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【発明の名称】 木材履歴管理システム
【発明者】 【氏名】増田 正雄

【氏名】榊原 正三

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伐採日などの管理ナンバー入力手段と、葉枯し終了日入力手段と、製材加工日入力手段と、第3業者への販売日入力手段とからなり、前記伐採日,葉枯し期間及び熟成期間とを表示可能とするようにして制御してなることを特徴とする木材履歴管理システム。
【請求項2】
請求項1において、倒木方向入力手段を加えてなることを特徴とする木材履歴管理システム。
【請求項3】
請求項1において、前記管理ナンバー入力手段と、前記葉枯し終了日入力手段と、前記製材加工日入力手段と、前記第3業者への販売日入力手段とをそれぞれ携帯端末にて入力して中央処理装置に格納可能としてなることを特徴とする木材履歴管理システム。
【請求項4】
請求項1において、葉枯し終了日を玉切り日に略同等とすると共に、該玉切り日から前記製材加工日までを養生期間として、該養生期間を表示可能とするようにして制御してなることを特徴とする木材履歴管理システム。
【請求項5】
請求項4において、葉枯し期間表示手段と熟成期間表示手段と養生期間表示手段とを設けると共に、前記伐採日,葉枯し期間及び熟成期間と養生期間とを出力できるようにしたことを特徴とする木材履歴管理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、木材がいつどこで、どのように扱われてきたのかを明確にして、トレーサビリティの考え方を導入し、伐採日,葉枯し期間(葉枯し乾燥期間)及び熟成期間(桟積み天然乾燥期間)について、後に、施主又は工務店などのユーザーがコンピュータを介して明確に確認できるようにする木材履歴管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、食品業界では、「トレーサビリティ」という言葉が聞かれるようになってきた。つまり、牛肉の場合の履歴であり、どこどこの生産者の肉牛であって、何歳で、どのような飼料を与えていたか、何時肉牛加工したか、どこどこの中間業者を経由して現在の販売店に並んでいるかの一連の履歴状況が判るようにしたデータである。このため、材木又は木材業界においても、そのようなニーズが生じていた。特に、材木又は木材においては、伐採日は何時なのかと、葉枯し期間及び葉枯し乾燥(葉枯し)と桟積み天然乾燥(熟成)とを併せた天然乾燥にどの位の時間又は期間をかけているかが付加価値として大きな要素である。
【特許文献1】特開2005−163245
【0003】
しかるに、このようなニーズに対応したシステムは、存在していない。つまり、特許文献1には、木材の成長過程において、立木の適当な個所に適量の無線ICタグを埋め込んでおく構成や、伐採された木材への無線ICタグの埋め込み構成が開示されているが、伐採日,葉枯し乾燥(葉枯し)の点、桟積み天然乾燥(熟成)の点については、何等の記載も無いし、その示唆もない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、杉,檜などの樹木を伐採して、木材加工する過程において、木材がいつどこで、どのように扱われてきたのかを明確にして、トレーサビリティの考え方を導入し、伐採日,葉枯し期間(葉枯し乾燥期間)、熟成期間(桟積み天然乾燥期間)について、後に、施主又は工務店などのユーザーがコンピュータを介して明確に確認できるように実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、伐採日などの管理ナンバー入力手段と、葉枯し終了日入力手段と、製材加工日入力手段と、第3業者への販売日入力手段とからなり、前記伐採日,葉枯し期間及び熟成期間とを表示可能とするようにして制御してなることを特徴とする木材履歴管理システムとしたことにより、前記課題を解決した。請求項2の発明を、前述の構成において、倒木方向入力手段を加えてなることを特徴とする木材履歴管理システムとしたことにより、前記課題を解決した。
【0006】
請求項3の発明を、前述の構成において、前記管理ナンバー入力手段と、前記葉枯し終了日入力手段と、前記製材加工日入力手段と、前記第3業者への販売日入力手段とをそれぞれ携帯端末にて入力して中央処理装置に格納可能としてなることを特徴とする木材履歴管理システムとしたことにより、前記課題を解決した。また、請求項4の発明を、前述の構成において、葉枯し終了日を玉切り日に略同等とすると共に、該玉切り日から前記製材加工日までを養生期間として、該養生期間を表示可能とするようにして制御してなることを特徴とする木材履歴管理システムとしたことにより、前記課題を解決した。請求項5の
発明を、前述の構成において、葉枯し期間表示手段と熟成期間表示手段と養生期間表示手段とを設けると共に、前記伐採日,葉枯し期間及び熟成期間と養生期間とを出力できるようにしたことを特徴とする木材履歴管理システムとしたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明においては、最も、知りたいと思われる工務店などの第3業者に対して、伐採日,葉枯し期間及び熟成期間が正当に実施されていたか否かを判断することができ、このシステムによって生産者及び消費者にとっても極めて好適にできる。特に、優良な木材の判断基準ともなる伐採日,葉枯し期間及び熟成期間が真正且つ正確であることから、木材の品質保証をも兼ね備えることができるものである。請求項2の発明では、倒木方向入力手段を加えたことにより、ゆっくりと葉枯し乾燥しているか否かを認識できるため客観的な判断を良好に担保できる。
【0008】
請求項3の発明では、携帯端末ゆえに操作性を良好にできる。また、請求項4の発明では、材木店等での保管しておく養生期間がしっかりしたものであるかを知ることができるし、請求項5の発明では、特に、伐採日,葉枯し期間,熟成期間及び養生期間とを出力することで、施主又は工務店などの第3業者に対しての信用を確保できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明すると、図1は本発明のシステムの概略図である。図2は、本発明のブロック図である。20はコンピュータの中央処理装置であり、伐採日などの管理ナンバー入力手段1と、倒木方向入力手段2と、葉枯し終了日入力手段3と、玉切り日入力手段4と、葉枯し期間表示手段5と、第1業者記憶手段6と、製材加工日入力手段7と、第2業者記憶手段8と、第3業者への販売日入力手段9と、熟成期間表示手段10と、管理ナンバー関連表示手段11と、第3業者記憶手段12と、養生期間表示手段13等とから構成されている。
【0010】
前記管理ナンバー入力手段1には、伐採日現場情報と伐採木材個別情報とが存在する。その伐採日現場情報には、木材の生産地(山の経度、緯度、標高、番地)及び木材の生産者(住所、番地、生産者)、木材を伐採した人の住所、名前が入力される。また、前記伐採木材個別情報(木材固有情報)には、木材を伐採した日、時間、月齢、天候、気温、樹種(杉、桧等)、樹齢、人工林(天然林)、木材の円周、樹高、枝ぶり、樹皮外観、樹容、ヤング係数(大凡)管理番号等が入力される。伐採は二人一組で行なわれる。特に、木材の円周とは、地表から約1.2mの樹木の「円周」を計測する。「樹高」「枝下」を目測し、「樹皮外観」「樹容」の様子を目視で判断して入力する。前記管理ナンバー入力手段1としては、携帯端末が使用される。該携帯端末の記憶から、前記中央処理装置20の記憶部に格納される。その木材固有の「管理ナンバー」を入力されるとともに、同じナンバーが印刷されたバーコードラベルが木口に用具又は工具等で取り付けられる。
【0011】
また、伐り倒す「倒木方向」は、前記管理ナンバー内に包含されるものであるが、本発明では、葉枯しの時間及び内容に密接に関係するため、あえて、倒木方向入力手段2が設けられている。具体的には、上向き、下向き、横向きなどがある。樹木の頂き部側が上向きには、斜め上向きも含まれる。このように、上向きの場合には、枝葉からの蒸発、蒸散作用によって比較的早期の時間及び期間で葉枯しが行われる。また、反対に、横方向又は下向きの場合には、比較的遅くなる時間及び期間に葉枯しが行われる。該葉枯しは、自然乾燥であり、なるべくゆっくりとした時間で自然乾燥されることが好ましいものである。
【0012】
なお、伐採した年月日・時間が記録される。この時、新月伐採では月齢との関係で伐期が決まるので、何月何日の何時に伐採されたかがとても重要な事項である。その伐採の日
から、葉枯しの開始となる。特に、太陰暦に基づいた新月に伐採することに関係している。この点は後述する。また、この明細書において、「葉枯し」とは、伐採して倒木した直後から枝付き状態で、山に放置させつつ月単位の期間において天然乾燥させることである。杉では、一般に、約3ケ月以上が葉枯し期間である。また、檜では、一般に、約1ケ月位が葉枯し期間である。「天然乾燥」とは、化石燃料等を使わずに自然の力(太陽、風、月)で乾燥させることであり、木材として最良の状態で管理する方法とされている。したがって、「数日枯し」しただけでは、「葉枯し」として、日数を明確にしていないものであり、「葉枯し」とは言えない。
【0013】
前記葉枯し終了日入力手段3は、伐採した個所で、倒木されている状態(枝付き)において、枝払いを行う。これで、葉枯し期間は終了する。また、該枝払いした後に、直ぐに出材する。そして、葉枯しが完了した木材は、架線等で集材され、山土場で玉切りされる。つまり、玉切り日入力手段4によって、所定の寸法にそれぞれ切断されたことが入力される。すなわち、樹木なる木材から、約4m等で切断する。切断した根本側を、第1番玉といい、その後は、第2番玉、第3番玉という。これらは貯木場に運ばれ、ここで新しいバーコードラベルをつけられる。該バーコードによる片は、それぞれ玉切りしたそれぞれの根側個所に貼られる。玉切りした日を、葉枯し終了日とすることもあり、その玉切りした日までを、葉枯し期間と称することもある。このため、葉枯し終了日は玉切り日に略同等である。また、葉枯し期間は、葉枯し期間表示手段5を介して表示されるように構成されている。このようなデータにより、伐採の時のデータに、どれだけの期間、葉枯し期間として天然乾燥されたかなどのデータが追加される。
【0014】
玉切りされた木材は、貯木場などに運搬(移動)されて保管される。その貯木場などを営業・管理する材木店などを第1業者という。該第1業者による保管は、一般には、約3〜6ケ月となる。この場合の保管状況などが前記第1業者記憶手段6に入力される。その後に、製材業者などに販売される。製材業者などを第2業者という。特に、該第2業者によって柱材又は板材として製材加工される。前記製材加工日入力手段7によって、前記製材加工された日が入力されつつ、該当する柱材又は板材それぞれにバーコードによる片が取り付けられる。この場合の保管状況などが前記第2業者記憶手段8に入力される。つまり、製材加工直後からの約3ケ月位は、外に雨ざらし状態に桟積みし、その後の約3ケ月位は、雨ざらしにならないように屋根の下に入れて桟積みして天然乾燥させる。
【0015】
その後に、工務店などの第3業者に販売される。該販売日は、第3業者への販売日入力手段9によって入力される。そして、前記熟成期間は、製材加工日から第3業者への販売日までである。これによって、熟成期間は、熟成期間表示手段10により表示されるように構成されている。また、管理ナンバー関連表示手段11を介して略全ての管理情報が表示手段に表示されるように構成されている。また、葉枯し終了日を玉切り日に略同等とすると共に、該玉切り日から前記製材加工日までを養生期間として、該養生期間が表示可能とするように制御されている。また、前記養生期間は、養生期間表示手段13により表示されるように構成されている。
【0016】
具体的には、図3(A)に示すように、葉枯し期間は、葉枯し終了日が入力されたと同時に、葉枯し期間表示手段5に、その月日が表示されるように構成されている。勿論、伐
採日も表示される。また、熟成期間は、製材加工日から第3業者への販売日までであり、これらの入力があったときには、熟成期間は、熟成期間表示手段10に、その月日が表示されるように構成されている。さらに、養生期間は玉切り日から前記製材加工日までであり、前記養生期間が養生期間表示手段13により表示可能とするように構成されている。
【0017】
このようにすることにより、工務店などの第3業者は、その柱材又は板材に対して、それぞれのバーコードを読み取ることで、コンピュータを介して、木材の履歴等の管理デー
タを把握することができる。これによって、伐採日,葉枯し期間及び熟成期間さらには養生期間がどの位の月日があるかを数値として客観的にできる。また、工務店などの第3業者には、必要に応じて、木材履歴IDカードが示され、その木材が、誰それかによって、伐採、保管、製材などされ、伐採日,葉枯し期間及び熟成期間さらには養生期間がどの位の月日があるかを数値として正確に判断できるという最大の利点を有するものである。また、伐採日,葉枯し期間及び熟成期間さらには養生期間などの最小限の要素が判断できる「出荷証明書」を発行している。
【0018】
前述した太陰暦に基づいた新月に伐採することについて説明する。樹木の生理活動が太陽と月のリズムによって大きく変化することを先人から学んでいる。この考え方に習い、下弦月から新月まで(この期間を特に、「新月伐採」という。)に伐採した場合には、カビ・虫に侵されにくく、割れ、暴れ、クルイなどが出にくいなど実用性に富んでいることが判ってきている。このため、伐採日が、重要となる所以である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明全体の簡略したシステム図である。
【図2】本発明のブロック図である。
【図3】(A)及び(B)は、表示画面の状態図である。
【符号の説明】
【0020】
1…管理ナンバー入力手段、2…倒木方向入力手段、3…葉枯し終了日入力手段、
5…葉枯し期間表示手段、7…製材加工日入力手段、9…第3業者への販売日入力手段、10…熟成期間表示手段、13…養生期間表示手段。
【出願人】 【識別番号】505036892
【氏名又は名称】特定非営利活動法人 新月の木国際協会
【出願日】 平成19年6月8日(2007.6.8)
【代理人】 【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男


【公開番号】 特開2008−301783(P2008−301783A)
【公開日】 平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願番号】 特願2007−153359(P2007−153359)