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【発明の名称】 建造物用換気装置
【発明者】 【氏名】宮野 益人

【要約】 【課題】建造物内の温度および湿度の調節がより一層しやすいと共に、屋根裏に水滴がより一層付着することはない建造物用換気装置を提供する。

【解決手段】建造物Hの屋根部に棟に沿って凹溝を形成する。凹溝は上方に開口しているとともにその両側壁部に換気口Aを設ける。換気口Aを介して建造物Hの内部と外気とを連通させる。建造物Hに風車Rを回転可能に設置するとともにこの風車Rを前記凹溝内に配置する。風車Rの回転軸を凹溝の溝方向に一致させるとともにこの風車Rの外周面に回転ファンを突設する。回転ファンは風車Rの上方に位置したときには少なくともその先端部は凹溝から上方に突出している建造物用換気装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の屋根部に棟に沿って凹溝を形成し、この凹溝は上方に開口しているとともにその両側壁部に換気口を設け、この換気口を介して前記建造物の内部と外気とを連通させる建造物用換気装置において、前記建造物に風車を回転可能に設置するとともにこの風車を前記凹溝内に配置し、かつ、前記風車の回転軸を前記凹溝の溝方向に一致させるとともにこの風車の外周面に回転ファンを突設し、この回転ファンは前記風車の上方に位置したときには少なくともその先端部は前記凹溝から上方に突出していることを特徴とする建造物用換気装置。
【請求項2】
請求項1の建造物用換気装置において、前記換気口を開閉可能にしたことを特徴とする建造物用換気装置。
【請求項3】
請求項2の建造物用換気装置において、前記換気口を引き戸にしたことを特徴とする建造物用換気装置。
【請求項4】
請求項1の建造物用換気装置において、前記回転ファンを螺旋ファンとしたことを特徴とする建造物用換気装置。
【請求項5】
請求項1の建造物用換気装置において、前記風車の回転軸に発電機を連動させ、前記風車の回転によって発電可能としたことを特徴とする建造物用換気装置。
【請求項6】
請求項1の建造物用換気装置において、前記風車の回転ファンに反射部材を設置したことを特徴とする建造物用換気装置。
【請求項7】
請求項1の建造物用換気装置において、前記風車を電動機によって回転可能としたことを特徴とする建造物用換気装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は建造物用換気装置に関し、例えば農業用ビニールハウス,堆肥小屋,家畜舎,工場,一般住宅等の内部の換気を行う際に使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
従来におけるこの種の換気装置にあっては、ハウスにおける屋根部の下端部に換気口が設けられ、この換気口に当たる被覆シートを開閉することによって、ハウス内の換気を行っていた。
【0003】
ところが、この種の換気装置にあっては、換気口が屋根部の両側の下の部分に設置されていたため、片方の換気口から侵入した風はそのまま水平に流れて他方の換気口から排出される結果、屋根裏の上部空間に熱気が滞留して温度調節がしにくいともに屋根裏に水滴が付着して作物に害を及ぼしやすいという欠点を有していた。
【0004】
このため、発明者は、建造物の屋根部に棟に沿って凹溝を形成し、この凹溝の両側壁部に換気口を設け、この換気口を介して前記ハウスの内部と外気とを連通させたものを発明し、この技術を使用することによって、風が拭いたときに、換気口に風を侵入させることによってこれらの欠点を解消していた。
【0005】
【特許文献1】特開2004−222510公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、上記発明における建造物の換気効率を更に向上させるため、即ち、建造物内の温度及び湿度の調節がより一層しやすいともに屋根裏に水滴がより一層付着することはない建造物用換気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するために、この発明に係る建造物用換気装置においては、建造物の屋根部に棟に沿って凹溝を形成し、この凹溝は上方に開口しているとともにその両側壁部に換気口を設け、この換気口を介して前記建造物の内部と外気とを連通させる建造物用換気装置において、前記建造物に風車を回転可能に設置するとともにこの風車を前記凹溝内に配置し、かつ、前記風車の回転軸を前記凹溝の溝方向に一致させるとともにこの風車の外周面に回転ファンを突設し、この回転ファンは前記風車の上方に位置したときには少なくともその先端部は前記凹溝から上方に突出させたものである。
【0008】
なお、前記換気口を開閉可能にすることもできる。
この場合、前記換気口を引き戸にすることもできる。
【0009】
また、前記回転ファンを螺旋ファンとすることもできる。
【0010】
また、前記風車の回転軸に発電機を連動させ、前記風車の回転によって発電可能とすることもできる。
【0011】
また、前記風車の回転ファンに反射部材を設置することもできる。
【0012】
また、前記風車を電動機によって回転可能とすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る建造物用換気装置は上記のように構成されているため、即ち、建造物の屋根部に棟に沿って凹溝を形成し、この凹溝は上方に開口しているとともにその両側壁部に換気口を設け、この換気口を介して前記建造物の内部と外気とを連通させる建造物用換気装置において、前記建造物に風車を回転可能に設置するとともにこの風車を前記凹溝内に配置し、かつ、前記風車の回転軸を前記凹溝の溝方向に一致させるとともにこの風車の外周面に回転ファンを突設し、この回転ファンは前記風車の上方に位置したときには少なくともその先端部は前記凹溝から上方に突出させたため、前記建造物の屋根に沿って風が吹いたときに前記風車が回転し、前記凹溝内における風下側の換気口の外部が加圧される結果空気が侵入するとともに風上側の換気口の外部は減圧される結果建造物内の空気を排出させ、よって、建造物内の換気ができるものである。
【0014】
よって、この建造物用換気装置を使用すれば、建造物における屋根裏の上部空間に熱気が滞留することは可なりの効率で防止できるため、従来よりも、建造物内の温度及び湿度が調節がしやすいともに屋根裏に水滴が付着することはないため水滴による作物の害を防止することができるものである。
【0015】
なお、前記換気口を開閉可能にすれば、風下側の換気口を閉止した状態で風上側の換気口を開放すれば、空気を侵入させることなく、風上側の換気口から建造物内の熱気を排出させることができる。この結果、換気口部に従来の天窓部材・装置がなくなり、代わりに、フィルム巻き上げ等により装置を簡易化できるとともに製造コストも低額化できる。また、換気口Aの引き戸に取り付けられた防虫ネットに風が当たらないのでネットのバタツキと破れが防止できるほ他、風雨の侵入の防止ができるという利点がある。
【0016】
この場合、前記換気口を引き戸にすれば、風が吹いてもフィルムが揺れて風車に接触することはないため、故障の発生を少なくすることができる。
【0017】
また、前記回転ファンを螺旋ファンにすれば、前記建造物の屋根に沿って吹いて来た風以外に、前記風車の軸に沿って吹いて来た風(棟方向に沿った風)によっても風車を回転させることができるため、換気の効率をさらに向上させることができる。
【0018】
また、前記風車の回転軸に発電機を連動させ、前記風車の回転によって発電可能とすれば、風力を有効利用することができる。特に、充電器に充電し発光ダイオード等を点灯させてハウス等(建造物)における点灯や電照栽培に利用することもできる。
【0019】
また、前記風車の回転ファンに反射部材を設置すれば、害虫を反射光によって攪乱させて換気口に近寄ってくるのを防止し、ひいては、換気口から建造物内への侵入を防止することができる。
【0020】
また、前記風車を電動機によって回転可能とすれば、風車を強制的に回転させることができるため、無風状態や弱風状態でも前記換気を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
建造物の屋根部に棟に沿って凹溝を形成する。この凹溝は上方に開口しているとともにその両側壁部に換気口が設けられている。この換気口を介して前記建造物の内部と外気とを連通させる。前記建造物に風車を回転可能に設置するとともにこの風車を前記凹溝内に配置する。前記風車の回転軸を前記凹溝の溝方向に一致させるとともにこの風車の外周面に回転ファンを突設する。この回転ファンは前記風車の上方に位置したときには少なくともその先端部は前記凹溝から上方に突出している。
【実施例1】
【0022】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0023】
図1はこの発明に係る建造物用換気装置の断面図、図2は図1におけるII部拡大図、図3は図2における平面図、図4は図2におけるIV矢視図,図5は風車を連結した状態の側面図、図6は風車の他の実施例の正面図である。
【0024】
図1において、H,Hは連設される野菜栽培用ビニールハウス(この発明の「建造物」相当する)、11,12 はこのハウスHの柱部材である。ここに、柱部材11は連設されるビニールハウスHの最端部に設置されるものであり、また、柱部材12は隣り合うビニールハウスHとの境に設置されるものである。なお、13は柱部材12の上端に設置された谷樋であり、雨水等を集めて流すためのものである。
【0025】
次に、31は屋根部材であり、前記柱部材11の頂部と柱部材12の頂部との間にアーチ状に架け渡されている。この屋根部材31は前記ハウスHの屋根部を形成している。20は梁部材であり、前記した屋根部材31の略中間部に掛け渡され、それぞれ固定されている。21,21 はつか部材であり、前記梁部材20の略中心部において所定間隔を介して略垂直状に立設されている。そして、その頂部は前記屋根部材31の下面に固定されている。この一対のつか部材21,21 と前記梁部材20によって、この発明の凹溝Cが構成される。なお、柱部材11,12 ,梁部材20,つか部材21,21 および前記アーチ状屋根部材31は、棟方向(図の垂直方向)に沿って適宜間隔で所要数並設されている。
【0026】
Rは風車であり、前記屋根部材31の頂部に回転可能に設置されている。この風車Rは前記凹溝C内に配置している。風車Rについては追って詳述する。
【0027】
また、前記屋根部材31は直線状であってもよいし、ピラミッド状(二等辺三角形状)であっても良い。この実施例の場合は、前記ハウスHの屋根部はアーチ状上方に突出した)にに構成されている。
【0028】
図2〜図4において、60,60 は上部棟部材であり、前記つか部材21,21 の上端に載置された状態で固定され棟方向に沿って延びている。また、61,61 は下部棟部材であり、前記つか部材21,21 の下端に位置した状態で前記梁部材20の内側面に固着されている(図2及び図4を参照のこと)。この上部棟部材60と下部棟部材61とこれらの両端のつか部材21(片方のみ図示)によって構成される窓状の「空間部分」がこの発明の「換気口A」に相当する。
【0029】
次に、70,70,…はもや部材であり、前記屋根骨部材31または前記柱部材11に固定され、棟方向に沿って延びている。
【0030】
32,32 …はシート支持部材であり、上端部を前記棟部材60に嵌着し(図2を参照のこと)、前記もや部材70,70,…に固定された状態で前記屋根骨部材31および前記柱部材11に略平行に設置されている。
【0031】
34,34は断面L字状(Lチャンネル材からなる)のはふ部材であり、前記上部棟部材60,60 に載置された状態で固定されている。このはふ部材34は前記上部棟部材60に沿って延びている。
【0032】
次に、80は棟樋であり、前記両側(図2において)つか部材61,61 の間における前記梁部材20及び中心つか部材98に載置された状態、言い換えれば、前記凹溝Cの底面に載置された状態で固定されている。この棟樋80は透明プラスチック製であり、前記凹溝C内に侵入した雨水等を棟方向に流し、ハウスH内に侵入するのを防止している。81,81 はガイド片であり、前記棟樋80の両端縁に一体成形されている。このガイド片81,81 は前記換気口Aの下端縁に配置し、換気口A内に雨水等が侵入するのを防止している。
【0033】
次に、33は前記上部アーチ部材32に張設された無色透明な被覆シートであり、上端部は前記棟部材60に固定具63を介して固定されている。また、図1における左側下端部は前記柱部材11に沿って地表面まで延び、ハウスHの壁面を構成し、一方、右側下端部は隣り合うハウスHまで延びている。
【0034】
次に、90,90,…は引き戸であり、前記換気口Aに設置されている。この引き戸90,90,…は、その枠体91,91,…が前記換気口Aに内嵌め固定され、その枠体91内に一対の引き戸(ガラスが嵌められており、光を通過させる)90,90 がスライド可能(矢印方向)に嵌められている。この引き戸90,90 は通常の駆動手段(例えば、手動によるハンドル巻き操作や、センサーによって室温を感知し、モーターの駆動によって引き戸をスライドさせる)によってスライドし、前記換気口Aを開閉する。
【0035】
次に、92は前記風車Rの筒体である。この筒体92は回転軸93を介して前記屋根部材31の頂部に軸受99,99,…(1つのみ図示)を介して回転可能に設置されている。94は回転ファンであり、前記筒体92の外周面に螺旋状に突設されている(図3を参照のこと)。この場合、この回転ファン94における前記風車Rの上方に位置する部分は、少なくともその先端部が前記凹溝Cから上方に突出しているものである。これは、屋根部にそって吹いて来る風を受けるようにするためである。
【0036】
なお、図6に示すように、回転ファン94は直線状であってもよいが(筒体92の軸心にそって、複数の板状のものを突出させたもの)、上記実施例のように螺旋状にすれば、この風車Rは前記筒体92の軸心に沿って吹いて来る風によっても回転することができる。
【0037】
Dは発電機であり、前記風車Rの回転軸93に連動し、前記風車Rの回転によって発電する。発電された電力は、バッテリー95に充電可能であり、発光ダイオード等96を点灯させてハウス等における点灯や電照栽培に利用することもできる。
【0038】
また、前記風車Rの回転ファン94に反射部材97を設置することによんで、害虫をその反射光によって攪乱させ換気口Aに近寄ってくるのを防止することができる。
【0039】
なお、前記風車Rを電動機Mによって強制的に回転させることもできる。
【0040】
また、前記風車Rの長さは、大体一間位であり、建造物Hの都合上、凹溝Cが長く続く場合には、図5に示すように、この風車Rを軸受99を介して複数直線状に連結すればよい(回転軸93を一直線状に連結する)。
【0041】
このように、換気装置が構成されているため、図1および図2において、左側から、前記建造物の屋根に沿って風が吹いたときに前記風車が回転し(時計方向に回転し)、前記凹溝C内における風下側(右側)の換気口Aの外部が加圧されるためこの換気口Aから空気が侵入するとともに風上側(左側)の換気口Aの外部は減圧されるため建造物内の空気を排出させ、侵入した空気は被覆シート33の裏面に沿って流れる結果ハウスH内の換気ができる。
【0042】
一方、右側から、前記建造物の屋根に沿って風が吹いたときには前記風車が回転し(反時計方向に回転し)、前記凹溝C内における風下側(左側)の換気口Aの外部が加圧されるためこの換気口Aから空気が侵入するとともに風上側(右側)の換気口Aの外部は減圧されるため建造物内の空気を排出させ、同様に、侵入した空気は被覆シート33の裏面に沿って流れる結果ハウスH内の換気ができる。
【0043】
なお、引き戸90を操作することにより、風下側の換気口Aを閉止した状態で風上側の換気口Aを開放すれば、空気を侵入させることなく、風上側の換気口Aから建造物内の熱気を排出させることができる。このようにすると、換気口Aの引き戸に取り付けられた防虫ネットに風が当たらないのでネットのバタツキと破れが防止できるほ他、風雨の侵入の防止ができるという利点がある。また、換気口部に従来の天窓部材・装置がなくなり、代わりに、フィルム巻き上げ等により装置を簡易化できるとともに製造コストも低額化できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
建造物における屋根裏の上部空間に熱気が滞留することは防止できるため、ハウス内の温度調節および屋根裏への水滴の付着を防止して水滴による作物の害を防止するためにに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1はこの発明に係るハウス用換気装置の断面図である。
【図2】図2は図1におけるII部拡大図である。
【図3】図3は図2における平面図である。
【図4】図4は図2におけるIV矢視図である。
【図5】図5は風車を連結した状態の側面図である。
【図6】図6は風車の他の実施例の正面図である
【符号の説明】
【0046】
A … 換気口
C … 凹溝
D … 発電機
H … 野菜栽培用ビニールハウス(建造物)
M … 電動機
R … 風車
11 … 柱部材
12 … 柱部材
13 … 谷樋
20 … 梁部材
21 … つか部材
31 … 屋根部材
32 … シート支持部材
33 … 被覆シート
34 … はふ部材
60 … 上部棟部材
61 … 下部棟部材
63 … 固定具
70 … もや部材
80 … 棟樋で
81 … ガイド片
90 … 引き戸
91 … 枠体
92 … 筒体
93 … 回転軸
94 … 回転ファン
95 … バッテリー
96 … 発光ダイオード
97 … 反射部材
98 … 中心つか部材
99 … 軸受
【出願人】 【識別番号】592207223
【氏名又は名称】有限会社ニキ製作所
【出願日】 平成19年6月6日(2007.6.6)
【代理人】 【識別番号】100083530
【弁理士】
【氏名又は名称】野末 祐司


【公開番号】 特開2008−301751(P2008−301751A)
【公開日】 平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願番号】 特願2007−151018(P2007−151018)