結翼3と外周翼2が安定して回転するため、根がかりなどのトラブルを未然に防止できる他、揚力による推進力により、錘1の引き揚げが容易となる。
【0035】
外周翼2と連結翼3は、鋼鉄製等でも良いが、ここではタングステン合金を金属粉末射出成形で一体形成されている。タングステン合金の比重は、鉄の2.4倍、鉛の1.5倍と重く、体積のスリム化により空気抵抗が格段に小さくなり、その分飛行距離が伸びる。また、タングステン合金は、鉛に比べて、環境特性に優れている。なお、外周翼2と連結翼3は、ここでは一体形成しているが、外周翼2と連結翼3をそれぞれ成形した後、溶接や接着剤による接着などにより接合することも可能である。また、外周翼2と連結翼3を成形後、めっき処理することにより、さらに見栄えをよくすることもできる。
【0036】
ここで、図1に示す上記実施の形態では、連結翼3は、4枚の板状の連結羽根を十字に配置させ、軸Gを中心として4枚の連結羽根3が外周に設置された円筒状の外周翼2との連結をはかっているとして説明したが、連結翼3は、複数枚設けられていれば良く、上述した実施の形態に限定されるものではない。連結翼3の連結羽の枚数としては、上記4枚のほか、図4に示すように、図4(a)のように2枚としたり、図4(b)に示すように3枚としたり、図4(c)に示すように6枚としたりすることができる。連結翼3の連結羽の枚数が1枚の場合は、重心の位置と回転中心の位置が一致しないため、バランスが崩れて、きりもみ飛行し易くなるが、連結翼3の連結羽の枚数が複数枚の場合(2枚以上)は、重心の位置と回転中心の位置が一致するため、バランスがよく、直進性が高まり、きりもみ飛行の心配がない。連結翼3の連結羽の枚数が多くなるに従い、連結翼3は空気を受ける面積が増大するため、揚力が大きくなり、回転力が増して、推進力が大きくなるので、より遠くに錘1を飛ばすことができる。反面、連結翼3の連結羽の枚数が多くなると、空気抵抗が大きくなり、逆に失速し易くなる。
【0037】
(第2の実施例)
外周翼2を強化プラスチックで形成した場合の本発明の一実施の形態の魚釣り用の錘を、図5に示す。図5(a)は、錘1の斜視図であり、図5(b)は、錘1を前方から見た断面模式図である。
円筒状の外周翼2は、その内周部に、連結翼3の4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dに対応した溝1a,1b,1c,1dを備えている。連結翼3の4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dは外周翼2の溝1a,1b,1c,1dに嵌め込んで固定する。ここでは、外周翼2と連結翼3は、嵌め合いで固定するが、接着剤等での固定でも良い。
【0038】
外周翼2は、強化プラスチックで形成されているため、外周翼2の比重は連結翼3に対して小さく(軽く)、中心軸Gに近い連結翼3の重量が中心軸Gから離れた外周翼2に対して重くなるため、重心は中心軸から外れることはなく、飛行姿勢が安定してまっすぐに飛ぶ。また、錘1が着水、入水後は、外周翼2は連結翼3に対して比重が小さいため、外周翼2が水に沈む割合は連結翼3よりも小さく、その結果、錘1は斜め前方に進むため、潜航距離をさらに延ばして、ゆっくりと海底や川底等に到着する。
【0039】
また、外周翼2を連結翼3に対して比重が小さい物質で形成することにより、錘1の設計の自由度が大きくなる。 例えば、外周翼2が強化プラスチックで形成されており、連結翼3がタングステン合金で形成されている場合では、錘1の重量は、ほぼ連結翼3の形状で決まるため、外周翼2の取り得る形状の範囲は広い。しかし、錘1全体がタングステン合金で形成されている場合は、錘1の重量は、外周翼2と連結翼3を合わせた重量となるため、外周翼2の取り得る形状の範囲は狭い。
さらには、比重の小さい強化プラスチックに比重の大きいタングステン合金等のパウダーを混ぜることで、外周翼2の比重調整も応用可能である。
【0040】
なお、この錘1は、錘本体(外周翼2と連結翼3)の重量を70gから130gに調節している。外周翼2と連結翼3の重量を70gから130gとすることで、子供から大人まで幅広い年齢層の釣り人が錘を投げやすく、さらに錘のコントロールが容易となるためである。
【0041】
(第3の実施例)
円筒状の外周翼2の開口部を連結翼3の4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dより突出している覆うように構成された実施の形態の魚釣り用の錘である(図6)。
【0042】
円筒状の外周翼2が連結翼3の4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dよりも前方に突出しているため、円筒状の外周翼2内に取り込んだ空気(風)や水をすばやく回転方向の力に作用させる構成として、着水する際、円筒状の外周翼2が水しぶきを取り込み、着水時に水しぶきが更にあがり難くなる。さらに、入水後は、外周翼2への水の流入速度に対して水の流出速度が高くなり、推進力が増し、斜め前方に進むため、潜航距離をさらに延ばして、ゆっくりと海底や川底等に到着する。また、着底後、錘1を引き揚げる際にも水が前方側から多く流出し後方側からは水の流出速度が幾分高くなることから、引き揚げやすくなる。さらに、着底後は、道糸Yをゆっくり引くと、円筒状の外周翼2の内側に砂等が入る。また、道糸Yをすばやく引くと、円筒状の外周翼2の外側に砂等を吐き出して、浮上する。上述の動作を2〜3回繰り返すと、容易に砂煙を作り出すことができ、錘1自体の動きで容易に魚の好奇心をあおることができる。
【0043】
したがって、この魚釣り用の錘1は、錘を接続する金具Gに釣り糸Yを付けて、リール等によりこの魚釣り用の錘1を飛ばすと、空気が外周翼2内部(外周翼2と連結翼3の空隙)に流入することで、揚力を有効に生じさせ、飛行距離を延ばすことができる。加えて、連結翼3の傾斜部Saで受けた風により連結翼3と外周翼2が回転することにより(円筒状の外周翼2内に取り込んだ空気(風)や水をすばやく回転方向の力に作用させることにより)、更に飛ぶ方向の直進性を保とうとする働きをする。また、着水・入水に際しては、筒状の外周翼2により水しぶきがあがる事態が更に抑制されることとなる。つまり、きりもみ状態(飛行物体が失速した後、螺旋状に旋回しながら急降下する状態)になり難く、釣りのポイントに向かってまっすぐに飛行する。また、筒状の外周翼2が囲むように水表面に被さるようになるので、水しぶきがあがる事態が抑制される。そして、着水・入水した後は、海水・河川水が筒状の外周翼2に流入することで、水の抵抗を抑え、潜行距離を延ばして、ゆっくりと海底や川底等に到達することとなる。また、着底後、円筒状の外周翼2の外側に砂等が入り、吐き出すことで容易に砂煙を作り出すことができ、錘1自体の動きで容易に魚の好奇心をあおることができる。錘1を引き揚げる際にも水が外周翼2に流入することで、引き揚げ易くなるとともに、外周翼2が回転することにより、根がかりなどのトラブルを未然に防止できる。
【0044】
(第4の実施例)
図7(a)(b)は、上記連結翼3の4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dは、各々が流線型(翼型)を呈する実施例である。すなわち、4枚の連結羽根3a,3b,3c,3dの厚さが、その前方側が厚く後方に向かって徐々に薄くなっている。これにより上記傾斜部Saも前方側から後方側に向かってその面積が小さくなるようになっている。したがって、風や海水等との接触により連結翼3と外周翼2が回転し易くなるとともに、浮力や揚力も生じやすくなる設計になっている。
【0045】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、軸Gは、両側に環a1,a2を有する1つの針金Gを略中央で180度曲げて前記外周翼2の中心穴hに通し、針金Gの曲げ部分bを中心穴hより大きく広げて形成した構成となるとして説明したが、本発明は、1つの金属棒をそのまま外周翼2の中心穴hに通し、外周翼2の前方で先端をつぶして係止部とし、外周翼2の後方に、環a1,a2を有する針金を巻いて金属棒に溶接するなどして係止部とすることも可能である。
【0046】
また、錘の外形に魚に似せた塗装を施して、魚の好奇心をあおることも可能である。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態における斜視図である。
【図2】上記第1の実施の形態を分解した状態で示す斜視図である。
【図3】上記第1の実施の形態の断面図である。
【図4】上記第1の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における図であり、(a)はその斜視図であり、(b)は連結羽根の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 魚釣り用の錘、
G 錘を接続する金具(軸、針金)、
a1,a2 環、
b 曲げ部分、
2 外周翼、
3 連結翼(連結羽根)、
Sa 傾斜部、
T 垂直尾翼、
Y 釣り糸(道糸)

【出願人】 【識別番号】301013907
【氏名又は名称】地原 孝夫
【出願日】 平成18年8月2日(2006.8.2)
【代理人】 【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平


【公開番号】 特開2008−35729(P2008−35729A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−211292(P2006−211292)