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【発明の名称】 鮎友釣り用仕掛け
【発明者】 【氏名】堀口 泰志

【氏名】堀口 亜土

【要約】 【課題】抜けにくい逆さ針と、根掛かりを防止し、背掛かりの確立を高くする構造を備え、糸通しを容易にかつ短時間で行うことを可能とし、従来の仕掛けよりも広い範囲で野鮎を捕獲できる、鮎の友釣り用の仕掛けを提供すること。

【構成】逆さ針6にコ字状の狭持部24を設け、逆さ針6の先端部に道糸通し部25を設け、逆さ針6に糸通し部27を設け、鉤素止め8を逆さ針6に回動可能に取り付け、鉤素9の両端に掛け鉤10を回動可能に取り付け、前記鉤素止め8に前記鉤素9を二又の状態に取り付け、前記鉤素止め8に鉤素形状保持部11を設けた、鮎の友釣り用の仕掛け3を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鮎友釣り用仕掛けにおいて、鉤素や掛け鉤のふらつきを抑えるために囮鮎に取り付ける逆さ針であって、略直線形状部分を有する針先と、囮鮎の体内に差し込まれた前記針先との間で該囮鮎の体の少なくとも一部を挟み込む挟持部とを備え、前記針先の略直線形状部分と、前記挟持部とが略平行に形成されていることを特徴とする、逆さ針。
【請求項2】
鮎友釣り用仕掛けにおいて、囮鮎に取り付ける逆さ針であって、囮鮎に取り付けた状態において鮎の頭部側となる端部に、道糸通し部を設けたことを特徴とする、逆さ針。
【請求項3】
鮎友釣り用仕掛けにおいて、逆さ針に連結された糸状の鉤素止め支持材に取り付けられる鉤素止めであって、前記鉤素止めを、前記鉤素止め支持材を軸として回動可能に構成したことを特徴とする、鉤素止め。
【請求項4】
前記鉤素止めに、鉤素が二又に広がった状態を保持する、鉤素形状保持部を設けたことを特徴とする、請求項3に記載の鉤素止め。
【請求項5】
鮎友釣り用仕掛けにおいて、鉤素止めに取り付けられる鉤素であって、前記鉤素止めに二又状態に取り付けられた一本の糸状部材と、前記糸状部材の両端に該糸状部材を中心として回動可能に設けた掛け鉤とを、備えることを特徴とする鉤素。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鮎の友釣り用の仕掛けの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鮎の友釣りとは、鮎の習性を利用した釣りの手法である。野鮎は、川底の石の周りに特定の縄張りを持っており、他の鮎が縄張りに入り込むと、侵入者の横腹を目掛けて激しく体当たりをし、縄張りを守ろうとする習性を持っている。そこで、図21に示すように、生きた鮎を囮鮎2として仕掛けを取り付け、野鮎1の縄張りを泳がせ、囮鮎2に攻撃を仕掛けてきた野鮎1が掛け鉤に掛かったところを釣り上げるのである。
【0003】
従来より、囮鮎に取り付ける仕掛け3’は、図22に示すように、囮鮎2を攻撃してきた野鮎1を釣るための掛け鉤10’と、掛け鉤10’のふらつきを抑えるために、囮鮎2の尻ビレ付近に取り付ける逆さ針6’と、囮鮎2の鼻に通す鼻環4と、逆さ針6’と鼻環4とを繋ぐ道糸5とを備えている。
しかし、この仕掛けは、次のような問題点や改善点を抱えるものであった。
【0004】
まず、逆さ針には、抜け易いという問題があった。逆さ針が抜けていないかどうかを確かめるためには、囮鮎を引き上げて点検をしなければならないが、点検を繰り返すことによって囮鮎が弱ってしまうため、抜けにくい逆さ針が求められてきた。
【0005】
次に、仕掛けは小さいものであり、釣り糸は細く絡まりやすいものであるため、仕掛けに糸を通すことが困難であった。また、糸通しに時間を取られることで、鮎を釣る機会を逃してしまうという問題があった。そこで、短時間でかつ簡単に糸通しを行うことが求められてきた。
【0006】
また、野鮎は、川底の石の周りに縄張りを持っているので、掛け鉤が、水中の岩や石等の障害物に引っ掛かり、根掛かりを起こし易いという問題があった。
【0007】
さらに、友釣りでは、掛け鉤が野鮎の背中に掛かる背掛かりが、最も好まれるところである。掛け鉤が、野鮎の頭や腹に掛かると、野鮎は直ぐに死んでしまうので、新たな囮鮎を確保することが出来ないのである。しかし、野鮎の背中に掛け鉤が掛かると、野鮎を生きた状態で捕獲することが可能となる。その結果、新たな囮鮎を確保することが出来、また、鮮度の高い鮎を提供することが可能となる。しかし、野鮎の攻撃は激しく、動きも素早いため、背掛かりは難しく、背掛かりの確立が低い、という問題があった。
これらの問題を解決するための発明が、これまでも提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2に記載の技術である。
【0008】
特許文献1が提案する、鮎友釣り用逆さ針は、逆さ針の針軸に固定用突起を延出し、固定用突起と針先との間に隙間を設け、逆さ針を囮鮎に刺し入れて、囮鮎の身体の一部を隙間に挟み、囮鮎に逆さ針を固定するものである。しかし、この発明では、固定用突起と針先とが対峙する距離は短く構成されている。したがって、逆さ針を囮鮎に強固に固定することは出来ず、逆さ針を囮鮎に取り付けた後、逆さ針が揺れ動いて、囮鮎から外れてしまう恐れがある。
また、特許文献2が提案する、鮎友釣り用チラシ仕掛は、鉤素に対して掛け鉤の軸部を沿わせた状態にして巻き付けることによって、掛け鉤を移動可能な状態にして取り付けるとともに、掛け鉤を任意の位置で固定し得るように構成したものである。しかし、掛け鉤を鉤素に巻き付ける時点では、移動が可能であっても、一度掛け鉤を巻き付けると、掛け鉤の位置と、針先の方向は固定されることになる。したがって、掛け鉤が水中で揺れ動き、岩等に引っ掛かることを防止することは出来ないものである。
【0009】
【特許文献1】特開2000−166446号公報
【特許文献2】特開2002−199831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明では、抜けにくい逆さ針と、根掛かりを防止し、背掛かりの確立を高くする構造を備え、糸通しを容易にかつ短時間で行うことを可能とし、従来の仕掛けよりも広い範囲で野鮎を捕獲できる、鮎の友釣り用の仕掛けを提供することを、目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、請求項1においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、鉤素や掛け鉤のふらつきを抑えるために囮鮎に取り付ける逆さ針であって、略直線形状部分を有する針先と、囮鮎の体内に差し込まれた前記針先との間で該囮鮎の体の少なくとも一部を挟み込む挟持部とを備え、前記針先の略直線形状部分と、前記挟持部とが略平行に形成されているものである。
【0013】
請求項2においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、囮鮎に取り付ける逆さ針であって、囮鮎に取り付けた状態において鮎の頭部側となる端部に、道糸通し部を設けたものである。
【0014】
請求項3においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、逆さ針に連結された糸状の鉤素止め支持材に取り付けられる鉤素止めであって、前記鉤素止めを、前記鉤素止め支持材を軸として回動可能に構成したものである。
【0015】
請求項4においては、前記鉤素止めに、鉤素が二又に広がった状態を保持する、鉤素形状保持部を設けたものである。
【0016】
請求項5においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、鉤素止めに取り付けられる鉤素であって、前記鉤素止めに二又状態に取り付けられた一本の糸状部材と、前記糸状部材の両端に該糸状部材を中心として回動可能に設けた掛け鉤とを、備えるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
請求項1においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、鉤素や掛け鉤のふらつきを抑えるために囮鮎に取り付ける逆さ針であって、略直線形状部分を有する針先と、囮鮎の体内に差し込まれた前記針先との間で該囮鮎の体の少なくとも一部を挟み込む挟持部とを備え、前記針先の略直線形状部分と、前記挟持部とが略平行に形成することによって、逆さ針を囮鮎に固定することが可能となり、囮鮎から外れることを防止することが可能となる。
【0019】
請求項2においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、囮鮎に取り付ける逆さ針であって、囮鮎に取り付けた状態において鮎の頭部側となる端部に、道糸通し部を設けたことによって、糸通しを容易にかつ短時間で行うことが可能となる。
【0020】
請求項3においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、逆さ針に連結された糸状の鉤素止め支持材に取り付けられる鉤素止めであって、前記鉤素止めを、前記鉤素止め支持材を軸として回動可能に構成したことによって、鉤素同士が絡まることを防止することが可能となるものである。
【0021】
請求項4においては、前記鉤素止めに、鉤素が二又に広がった状態を保持する、鉤素形状保持部を設けたことによって、鉤素の形状を保持し、鉤素同士が絡まることを防止することが可能となるものである。
【0022】
請求項5においては、鮎友釣り用仕掛けにおいて、鉤素止めに取り付けられる鉤素であって、前記鉤素止めに二又状態に取り付けられた一本の糸状部材と、前記糸状部材の両端に該糸状部材を中心として回動可能に設けた掛け鉤とを、備えることによって、掛け鉤の根掛かりを防ぎ、背掛かりの確立を高くすることを可能とし、広い範囲で野鮎を捕獲することを可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は友釣りの仕掛け3を示した図、図2は逆さ針6の実施例を示した斜視図、図3は狭持部24と針先23とを示した拡大図、図4は逆さ針6の使用状態図、図5は略U字状の狭持部24を有する逆さ針6の使用状態図、図6は道糸通し部25の拡大図、図7は道糸通し部25に道糸5を取り付ける方法を説明する図、図8は糸通し部27に鉤素止め支持材7を取り付ける方法を説明する図、図9、図10は糸通し部27に鉤素止め支持材7を取り付ける方法を説明する図、図11、図12、図13は別形態の糸通しを示す拡大図、図14は掛け鉤を示す斜視図、図15は鉤素止めを示す側面図、図16は鉤素形状保持部11を示す図、図17は逆さ針に鉤素止めを取り付ける方法を説明する図、図18は鉤素の広がりを示す図、図19は囮鮎が泳いでいる時の掛け鉤の状態を示す図、図20は囮鮎2の下方を野鮎1が泳ぐ状態を示す図、図21は野鮎1が囮鮎の下方を泳ぐときの、掛け鉤の回転を示す図、図22は鮎の友釣りを表す図、図23は従来の仕掛け3を取り付けた囮鮎2の図である。
【0024】
本発明の実施例に係る仕掛け3は、図1に示すように、鼻環4と、該鼻環4に道糸5でつないだ逆さ針6と、該逆さ針6に鉤素止め支持材7を介して設けた鉤素止め8と、前記鉤素止め8に取り付けた鉤素(ハリス)9と、該鉤素9に取り付けた掛け鉤10とを、少なくとも備えてなるものである。前記鉤素止め8には、鉤素形状保持部11が設けられる。
以下、逆さ針6と、鉤素止め8と、鉤素形状保持部11と、鉤素9との構成について、それぞれ詳細に説明する。
【0025】
まず、逆さ針6の構成について、図2より説明する。
なお、図2に示すX方向は、逆さ針6を囮鮎2に固定した状態において、該囮鮎2の頭部側の方向を表している。以下、逆さ針6のX方向側を、逆さ針6の「頭部側」と記載し、その反対側を逆さ針6の「尾部側」と記載する。
【0026】
逆さ針6は、一本の線材からなり、針軸26の頭部側において逆方向に折れ曲がってフック部22が形成され、針軸26の尾部側に糸通し部27が形成される。
前記フック部22には、逆さ針6の頭部側から尾部側へ向かって伸びる略直線形状部分を少なくとも一部に有する針先23と、前記逆さ針6の頭部側の先端部に位置する道糸通し部25と、前記針軸26から針先23に近付く方向へ凸状に突出した挟持部24とが、形成される。
逆さ針6は、囮鮎2の尻ビレ付近に針先23を刺し入れるとともに、前記囮鮎2の一部を前記針先23と前記挟持部24とで挟み込むことによって、囮鮎2に固定するものである。
【0027】
逆さ針6の構成部のうち、狭持部24について図3より説明する。
図3に示すように、狭持部24は、針軸26の頭部側の線材を、針先23に近付く方向に、回転した略コ字状に折り曲げてなるものである。前記狭持部24には、針先23の略直線形状部分と略平行となるように、略直線形状部分である狭持辺24aが形成されており、前記狭持辺24aと前記針先23との間に、囮鮎2の身の一部を挟み込んで保持するために十分な狭さの隙間が形成される。針先23の略直線形状部分と対峙する、狭持辺24aの長さは、少なくとも0.5mmから10mmとなるように構成されている。
【0028】
なお、狭持部24と針先23との構成は、図3で示す構成に限定されるものではない。
上記において、狭持辺24aは略直線形状として、該狭持部24と囮鮎2とは線で接するように構成している。但し、狭持辺24aは略直線形状とすることに限定されず、狭持部24の少なくとも2点以上で囮鮎2に接するように、狭持部を波形状に形成することもできる。
【0029】
図4に示すように、逆さ針6を、囮鮎2の尻ビレ付近に刺し入れたとき、前記囮鮎2の一部を針先23と狭持部24の狭持辺24aとの隙間に挟むことによって、前記逆さ針6を前記囮鮎2に固定することが可能となる。
狭持部24は、狭持辺24aと針先23とが略平行となるように構成されており、図4に示すように、囮鮎2の身の一部が、針先23と狭持辺24aとに挟まれる。このとき、針先23と狭持辺24aとは、前記囮鮎2に対して、線と線で接して挟み込む構造となる。
この構造によると、囮鮎2を強固に固定することが可能であり、逆さ針6を囮鮎2に一度取り付けると、逆さ針6が揺れ動くことはない。
また、狭持部24と針先23との隙間を狭く形成することによって、逆さ針6を囮鮎2に、さらに強く固定することが可能となり、一度刺し入れた逆さ針6が抜けることを、防ぐことが可能となるのである。
逆さ針6を囮鮎2に一度取り付けると、前記逆さ針6が揺れ動くことはないので、鉤素止め8を延設した逆さ針6を、囮鮎2に取り付けた場合であっても、前記逆さ針6が揺れ動くことで、鉤素止め8が前記囮鮎2に接触したり、前記囮鮎2を傷つけたりすることも無い。
【0030】
仮に、例えば図5に示すように、狭持部24’を上下逆略U字状に形成した場合、囮鮎2と狭持部24’とは、該狭持部24’の頂点で接する。つまり、囮鮎2は線と点との間に挟まれる構造となるが、このような構造では、囮鮎を固定する針先23’と狭持部24’とが対峙する長さは短く、逆さ針6’を刺した後、狭持部24’の頂点を中心に、逆さ針6’が揺れ動き、逆さ針が囮鮎2から外れる恐れがある。
【0031】
次に、道糸通し部25について、図6、図7により説明する。
図6に示すように、道糸通し部25は、逆さ針6の頭部側の先端部を線材同士が重なるようにヘアピン状に二つ折りにして、頭部側へ突出させるようにして形成したものである。道糸通し部25では、重ね合わされた線材同士の間に生じる隙間25aに、道糸が通される。
道糸通し部25に道糸5を取り付けるには、図7に示すように、道糸通し部25と狭持部24との間に道糸5を通し、次に、前記道糸5の端部と、道糸通し部25を挟んで反対側の道糸5とを、隙間25aの方向に引っ張ることで、道糸5を該隙間25aの入口25bを通って隙間25aまで引き込み、最後に、前記道糸5の端部と前記道糸通し部25を挟んで反対側の道糸5とを結ぶことで、道糸通し部25への道糸5の糸通しが完了する。
このように、逆さ針6に通した道糸5を道糸通し部25の隙間25aの方向へ引っ張るだけで、糸通しが可能になるので、簡単にかつ短時間で、逆さ針6に道糸5を取り付けることが可能となる。
また、入口25bの幅は僅かであり、道糸5が前記入口25bを一旦通ると、前記入口25bの形状は素材の弾性回復により閉じた状態となるので、一度取り付けた道糸5が、入口25bから抜け出るおそれはないものである。
【0032】
次に、糸通し部27について、説明する。
図8に示すように、糸通し部27は、狭持部24と同じ折曲げ方向で、針軸26をヘアピン状に二つ折りにして形成する糸通し31と、針軸26を、針先23の延長方向に向かって、糸通しの折曲げ方向とは略直交する折曲げ方向に、ヘアピン状に二つ折りにして形成する糸通し32と、からなる。
糸通し31と糸通し32とは、隙間31a、32aと、針軸同士を重ねたときに生じる僅かな隙間からなる入口31b、32bと、からなるものである。
糸通し部27に鉤素止め支持材7を取り付けるには、図8に示すように、糸通し31の入口31bをまたいだ状態で鉤素止め支持材7を掛け、該鉤素止め支持材7の両端を隙間31aの方向に引っ張ることで、前記入口31bに糸を通し、次に、図9に示すように、前記鉤素止め支持材7を糸通し32の入口32bに掛けて隙間32aの方向に引っ張ることで、前記入口32bに鉤素止め支持材7を通し、最後に、図10に示すように、前記鉤素止め支持材7の端を、入口31bと入口32bとの間を通る道糸に交差させた後、糸通し32の入口32bに掛けて隙間32aの方向に引っ張ることで、前記入口32bに鉤素止め支持材7の端部を通せばよい。
このように、入口31b、32bに掛けた鉤素止め支持材7を隙間31a、32aの方向に引っ張るだけで、簡単にかつ短時間で鉤素止め支持材7を通すことが可能となる。
また、入口31b、32bの幅は僅かであり、鉤素止め支持材7が前記入口31b、32bを一旦通ると、前記入口31b、32bは素材の弾性回復により閉じた状態となるので、一度取り付けた鉤素止め支持材7が、入口31b、32bから抜け出るおそれはないものである。
【0033】
なお、糸通し部の形状は限定されるものではない。糸通し31、32を狭持部24に並列するように設け、略M字状の糸通し部27を形成することや、糸通し31、32を二つ形成することなく、糸通し31、32のうち何れか一つを形成することも可能である。
また、針軸26をヘアピン状に折り曲げる以外にも、図11に示すように、針軸26に糸等を巻き付けて環状の糸通しを形成することや、図12、図13に示すように、針軸26をコイル状やリング状に巻いて環部を形成することで、糸通しを形成することも可能である。また、針軸26に、糸通し穴を備えた部材を設ける構成でもよい。つまり、針軸26に環状の部材を設ける構成であればよい。
【0034】
次に、鉤素9と掛け鉤10とについて、説明する。
図14に示すように、掛け鉤10は、針軸51と針先52とからなり、前記針軸51には糸通し部53を形成するものである。
糸通し部53は、図14に示すように、糸等を針軸に巻き付けて形成した環状の糸通しからなるものである。糸通し部53の形状は限定されるものではなく、針軸をコイル状やリング状に形成した糸通しでもよい。また、針軸26に、糸通し穴を備えた部材を設ける構成でもよい。つまり、針軸26に環状の部材を設ける構成であればよい。
掛け鉤10を鉤素9に取り付けるには、鉤素9の何れか一方の端を、糸通し53aに通し、前記鉤素9の端を結ぶことによって、掛け鉤10を鉤素9に取り付けることが可能となる。また、本願では、残る一方の端にも同様に掛け鉤10を取り付け、鉤素9の両端に掛け鉤10を取り付けるものである。
鉤素9の太さは、糸通し53aの太さと比べて細いので、掛け鉤10が鉤素9に固定されることは無い。つまり、鉤素9の両端に、掛け鉤10が、回動可能に取り付けられているのである。
【0035】
次に、鉤素止め8と、鉤素形状保持部11とについて、説明する。
図15に示すように、鉤素止め8は、線材の何れか一方をヘアピン状に二つ折りにして形成する隙間41と、線材同士を重ねたときに生じる僅かな隙間からなる入口42と、軸部43と、からなるものである。また、前記軸部43の先端には、糸等を巻き付けて形成した糸通し部44が、設けられている。
糸通し部44は、糸を巻き付けて形成したものには限られず、軸部43をコイル状又はリング状に巻いて形成した糸通しでもよい。つまり、針軸に環状の糸通しを設ける構成であればよい。
鉤素形状保持部11は、図16に示すように、線材を折り合わせ、何れか一方の端部をヘアピン状に二つ折りにして隙間41を形成し、折曲げた端部を左右に開き、Y字状の鉤素形状保持部11を形成することも可能である。また、前記線材の折目側をヘアピン状を二つ折りにして隙間41を形成し、折曲げた端部を左右に開き、Y字状の鉤素形状保持部11を形成することも可能である。これ以外にも、鉤素形状保持部11は、図17に示すように、略V字状に折り曲げた針金等の線材を、隙間41に備える構成からなるものである。
【0036】
鉤素止め支持材7に鉤素止め8を取り付けるには、図17に示すように、鉤素止め8の糸通し部44に通した鉤素止め支持材7を、逆さ針6の糸通し部27に通した後、鉤素止め支持材7の両端を結ぶことで、鉤素止め8を逆さ針6に取り付けることが可能となる。
このとき、鉤素止め支持材7の太さは、糸通し部44の糸通し44aの大きさよりも細いので、鉤素止め8が、鉤素止め支持材7に固定されることはない。つまり、鉤素止め8は、鉤素止め支持材7を軸心として、回動可能となるように、鉤素止め支持材7に取り付けられているのである。
また、鉤素9を鉤素止め8に取り付けるには、軸部43をまたいだ状態で鉤素止め8に鉤素9を掛け、該鉤素9の両端を持って、入口42から隙間41の方向に向かって前記鉤素9を引っ張ることで、前記鉤素9は前記入口42を通り、前記鉤素止め8に前記鉤素9を取り付けることが可能となる。
【0037】
本願では、鉤素9の両端に掛け鉤10を取り付けているので、前記鉤素9を二又の状態で鉤素止め8に取り付けることになる。
このように、鉤素9を二又の状態でとりつけると、図18に示すように、前記鉤素9同士の距離が広がることによって、掛け鉤10同士の距離も広くなるので、広い範囲で野鮎1を釣ることが可能となる。
【0038】
鉤素止め8に、鉤素9が二又の状態で取り付けられているので、二又の状態の前記鉤素9が水中で自由に動いた結果、前記鉤素9が絡まってしまう恐れが高い。
そこで、鉤素止め8に鉤素形状保持部11を設け、隙間41に備わった線材に支えられて鉤素9の形状を保持したり、Y字状の鉤素形状保持部11の隙間41に鉤素9を通すことによって、鉤素9の形状を保持したりすることで、二又の状態で取り付けられた鉤素9の形状を保持し、鉤素9同士や掛け鉤10同士が水中で絡まることを、防ぐことが可能になる。
【0039】
また、本願では、鉤素止め8が、回動可能な状態で逆さ針に取り付けられているので、鉤素9全体が、大きく回動する構成になっている。
鉤素止め8を、回動可能な状態に取り付けることによって、鉤素9全体が鉤素止め8の回転に合わせて、同じ方向に回転することになり、前記鉤素9が自由に揺動することを制御することが可能となる。その結果、鉤素形状保持部11と合わせて、前記鉤素9が水中で絡まることを防ぐことが可能になる。
また、鉤素9全体が回転することによって、広い範囲で野鮎1を釣ることが可能となるのである。
【0040】
さらに、鉤素9に対して、掛け鉤10を、回動可能な状態で取り付けていることによって、前記掛け鉤10の根掛かりを防ぐことや、背掛かりの確立を高くすることが可能となるのである。
【0041】
まず、根掛かりの防止について説明する。
囮鮎2が泳いでいるときに、掛け鉤10が回動可能な状態であることから、図19に示すように、掛け鉤10は、水の抵抗を避けるために、水の流れに略平行な状態、つまり川底と略平行な状態になるように、自ずと回転するものである。したがって、囮鮎2が泳いでいるときには、針先52が川底の方向を向いていることはなく、川底と略平行な方向を向いているので、針先52が岩60に引っ掛かることがない。
【0042】
次に、背掛かりについて図20、図21により説明する。なお、図21のX方向は、野鮎1の方向を表している。
囮鮎2に対して野鮎1が近付くと、図20のように、野鮎1本体によって、水の流れが堰き止められるので、水の流れが止まる。そして、水の流れが止まると、掛け鉤10には水の抵抗が掛からなくなる。掛け鉤10に対する、水の抵抗がなくなると、図21に示すように、掛け鉤10は全体がX方向を向くように回転する。つまり、水の抵抗を受けている掛け鉤は、川底と略水平な状態であるが、掛け鉤に対する水の抵抗がなくなると、掛け鉤全体が、野鮎1の方向に回転するのである。このように、囮鮎2に近付いた野鮎1の本体が、水の流れを堰き止めることによって、掛け鉤10が回転する状態になるためには、図20に示すように、前記野鮎1が前記囮鮎2の下方を泳ぐことが必要になる。そして、前記囮鮎2の尾ビレの下側を泳ぐ前記野鮎1に対して、上方から前記掛け鉤10が野鮎1の方向に向かって回転すると、自ずと前記野鮎1の背中部分に、前記掛け鉤10が掛かる確立が高くなり、その結果、背掛かりの確立が高くなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】友釣りの仕掛け3を示した図。
【図2】逆さ針6の実施例を示した斜視図。
【図3】狭持部24と針先23とを示した拡大図。
【図4】逆さ針6の使用状態図。
【図5】略U字状の狭持部24を有する逆さ針6の使用状態図。
【図6】道糸通し部25の拡大図。
【図7】道糸通し部25に道糸5を取り付ける方法を説明する図。
【図8】糸通し部27に鉤素止め支持材7を取り付ける方法を説明する図。
【図9】糸通し部27に鉤素止め支持材7を取り付ける方法を説明する図。
【図10】糸通し部27に鉤素止め支持材7を取り付ける方法を説明する図。
【図11】別形態の糸通し部27を示す拡大図。
【図12】別形態の糸通し部27を示す拡大図。
【図13】別形態の糸通し部27を示す拡大図。
【図14】掛け鉤10を示す斜視図。
【図15】鉤素止め8を示す側面図。
【図16】鉤素形状保持部11を示す図。
【図17】逆さ針6に鉤素止め8を取り付ける方法を説明する図。
【図18】鉤素9の広がりを示す図。
【図19】囮鮎2が泳いでいる時の掛け鉤10の状態を示す図。
【図20】囮鮎2の下方を野鮎1が泳ぐ状態を示す図。
【図21】野鮎1が囮鮎の下方を泳ぐときの、掛け鉤の回転を示す図。
【図22】鮎の友釣りを表す図。
【図23】従来の仕掛け3を取り付けた囮鮎2の図。
【符号の説明】
【0044】
1 野鮎
2 囮鮎
3 仕掛け
4 鼻環
5 道糸
6 逆さ針
7 鉤素止め支持材
8 鉤素止め
9 鉤素
10 掛け鉤
11 鉤素形状保持部
24 狭持部
25 道糸通し部
26 針軸
27 糸通し部
60 岩
【出願人】 【識別番号】598167866
【氏名又は名称】堀口 泰志
【識別番号】506262944
【氏名又は名称】堀口 亜土
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎


【公開番号】 特開2008−35716(P2008−35716A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−210355(P2006−210355)