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【発明の名称】 連棟式の温室
【発明者】 【氏名】藤田 利親

【氏名】西田 達

【要約】 【課題】連棟式温室において、容易に、かつ、安価に建設することができると共に、室内に配設された支柱の間隔を広げることにより、使い勝手が良く、かつ農作業性に優れた連棟式温室を提供することを目的とする。

【解決手段】屋根材14が間口方向Xに複数棟連なる連棟式の温室10であって、該温室10の室内に配設された支柱11bの奥行方向Yの間隔Sが間口Zの間隔と同等の間隔であるので、前記奥行方向Yのみならず、前記間口方向Xにも畝を形成することができ、また、前記間隔Sはトラクタ等の農機が十分使用できるだけの広さの間隔であるので、農作業性に優れたものとなる。また、構造材の大部分をパイプ材で構成すると、容易に、かつ、安価に建設することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材が間口方向に複数棟連なる連棟式の温室であって、
該温室の室内に配設された支柱の奥行方向の間隔が間口の間隔と同等の間隔であることを特徴とする連棟式温室。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば単棟を連結した連棟式の農業用温室や農業用ハウス(以下「連棟式温室」という)に関するものであり、より詳しくは、前記連棟式温室の室内に配設された支柱の間隔を広げることにより、使い勝手が良く、かつ農作業性に優れた連棟式温室に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連棟式温室としては、例えば特開平9−135637号公報記載のものが公知である。この連棟式温室は、間口方向に架設された梁材と、奥行方向に架設された屋根受材と、屋根受材間に架設された屋根材を備えている。
【0003】
前記のように構成される連棟式温室は、日照間における太陽の移動により作られる前記屋根受材の影が作物にかかる時間が均一となるように、前記屋根受材が南北方向に位置するように施設されることが多い。
【0004】
一方、複数の畝を多く作るよりも長い畝を作る方が、農作業性が良いので、前記連棟式温室においては、通常、奥行方向に沿って畝が形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記連棟式温室において栽培する作物の品種に依っては、作物の裾の部分に太陽光を当てる必要のあるものもある。この場合は、前記連棟式温室の間口方向に畝を作ると良いのであるが、前記屋根受材を支持する中柱が、奥行方向において比較的狭い間隔で配設されているので、農作業性が悪く、また前記中柱があるため農機等が使用できない場合が生じる。
【0006】
【特許文献1】特開平9−135637号公報
【0007】
これらの問題を解決するために、例えば、特開2000−324956号に記載の温室が提案されている。前記の連棟式温室は、天井部と側面部を形成する主骨材を、平面トラス構造とするものであるが、格別の構造材が必要となり、構造材費用、建設費用が高くなると共に建設作業自体も困難かつ日数を必要とするものとなる。
【0008】
【特許文献2】特開2000−324956号公報
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、連棟式温室において、容易に、かつ、安価に建設することができると共に、室内に配設された支柱の間隔を広げることにより、使い勝手が良く、かつ農作業性に優れた連棟式温室を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の連棟式温室は、屋根材が間口方向に複数棟連なる連棟式の温室であって、該温室の室内に配設された支柱の奥行方向の間隔が間口の間隔と同等の間隔であることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載の連棟式温室にあっては、該温室の室内に配設された支柱の奥行方向の間隔が間口の間隔と同等の間隔であるので、前記奥行方向のみならず、前記間口方向にも畝を形成することができ、また、前記間隔はトラクタ等の農機が十分使用できるだけの広さの間隔であるので、農作業性に優れたものとなる。また、構造材の大部分をパイプ材で構成すると、容易に、かつ、安価に建設することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の連棟式温室によれば、屋根材が間口方向に複数棟連なる連棟式の温室であって、該温室の室内に配設された支柱の奥行方向の間隔が間口の間隔と同等の間隔であるので、前記奥行方向のみならず、前記間口方向にも畝を形成することができ、また、前記間隔はトラクタ等の農機が十分使用できるだけの広さの間隔であるので、農作業性に優れたものとなる。また、構造材の大部分をパイプ材で構成すると、容易に、かつ、安価に建設することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0014】
図1は本発明にかかる連棟式温室の概略斜視図であり、図2(a)は連棟式温室の正面図であり、(b)は同側面図であり、図3は平面図である。
【0015】
図1乃至図3において、10は連棟式温室であり、Zは妻面Tの間口であり、矢印Xは間口方向、矢印Yは奥行方向である。
【0016】
図中11(11a,11b,11c,11d)は支柱であり、間口方向Xと奥行方向Yに夫々複数本を立設し、後述する屋根材14を支持している。前記支柱11は、前記連棟式温室10の周囲に配設する側柱11aと室内に配設する中柱11b(図4、図5参照)とがある。前記妻面Tの側柱11a,11a間には妻面中柱11cを立設し、側面の側柱11a,11a間には側面中柱11dを立設し、構造の補強を図っている。
【0017】
前記支柱11(11a,11c)の上部には間口方向に向けて梁材12を架設すると共に、これと直交する奥行方向において屋根受材13を架設している。該屋根受材13には奥行方向に向けて円弧状のパイプ材で構成する屋根材14が多数並設されており、該屋根材14は、天頂部において略く字状に屈曲した円筒形状のアーチパイプ接続具15(図5参照)により、突合状態で、逆斜面の屋根材14と連結されている。
【0018】
前記屋根材14の下面には、前記屋根材14と直交して長尺状のもや材17が配設されており、該もや材17は結束部材18(図5参照)により前記屋根材14の下面に固定されている。前記もや材17の上方には、天窓支持材19(図5参照)が前記もや材17と並行に架設され、前記屋根材14に螺着されている。
【0019】
図中20は、天窓であり、該天窓20は、前記アーチパイプ接続具15の上部に奥行方向に向けて接合された長尺状の棟材16の上部片側に形成されたヒンジ受部(図示せず)に回動自在に抱持されている。前記天窓20の開口部を囲繞するように防虫網21が張設されており、前記開口部21からの害虫の侵入又は受粉用等昆虫の逃走を防止している。
【0020】
図中22は、前記天窓20の開閉機構であり、該開閉機構22は、前記中柱11bの上部に架設した陸梁23の上部に設けられ、電動モータ(図示せず)、ピニオン(図示せず)およびラック(図示せず)を含み、前記陸梁23上を前記ラックが間口方向に水平移動することにより、前記ラックに上方に向けて回動自在に取り付けた駆動アーム22aを、揺動させながら上下動させて、これにより、該駆動アーム22aの先端に取り付けた前記天窓20の側縁を上下動させて前記天窓20の開放および閉鎖を行っている。
【0021】
図4は支柱の配設位置を示す概略図である。
【0022】
図4に示すように、前記中柱11bは、前記屋根受材13を支持すべく、各屋根受材13列・・に、一列につき夫々5本ずつ配設されている。そして、前記中柱11bの奥行方向Yの間隔Sは、前記間口Zの間隔と同等の長さで配設するのである。一般的には、前記屋根材14をアーチパイプで構成するような比較的荷重が軽量の連棟式温室10では、前記の間口は500cm乃至700cm程度であり、前記間口Zが500cmの場合は、前記間隔Sは500cmとし、前記間口Zが600cmの場合は、前記間隔Sは600cmとし、前記間口Zが700cmの場合は、前記間隔Sは700cmとするのである。
【0023】
図5は温室の室内を示す斜視図であり、図6及び図7は、中柱、屋根受材及び陸梁の接合構造を示す要部拡大図である。
【0024】
図5乃至図7に示すように、前記中柱11b間に架設する前記屋根受材13は、H形綱13aのフランジ13bの上面に断面コ字状の接続部材13cを介して谷樋13dを固着して構成している。一方、前記中柱11bの上部には、前記H形綱13aと同型の張り出し部110を略T字状となるように形成して、前記H形綱13aを、金属製のあて板材Aを宛いボルトBにより固着している。そして、前記陸梁23の両端に略L字形の板材23aを取り付けて、前記中柱11bに固着し、連棟式温室10の構造の強度を高めているのである。
【0025】
以上のように構成されているので、前記連棟式温室10においては、前記中柱11b,11b間の間隔Sが広くとれ、前記奥行方向Yのみならず、前記間口方向Xにも畝を形成することができ、また、前記間隔Sはトラクタ等の農機が十分使用できるだけの広さの間隔であるので、農作業性に優れたものとなると共に、前記連棟式温室10の構造材の大部分はパイプ材であるので、容易に、かつ、安価に建設することができるという効果も奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる連棟式温室の概略斜視図である。
【図2】(a)は連棟式温室の正面図であり、(b)は同側面図である。
【図3】連棟式温室の平面図である。
【図4】支柱の配設位置を示す概略図である。
【図5】温室の室内を示す斜視図である。
【図6】中柱、屋根受材及び陸梁の接合構造を示す要部拡大図である。
【図7】中柱、屋根受材及び陸梁の接合構造を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
10 連棟式温室
11 支柱(11a,11b,11c,11d)
11a 側柱
11b 中柱
11c 妻面中柱
11d 側面中柱
12 梁材
13 屋根受材
13a H形綱
13b(H形綱の)フランジ
13c 接続部材
13d 谷樋
14 屋根材
15 アーチパイプ接続具
16 棟材
17 もや材
18 結束部材
19 天窓支持材
20 天窓
21 防虫網
22 防虫網
22a 駆動アーム
23 陸梁

T 妻面
X 間口方向
Y 奥行方向
Z 間口
S (中柱と中柱の奥行方向の)間隔
【出願人】 【識別番号】305024008
【氏名又は名称】サンキンB&G株式会社
【出願日】 平成18年12月27日(2006.12.27)
【代理人】 【識別番号】100117374
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真一


【公開番号】 特開2008−161100(P2008−161100A)
【公開日】 平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願番号】 特願2006−353312(P2006−353312)