トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 釣り竿
【発明者】 【氏名】恐田 欣幸

【氏名】谷口 一真

【氏名】松本 聖比古

【氏名】谷川 尚太郎

【要約】 【課題】リールシートの取付け部位に工夫を凝らすことによって、十分な傾斜を得ることのできる釣り竿を提供する。

【構成】手元側竿体1にスペーサ6を外嵌するとともに、リール脚Rbを載置支持するシートベース2Aをスペーサ6に外嵌する。スペーサ6を手元側竿体1に外嵌する為の貫通孔6Aをスペーサ6の両端部に亘って形成するとともに、貫通孔6Aの軸線Xをスペーサ6の軸線Yに対して傾斜する状態に構成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿体にスペーサを外嵌するとともに、リール脚を載置支持するシートベースを前記スペーサに外嵌し、前記スペーサを前記竿体に外嵌する為の貫通孔を前記スペーサの両端部に亘って形成するとともに、前記貫通孔の軸線を前記スペーサの軸線に対して傾斜する状態に構成してある釣り竿。
【請求項2】
前記貫通孔の軸線を前記スペーサの軸線に対して交差する状態に構成してある請求項1記載の釣り竿。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、リールシートを備えている釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
リールシートにおいて、リール脚を載置する面は、竿の軸線に平行な面に形成されていた(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】実登第2560513号(段落番号〔0013〕、及び、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リール脚を載置する面は、竿の軸線に平行な面に形成されているので、リールから繰出される糸が竿の軸線に平行な状態で繰出されることとなる。そうすると、糸が釣糸ガイドを通過する際の抵抗が大きくなり過ぎるので、実際には、スピニングリール自体の構造において、リールシートに載置する脚部の載置面に対してロータの回転軸芯を近づく方向に傾斜する方法を採ったり、脚部の載置面にスペーサ等を噛ませて傾斜姿勢を確保する方法を採っていた。
しかし、スピニングリール自体の構造において、リールシートに載置する脚部の載置面に対してロータの回転軸芯を近づく方向に傾斜する方法を採るだけでは、まだ、十分な傾斜を得ることができない場合があり、スピニングリール自体の構造だけで対処することには限界があった。また、脚部の載置面にスペーサ等を噛ませて傾斜姿勢を確保する方法においては、手間が掛かり、傾斜角度を調整する負担が大きなものとなっていた。
【0005】
本発明の目的は、リールシートの取付け部位に工夫を凝らすことによって、十分な傾斜を得ることのできる釣り竿を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿体にスペーサを外嵌するとともに、リール脚を載置支持するシートベースを前記スペーサに外嵌し、前記スペーサを前記竿体に外嵌する為の貫通孔を前記スペーサの両端部に亘って形成するとともに、前記貫通孔の軸線を前記スペーサの軸線に対して傾斜する状態に構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用〕
竿体とリールシートとの間にスペーサを介在させる方法を導入する。そして、このスペーサにおける竿体が貫通する孔を、その貫通孔の軸線が前記スペーサの軸線に対して傾斜する状態に構成する。このニ点によって、スペーサが竿体に対して傾斜する状態で取付られることとなり、スペーサに取付られるリールシートも傾斜する状態で取付けられることになる。
このような構成によって、リールシートに取り付けられたリールも傾斜姿勢になるので、リールから繰出される釣り糸は釣り糸ガイドを抵抗少なく通過することができる。
【0008】
〔効果〕
スペーサを導入することによって、他の機器に改変を加えることなく、リールの傾斜姿勢を確保できる。
しかも、管理釣り場でヤマメ等を釣上げる際に使用されるロッドで、全体に調子が柔らかく曲がり易いロッドに適用する場合には、却って、リールから繰出される釣り糸をロッドから離れる方向となるように、リールの傾斜姿勢をロッドから離れる方向に傾斜させることが適当な場合がある。
このような場合であっても、スペーサを異なるものと取り換える必要はなく、スペーサを竿体に外嵌固定する際に、反転させて取り付けることによって、異なる傾斜姿勢を得ることができる。
したがって、異なる傾斜姿勢を得るために、傾斜角度毎にスペーサを設ける必要はない。
【0009】
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記貫通孔の軸線を前記スペーサの軸線に対して交差する状態に構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
貫通孔の軸線を前記スペーサの軸線に対して交差する状態に構成することによって、交差しない状態に比べて、貫通孔をスペーサの必要な長さの中で十分大きな傾斜角を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
ルアーロッドAについて説明する。図1に示すように、手元側竿体1にスピニングリールRを装着するリールシート2を設けるとともに、リールシート2の前後にフロントグリップ3、リアグリップ4を配置して、ルアーロッドAを構成してある。
【0012】
リールシート2の構成について説明する。図1及び図2に示すように、手元側竿体1となる竿体は、次ぎのように構成される。炭素繊維等の強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させて構成したプリプレグシートを、所定形状に裁断した後にマンドレルに巻回し、焼成後所定長さに裁断して竿体を構成する。
【0013】
次に、リールシート2を手元側竿体1の所定位置に取り付ける。図2に示すように、リールシート2は、筒状のものであり、手元側竿体1に後記するスペーサ6を介して外嵌されるシートベース2Aと、シートベース2Aに樹脂で一体成形される固定フード2Bと、シートベース2Aの竿尻側に配置された可動フード2Cと、可動フード2Cを正逆移動させるナット部材2Dとで構成してある。ナット部材2Dは、シートベース2Aの竿尻端に形成してある雄ネジ部2Eに螺合されている。
【0014】
図1及び図2に示すように、シートベース2Aと手元側竿体1との間には、筒状のスペーサ6が介在されている。筒状のスペーサ6は、ABS樹脂製の棒状素材に、その棒状素材の両端面で開口する貫通孔6Aを穿設して、その貫通孔6Aを手元側竿体1に外嵌して接着剤等で固定してある。
スペーサ6の材料としては、ABS樹脂以外に他のエンジニアリング樹脂であるPBTやPET、或いは、アルミニュウムやチタン等の軽量金属を使用可能である。
【0015】
図3(イ)に示すように、スペーサ6は、全長Lに亘って一定の外径Dを呈しており、前記した貫通孔6Aを一定の内径dで全長Lに亘って形成している。但し、貫通孔6Aの軸線Xはスペーサ6自体の軸線Yに対して交差する状態に設定してある。
【0016】
交差角θは、スペーサ6の軸線Yに対して貫通孔6Aの軸線Xが、スペーサ6の全長Lの二分の一の長さの部位で交差するように、かつ、スペーサ6の両端部において、貫通孔6Aの開口6aの中心が、図3(ロ)(ハ)に示すように、スペーサ6の端面の中心に対して偏芯量hだけ偏芯する状態に、角度設定されている。
【0017】
以上のような構成になるスペーサ6を手元側竿体1に外嵌すると、図2に示すように、スペーサ6は手元側竿体1に対して偏芯した状態で装着される。偏芯した状態で装着されたスペーサ6にリールシート2を外嵌固定することによって、図1に示すように、リールシート2に取り付けられるスピニングリールRは、竿先下がり姿勢で取付られることとなる。
【0018】
このような構成によって、スピニングリールRのロータRaの中心線Zは、図示しないガイドに向かうことになり、釣り糸のガイドの通過が円滑になり、仕掛けをより遠くまで投げることができるようになる。尚、スピニングリールRのロータRaの中心線Zは、リール脚Rbにおけるリール載置面aに対して竿先側に向けて傾斜する状態に設定されている。したがって、スピニングリールRのロータRaの中心線Zは、スピニングリールR自体の有する脚部Rbに対する傾きと、スペーサ6に形成された貫通孔6Aの軸線Xとスペーサ自体の軸線Yに対する傾きとが合わさった傾きをもった傾斜姿勢に設定されていることとなる。
【0019】
〔第2実施形態〕
ここでは、スペーサ6の取付方法を第1実施形態の状態から180°反転させた状態で取り付ける。つまり、第1実施形態においては、スペーサ6の竿先端において貫通孔6Aの開口6aが、リールシート2のリール脚取付部側(図面上では下側)に偏芯した状態で、スペーサ6を取り付けていた。
【0020】
これに対して、この第2実施形態においては、スペーサ6の竿先端において貫通孔6Aの開口6aが、リールシート2のリール脚取付部側(図面上では下側)とは反対側(図面上では上側)に偏芯した状態で、スペーサ6を取り付けることにする。
【0021】
このように、スペーサ6を逆方向に取り付けるのは、管理釣り場でヤマメ等を釣上げる際に使用されるロッドで、全体に調子が柔らかく曲がり易いロッドに適用する場合である。
このようなロッドである場合には、ロッドが曲がり易いところから、魚と遣り取りする際の巻取り斑らが抑制されるのである。
【0022】
〔別実施形態〕
(1) スペーサ6の別実施構造について説明する。図示してはいないが、貫通孔6Aの軸線Xをスペーサ6の軸線Yに対して傾斜する状態に構成し、両軸線X、Yが交差しない状態に構成してもよい。つまり、スペーサ6の両端面における貫通孔6Aの開口6a、6aが、スペーサ6の軸芯の同じ側に偏芯させる構成を採ってもよい。
(2) リールシート2としては、筒状のリールシート以外に板状リールシートをスペーサ6に載置して使用してもよい。この場合には、ルアーロッドではなく、投げ竿等に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ルアーロッドの手元側竿体にリールを取り付けた状態を示す側面図
【図2】リールシートとスペーサとの取付状態を示す縦断側面図
【図3】(イ)スペーサを示す縦断側面図、(ロ)(ハ)はスペーサ両端における貫通孔の開口の偏芯状態を示す縦断正面図
【図4】図2に対応する別実施構造を示す縦断側面図
【符号の説明】
【0024】
1 手元側竿体
2A シートベース
2C 可動フード
6 スペーサ
6A 貫通孔
X 貫通孔の軸線
Y スペーサの軸線
Rb リール脚
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎


【公開番号】 特開2008−17794(P2008−17794A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194088(P2006−194088)