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【発明の名称】 三角植栽塀
【発明者】 【氏名】丹野 勝治

【要約】 【課題】市街地等に無数に構築されている塀のほとんどがコンクリート製の塀で何となく殺風景であり、また近年社会問題になっている温暖化の原因を創り出す太陽光線の照り返し等による環境面での批判や地震による崩壊の危険性を秘めているコンクリート製の塀に変わる塀で環境に優しい緑化塀の開発。

【解決手段】塀を設置する位置にアングル材で三角形状に加工した骨組を配置固定し、二等辺面の全表面を格子状金網で覆いU型ボルトで固定し、該格子状金網の両面に低木や草花その他野菜類等を植栽できる植栽箱付植栽マット体を配置固定して植栽緑化が可能な塀とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底辺の長さ30cm〜40cm、高さ1m〜1m50cmの2つの二等辺三角形を左右の木口としてできる角錐形の各辺をアングル材で骨組として形成し、当該角錐形が持つ二面の四角形の表面に格子状の金網を張付け固定し、その両面上に複数の植栽箱を配備した植栽箱付植栽マット体を設置固定し、植栽箱内に低木、草花、ツタ植物、その他野菜類等を植栽して緑化を図る植栽塀としたこと、 該四角形に10%〜20%の勾配を付けたことにより垂直状態に比べ雨水の受水量が増すことによりこの雨水で自然灌水が可能である
三角状としたことを特徴とするの三角植栽塀。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
塀の両面に低木・草花・ツタ植物やその他野菜類等を植栽し、CO2削減を図り景観の改善を図る三角植栽塀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、都会におけるヒートアイランド現象が社会問題になるにつれて、CO2の削減や反射熱の抑制及び断熱効果による省エネルギー等の効果を期待する屋上緑化、屋根緑化、壁面緑化などの必要性が高まり、この要請に応える緑化装置や緑化器具の開発が盛んに行われ施工されている。
【0003】
これに対し市街地等に無数に構築されている塀に関しては、これといった緑化方法がなく地面から塀にツタを這わせるか又は特許文献1のブロック塀等にラス網を固定し、土壌と藁小片と植物の種子を水で練った練り土を適当な厚さでラス網に塗り込んで培土を形成し、該培土表面に保護用樹脂網を被着して種子からの緑化を図る工法がある。
【0004】
しかし、上記工法でブロック塀に設置したラス網に練り土を塗り込むことは、いろいろな危険性を秘めている。まず、水で練った土壌は、乾燥すると石のように硬くなり水分の吸水率や発芽率が低下すること、さらに練り土の凍結、溶解の繰り返しによる風化や振動による崩落の危険が考えられることから塀に練り土を使わない緑化が図れ、また地震による崩壊の危険性がある従来のコンクリート塀やブロック塀の替わりに塀の役割を果たし緑化が可能な塀植栽工法の開発。
【特許文献1】特開平9−84450号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
危険性のある既存のコンクリート塀やブロック塀に緑化をするのではなく、地震等の振動でも倒れたり崩れたりしない構造で表面に低木や草花等が植栽でき、CO2の削減や反射熱の抑制及び景観の向上を図れる塀の植栽緑化工法。
【課題を解決するための手段】
【0006】
アングル材で希望の塀の高さに合わせ15%〜20%の勾配をつけた複数組の二等辺三角形状に加工し主柱とし、約2m〜3m間隔で二等辺三角形状の支柱をアングル材で各角を接続して帯状の角錐とし、約50cmの高さ毎に横張りのアングル材を形成して塀の骨組とする。
【0007】
塀を設置する位置にアングル材で三角形状に加工した骨組を配置固定し、角錐形の表裏面を格子金網で覆いU型ボルトで固定し、該格子金網の外面に低木や草花やその他野菜等を植栽できる植栽箱付植栽マット体を配置固定して植栽緑化が可能な塀とする。
【0008】
植栽マット体は、いずれも軽量で腐蝕しにくい材質の材料で製作する。初めにポリエチレンのラッセルネットシート、ポリエステルの不織布、水を吸水保水するポリエステルの吸水マットの順に重ね底部とし、その上に軽量で保水性の高い植生基盤土を2cm〜5cm厚で敷き詰め、その上にいずれも植物の根を通すポリエステルの不織布、ポリエチレンのラッセルネットシートを重ね上部とし、植生基盤土の移動防止のため底部と上部が一体化するように縦横に所定間隔で縫製して保肥力・保水性の高い植栽マット体を形成とする

【0009】
次に発泡盤を基台とし、その表面に植栽マット体、裏面には硬質樹脂系格子状盤を合わせ発泡盤に縫着し、植栽マット体の保護と植生基盤土流出防止のため全体をポリエチレンの格子状ネットシートで包み込むように縫着して植生基盤体とし、該植生基盤体表面に植栽箱を複数本の結束バンド等で取付け、さらに硬質樹脂系格子状盤にラス金網係止用の金具を取付けて植栽箱付植栽マット体とする。
【0010】
当該植生基盤体に装備した植栽箱は、外壁面から風を通さない材質で加工が容易な薄型発泡盤を基盤とし、該薄型発泡盤を保護する硬質樹脂系格子状盤でサンドイッチ状に挟み植生基盤体と同化するように全体をポリエチレンのラッセルネットシートと格子状ネットシートで包むように縫製し風を通さず外気温を遮断する植栽箱に形成する。植栽箱内を台座状に加工した発泡盤で上下に分離して、上部は植栽域等とし下部は植栽箱内壁面を防水シートで覆い貯水部とし、この貯水部から吸水ロープを介して上部の植生基盤土に毛細管現象で給水する。なお台座と植栽箱内壁面との間には、上部の植生基盤土の飽和状態を超えた水分が下部の貯水部に流下できる間隔を空けるものとする。植栽箱壁面との間に保つ大きさとし、植生基盤土や植栽根が下部に侵入しないように水を通す不織布と防根シートで台座上面と内壁面を覆う。
【発明の効果】
【0011】
三角状に組んだ塀は、地震等の振動で転倒しにくく、また表面に設置した植栽箱付植栽マット体の植生基盤土は一般用土より保水力が高く、吸水マットと植栽箱の貯水機能を含めるとほとんど水管理を必要としない塀植栽工法である。
【0012】
また植栽箱付植栽マット体は、腐蝕しにくく軽量で蓄水機能を持つ吸水マットと、軽量で保肥力・保水性が高い植生基盤土を使用した植栽マット体で保水期間が長く植栽植物の生育に適し、植栽箱は雨水等の水を下部の貯水部と上部の貯水槽に水を蓄え、吸水ロープと帯状吸水マットで植生基盤土に毛細管現象で自然灌水ができ、植栽植物の生育に必須の水管理の省力化を図れる。
【0013】
灌水は、下部の貯水部から吸水ロープで植生基盤土の下部へ、上部の貯水槽からは吸水ロープ及び吸水マットを経て植生基盤土の上部に毛細管現象で給水される。植物の吸水や土壌表面からの蒸散による植生基盤土の含水状態に応じて給水されるため、水の過不足による根腐れや枯死を防止できる自然灌水である。
【0014】
植栽箱には低木、草花、ツタ植物やその他野菜類等を植栽することにより太陽光線の反射とCO2の軽減に寄与するとともに市街地の景観向上が図られる。また、植栽箱は貯水量が豊富で毛細管現象による自動灌水のため水管理が軽減された塀緑化工法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明工法を図に基づき説明すると、図1は、アングル材2で塀の基本となる三角塀の骨組1を組み立てた状態の斜視図である。
【0016】
図2は、三角塀の骨組1に格子状の金網3を両面に設置、固定した状態を示す斜視図である。
【0017】
図3は、いずれも腐蝕しにくく、植生基盤土を流出しない材質で形成する植栽マット体4の構造を示す断面図である。まず不織布を保護するポリエチレンのラッセルネットシート4a、植生基盤土を保護するポリエステル製の不織布4b、蓄水機能を持つポリエステルの吸水シート4cの順に重ね底部とし、底部上に保肥力・保水性が高い植生基盤土4d(ココピート、ピートモス、木草炭、水苔、バーク堆肥、有機肥料、遅効性肥料、化成肥料の混合土)を2cm〜5cm厚で圧縮形成した植生基盤4bを敷き詰め、その上にいずれも植物の根を通し植生基盤土を保護するポリエステルの不織布4b、植生基盤土と不織布を保護するポリエチレンのラッセルネットシート4aの順に重ねて上部を形成し、植生基盤土の移動防止のため底部と上部が一体化するように縦横一定間隔にポリエステル製の縫い糸4eで縫製した植栽マット体4である。
【0018】
図4は、植生基盤体5を示す説明図であり(イ)は、植生基盤体の断面図で(ロ)は、植生基盤体の裏面を示した平面図である。まず基盤となる発泡盤6の表面全体に植栽マット体4を縫い代が約1cmでる幅で覆いかぶせ、裏面全体に発泡盤保護と植栽箱が容易に取付け可能な硬質樹脂系格子状盤7を張り合わせ、植栽マット体4、発泡盤6及び硬質樹脂系格子盤7をポリエステル製の縫い糸4eで縫製し、植栽マット体と発泡盤を保護するポリエチレンの格子状ネットシート8で包み込むように発泡盤に縫製し、各角と上下角間の中央に格子状金網に係止できる係止金具9を取付けた植生基盤体5の断面と裏面を示したものである。
【0019】
図5は、植生基盤体に取り付ける植栽箱10を示す説明図である。水、風を通さない薄型発泡盤11を硬質樹脂系格子盤7で保護するように挟み込み、植生基盤体に同化するポリエチレンのラッセルネットシート4aと格子状ネットシート8で包み込み周囲を縫製して植栽箱10を形成する。
【0020】
図6は、植栽箱内の構造を示す説明図である。(イ)は、植栽箱10内の下部の貯水部12を示すもので、貯水位置の内壁面と底部面を防水シート13で覆い貯水部12を形成する。(ロ)は、(イ)で貯水部を形成した植栽箱10内を上下に仕切る台座14と下部に植生基盤土や植栽根が侵入しないための不織布4bと防根シート15を示したもので、雨水等の水分が貯水部12に上部から貯水されるよう植栽箱10内周巾より各1cm程度狭い発泡盤で加工した台座14を設置(台座の高さは高水位の高さより約1cm高とし発泡角材で台座脚部16を任意間隔で形成)し、台座表面と上部内壁面をいずれも水分を通し腐蝕しにくい材質の不織布4b(植生基盤土の落下防止)、防根シート15(植栽根の侵入防止)で覆う。(ハ)は、(ロ)で設置された植栽箱10内の台座上に貯水槽17を配置し、内壁長辺二面の所定位置に帯状吸水マット18を設置、貯水槽17から吸水ロープ19で帯状吸水マット18に接続し上部植生基盤土に給水し、下部の貯水部12からも吸水ロープ19で下部植生基盤土に給水する仕組みを示した説明図である。
【0021】
図7(イ)は、植生基盤体5に植栽箱10を取付け、植栽箱付植栽マット体20とした状態を示す斜視図である。植生基盤体への植栽箱取付けは、植栽箱縁廻りに合わせた設置高の植生基盤体裏面の樹脂系格子盤目から千枚通し等の鋭角な物で表面に貫通させ、植生基盤体へ接する植栽箱縁廻りに近い植栽箱の樹脂系格子盤目に合わせ、同じく貫通させて植生基盤体裏面から樹脂製の結束バンドを通し、新たに植栽箱縁廻り上から植生基盤体裏面の樹脂系格子盤目(先ほどの格子盤目の1つ上)に貫通させ植栽箱の縁を巻き込むように結束バンドを通し植生基盤体裏面の樹脂系格子盤目枠に結束バンドをリング状に通し絞り込むことにより植生基盤体に固定され植栽箱付植栽マット体となる。(ロ)は、アングル材の上に格子状金網を形成した三角塀の骨組1に植栽箱付植栽マット体20を設置固定した植栽箱付三角塀21である。
【0022】
図8は、所定位置に設置された植栽箱付三角塀21に低木、草花、ツタ植物その他野菜類等を植栽した状態を示した一事例である。
【0023】
図9は、植栽緑化され植栽箱付三角塀21を側面から見た状態を示した事例である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
植栽箱付三角塀による塀の緑化工法は、軽量でかつ腐蝕しにくい材質の薄層マットを使用し耐久性と安全性を持ち、内包する土壌は保肥力・保水性が高く水管理の省力化が図れ、塀緑化に最適な工法としてこれからの塀緑化工事に利用される可能性の高い工法である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】塀の基本となる三角塀の骨組の斜視図である。
【図2】三角塀の骨組に格子状金網を設置固定した斜視図である。
【図3】植栽マット体の断面図である。
【図4】(イ)は植生基盤体の構造を示す断面図であり、(ロ)は植生基盤体裏面を示す平面図である。
【図5】植栽箱の外壁材を示す説明図である。
【図6】(イ)(ロ)(ハ)は、植栽箱内の構造を示す説明図である。
【図7】(イ)は植栽箱付植栽マット体を示す斜視図であり、(ロ)は植栽箱付三角塀を示す斜視図である。
【図8】植栽箱付三角塀に植栽された実施例の斜視図である。
【図9】植栽緑化され植栽箱付三角塀を側面から示した斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 三角塀の骨組
2 アングル材
3 格子状金網
4 植栽マット体
4a ラッセルネットシート
4b 不織布
4c 吸水シート
4d 植生基盤土
4e 縫い糸
5 植生基盤体
6 発泡盤
7 硬質樹脂系格子状盤
8 格子状ネットシート
9 係止金具
10 植栽箱
11 薄型発泡盤
12 貯水部
13 防水シート
14 台座
15 防根シート
16 台座脚部
17 貯水槽
18 帯状吸水マット
19 吸水ロープ
20 植栽箱付植栽マット体
21 植栽箱付三角塀
【出願人】 【識別番号】391002199
【氏名又は名称】株式会社丹勝
【出願日】 平成18年12月25日(2006.12.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−154507(P2008−154507A)
【公開日】 平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願番号】 特願2006−347045(P2006−347045)