トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業

【発明の名称】 低温液貯蔵タンク建設地の緑地化方法及び緑地化設備
【発明者】 【氏名】島津 圭輔

【要約】 【課題】低温液貯蔵タンクを建設する土地の緑化面積を少なくする。

【解決手段】低温液貯蔵タンク7の外槽2の側壁となるコンクリート壁2aの外側に、U溝状の植栽部9と全周に配置してアンカーボルト8を用いて取付け支持する。リング状としてある植栽部9に高木、低木等の植物17を植栽する。外槽2の屋根2bの上面に植栽領域13を設け、芝生14等を植えるようにする。屋根2bに設けたスプリンクラー15により散水するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に建設する低温液貯蔵タンクの外槽の側壁及び屋根に、植栽部を設けて、各植栽部に植栽することにより各植栽部を緑地とすることを特徴とする低温液貯蔵タンク建設地の緑地化方法。
【請求項2】
地上に建設する低温液貯蔵タンクの外槽側壁の外側に、植栽ができるようにしてある植栽部を、周方向に配置して取付け支持させ、且つ外槽屋根の上側に、植栽部となる植栽領域を設け、外槽側壁の植栽部に植栽すると共に、外槽屋根の植栽領域に植栽して緑地とするようにした構成を有することを特徴とする低温液貯蔵タンク建設地の緑地化設備。
【請求項3】
外槽側壁の植栽部をリング状とし且つ上下方向に複数段設けるようにした請求項2記載の低温液貯蔵タンク建設地の緑地化設備。
【請求項4】
外槽側壁の植栽部を、該外槽側壁の周方向へ延びるブロック状とし且つ上下方向に複数段設けるようにした請求項2記載の低温液貯蔵タンク建設地の緑地化設備。
【請求項5】
植栽部に植木鉢を引掛けて、該植栽部の外側を緑地化できるようにした請求項3又は4記載の低温液貯蔵タンク建設地の緑地化設備。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG(液化天然ガス)等の低温液を貯蔵するタンクの建設地、特に、LNG貯蔵タンクを建設してLNGの受入れを行うLNG受入基地の建設地の緑地対策を行う緑地化方法及び緑地化設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LNG等の低温液を貯蔵するタンクで地上に建設するものとしては、従来、図4に一例を示すようにした外槽をコンクリート製とした低温液貯蔵タンクがある。
【0003】
図4に示す外槽コンクリート製の低温液貯蔵タンクは、地表に敷設された断熱コンクリートからなる基礎1と一体に外槽2の側壁となるコンクリート壁2aが構築されており、コンクリート壁2aの内壁面と基礎1の上面とに液密状態で且つ気密状態とすることができるシールプレート3が設けてある。上記シールプレート3上には、断熱保冷4を介して内槽5が設置され、この内槽5を被うよう外槽2の屋根2bが設けられ、シールプレート3の上縁部と屋根2bの外周縁部とが溶接接合されている。更に、上記内槽5と外槽2とで形成される空間内に粒状パーライト等の断熱材6が充填されている構成とされている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】実開昭61−166297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、LNG受入基地の建設のように、特許文献1に記載されている如き低温液貯蔵タンクを設置しようとする場合においては、工場立地法に基づき、緑地面積を、敷地面積の20%以上、環境施設(緑地を含む)面積を、敷地面積の25%以上設けることが必要とされている。
【0006】
緑地とは、10m以上の土地に、高木、低木、芝生等が一定水準以上の密度で植栽されていて、美観上良好な状態に維持管理がされているものとされており、環境施設とは、噴水、水流等の施設、屋外運動場、広場、屋内運動施設、等が公園的に整備、管理されていることとされているが、上記のような低温液貯蔵タンクを建設するときは、敷地面積の20%以上の上記の如き緑地の面積と25%以上の上記の如き環境施設を確保しなければならないという制約がある。
【0007】
そのため、これまでは、広い面積の土地を確保しなければならないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、LNG受入基地の建設等のように低温液貯蔵タンク周辺に確保する緑地面積を極力少なくして敷地面積を大幅に小さくできるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、地上に建設する低温液貯蔵タンクの外槽の側壁及び屋根に、植栽部を設けて、各植栽部に植栽することにより各植栽部を緑地とすることを特徴とする低温液貯蔵タンク建設地の緑地化方法とし、地上に建設する低温液貯蔵タンクの外槽側壁の外側に、植栽ができるようにしてある植栽部を、周方向に配置して取付け支持させ、且つ外槽屋根の上側に、植栽部となる植栽領域を設け、外槽側壁の植栽部に植栽すると共に、外槽屋根の植栽領域に植栽して緑地とするようにした構成を有することを特徴とする低温液貯蔵タンク建設地の緑地化設備とする。
【0010】
又、上記構成において、外槽側壁の植栽部をリング状とし且つ上下方向に複数段設けるようにし、外槽側壁の植栽部を、該外槽側壁の周方向へ延びるブロック状とし且つ上下方向に複数段設けるようにした構成とする。
【0011】
更に、植栽部に植木鉢を引掛けて、該植栽部の外側を緑地化できるようにした構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の低温液貯蔵タンク建設地の緑地化方法及び緑地化設備によれば、以下の如き優れた効果を奏し得る。
(1)地上に建設する低温液貯蔵タンクの外槽の側壁及び屋根に、植栽部を設けて、各植栽部に植栽することにより各植栽部を緑地とすることを特徴とする低温液貯蔵タンク建設地の緑地化方法、及び地上に建設する低温液貯蔵タンクの外槽側壁の外側に、植栽ができるようにしてある植栽部を、周方向に配置して取付け支持させ、且つ外槽屋根の上側に、植栽部となる植栽領域を設け、外槽側壁の植栽部に植栽すると共に、外槽屋根の植栽領域に植栽して緑地とするようにした構成を有することを特徴とする低温液貯蔵タンク建設地の緑地化設備としてあるので、低温液貯蔵タンクに作られる緑地部の面積を増大させることができて、当該低温液貯蔵タンクの建設地の敷地面積中の緑地面積を少なくすることができ、LNG基地等の面積を小さくすることができる。
(2)上記(1)により敷地面積の狭いところに低温液貯蔵タンクを建設できることになり、狭い土地にLNG受入基地が作れることになる。
(3)低温液貯蔵タンクの外槽側壁に取り付ける植栽部をリング状とすることにより、広い範囲を緑地化できると共に、タンクの全周にわたり美観上良好な状態を維持させることができる。
(4)低温液貯蔵タンクの外槽側壁に取り付け植栽部を、該外槽側壁の周方向へ延びるブロック状とすることにより、外槽側壁への取り付け作業を簡易に行うことができると共に、部分的に植栽部を取り替えることも容易にできて、季節に合った植物による緑化の実現を図ることができる。
(5)上記の植栽部に植木鉢を取り付けるようにすることにより、更に緑地部の面積を増やすことができると共に、植木鉢を任意に取り替えることが容易で、上記(3)と同様に季節に合った植物による緑化を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1及び図2は本発明の実施の一形態として、図4に示した低温液貯蔵タンクを同様な地上の外槽コンクリート製の低温液貯蔵タンクを対象として緑地化を行うようにした場合の一例を示すもので、外槽コンクリート製低温液貯蔵タンク7の外槽2の側壁となるコンクリート壁2aと屋根2bを緑地化して、該タンク7を建設する敷地面積に対する緑地面積を少なくし、それに伴い敷地面積全体を小さくできるようにする。
【0015】
詳述すると、外槽コンクリート製低温液貯蔵タンク7の外槽2におけるコンクリート壁2aを構築するときに、たとえば、該コンクリート壁2aの上下方向に所要間隔を隔てた複数個所(図1では2個所の場合を示している)に、予め周方向に所要の間隔を隔てて複数本のアンカーボルト8を水平方向に固定させて放射方向に突出させておくようにする。
【0016】
上記外槽2のコンクリート壁2aの外側には、断面U型として内部に高木、低木等の植物を植えることができるようにしてある溝状の植栽部9を、環状に配置しながら、上記周方向の複数個所に配設してあるアンカーボルト8を植栽部9に内外方向へ貫通させるようにして、該植栽部9をコンクリート壁2aの外側に全周にわたり囲繞させて取り付け、コンクリート壁2aの外側に図1に示す如く植栽部9を多段に設けるようにする。なお、各段の植栽部9は、底部に排水管10,11を備えるようにする。
【0017】
又、外槽2の屋根2bの上面には、ノズル等が設置してある等、タンクに必要な機器類が設置してあるスペース12を除く広い領域に、必要に応じて防水シート等を敷き詰めて、その上方を植栽部となる植栽領域13を設けるようにする。
【0018】
上記植栽領域13は、所要量の腐養土等を施して芝生14を植えるようにしたり、植物栽培容器であるプランターや大型植木鉢等(いずれも図示せず)を周方向並びに半径方向に適宜並べて設置するようにし、屋根2bの最も高い所となる屋根2bの中央部には、散水用のスプリンクラー15を農業用として設置した構成とする。16は屋根2bの周辺部に設けた手摺りである。
【0019】
上記構成としてある外槽2の側壁となるコンクリート壁2aの外側に鉢巻き状に設置した多段の植栽部9には、高木や低木等の植物17を一定水準以上の密度で植栽し、美観上良好な状態に維持されるようにする。これにより、緑地面積を低温液貯蔵タンク7自体の側壁部で稼ぐことができ、該低温液貯蔵タンク7周りの敷地面積中の緑地面積を減少させることが可能となる。
【0020】
又、上記低温液貯蔵タンク7の外槽2の屋根2bの上面にも、植栽領域13を設けて芝生14を植栽すると共に、プランターや植木鉢を設置して、それに高木、低木等を植え込むことにより緑地化を図るようにする。このように、タンク7の屋根2bの上部にも植栽することにより、タンク7への緑地面積を増加させることができ、これに伴い、タンク7を設置する施設の敷地面積に対する緑地面積をより減少させることができることになる。
【0021】
上記において、低温液貯蔵タンク7の外槽2における側壁側や屋根2bの植栽には、散水が必要である。屋根2b上の植栽領域13への散水は、中央部に設置したスプリンクラー15を用いて行うことにより均一に散水することができる。この際、上記タンク7の屋根2bは、中央部が最も高く、外周部へ向うに従い低くなるようになっているので、スプリンクラー15により屋根2bの比較的中央部分に散水させると、散水された水は、徐々に低位置の方向へ流れて、屋根2bの周辺部へ達するようになるので、全域にわたって容易に水分の補給を行うことができる。
【0022】
上記のように、低温液貯蔵タンク7の外槽2における屋根2bの植栽領域13への散水により、該屋根2bの外周部へ流下した水は、屋根2b上の排水設置により排水されるが、一部の水を屋根2b上から側壁となるコンクリート壁2aに沿うようにすることにより、コンクリート壁2aの外側に取り付けてある最上段のリング状の植栽部9内に入るようにすれば、該植栽部9への直接の散水を省略することが可能となる。勿論、該植栽部9へ直接散水させるようにすることは可能である。
【0023】
上段の植栽部9からの排水は、排水管10を経てその下の植栽部9内へ導入されることにより、該下段の植栽部9の散水を行うことが可能となる。下段の植栽部9からの排水は、排水管11を通して地中に流されることになる。この際、図1(イ)に示す如く、上段の植栽部9と下段の植栽部9との間に備える排水管10と、下段の植栽部9に備えた排水管11とを互に反対方向に設置しておくことにより、上段の植栽部9からの排水を、下段の植栽部9の全域に導いた後、排水管11から地中へ流下させられるので、下段の植栽部9では全周にわたり散水することができるようになる。なお、下段の植栽部9に対し、直接散水するようにしてもよいことは当然である。
【0024】
次に、図3は本発明の実施の他の例を示すもので、図1(イ)に示す実施の形態で各段の植栽部9を一連のものとしてコンクリート壁2aの全周に鉢巻状に取り付けるようにしたものに代えて、周方向に不連続の状態で配置するようにしたものである。すなわち、U溝状の植栽部9を周方向に所要長さ寸法のブロックとして製作してブロック状の植栽部9aとし、これら各植栽部9aのブロックを、低温液貯蔵タンク7の外槽2のコンクリート壁2aを取り囲むように周方向へ複数個配置し、各植栽部9aを、図1(イ)(ロ)に示す場合と同様に、予めコンクリート壁2aの構築時に埋め込み固定しておいたアンカーボルト8で支持させるようにしたものである。その他の構成は図1(イ)に示したものと同じであり、同一のものには同一符号が付してある。
【0025】
この実施の形態によれば、タンク7外槽2の側壁となるコンクリート壁2aへの植栽部9aの取付支持を簡単に行うことができると共に、部分的な取り換えも容易にできて異なる高木、低木等を植栽したものと置き換えて緑地化を図ることが可能となる。又、各植栽部9aには、図示のように排水管10や11を設けるようにして、図1(イ)に示す場合と同様に上段の各植栽部9aから下段の各植栽部9aへ、又、下段の植栽部9aから地中へ排水管10,11を通して水を流下させるようにしてもよく、あるいは、排水管10,11を設けることに代えて、各植栽部9aの底部に排水用の孔を設けるようにしてもよい。
【0026】
更に、図示してないが、本発明の実施の更に他の形態として、図1(イ)(ロ)、図2、図3に示してある植栽部9,9aの外側の上端縁に、植木鉢に取り付けて植木鉢を棧等に引掛けるようにする引掛具を引掛けるようにして、植栽部9,9aの外側に多数の植木鉢を取外し自在に取り付けるようにすることができる。
【0027】
なお、本発明は、上記した実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、低温液貯蔵タンク7として、図4に示したと同様の外槽コンクリート製の低温液貯蔵タンクを示したが、LNGの如き低温液を貯蔵する地上設置のタンクであれば、図示以外の形状のものでもよいこと、低温液貯蔵タンク7の外槽2における側壁としてのコンクリート壁2aに植栽部9,9aを全周にわたるように取り付けて支持したものを図1(イ)、図3では2段の場合を例示しているが、2段に限られるものではなく、3段もしくはそれ以上の段数としてもよいこと、又、上記各段の植栽部9,9aのコンクリート壁2aへの取り付けを、コンクリート壁2aに予め固定したアンカーボルト8を利用する場合を例示したが、他の手段を採用するようにしてもよい。これに伴い、既設のタンクの側壁に植栽部をリング状に取り付けて、既設のタンクに緑地部を移すことができるようになる。更に、低温液貯蔵タンク7の外槽2の屋根2bには、防火用としてのスプリンクラーが設置されているが、この防火用スプリンクラーからの噴水量を調節できるようにして植栽への散水に用いるようにすることは任意である。又、図1(イ)(ロ)、図3において、植栽部9,9aの下側となるコンクリート壁2aの外周に支持材を巻き付けて、該支持材とアンカーボルト8、あるいは支持材のみで植栽部9,9aを受けるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の一形態を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は(イ)のA部の拡大図である。
【図2】図1の概略平面図である。
【図3】本発明の実施の他の形態を示す概略側面図である。
【図4】従来の低温液貯蔵タンクの切断面図である。
【符号の説明】
【0029】
2 外槽
2a コンクリート壁
2b 屋根
7 低温液貯蔵タンク
8 アンカーボルト
9,9a 植栽部
13 植栽領域
14 芝生
15 スプリンクラー
17 高木、低木等の植物
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
【出願日】 平成19年3月29日(2007.3.29)
【代理人】 【識別番号】100087527
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 光雄


【公開番号】 特開2008−245553(P2008−245553A)
【公開日】 平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願番号】 特願2007−89552(P2007−89552)