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【発明の名称】 洗剤供給装置
【発明者】 【氏名】宮下 芳行

【氏名】山嵜 修

【氏名】町田 一幸

【氏名】松岡 巧

【要約】 【課題】洗剤シリンダ等の容器に供給すべき洗剤の液量を正確かつ容易に変更し得る洗剤供給装置を提供する。

【解決手段】洗剤タンク2a〜2cに貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を計量して供給する洗剤供給装置1であって、洗剤タンク2a〜2cに連結された送液パイプ12a〜12cに配設されて洗剤を所定量ずつ洗剤タンク2a〜2cから供給するポンプ4a〜4cと、ポンプ4a〜4cによる洗剤の供給量をポンプ4a〜4cの作動時間に基づいて算出すると共に供給量と予め設定された規定液量Qrとを比較して、供給量が規定液量Qrに到達したときにポンプ4a〜4cを停止させる制御部8とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤タンクに貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を計量して供給する洗剤供給装置であって、
前記洗剤タンクに連結された送液パイプに配設されて前記洗剤を所定量ずつ当該洗剤タンクから供給するポンプと、
前記ポンプによる前記洗剤の供給量を当該ポンプの作動時間および総回転数の少なくとも一方に基づいて算出すると共に当該供給量と予め設定された規定液量とを比較して、当該供給量が当該規定液量に到達したときに前記ポンプを停止させる制御部とを備えている洗剤供給装置。
【請求項2】
前記洗剤の液温を測定する温度センサと、
前記液温と前記所定量との関係を示す特性データを記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、前記温度センサによって測定された前記液温と前記特性データとに基づいて当該測定された液温における前記所定量を特定すると共に、当該特定した所定量と、前記ポンプの作動時間および総回転数の少なくとも一方とに基づいて前記供給量を算出する請求項1記載の洗剤供給装置。
【請求項3】
洗剤タンクに貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を計量して供給する洗剤供給装置であって、
前記洗剤タンクに連結された送液パイプに配設されて前記洗剤を当該洗剤タンクから供給するポンプと、
前記送液パイプに配設されて当該送液パイプを流れる前記洗剤の流量に対応して物理量が変化する検出信号を出力する流量計と、
前記ポンプによる前記洗剤の供給量を前記検出信号の前記物理量に基づいて算出すると共に当該供給量と予め設定された規定液量とを比較して、当該供給量が当該規定液量に到達したときに前記ポンプを停止させる制御部とを備えている洗剤供給装置。
【請求項4】
前記洗剤の液温を測定する温度センサと、
前記洗剤が所定流量で前記送液パイプを流れているときの前記液温と前記検出信号の基準物理量との関係を示す特性データを記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、前記温度センサによって測定された前記液温と前記特性データとに基づいて当該測定された液温における前記検出信号の基準物理量を算出すると共に、当該基準物理量と前記流量計によって検出された前記検出信号の前記物理量とに基づいて前記供給量を算出する請求項3記載の洗剤供給装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ポンプによる前記洗剤の前記容器への供給開始から所定時間を経過するまでに前記供給量が前記規定液量に到達しないときに所定の報知処理を実行する請求項3または4記載の洗剤供給装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤タンクに貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を洗浄槽およびバルククーラーなどの容器に供給する洗剤供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の洗剤供給装置として、出願人は、特開平6−183495号公報に開示された洗剤供給装置を既に提案している。この洗剤供給装置は、洗剤タンク内から洗剤を洗剤シリンダ内に送給する送液ポンプが配設された送液路と、送液ポンプ駆動用のタイマーと、洗剤シリンダ内の一定液量(規定液量)以上に到達した洗剤を洗剤タンク内に戻す洗剤量調整手段と、洗剤シリンダ内の洗剤を洗浄槽に供給する電磁弁が配設された供給路とを備えている。この洗剤供給装置では、洗剤シリンダ内に供給される洗剤の液量が規定液量よりも多めとなるようにタイマーを用いて送液ポンプを一定時間駆動させる。送液ポンプの停止後は、規定液量よりも多めに供給された洗剤は洗剤量調整手段によって洗剤シリンダから洗剤タンク内に戻されるため、洗剤シリンダには規定液量の洗剤が供給された状態となる。この状態で電磁弁を作動させることにより、所望の液量の洗剤が洗剤シリンダから洗浄槽などの容器に供給される。
【0003】
また、洗剤量調整手段は、その下端を洗剤シリンダ内の洗剤を洗剤タンク内に戻す柔軟材からなる循環路内に摺動自在に侵入させると共にその上端を洗剤シリンダ上方に突出させて洗剤シリンダ内において上下に摺動自在な洗剤レベル調節パイプと、そのパイプ周壁中途部に設けた洗剤シリンダ内の洗剤を洗剤レベル調節パイプ内に流出させる流出孔と、循環路内周壁を循環路内に侵入させた洗剤レベル調節パイプ下端周壁に押接させて洗剤レベル調節パイプを洗剤シリンダ内に開放可能に固定する固定手段とから形成されている。したがって、洗剤シリンダ上方に突出した洗剤レベル調節パイプ上端を手で持つなどして、洗剤レベル調節パイプを洗剤シリンダ内で上下に摺動させて、洗剤レベル調節パイプ中途部周壁の流出孔の高さ位置を変更することにより、洗剤シリンダ内に貯留すべき洗剤の液量レベルを変更することができる。
【特許文献1】特開平6−183495号公報(第2−6頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来の洗剤供給装置には、以下の解決すべき課題が存在している。すなわち、この洗剤供給装置では、各洗剤シリンダ内に貯留すべき洗剤の液量(規定液量)を変更する場合、洗剤レベル調節パイプを上下に摺動させて流出孔の高さ位置を変更するという機械的な構造の変更作業が必要があるため、手間を要すると共に、規定液量の調整に熟練を要するという解決すべき課題が存在している。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、洗剤シリンダ等の容器に供給すべき洗剤の液量を正確かつ容易に変更し得る洗剤供給装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の洗剤供給装置は、洗剤タンクに貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を計量して供給する洗剤供給装置であって、前記洗剤タンクに連結された送液パイプに配設されて前記洗剤を所定量ずつ当該洗剤タンクから供給するポンプと、前記ポンプによる前記洗剤の供給量を当該ポンプの作動時間および総回転数の少なくとも一方に基づいて算出すると共に当該供給量と予め設定された規定液量とを比較して、当該供給量が当該規定液量に到達したときに前記ポンプを停止させる制御部とを備えている。
【0007】
請求項2記載の洗剤供給装置は、請求項1記載の洗剤供給装置において、前記洗剤の液温を測定する温度センサと、前記液温と前記所定量との関係を示す特性データを記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、前記温度センサによって測定された前記液温と前記特性データとに基づいて当該測定された液温における前記所定量を特定すると共に、当該特定した所定量と、前記ポンプの作動時間および総回転数の少なくとも一方とに基づいて前記供給量を算出する。
【0008】
請求項3記載の洗剤供給装置は、洗剤タンクに貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を計量して供給する洗剤供給装置であって、前記洗剤タンクに連結された送液パイプに配設されて前記洗剤を当該洗剤タンクから供給するポンプと、前記送液パイプに配設されて当該送液パイプを流れる前記洗剤の流量に対応して物理量が変化する検出信号を出力する流量計と、前記ポンプによる前記洗剤の供給量を前記検出信号の前記物理量に基づいて算出すると共に当該供給量と予め設定された規定液量とを比較して、当該供給量が当該規定液量に到達したときに前記ポンプを停止させる制御部とを備えている。
【0009】
請求項4記載の洗剤供給装置は、請求項3記載の洗剤供給装置において、前記洗剤の液温を測定する温度センサと、前記洗剤が所定流量で前記送液パイプを流れているときの前記液温と前記検出信号の基準物理量との関係を示す特性データを記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、前記温度センサによって測定された前記液温と前記特性データとに基づいて当該測定された液温における前記検出信号の基準物理量を算出すると共に、当該基準物理量と前記流量計によって検出された前記検出信号の前記物理量とに基づいて前記供給量を算出する。
【0010】
請求項5記載の洗剤供給装置は、請求項3または4記載の洗剤供給装置において、前記制御部は、前記ポンプによる前記洗剤の前記容器への供給開始から所定時間を経過するまでに前記供給量が前記規定液量に到達しないときに所定の報知処理を実行する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の洗剤供給装置によれば、洗剤タンクに連結された送液パイプに洗剤を所定量ずつ洗剤タンクから供給するポンプを配設し、制御部がポンプの作動時間および総回転数の少なくとも一方に基づいて洗剤の供給量を算出すると共に、算出した供給量と予め設定された規定液量とを比較して、供給量が規定液量に到達したときにポンプを停止させることにより、この規定液量を変更するという簡単な作業だけで、供給量を正確かつ容易に変更することができる。
【0012】
請求項2記載の洗剤供給装置によれば、洗剤の液温を温度センサで測定し、洗剤の液温とポンプの所定量との関係を示す特性データを記憶部に記憶し、制御部が洗剤の液温および特性データに基づいてこの液温における所定量を算出すると共に、この所定量に基づいて洗剤の供給量を算出することにより、様々な液温の洗剤の供給量を一層正確に規定液量に計量して供給することができる。
【0013】
請求項3記載の洗剤供給装置によれば、洗剤タンクに連結された送液パイプにポンプおよび流量計をそれぞれ配設し、制御部が流量計から出力される検出信号の物理量に基づいて洗剤の供給量を算出すると共に算出した供給量と予め設定された規定液量とを比較して、供給量が規定液量に到達したときにポンプを停止させることにより、この規定液量を変更するという簡単な作業だけで、供給量を正確かつ容易に変更することができる。
【0014】
請求項4記載の洗剤供給装置によれば、洗剤の液温を温度センサで測定し、所定流量で送液パイプを流れているときの洗剤の液温と検出信号の基準物理量との関係を示す特性データを記憶部に記憶し、制御部が測定された液温と特性データとに基づいてこの液温における検出信号の基準物理量を算出すると共に、基準物理量と流量計によって検出された検出信号の物理量とに基づいて洗剤の供給量を算出することにより、様々な液温の洗剤の供給量を一層正確に規定液量に計量して供給することができる。
【0015】
請求項5記載の洗剤供給装置によれば、ポンプによる洗剤の容器への供給開始から所定時間を経過するまでに洗剤の供給量が規定液量に到達しないときに制御部が所定の報知処理を実行することにより、例えば、ポンプの故障、洗剤タンク内の洗剤の液量不足、および送液パイプの詰まりなどの不具合の発生に起因して、規定液量の洗剤が供給されていない状態にあることを作業者に確実に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る洗剤供給装の最良の形態について説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
最初に、洗剤供給装置1の構成について、図面を参照して説明する。
【0018】
洗剤供給装置1は、図1に示すように、複数(本例では一例として3つ)の洗剤タンク2a,2b,2c(以下、特に区別しないときには「洗剤タンク2」ともいう)、洗剤タンク2と同数の洗剤シリンダ3a,3b,3c(以下、特に区別しないときには「洗剤シリンダ3」ともいう)、洗剤タンク2と同数のポンプ4a,4b,4c(以下、特に区別しなときには「ポンプ4」ともいう)、洗剤シリンダ3と同数の電磁弁6a,6b,6c(以下、特に区別しなときには「電磁弁6」ともいう)、温度センサ7、制御部8、操作部9および表示部10を備え、各洗剤タンク2に貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を対応する各洗剤シリンダ3に予め規定された規定液量だけ供給して計量し、計量した各洗剤を容器(本例では洗浄槽)11に供給可能に構成されている。
【0019】
各洗剤タンク2のうちの洗剤タンク2aには、洗剤として搾乳機の内部を除菌するための殺菌剤が不図示の専用容器から小分けにして収容される。また、他の洗剤タンク2bには、搾乳機の内部を洗浄するための洗剤であるアルカリ洗剤が不図示の専用容器から小分けにして収容され、他の洗剤タンク2cには、搾乳機の内部を洗浄するための洗剤である酸性洗剤が不図示の専用容器から小分けにして収容される。また、各洗剤タンク2a,2b,2cは、対応する各洗剤シリンダ3a,3b,3cと送液パイプ12a,12b,12c(以下、特に区別しないときには「送液パイプ12」ともいう)を介して一対一で連結されている。各ポンプ4は、同種の定量ポンプ(一例として、チューブの一部をカムやローラなどの圧潰部材(いずれも図示せず)で弾性回復可能に潰し、圧潰部材を回転させてチューブの潰される位置を移動させることで吸引力を発揮するチューブポンプ)で構成されて、一回の動作(圧潰部材の一回転)によって所定量(所定の一定量)の洗剤を移送する送液動作が可能となっている。また、各ポンプ4は、制御部8から制御信号Sp1,Sp2,Sp3(以下、特に区別しなときには「制御信号Sp」ともいう)を入力しているときに作動して、圧潰部材が一定の回転数で回転することによって送液動作を実行する。また、ポンプ4aは送液パイプ12aに、ポンプ4bは送液パイプ12bに、ポンプ4cは送液パイプ12cにそれぞれ配設されている。
【0020】
各洗剤シリンダ3a,3b,3cには、図1に示すように、内部に貯留されている洗剤を洗浄槽11に供給するための送液パイプ13a,13b,13c(以下、特に区別しないときには「送液パイプ13」ともいう)がそれぞれ連結されている。また、各送液パイプ13a,13b,13cには、電磁弁6a,6b,6cがそれぞれ配設されている。この場合、各電磁弁6aは、制御部8から出力される制御信号Sv1に基づいて開閉動作して、送液パイプ13aを開通状態または閉塞状態にする。同様にして、電磁弁6bは制御部8から出力される制御信号Sv2に基づいて、また電磁弁6cは制御部8から出力される制御信号Sv3(以下、特に区別しないときには「制御信号Sv」ともいう)に基づいてそれぞれ開閉動作して、対応する送液パイプ13b,13cをそれぞれ開通状態または閉塞状態にする。温度センサ7は、各洗剤タンク2や各洗剤シリンダ3が設置された環境の温度を測定し、測定した温度を各洗剤タンク2に貯留されている各洗剤に共通の液温Teとして出力する。
【0021】
制御部8は、図1に示すように、CPU8aおよびメモリ(本発明における記憶部)8bで構成されている。この場合、CPU8aは、各ポンプ4に対する制御信号Spの出力期間、すなわち各ポンプ4の作動時間(洗剤の供給開始からの経過時間でもある)Tを計測する。メモリ8bは、各ポンプ4を構成する定量ポンプについての液温Teと一回の動作(圧潰部材の一回転)によって移送される所定量(所定の一定量)Mとの関係を示す洗剤(殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤)毎の特定データDt1,Dt2,Dt3(以下、特に区別しないときには「特性データDt」ともいう)、各ポンプ4を構成する定量ポンプについての単位時間当たりの動作回数n、およびCPU8aの動作プログラムなどが予め記憶されたROMと、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤の規定液量Qr1,Qr2,Qr3(以下、特に区別しないときには「規定液量Qr」ともいう)の記憶用メモリであると共にワーキングメモリとして機能するRAM(いずれも図示せず)とを備えている。
【0022】
なお、各洗剤のような液体は、液温Teが低下したときには粘性が増大して送液が行い難くなり、液温Teが上昇したときには粘性が低下して送液が容易になるという特性を一般的に有している。このため、各特性データDtで示される液温Teと定量ポンプの所定量との間には、液温Teの上昇に伴い所定量が増大するという関係が存在している。以上のように構成された制御部8は、操作部9から入力した命令に応じて規定液量Qrの記憶処理および洗剤供給処理を実行する。操作部9には、制御部8に出力する各種命令や各規定液量Qrを設定するための操作スイッチ(図示せず)などが配設されている。表示部10は、一例としてディスプレイ装置で構成されて、洗剤供給処理の結果を画面上に表示する。
【0023】
次に、洗剤供給装置1の動作について、図2を参照しつつ具体的に説明する。なお、洗剤の一例として、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤を使用する。また、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤についての特性データDt1,Dt2,Dt3がメモリ8bに予め記憶されているものとする。
【0024】
この洗剤供給装置1では、作動状態において、温度センサ7は、洗剤タンク2等が配設された環境の温度(気温)を測定して液温Teとして出力する動作を繰り返し実行する。また、制御部8は、規定液量Qrの記憶処理の開始命令や洗剤供給処理の開始命令が操作部9から出力されるか否かを繰り返し検出する。
【0025】
この状態において、操作部9から制御部8に対して、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のうちの少なくとも1種の洗剤についての規定液量Qrを記憶させる旨の命令(規定液量Qrの記憶処理の開始命令)が出力されたときには、制御部8は、図2に示す規定液量Qrの記憶処理を実行する。なお、制御部8は、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のいずれについても、同じ規定液量Qrの記憶処理を実行して、操作部9から入力した規定液量Qrをメモリ8bに記憶する。このため、以下では、殺菌剤の規定液量Qr1の記憶処理を例に挙げて説明する。
【0026】
この規定液量Qrの記憶処理では、制御部8は、規定液量Qr(規定液量Qr1)を記憶させる旨の命令と共に規定液量Qr(規定液量Qr1)を操作部9から入力し(ステップ51)、次いで、制御部8は、入力した規定液量Qr(規定液量Qr1)をメモリ8bに記憶する(ステップ52)。この規定液量Qrのメモリ8bへの記憶に際して、制御部8は、入力した規定液量Qr(規定液量Qr1)を洗剤(殺菌剤)の種類に対応させて記憶する。この規定液量Qr(規定液量Qr1)のメモリ8bへの記憶により、この記憶処理が完了する。その後、制御部8は、再度、規定液量Qrの記憶処理の開始命令や洗剤供給処理の開始命令が操作部9から出力されているか否かの検出を繰り返す。なお、この規定液量Qrの記憶処理は、洗剤供給処理に先立って各洗剤について予め行われて、各洗剤の規定液量Qrがメモリ8bに記憶される。
【0027】
この状態において、操作部9から制御部8に対して、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のうちの任意の1種の洗剤を洗浄槽11に供給させる旨の命令が出力されたときには、制御部8は、図3に示す洗剤供給処理を実行する。なお、制御部8は、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のいずれについても、同じ洗剤供給処理を実行して洗浄槽11に供給する。このため、以下では、殺菌剤の供給を例に挙げて説明する。
【0028】
この洗剤供給処理では、制御部8は、温度センサ7で測定された温度を洗剤(殺菌剤)の液温Teとして、メモリ8bに記憶されている洗剤(殺菌剤)についての特性データDt(特性データDt1)に基づき、この液温Teでのポンプ4(ポンプ4a)を構成する定量ポンプについての所定量(所定の一定量)Mを算出し、算出した所定量Mをメモリ8bに記憶する(ステップ61)。
【0029】
次いで、制御部8は、制御信号Sp(制御信号Sp1)を出力することにより、ポンプ4(ポンプ4a)を作動させて、送液動作を開始させる(ステップ62)。これにより、洗剤タンク2(洗剤タンク2a)に貯留されている洗剤(殺菌剤)が、作動状態のポンプ4aによって送液パイプ12(送液パイプ12a)を介して洗剤シリンダ3(洗剤シリンダ3a)内に供給され始める。また、制御部8は、このステップ62において、殺菌剤の供給開始からの経過時間Tについての計測を開始すると共に、計測した経過時間Tと、メモリ8bに記憶されている所定量Mおよび動作回数nとに基づいて、ポンプ4(ポンプ4a)の送液動作によって洗剤シリンダ3(洗剤シリンダ3a)に供給された洗剤(殺菌剤)の供給量Bの算出を開始する。この供給量Bは、経過時間Tに所定量Mおよび動作回数nを乗算することによって算出される。また、このようにして算出された洗剤の供給量Bは、洗剤(殺菌剤)の温度による粘性の変化に起因して、ポンプ4(ポンプ4a)の所定量Mが変化することを考慮して算出されているため、実際に洗剤シリンダ3(洗剤シリンダ3a)に供給されている液量に極めて近い正確な値となっている。
【0030】
次いで、制御部8は、現在の供給量Bが規定液量Qrに到達したか否かを検出する(ステップ63)。制御部8は、ステップ63において供給量Bが規定液量Qrに到達したことを検出するまで、上記ステップ63を繰り返し実行する。続いて、制御部8は、この供給量Bが規定液量Qrに到達したことをステップ63において検出したときには、ポンプ4(ポンプ4a)への制御信号Sp(制御信号Sp1)の出力を直ちに停止してポンプ4の作動を停止させる(ステップ64)。これにより、殺菌剤が規定液量Qrに計量されて、洗剤シリンダ3aに貯留された状態となる。
【0031】
最後に、制御部8は、電磁弁6(電磁弁6a)に対して制御信号Sv(制御信号Sv1)を一定時間出力する(ステップ65)。この場合、この一定時間は、洗剤シリンダ3に貯留されている規定液量の洗剤が送液パイプ13を介して洗浄槽11にすべて供給されるのに十分な時間に予め設定されている。これにより、制御部8による電磁弁6に対する制御信号Svの出力が完了した時点で、洗剤(殺菌剤)の洗浄槽11への供給処理が完了し、これによって洗剤供給処理が終了する。
【0032】
以上、洗剤供給処理について殺菌剤の洗浄槽11への供給を例に挙げて説明したが、アルカリ洗剤や酸性洗剤についても、上記した殺菌剤の供給の場合と同様にして、操作部9から殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のうちの少なくとも1種の洗剤についての規定液量Qrを記憶させる旨の命令が出力されたときには、制御部8が図2に示す規定液量Qrの記憶処理を実行することにより、操作部9から入力された各洗剤の規定液量Qrがメモリ8bに記憶される。また、操作部9からアルカリ洗剤を供給する旨の命令を受けた制御部8が図3に示す洗剤供給処理を実行することにより、洗剤タンク2bに貯留されたアルカリ洗剤が洗剤シリンダ3bにおいて規定液量だけ計量されて洗浄槽11に供給される。また、酸性洗剤についても、同様にして、操作部9から酸性洗剤を供給する旨の命令を受けた制御部8が図3に示す洗剤供給処理を実行することにより、洗剤タンク2cに貯留された酸性洗剤が洗剤シリンダ3cにおいて規定液量だけ計量されて洗浄槽11に供給される。
【0033】
このように、この洗剤供給装置1によれば、洗剤タンク2に連結された送液パイプ12に洗剤を所定量ずつ洗剤タンク2から供給するポンプ4を配設し、制御部8が経過時間(ポンプ4の作動時間でもある)T、所定量Mおよび動作回数nに基づいて洗剤の供給量Bを算出すると共に、算出した供給量Bと予め設定された規定液量Qrとを比較して、供給量Bが規定液量Qrに到達したときにポンプ4を停止させることにより、この規定液量Qrを変更するという簡単な作業だけで、供給量Bを正確かつ容易に変更することができる。
【0034】
また、この洗剤供給装置1によれば、洗剤の液温Teを温度センサ7で測定し、洗剤の液温Teとポンプ4の所定量Mとの関係を示す特性データDtをメモリ8bに記憶し、制御部8が洗剤の液温Teおよび特性データDtに基づいてこの液温Teにおける所定量Mを算出すると共に、この所定量Mに基づいて洗剤の供給量Bを算出することにより、様々な液温の洗剤の供給量Bを一層正確に規定液量Qrに計量して供給することができる。
【0035】
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、洗剤の供給開始からの経過時間(ポンプ4の作動時間でもある)Tを計測して、この経過時間T、所定量M、および動作回数nに基づいて、洗剤の供給量Bを算出する構成を採用する例について説明したが、洗剤の供給開始からのポンプ4の総回転数(作動回数)Nsを計測して、総回転数(作動回数)Nsに所定量Mを乗算して供給量Bを算出する構成を採用することもできる。
【0036】
(第2の実施の形態)
最初に、洗剤供給装置1Aの構成について、図面を参照して説明する。
【0037】
洗剤供給装置1Aは、図4に示すように、洗剤供給装置1の構成に加えて、流量計5を備えている。具体的には、洗剤供給装置1Aは、複数(本例では一例として3つ)の洗剤タンク2a,2b,2c(以下、特に区別しないときには「洗剤タンク2」ともいう)、洗剤タンク2と同数の洗剤シリンダ3a,3b,3c(以下、特に区別しないときには「洗剤シリンダ3」ともいう)、洗剤タンク2と同数のポンプ4a,4b,4c(以下、特に区別しなときには「ポンプ4」ともいう)、洗剤タンク2と同数の流量計5a,5b,5c(以下、特に区別しなときには「流量計5」ともいう)、洗剤シリンダ3と同数の電磁弁6a,6b,6c(以下、特に区別しなときには「電磁弁6」ともいう)、温度センサ7、制御部8、操作部9および表示部10を備え、各洗剤タンク2に貯留された搾乳機洗浄用の液状の洗剤を対応する各洗剤シリンダ3に予め規定された規定液量だけ供給して計量し、計量した各洗剤を容器(本例では洗浄槽)11に供給可能に構成されている。
【0038】
各洗剤タンク2のうちの洗剤タンク2aには、洗剤として搾乳機の内部を除菌するための殺菌剤が不図示の専用容器から小分けにして収容される。また、他の洗剤タンク2bには、搾乳機の内部を洗浄するための洗剤であるアルカリ洗剤が不図示の専用容器から小分けにして収容され、他の洗剤タンク2cには、搾乳機の内部を洗浄するための洗剤である酸性洗剤が不図示の専用容器から小分けにして収容される。また、各洗剤タンク2a,2b,2cは、対応する各洗剤シリンダ3a,3b,3cと送液パイプ12a,12b,12c(以下、特に区別しないときには「送液パイプ12」ともいう)を介して一対一で連結されている。各ポンプ4は、一例としてチューブポンプで構成されて、制御部8から制御信号Sp1,Sp2,Sp3(以下、特に区別しなときには「制御信号Sp」ともいう)を入力しているときに作動する。また、ポンプ4aは送液パイプ12aに、ポンプ4bは送液パイプ12bに、ポンプ4cは送液パイプ12cにそれぞれ配設されている。
【0039】
各流量計5a,5b,5cは一例として羽根車式流量計で構成されて、流量計5aは送液パイプ12aに、流量計5bは送液パイプ12bに、流量計5cは送液パイプ12cにそれぞれ配設されている。また、各流量計5a,5b,5cは、各送液パイプ12に流れる洗剤の流量に比例した周波数f(本発明における洗剤の流量に対応して変化する物理量に相当する)のパルス信号Sf1,Sf2,Sf3(以下、特に区別しなときには「検出信号Sf」ともいう)を生成して出力する。なお、本例では、各流量計5は、各ポンプ4に対して各送液パイプ12の上流側に配設されているが、下流側に配設してもよい。
【0040】
各洗剤シリンダ3a,3b,3cには、図4に示すように、内部に貯留されている洗剤を洗浄槽11に供給するための送液パイプ13a,13b,13c(以下、特に区別しないときには「送液パイプ13」ともいう)がそれぞれ連結されている。また、各送液パイプ13a,13b,13cには、電磁弁6a,6b,6cがそれぞれ配設されている。この場合、各電磁弁6aは、制御部8から出力される制御信号Sv1に基づいて開閉動作して、送液パイプ13aを開通状態または閉塞状態にする。同様にして、電磁弁6bは制御部8から出力される制御信号Sv2に基づいて、また電磁弁6cは制御部8から出力される制御信号Sv3(以下、特に区別しないときには「制御信号Sv」ともいう)に基づいてそれぞれ開閉動作して、対応する送液パイプ13b,13cをそれぞれ開通状態または閉塞状態にする。温度センサ7は、各洗剤タンク2や各洗剤シリンダ3が設置された環境の温度を測定し、測定した温度を各洗剤タンク2に貯留されている各洗剤に共通の液温Teとして出力する。
【0041】
制御部8は、図4に示すように、CPU8aおよびメモリ(本発明における記憶部)8bで構成されている。この場合、CPU8aは、各流量計5から出力される検出信号Sf(パルス信号)を入力して、その周波数(本発明における物理量)fを検出する。メモリ8bは、洗剤(殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤)の送液動作の異常を検出するための基準時間(本発明における所定時間)Tr、図6に示す各洗剤(殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤)についての液温Teと各流量計5から出力される本発明における基準物理量としての検出信号Sfの周波数fとの関係を示す特性データDf1,Df2,Df3(以下、特に区別しないときには「特性データDf」ともいう)、およびCPU8aの動作プログラムなどが予め記憶されたROMと、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤の規定液量Qr1,Qr2,Qr3(以下、特に区別しないときには「規定液量Qr」ともいう)の記憶用メモリであると共にワーキングメモリとして機能するRAM(いずれも図示せず)とを備えている。
【0042】
なお、各特性データDfは、各洗剤が所定流量(予め設定された一定流量)Aで各送液パイプ12を流れているときの液温Teと検出信号Sfの周波数fとの関係を取得したデータである。この場合、液温Teが高くなると各洗剤の粘性が低下するため、この特性データDfは、同じ流量であっても各流量計5の羽根車の回転数が液温Teに比例して上昇すること、つまり、各流量計5から出力される検出信号Sfの周波数fも液温Teに比例して上昇することを示している。以上のように構成された制御部8は、操作部9から入力した命令に応じて規定液量Qrの記憶処理および洗剤供給処理を実行する。操作部9には、制御部8に出力する各種命令や各規定液量Qrを設定するための操作スイッチ(図示せず)などが配設されている。表示部10は、一例としてディスプレイ装置で構成されて、洗剤供給処理の結果を画面上に表示する。
【0043】
次に、洗剤供給装置1Aの動作について、図2を参照しつつ具体的に説明する。なお、洗剤の一例として、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤を使用する。また、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤についての特性データDf1,Df2,Df3として、図6に示す液温Teと周波数fとの関係を示すデータ(本例ではデータテーブル)がメモリ8bに記憶されている。
【0044】
この洗剤供給装置1Aでは、作動状態において、温度センサ7は、洗剤タンク2等が配設された環境の温度(気温)を測定して液温Teとして出力する動作を繰り返し実行する。また、制御部8は、規定液量Qrの記憶処理の開始命令や洗剤供給処理の開始命令が操作部9から出力されるか否かを繰り返し検出する。
【0045】
この状態において、操作部9から制御部8に対して、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のうちの少なくとも1種の洗剤についての規定液量Qrを記憶させる旨の命令(規定液量Qrの記憶処理の開始命令)が出力されたときには、制御部8は、図2に示す規定液量Qrの記憶処理を実行する。なお、制御部8は、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のいずれについても、同じ規定液量Qrの記憶処理を実行して、操作部9から入力した規定液量Qrをメモリ8bに記憶する。このため、以下では、殺菌剤の規定液量Qr1の記憶処理を例に挙げて説明する。
【0046】
この規定液量Qrの記憶処理では、制御部8は、規定液量Qr(規定液量Qr1)を記憶させる旨の命令と共に規定液量Qr(規定液量Qr1)を操作部9から入力し(ステップ51)、次いで、制御部8は、入力した規定液量Qr(規定液量Qr1)をメモリ8bに記憶する(ステップ52)。この規定液量Qrのメモリ8bへの記憶に際して、制御部8は、入力した規定液量Qr(規定液量Qr1)を洗剤(殺菌剤)の種類に対応させて記憶する。この規定液量Qr(規定液量Qr1)のメモリ8bへの記憶により、この記憶処理が完了する。その後、制御部8は、再度、規定液量Qrの記憶処理の開始命令や洗剤供給処理の開始命令が操作部9から出力されているか否かの検出を繰り返す。なお、この規定液量Qrの記憶処理は、洗剤供給処理に先立って各洗剤について予め行われて、各洗剤の規定液量Qrがメモリ8bに記憶される。
【0047】
この状態において、操作部9から制御部8に対して、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のうちの任意の1種の洗剤を洗浄槽11に供給させる旨の命令が出力されたときには、制御部8は、図5に示す洗剤供給処理を実行する。なお、制御部8は、殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のいずれについても、同じ洗剤供給処理を実行して洗浄槽11に供給する。このため、以下では、殺菌剤の供給を例に挙げて説明する。
【0048】
この洗剤供給処理では、制御部8は、温度センサ7で測定された温度を洗剤(殺菌剤)の液温Teとして、メモリ8bに記憶されている洗剤(殺菌剤)についての特性データDf(特性データDf1)に基づき、この液温Teの洗剤(殺菌剤)が所定流量Aで送液パイプ12(送液パイプ12a)を流れているときに流量計5(流量計5a)から出力される検出信号Sf(検出信号Sf1)の周波数(基準周波数fr。本発明における基準物理量)を算出する(ステップ91)。例えば、現在の液温が13℃のときには、制御部8は、図6に示すように、特性データDf1に基づいて、殺菌剤の基準周波数frを5Hzと算出する。また、制御部8は、算出した基準周波数frをメモリ8bに記憶する。
【0049】
次いで、制御部8は、制御信号Sp(制御信号Sp1)を出力することにより、ポンプ4(ポンプ4a)を作動させて、送液動作を開始させる(ステップ92)。これにより、洗剤タンク2(洗剤タンク2a)に貯留されている洗剤(殺菌剤)が、作動状態のポンプ4aによって送液パイプ12(送液パイプ12a)を介して洗剤シリンダ3(洗剤シリンダ3a)内に供給され始める。また、制御部8は、このステップ92において、殺菌剤の供給開始からの経過時間Tについての計測を開始すると共に、基準周波数frと検出信号Sf(検出信号Sf1)の周波数fとに基づいて、ポンプ4(ポンプ4a)の送液動作によって洗剤シリンダ3(洗剤シリンダ3a)に供給された洗剤(殺菌剤)の供給量Bの算出を開始する。この供給量Bは、単位時間(一例として1秒)毎に検出信号Sf(検出信号Sf1)の周波数fを検出すると共に、現在の流量C(=A×f/fr)を求め、求めた流量Cを積算するという処理を繰り返し実行することによって算出される。また、このようにして算出された洗剤の供給量Bは、洗剤(殺菌剤)の温度による粘性の変化に起因して流量が変化することを考慮して算出されているため、実際に洗剤シリンダ3(洗剤シリンダ3a)に供給されている液量に極めて近い正確な値となっている。
【0050】
次いで、制御部8は、計測している経過時間Tがメモリ8bに予め記憶された基準時間Trに達したか否かを判別し(ステップ93)、経過時間Tが基準時間Trに達していないときには、続いて、現在の供給量Bが規定液量Qrに到達したか否かを検出する(ステップ94)。制御部8は、ステップ93において経過時間Tが基準時間Trに達したと判別するか、またはステップ94において供給量Bが規定液量Qrに到達したことを検出するまで、上記ステップ93,94を繰り返し実行する。この場合、洗剤タンク2に規定液量Qr以上の洗剤が貯留されており、またポンプ4が正常に作動して、かつ送液パイプ12に目詰まりなどの異常が発生していないときには、殺菌剤の供給開始からの経過時間Tが基準時間Trに達するのに先立って、供給量Bが規定液量Qrに到達する。
【0051】
続いて、制御部8は、この供給量Bが規定液量Qrに到達したことを検出し、ポンプ4(ポンプ4a)への制御信号Sp(制御信号Sp1)の出力を直ちに停止してポンプ4の作動を停止させる(ステップ95)。これにより、殺菌剤が規定液量Qrに計量されて、洗剤シリンダ3aに貯留された状態となる。
【0052】
最後に、制御部8は、電磁弁6(電磁弁6a)に対して制御信号Sv(制御信号Sv1)を一定時間出力する(ステップ96)。この場合、この一定時間は、洗剤シリンダ3に貯留されている規定液量の洗剤が送液パイプ13を介して洗浄槽11にすべて供給されるのに十分な時間に予め設定されている。これにより、制御部8による電磁弁6に対する制御信号Svの出力が完了した時点で、洗剤(殺菌剤)の洗浄槽11への供給処理が完了する。
【0053】
一方、制御部8は、ステップ93,94を繰り返し実行している際に、供給量Bが規定液量Qrに到達するのに先立って、経過時間Tが基準時間Trに達したときには、ポンプ4への制御信号Spの出力を停止してポンプ4を停止させた(ステップ97)後に、所定の報知処理を実行する(ステップ98)。本例では、一例として、制御部8は、この報知処理として、洗剤タンク2(洗剤タンク2a)から洗剤シリンダ3(洗剤シリンダ3a)への洗剤(殺菌剤)の送液動作において異常があった旨の情報(例えば、「送液異常」の文字)を表示部10に表示させる。作業者は、この報知処理の実行により、洗剤の洗浄槽11への供給が行われていないことを認識できると共に、その原因として、ポンプ4(ポンプ4a)の故障、洗剤タンク2(洗剤タンク2a)内の洗剤(殺菌剤)の液量不足、および送液パイプ12(送液パイプ12a)の詰まりのうちの少なくとも1つの不具合が発生しているおそれのあることを認識することができる。この報知処理の実行の後に、制御部8は洗剤供給処理を終了する。
【0054】
以上、洗剤供給処理について殺菌剤の洗浄槽11への供給を例に挙げて説明したが、アルカリ洗剤や酸性洗剤についても、上記した殺菌剤の供給の場合と同様にして、操作部9から殺菌剤、アルカリ洗剤および酸性洗剤のうちの少なくとも1種の洗剤についての規定液量Qrを記憶させる旨の命令が出力されたときには、制御部8が図2に示す規定液量Qrの記憶処理を実行することにより、操作部9から入力された各洗剤の規定液量Qrがメモリ8bに記憶される。また、操作部9からアルカリ洗剤を供給する旨の命令を受けた制御部8が図5に示す洗剤供給処理を実行することにより、洗剤タンク2bに貯留されたアルカリ洗剤が洗剤シリンダ3bにおいて規定液量だけ計量されて洗浄槽11に供給される。また、酸性洗剤についても、同様にして、操作部9から酸性洗剤を供給する旨の命令を受けた制御部8が図5に示す洗剤供給処理を実行することにより、洗剤タンク2cに貯留された酸性洗剤が洗剤シリンダ3cにおいて規定液量だけ計量されて洗浄槽11に供給される。
【0055】
また、アルカリ洗剤および酸性洗剤の洗剤供給処理においても、制御部8は、上記したステップ93,94を繰り返し実行している状態において、供給量Bが規定液量に到達するのに先立って、経過時間Tが基準時間Trに達したときには、ポンプ4b,4cへの制御信号Sp2,Sp3の出力を停止してポンプ4b,4cを停止させると共に、表示部10への「送液異常」の表示(所定の報知処理)を行うことにより、作業者に対して、ポンプ4b,4cの故障、洗剤タンク2b,2c内のアルカリ洗剤や酸性洗剤の液量不足、および送液パイプ12b,12cの詰まりなどの不具合の発生のおそれがあることを報知する。
【0056】
このように、この洗剤供給装置1Aによれば、洗剤タンク2に連結された送液パイプ12にポンプ4および流量計5をそれぞれ配設し、制御部8が流量計5から出力される検出信号Sfの周波数fに基づいて洗剤の供給量Bを算出すると共に、算出した供給量Bと予め設定された規定液量Qrとを比較して、供給量Bが規定液量Qrに到達したときにポンプ4を停止させることにより、この規定液量Qrを変更するという簡単な作業だけで、供給量Bを正確かつ容易に変更することができる。
【0057】
また、この洗剤供給装置1Aによれば、洗剤の液温Teを温度センサ7で測定し、所定流量Aで送液パイプ12を流れているときの洗剤の液温Teと検出信号Sfの周波数f(基準物理量)との関係を示す特性データDfをメモリ8bに記憶し、制御部8が洗剤の液温Teおよび特性データDfに基づいてこの液温Teにおける検出信号Sfの基準周波数fr(基準物理量)を算出すると共に、基準周波数frと検出信号Sfの周波数fとに基づいて洗剤の供給量Bを算出することにより、様々な液温の洗剤の供給量Bを一層正確に規定液量Qrに計量して供給することができる。
【0058】
さらに、この洗剤供給装置1Aによれば、ポンプ4による洗剤の洗剤シリンダ3への供給開始から基準時間Trを経過するまでに洗剤の供給量Bが規定液量Qrに到達しないときに制御部8が報知処理を実行することにより、例えば、ポンプ4の故障、洗剤タンク2内の洗剤の液量不足、および送液パイプ12の詰まりなどの不具合の発生に起因して、規定液量Qrの洗剤が供給されていない状態にあることを作業者に確実に報知することができる。
【0059】
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、1つの温度センサ7で測定した温度(洗剤タンク2等が設置された環境の温度(気温))を各洗剤の液温Teとして、洗剤供給装置1Aの構成を簡略化した例を挙げて説明したが、例えば、各洗剤タンク2に温度センサ7をそれぞれ配置して、各洗剤の液温Teを直接測定する構成を採用することもできる。この構成によれば、各洗剤の液温Teをより正確に測定できる結果、各洗剤の供給量Bをより正確に算出することができ、これにより、各洗剤をさらに正確に規定液量Qrに計量して供給することができる。
【0060】
また、上記の洗剤供給装置1,1Aでは、洗剤を供給する目的の容器として洗浄槽11を例に挙げて説明したが、洗浄槽11以外の容器、例えば搾乳機の一部を構成するバルククーラーに洗剤を計量して供給する場合にも本発明を使用できるのは勿論である。以下、各洗剤供給装置1でバルククーラーに洗剤を供給する例について図7を参照して説明する。
【0061】
この場合、各洗剤供給装置1,1Aの各送液パイプ13は、洗剤を循環させる循環パイプ70の中間部にそれぞれ連結される。循環パイプ70の一方の端部は、搾乳後の原乳を冷却保存するためのバルククーラー71の底部に連結され、循環パイプ70の他方の端部には排水バルブ72が配設されている。また、循環パイプ70における各送液パイプ13の連結部位と排水バルブ72との間に枝パイプ73の一端が連結されて、枝パイプ73の他端が循環ポンプ74の給水口74aに連結されている。また、循環ポンプ74の送水口74bには送液パイプ75の一端が連結されて、送液パイプ75の他端は二股に形成されると共に、バルククーラー71の天井壁からバルククーラー71内に挿入されている。さらに、バルククーラー71内の上部には、拡散羽根76が配設されている。また、枝パイプ73の中間部には給水パイプ77の先端が連結されている。また、循環パイプ70における排水バルブ72の配設部位と枝パイプ73の連結部位との間には、給湯パイプ78の先端が連結されている。また、給水パイプ77および給湯パイプ78には、開閉バルブ79,80がそれぞれ配設されている。
【0062】
次に、各洗剤供給装置1,1Aで供給された洗剤によるバルククーラー71の洗浄処理について説明する。
【0063】
まず、排水バルブ72を閉じた状態で、開閉バルブ79または開閉バルブ80を開口し、循環パイプ70内を通して、洗浄液用の水または湯をバルククーラー71内に一定液量供給する。次いで、開閉バルブ79または開閉バルブ80を閉じて、循環ポンプ74を作動させ、バルククーラー71内に貯留した洗浄液用の水または湯を、循環パイプ70内、枝パイプ73内、送液パイプ75内を通して、バルククーラー71の内外に循環させる。また、この際に、各電磁弁6のうちの少なくとも1つを作動させることにより、循環パイプ70を循環させる洗浄液用の水または湯に3本の送液パイプ13を通して3種類の洗剤を一定液量ずつそれぞれ供給して、洗浄液用の水または湯に洗剤を混入させる。続いて、洗剤を混入させた洗浄液用の水または湯をバルククーラー71の内外に循環させ、送液パイプ75の二股に分岐した先端から噴出させて拡散羽根76に吹き付ける。これにより、洗剤を混入させた洗浄液用の水または湯がバルククーラー71の内周壁に万遍なく吹き掛けられて、バルククーラー71の内周壁が洗浄される。なお、バルククーラー71は、その内底部に撹拌羽根81が配設されて、内底部に貯留した洗浄液用の水または湯に混入させた洗剤を万遍なく拡散させる構成となっている。
【0064】
また、上記の各実施の形態では、各洗剤シリンダ3を介して洗浄槽11やバルククーラー71に各洗剤を供給する例を挙げて説明したが、本発明における洗剤供給装置1では、各ポンプ4の送液動作による各洗剤の供給量Bを、洗剤の供給開始からの経過時間T、所定量M、および動作回数n(または、ポンプ4の総回転数Nsおよび所定量M)に基づいて正確に算出することができるため、また本発明における洗剤供給装置1Aでは、各流量計5からの検出信号Sfの周波数f、メモリ8bに記憶されている各洗剤の特性データDf1,Df2,Df3、およびこの各特性データDfの取得時における洗剤の所定流量Aに基づいて正確に算出することができるため、各洗剤シリンダ3、各送液パイプ13および各電磁弁6の配設を省略して、計量した洗剤を洗浄槽11やバルククーラー71に直接供給する構成を採用することもできる。この構成によれば、洗剤シリンダ3等の配設を省くことができるため、装置コストを低減することができる。
【0065】
また、上記の洗剤供給装置1Aでは、流量計5として羽根車式流量計を採用しているが、流速が中速から低速用の流量計であれば、この方式以外の流量計、例えば、差圧式流量計、電磁式流量計、面積式流量計または超音波式流量計を用いることができる。また、流量計から出力される検出信号の物理量の一例として、周波数を利用した例について上記したが、上記したような様々な方式の流量計に合わせて、周波数以外の物理量(振幅や直流レベルなど)を利用してもよい。また、上記の洗剤供給装置1,1Aでは、3種類の洗剤を供給する構成を採用しているが、洗剤供給装置1については、洗剤タンク2、ポンプ4、および送液パイプ12(さらには、洗剤シリンダ3や電磁弁6など)の数を洗剤の種類に応じて増減することにより、また洗剤供給装置1Aについては、洗剤タンク2、ポンプ4、流量計5、および送液パイプ12(さらには、洗剤シリンダ3や電磁弁6など)の数を洗剤の種類に応じて増減することにより、1種類や2種類の洗剤、また4種類以上の洗剤を供給する場合にも使用することができる。また、表示部10としてディスプレイ装置を使用した例について上記したが、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、LEDおよびランプなどの表示装置を使用して報知することもできるし、ブザーやスピーカーなどの鳴動装置を使用して報知することもできる。
【0066】
また、上記の洗剤供給装置1Aでは、洗剤供給処理におけるポンプ4や送液パイプ12などに発生した異常を検出するステップ93において、各洗剤について共通の基準時間Trを使用した例を挙げて説明したが、各洗剤の規定液量Qr1,Qr2,Qr3が大幅に異なったり、また各洗剤の粘性が大きく異なるなどの理由により、規定液量Qrを供給するまでに要する時間が洗剤毎に大きく異なるような場合には、基準時間Trを洗剤毎に個別に設定することもできる。この構成を採用することにより、異常の発生した状況下において洗剤供給動作が長時間継続される事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】洗剤供給装置1の構成を示す構成図である。
【図2】洗剤供給装置1,1Aによる規定液量の記憶処理のフローチャートである。
【図3】洗剤供給装置1による洗剤供給処理のフローチャートである。
【図4】洗剤供給装置1Aの構成を示す構成図である。
【図5】洗剤供給装置1Aによる洗剤供給処理のフローチャートである。
【図6】各洗剤の液温Teと基準周波数fとの関係を示す特性図である。
【図7】搾乳機のバルククーラーおよびその周辺の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0068】
1,1A 洗剤供給装置
2a,2b,2c 洗剤タンク
4a,4b,4c ポンプ
5a,5b,5c 流量計
7 温度センサ
8 制御部
8b メモリ
12a,12b,12c 送液パイプ
B 供給量
Df,Dt 特性データ
f 周波数
fr 基準周波数
Ns 総回転数
Qr 規定液量
Sf 検出信号
T 作動時間
Tr 基準時間
【出願人】 【識別番号】000103921
【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
【出願日】 平成19年2月20日(2007.2.20)
【代理人】 【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司


【公開番号】 特開2008−199949(P2008−199949A)
【公開日】 平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願番号】 特願2007−39073(P2007−39073)