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【発明の名称】 マリモの育成方法及びその装置
【発明者】 【氏名】西原 秀治

【要約】 【課題】原藻糸状体のほどけによるマリモの型くずれを防止するとともに、マリモを容器内の所望の高さに固定することができるマリモの育成装置を提供すること。

【解決手段】水で膨潤させた吸水性ポリマー3を容器1内に充填し、吸水性ポリマー3間にマリモ2を配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内でマリモを育成するマリモの育成方法において、水で膨潤させた吸水性ポリマーを充填した容器内でマリモを育成することを特徴とするマリモの育成方法。
【請求項2】
容器内でマリモを育成するマリモの育成装置において、水で膨潤させた吸水性ポリマーを容器内に充填し、該吸水性ポリマー間にマリモを配置したことを特徴とするマリモの育成装置。
【請求項3】
粒状の吸水性ポリマーを用いたことを特徴とする請求項2記載のマリモの育成装置。
【請求項4】
配合する水を少なくして、吸水性ポリマー間に空隙を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載のマリモの育成装置。
【請求項5】
配合する水を多くして、吸水性ポリマー間に空隙が生じないようにしたことを特徴とする請求項2又は3記載のマリモの育成装置。
【請求項6】
吸水性ポリマー間にアクセサリを配置したことを特徴とする請求項2、3、4又は5記載のマリモの育成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、観賞用に適したマリモの育成方法及びその装置に関し、特に、原藻糸状体のほどけによるマリモの型くずれを防止するとともに、マリモを容器内の所望の位置に固定することができるマリモの育成方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天然のマリモは天然記念物であり採取が禁止されていることから、観賞用のマリモは養殖によって生産されている。
マリモの養殖は、例えば、下記特許文献1に示されるように、マリモの原藻であるシオグサ目植物をミキサー等で適当な長さの原藻糸状体に裁断し、この原藻糸状体を丸めてマリモ状に整形している。
【0003】
一方、マリモを観賞用として販売する場合は、このように原藻糸状体を丸めたマリモを小さな透明のビンに入れ、水と共に封入したものがある。
しかしながら、このような従来のマリモの育成方法及び装置では、マリモが常に水底に位置するとともに、丸めたマリモから原藻糸状体がほどけて型くずれし、生育に伴ってマリモの形態をなさなくなるという問題があった。
【特許文献1】特開平5−56725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来のマリモの育成方法及びその装置が有する問題点に鑑み、原藻糸状体のほどけによるマリモの型くずれを防止するとともに、マリモを容器内の所望の高さに固定することができるマリモの育成方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のマリモの育成方法は、容器内でマリモを育成するマリモの育成方法において、水で膨潤させた吸水性ポリマーを充填した容器内でマリモを育成することを特徴とする。
【0006】
また、同じ目的を達成するため、本発明のマリモの育成装置は、容器内でマリモを育成するマリモの育成装置において、水で膨潤させた吸水性ポリマーを容器内に充填し、該吸水性ポリマー間にマリモを配置したことを特徴とする。
【0007】
この場合において、粒状の吸水性ポリマーを用いることができる。
【0008】
また、配合する水を少なくして、吸水性ポリマー間に空隙を設けたり、配合する水を多くして、吸水性ポリマー間に空隙が生じないようにすることができる。
【0009】
また、吸水性ポリマー間にアクセサリを配置することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のマリモの育成方法及びその装置によれば、水で膨潤させた吸水性ポリマーを容器内に充填し、該吸水性ポリマー間にマリモを配置することから、吸水性ポリマーでマリモを支持することでマリモを容器内の所望の高さに固定するとともに、マリモを周囲から吸水性ポリマーで押さえることにより、原藻糸状体のほどけによるマリモの型くずれを防止することができる。
そして、吸水性ポリマーは透明性を有することから、容器に少量の水を充填することにより、吸水性ポリマーの空隙を隠して容器内に水を満たしたように見せることができる。
【0011】
この場合、粒状の吸水性ポリマーを用いることにより、吸水性ポリマーを塊状に膨潤させ、この塊状の吸水性ポリマー間にマリモを配置することにより、マリモの固定とマリモ周囲の押さえ作業とを容易にすることができる。
【0012】
また、配合する水を少なくして、吸水性ポリマー間に空隙を設けることにより、不定形又は球形の吸水性ポリマーを氷のように見せたり、空隙を大きな気泡のように見せたりすることができ、一方、配合する水を多くして、吸水性ポリマー間に空隙が生じないようにすることにより、吸水性ポリマー中に含まれる気泡をマリモから出ているように見せることができる。
【0013】
また、吸水性ポリマー間にアクセサリを配置することにより、比重にかかわらずアクセサリを容器内の所望の位置に固定し、装飾性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明のマリモの育成方法及びその装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0015】
図1に、本発明のマリモの育成方法及びその装置の一実施例を示す。
このマリモの育成方法及びその装置は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラスやプラスチックの透明の広口ビン等の容器1内でマリモ2を育成するもので、水で膨潤させた吸水性ポリマー3を容器1内に充填し、該吸水性ポリマー3間にマリモ2を配置する。
本実施例では、膨潤した無色透明の吸水性ポリマー3でマリモ2を支持することにより、宙に浮かせるように容器1の中間位置にマリモ2を固定し、動的に見えるディスプレイとしている。
【0016】
容器1には、例えば、ガラスやプラスチックの透明の広口ビン等を使用することができ、ビンの蓋11としては、コルクのように若干の通気性を有するものを使用したり、あるいは金属製の蓋等の通気性のないものを使用することができる。
【0017】
吸水性ポリマー3としては、特に限定されるものではないが、吸水性、保水性、通水性等を考慮して、例えば、水溶性樹脂を僅かに架橋して水不溶化したものであり、例えば、ポリアクリルアミド系、ポリオール系、ポリアクリル酸塩系、イソブチレン/マレイン酸塩系、でんぷん/ポリアクリル酸塩系、ビニルアルコール/アクリル酸塩系、カルボキシメチルセルロース系、アクリル酸塩/アクリルアミド系、酢酸ビニル/アクリル酸塩系、ポリアクリロニトリル系ケン化物、でんぷん/アクリロニトリルグラフト重合体系ケン化物、多糖類/アクリル酸塩系、アルギン酸エステル系、ポリスルホン酸塩系、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体系ケン化物、ポリビニルアルコール系、でんぷん/ポリアクリロニトリル系、ポリオキシエチレン系、酢酸ビニル/無水マレイン酸系、ポリ−N−ビニルアセトアミド系及びポリアクリルアミド系が挙げられ、これらも1種以上を混合して用いることができる。
【0018】
また、吸水性ポリマー3には、粉状や粒状のものを使用できるが、本実施例では、膨潤前の状態で直径数ミリ程度の不定形又は球形の粒状のものを用いるようにしている。
粒状の吸水性ポリマー3は、水で膨潤するとそれぞれが数十倍の大きさの弾力性のある不定形又は球形の塊状となり、これら塊状の吸水性ポリマー3間にマリモ2を配置することにより、マリモ2の固定と周囲の押さえ作業を容易にしている。
【0019】
吸水性ポリマー3を膨潤させる水としては、例えば塩素を0.1〜0.5ppm含むような塩素含有水が好ましく、これにより、他の藻類を死滅させてマリモ2の生育を良好にすることができる。
また、着色した水で吸水性ポリマー3を膨潤させたり、有色透明の吸水性ポリマー3を膨潤させたりすることにより、容器1内部をカラフルに調色することができ、これと、無色透明の吸水性ポリマー3とを併用することにより、意匠性を一層向上することができる。
なお、容器1の水分が蒸発等により減ってきた場合は、容器1の蓋11を開けて水を足すようにする。
【0020】
一方、吸水性ポリマー3は透明性を有することから、吸水性ポリマー3を膨潤させる水以外に、容器1に少量の水を充填することにより、吸水性ポリマー3の空隙を隠して容器1内に水を満たしたように見せることができる。
この場合、容器1内において配合する水を少なくして、吸水性ポリマー3間に空隙を設けることにより、不定形又は球形の吸水性ポリマー3を氷のように見せたり、空隙を大きな気泡4のように見せたりすることができる。
一方、配合する水を多くして(特に限定されるものではないが、容器1の容量の1/2〜3/4程度を水にすることができる。)、吸水性ポリマー3間に空隙が生じないようにすることにより、吸水性ポリマー3中に含まれる気泡をマリモから出ているように見せることができる。
【0021】
また、吸水性ポリマー3間にアクセサリを、それらの比重にかかわらず、容器1内の所望の位置に配置、例えば、ゼオライト等の小石5を底に配置したり、造花6を配置したり、魚等の形状のアクセサリを中間位置に配置することができ、装飾性を高めることもできる。
【0022】
このように、本実施例のマリモの育成方法及びその装置によれば、水で膨潤させた吸水性ポリマー3を容器1内に充填し、該吸水性ポリマー3間にマリモ2を配置することから、吸水性ポリマー3でマリモ2を支持することでマリモ2を容器1内の所望の高さに固定するとともに、マリモ2を周囲から吸水性ポリマー3で押さえることにより、原藻糸状体のほどけによるマリモ2の型くずれを防止することができる。
そして、吸水性ポリマー3は透明性を有することから、容器1に少量の水を充填することにより、吸水性ポリマー3の空隙を隠して容器1内に水を満たしたように見せることができる。
【0023】
この場合、粒状の吸水性ポリマー3を用いることにより、吸水性ポリマー3を塊状に膨潤させ、この塊状の吸水性ポリマー3間にマリモ2を配置することにより、マリモ2の固定とマリモ周囲の押さえ作業とを容易にすることができる。
【0024】
また、容器1内において配合する水を少なくして、吸水性ポリマー3間に空隙を設けることにより、不定形又は球形の吸水性ポリマー3を氷のように見せたり、空隙を大きな気泡4のように見せたりすることができる。
【0025】
一方、配合する水を多くして(特に限定されるものではないが、容器1の容量の1/2〜3/4程度を水にすることができる。)、吸水性ポリマー3間に空隙が生じないようにすることにより、吸水性ポリマー3中に含まれる気泡をマリモから出ているように見せることができる。
【0026】
さらに、吸水性ポリマー3間にアクセサリを配置することにより、比重にかかわらずアクセサリを容器1内の所望の位置に配置し、装飾性を高めることができる。
【0027】
以上、本発明のマリモの育成方法及びその装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明のマリモの育成方法及びその装置は、原藻糸状体のほどけによるマリモの型くずれを防止するとともに、マリモを容器内の所望の位置に固定するという特性を有していることから、例えば、観賞用のマリモの育成キットの用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のマリモの育成装置の一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 容器
11 蓋
2 マリモ
3 吸水性ポリマー
4 気泡
5 小石(アクセサリ)
6 造花(アクセサリ)
【出願人】 【識別番号】506310142
【氏名又は名称】有限会社アクア
【出願日】 平成19年2月6日(2007.2.6)
【代理人】 【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治


【公開番号】 特開2008−187970(P2008−187970A)
【公開日】 平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願番号】 特願2007−26834(P2007−26834)