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【発明の名称】 漁業用ハッカー
【発明者】 【氏名】澤田 清秀

【要約】 【課題】水にさらされた状態で常用された場合でも十分な耐久性及び強度を有し、且つ、海面に浮く漁業用ハッカーを提供する。

【解決手段】ハッカー10は、柄部11とフック12とを備える。柄部11は、アルミニウム製のパイプ16を有する。柄部11は、パイプ16の一端の開口をゴム栓18でシールし、他端の開口をキャップ17でシールすることにより、内部が中空状となるように形成されている。柄部11の先端15側に鉤状のフック12が取り付けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空且つ長尺棒状に形成された金属からなる浮力体と、
浮力体の一端に設けられ、鉤状に形成された鉤部と、を具備する漁業用ハッカー。
【請求項2】
上記浮力体が、
金属製のパイプと、
パイプの両端に設けられ、パイプ内部への浸水を阻止するシール部材とを有する請求項1に記載の漁業用ハッカー。
【請求項3】
上記パイプが、アルミニウム若しくはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金で形成されている請求項2に記載の漁業用ハッカー。
【請求項4】
上記鉤部の反対側の端部に設けられた上記シール部材が、当該端部に被せられ且つ当該端部及びその周縁を密封するキャップである請求項2または3に記載の漁業用ハッカー。
【請求項5】
上記キャップが、樹脂で形成されてなる請求項4に記載の漁業用ハッカー。
【請求項6】
上記鉤部は、棒状の鋼材が屈曲形成されてなる請求項1から5のいずれかに記載の漁業用ハッカー。
【請求項7】
上記鉤部が、上記浮力体に着脱可能に構成されている請求項1から6のいずれかに記載の漁業用ハッカー。
【請求項8】
上記鉤部が、弾性部材を介して上記浮力体に連結されている請求項1から7のいずれかに記載の漁業用ハッカー。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、主として船上で漁師が使用する漁具に関し、特に、海苔の養殖に使用される海苔網の引き寄せ作業、漁船の引寄せ或いは押し離し作業などを行う際に使用される漁業用ハッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浮き流し方法と呼ばれる海苔の養殖(以下「浮き流し式養殖」と称する。)が知られている。図8は、浮き流し式養殖を説明するための模式図である。図8に示されるように、浮き流し式養殖では、海苔網1が用いられる。この海苔網1には、海苔の幼芽が付着されている。海苔網1の周縁にはフロート3が取り付けられている。また、海苔網1の周縁に、海底に沈められたアンカー4がロープ5で連結されている。これにより、海苔網1は、潮流などによって流されることなく海面2で広げられた状態で浮遊する。この状態で、海苔網1に付着した幼芽は太陽の恵みを受けて成長する。
【0003】
海苔網1に付着した海苔を収穫する場合、漁師は、漁船で海苔網に近づき、海苔網を船側に引き寄せて船上へ引き上げる。この際、漁師は、ハッカーと通称される漁具を用いて海苔網を漁船に引き寄せる。一般に、上記ハッカーは、棒状の柄部と、柄部の先端に取り付けられた鉤状のフックとを有する。ハッカーの用途は、海苔網の引き寄せに限られず、例えば、本船から他船を押し離す用途、或いは、他船を引き寄せて本船に接舷させる用途としても使用される。なお、本願出願時において出願人が知るハッカーに関する文献は、存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、海苔網の引き寄せ時にハッカーを使用すると、当然にハッカーは海水を被る。従来のハッカーは、柄部が木製である。そのため、従来のハッカーには、柄部が水を吸い込んで腐食しやすくなるという問題がある。また、腐食は端部から進行する傾向にあるため、柄部の先端が腐食することによってフックの取り付けが緩み、フックが柄部から外れるおそれがある。また、腐食の進行に伴って柄部の強度が低下するという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水にさらされた状態で常用された場合でも十分な耐久性及び強度を有し、且つ、海面に浮く漁業用ハッカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明は、主として海上で漁師が使用する漁具の一種である漁業用ハッカーである。この漁業用ハッカーは、中空且つ長尺棒状に形成された金属からなる浮力体と、浮力体の一端に設けられ、鉤状に形成された鉤部とを具備する。
【0007】
この構成によれば、棒状の浮力体の一端側を持ち手として当該漁業用ハッカーを操作し、海面に浮遊する海苔網を先端に設けられた鉤部で引っ掛けることができる。これにより、海苔網を容易に船体側に引き寄せることができる。また、浮力体は、中空に形成されているため、海面に浮く。したがって、漁師が漁業用ハッカーを海中に落下させたとしても、容易に拾い上げることができる。また、浮力体は、金属で構成されているため、耐腐食性を有し、しかも、木製のものに較べて強度が大きいため、耐久性に優れている。
【0008】
(2) 上記浮力体が、金属製のパイプとシール部材とを有することが好ましい。シール部材は、パイプ内部への浸水を阻止するものであり、上記パイプの両端に設けられている。
【0009】
これにより、浮力体の内部への浸水が防止されるため、浮力体の浮力が維持される。
【0010】
(3) 上記パイプが、アルミニウム若しくはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金で形成されていることが望ましい。
【0011】
アルミニウムの比重は約2.7g/cmであり、金属類の中で最も軽量である。また、アルミニウムは、空気中の酸素に反応して表面に酸化皮膜(アルマイト)ができるため、耐腐食性に優れている。したがって、アルミニウム若しくはこれを主成分とする合金で上記パイプを形成すれば、軽量で且つ丈夫な漁業用ハッカーを実現することができる。
【0012】
(4) 上記鉤部の反対側の端部、言い換えれば、漁業用ハッカーの持ち手側の端部に設けられた上記シール部材が、当該端部に被せられ且つ当該端部及びその周縁を密封するキャップであることが好ましい。
【0013】
これにより、パイプ内部へ浸水が防止される。また、持ち手のグリップ感が向上するため、漁業用ハッカーの操作性が格段によくなる。さらに、漁業用ハッカーの操作中に持ち手が滑ったとしても、持ち手がキャップに到達したときにキャップによって滑りが止められる。これにより、漁業用ハッカーの落下事故が減少する。
【0014】
(5) この場合、上記キャップが、ゴムやプラスチックなどの樹脂で形成されていることが好ましい。
【0015】
漁業用ハッカーの用途は、海面に浮遊する海苔網の引き上げに限られない。例えば、当該漁業用ハッカーは、本船に他船を引き寄せたり、逆に、本船から他船を押し離したりする場合にも用いられる。前者の場合は、鉤部を他船の船縁に引っ掛けて引き寄せる。一方、後者の場合は、他船の船側に漁業用ハッカーの持ち手側の端部を押し当てて本船から他船を押し離す。このとき、上記キャップが樹脂で形成されていれば、特に、滑り止め効果の高いゴムで形成されていれば、他船の船側にしっかりとグリップするため、他船の押し離しが確実に行われる。
【0016】
(6) 上記鉤部は、棒状の鋼材が屈曲形成されてなるものである。
【0017】
この構成であれば、鉤部を極めて簡単に実現することができる。
【0018】
(7) 上記鉤部が、上記浮力体に着脱可能に構成されたものであってもよい。
【0019】
これにより、鉤部が損壊した場合でも、鉤部のみを交換するという極めて簡単な交換作業だけで漁業用ハッカーを容易に修繕することができる。
【0020】
(8) また、上記鉤部が、弾性部材を介して上記浮力体に連結されているものであってもよい。
【0021】
この構成によれば、鉤部に海苔網が掛けられた状態で漁業用ハッカーが急激に引っ張られた場合に、弾性部材が伸長する。そのため、海苔網に急激な負荷が掛からない。したがって、海苔網やそれに付着する海苔の損傷を未然に防ぐことができる。
【0022】
また、漁師が漁業用ハッカーを持ち手側で上下左右に振ると、持ち手側の振り幅より大きい幅で弾性部材が揺り動かされ、それに連結された鉤部も同様に揺動される。このような鉤部の動きは、漁師が漁業用ハッカーを使って海苔網を引っ掛けようとする動作にバリエーションを与える。これにより、漁業用ハッカーの操作性が向上する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の漁業用ハッカーは、海面に浮くため、漁師が漁業用ハッカーを海中に落とした場合でも、容易に拾い上げることができる。また、本発明の漁業用ハッカーは、浮力体が金属で構成されているため、木製のものに較べて耐腐食性及び耐久性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。なお、以下の実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、各実施形態が適宜変更され得ることは言うまでもない。
【0025】
《第1の実施形態》
以下、本発明の漁業用ハッカーの第1の実施形態に係るハッカー10が説明される。ここに、図1は、ハッカー10の斜視図である。図2は、ハッカー10のフック12を詳細に示す部分拡大斜視図である。図3は、ハッカー10のフック12の部分拡大図であり、(a)に正面図が示され、(b)に側面図が示されている。なお、図2では、柄部11の一部が省略されている。また、図3の(a)では、ゴム栓18が省略されており、(b)では、貫通孔20付近の形状が断面図として表されている。
【0026】
ハッカー10は、主として、海面に浮遊する海苔網を引っ掛けて引き寄せる用途として用いられる漁具である。詳細については後述するが、このハッカー10は、海面に浮くように構成されている。ハッカー10は、大別すると、図1に示されるように、柄部11(浮力体の一例)と、柄部11の先端15側に設けられたフック12(鉤部の一例)とを備える。
【0027】
柄部11は、図1に示されるように、略真っ直に形成された長尺棒状のパイプ16と、パイプ16の持ち手側の端部14に取り付けられたキャップ17とを備える。パイプ16は、アルミニウム或いはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金で形成された円筒形状のものである。本第1の実施形態では、パイプ16は、長さが2.0m、肉厚が2.0mm、外径が25mmに形成されている。なお、パイプ16の長さ、肉厚、外径は、ハッカー10が海面に浮く機能を喪失しない範囲で、使用者が扱いやすい形状及び重量となる寸法に適宜変更することが可能である。例えば、パイプ16の長さは、1.5m〜3.0mの範囲で使用者にとって使用勝手のよい最適な寸法を採用することが可能である。また、パイプ16の形状は、円筒に限られず、例えば、楕円筒状や四角筒状であってもよい。
【0028】
パイプ16は、その構造上、両端が開口されている。パイプ16の両端の開口は、ゴム栓18及びキャップ17(いずれもシール部材の一例)によってシールされている。具体的には、図2に示されるように、フック12が取り付けられる先端15の開口に、ゴム栓18が液密的に嵌め入れられている。また、図1に示されるように、上記先端15とは反対側、即ち、持ち手側の端部14の開口には、キャップ17が取り付けられている。キャップ17は、例えばニトリルゴム(NBR)などの弾性部材で形成されている。キャップ17の内孔は、端部14の外径よりも若干小さく形成されている。このキャップ17の内孔に端部14が嵌め入れられることにより、端部14がキャップ17で被せられる。このとき、端部14の開口及びその周縁がキャップ17によって液密的に密封される。このように、パイプ16の両端の開口がゴム栓18及びキャップ17でシールされることにより、パイプ16の内部は空間的に外部から隔離される。したがって、パイプ16が水に浸されたとしても、パイプ16の内部へ浸水することはない。なお、キャップ17の材質は、弾性部材に限られず、ポリエチレン(PE)や アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)などの合成樹脂であってもよい。
【0029】
柄部11は、内部が中空形状に形成されている。柄部11の中空形状は、パイプ16の両端の開口がゴム栓18及びキャップ17でシールされることにより具現化される。本来、アルミニウムの比重は水より大きいため、パイプ16は海中に沈む。しかしながら、本第1の実施形態では、上述の如く柄部11が中空形状に形成されているため、フック12の重量を加味したとしても、柄部11の内部の空気の浮力によって、ハッカー10は海面に浮く。
【0030】
柄部11の先端15側には、柄部11の径方向に貫通する貫通孔20が形成されている。この貫通孔20に、後述されるフック12の挿入部23が挿入される。
【0031】
図1から図3に示されるように、柄部11の先端15側にフック12が取り付けられている。同図に示されるように、ブック12は、柄部11の先端15から柄部11の長手方向へ突出しない範囲で取り付けられる。フック12は、挿入部23と、主部24と、掛け部25とを備える。フック12は、直径7mmのステンレス製の丸棒状の鋼材を屈曲させて形成される。
【0032】
挿入部23は、ストレートの鋼材の一方端が直角に屈曲されて形成される。挿入部23は、柄部11の外径よりやや長い寸法を有する。この挿入部23は、上記貫通孔20に挿入される。このとき、貫通孔20の一方の孔から挿入された挿入部23の先端は、貫通孔20の他方の孔から柄部11の外周面に突出する。貫通孔20に挿入部23が挿入されると、フック12は、柄部11の長手方向への移動が規制される。なお、貫通孔20と挿入部23との間に隙間が生じるが、当該隙間にはシリコン樹脂などのシール剤が充填される。これにより、上記隙間からの浸水が防止される。
【0033】
主部24は、挿入部23が貫通孔20に挿入された状態で、柄部11の先端15側へ真っ直ぐに延設されている。この主部24の先端15側の端部から掛け部25が連続して設けられている。主部24の挿入部23側の端部に取付金具28が接合されている。また、主部24の先端15側の端部に取付金具29が接合されている。フック12は、挿入部23及び取付金具28,29によって、柄部11の先端に着脱可能に取り付けられる。
【0034】
取付金具28,29は、いずれも、細幅に形成された長尺状の金属板からなり、例えば、当該金属板をC字状に湾曲させて形成される。取付金具28,29は、フック12と同じ材質、つまり、ステンレスで構成されている。取付金具28,29の内径は、柄部11の外径に略一致している。この取付金具28,29は、主部24に溶着されている。取付金具28,29が柄部11の外周面に嵌められることで、フック12が柄部11に取り付けられる。なお、フック12は、取付金具28,29を緩め、貫通孔20から挿入部23を抜き出すことによって、柄部11から容易に取り外すことができる。
【0035】
掛け部25は、ストレートの鋼材の他方端(挿入部23とは反対側の端部)が所定の曲率で湾曲されて形成される。掛け部25は、図3に示されるように、主部24に対して挿入部23とは反対側の方向へ角度θをなして延びている。この掛け部25に海苔網が引っ掛けられる。角度θは、掛け部25に海苔網が効果的に掛かるように、90°(degree)未満の鋭角に設定されている。より好ましくは、角度θは、30°〜60°に設定されている。この範囲で角度θが設定されることで、海苔網の掛け外れが軽減される。本第1の実施形態では、主部24から掛け部25に至る湾曲部26は、半径40mmの曲げ加工をストレートの鋼材に施すことによって形成される。このような湾曲部26がフック12に設けられているため、掛け部25に海苔網を引っ掛けた際に、海苔網或いは網に付着した海苔は損傷しない。
【0036】
フック12は、図2及び図3に示されるように、その全長L1、即ち、挿入部23から掛け部25の湾曲部までの長さが、概ね230mmである。また、掛け部25の長さL2は、概ね60mmである。このようなサイズのフック12は、上述した寸法(長さが2.0m、肉厚が2.0mm、外径が25mm)のパイプ16に最適である。もちろん、フック12の寸法及び形状は、パイプ16や海苔網の形状などに応じて適宜変更してもよい。
【0037】
このように構成されたハッカー10であれば、海上で漁師がハッカー10を用いて海苔網を船側に引き寄せている最中にハッカー10を海面に落としたとしても、ハッカー10は海面に浮くため、漁師はハッカー10を容易に拾い上げることができる。また、ハッカー10の柄部11は、アルミニウム製のパイプ16で形成されているため、腐食し難いだけでなく、強度も大きいため、耐久性に優れる。
【0038】
また、パイプ16の先端15の開口をゴム栓18で密封し、端部14の開口をキャップ17で密封するといった簡単な手法で中空状の柄部11を構成しているため、ハッカー10の製造工程数を省減することができる。これにより、ハッカー10の製造単価を抑えることができる。
【0039】
また、本第1の実施形態では、アルミニウム若しくはアルミニウム合金で形成されたパイプ16を採用しているため、軽量である。しかも、柄部11の表面が酸化皮膜(アルマイト)で保護されるため、腐食し難い丈夫なハッカー10を実現することができる。なお、本第1の実施形態では、アルミニウム製のパイプ16で柄部11が構成されるが、言うまでもなく、アルミニウム以外の金属、例えば、ステンレスや一般構造用炭素鋼などで形成されたパイプで柄部11を構成してもよい。
【0040】
また、本第1の実施形態では、柄部11の持ち手側の端部14にキャップ17が取り付けられているため、持ち手のグリップ感が向上し、ハッカー10の操作性が格段に良くなる。また、キャップ17はゴムで形成されているため、海苔網の引き寄せ以外の用途、例えば、端部14を他船の船側に押し当てて他船を本船から押し離す用途にハッカー10を用いた場合に、キャップ17が他船の船側にしっかりとグリップするため、好適である。もちろん、柄部11の先端15を他船に押し当てて本船から押し離す用途とし本ハッカー10を用いてもよい。
【0041】
《第2の実施形態》
以下、本発明の漁業用ハッカーの第2の実施形態に係るハッカー40が説明される。ここに、図4は、ハッカー40フック42を詳細に示す部分拡大図である。図4では、貫通孔20付近の形状が断面図として表されている。なお、本第2の実施形態では、上述の第1の実施形態のハッカー10の構成要素と共通する構成要素に、ハッカー10の構成要素に付した符号と同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0042】
ハッカー40は、大別すると、図4に示されるように、柄部11と、柄部11の先端15側に設けられたフック42(鉤部の一例)とを備える。柄部11は、第1の実施形態のハッカー10と概ね同様の構成である。ハッカー40は、フック42の挿入部43の形状と、柄部11に対するフック42の取付構造とにおいて、第1の実施形態のハッカー10と相違する。
【0043】
フック42の挿入部43は、図4に示されるように、ストレートの鋼材の一方端が直角に屈曲されて形成される。主部24に対して掛け部25が折り曲げられている方向と同方向に屈曲されることにより形成される。この挿入部43が、貫通孔20に挿入されることで、フック42は、柄部11の長手方向への移動が規制される。なお、フック42の他の構成は、第1の実施形態のフック12と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0044】
柄部11に対するフック42の取り付けは、次のように行われる。フック42には、主部24に溶着された取付金具29と、挿入部43の主部24側に溶着された取付金具28とが設けられている。まず、挿入部43が貫通孔20に挿入される。挿入部43が貫通孔20に挿入されると、貫通孔20の他方の孔から挿入部43の先端が突出する。このとき、貫通孔20と挿入部43との間に隙間が生じるが、当該隙間にはシリコン樹脂などのシール剤が充填される。続いて、取付金具28,29が柄部11の外周面に嵌められる。これにより、フック42の主部24が柄部11に固定される。更に、貫通孔20から突出した挿入部43の先端と取付金具28とが溶着される。これにより、フック42が柄部11に強固に取り付けられる。
【0045】
《第3の実施形態》
以下、本発明の漁業用ハッカーの第3の実施形態に係るハッカー50が説明される。ここに、図5は、ハッカー50のフック52を詳細に示す部分拡大図である。図5では、柄部11の先端15付近の形成が断面図として表されている。なお、本第3の実施形態では、上述の第1の実施形態のハッカー10の構成要素と共通する構成要素に、ハッカー10の構成要素に付した符号と同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0046】
ハッカー50は、大別すると、図5に示されるように、柄部11と、柄部11の先端15側に設けられたフック52(鉤部の一例)とを備える。柄部11は、第1の実施形態のハッカー10と概ね同様の構成であるが、貫通孔20よりも先端15側に貫通孔20と同一サイズの貫通孔55が形成されている点のみが異なる。
【0047】
図5に示されるように、柄部11の先端15にフック52が取り付けられている。フック52は、挿入部56と、主部24と、掛け部25とを備える。主部24及び掛け部25は一体に形成されており、例えば、直径7mmのステンレス製の丸棒状の鋼材を屈曲させて形成される。主部24の一端が挿入部56の端部に螺着或いは溶着などによって取り付けられることにより、フック52が構成されている。
【0048】
挿入部56は、パイプ16の内孔に挿入される。したがって、挿入部56は、パイプ16の内孔の形状に対応して形成されている。具体的には、挿入部56は、丸棒状で、且つ、直径がパイプ16の内孔より若干小さく形成されている。挿入部56は、そのほぼ全体がパイプ16に挿入された状態で貫通孔20が形成された位置よりも深い位置に先端が達する長さを有する。
【0049】
挿入部56には、貫通孔20及び貫通孔54に対応した位置に、挿入部56を径方向に貫通する孔が形成されている。挿入部56に形成された孔と、貫通孔20及び貫通孔54とにボルト58を挿通させて、このボルト58をナット59で締め上げることで、フック52が柄部11に取り付けられる。フック52の取り外しは、言うまでもなく、ナット59を緩めてボルト58を貫通孔20及び貫通孔54から抜き出すことにより行われる。なお、パイプ16の内孔と挿入部56との間に隙間が生じるが、当該隙間にシリコン樹脂などのシール剤を充填し、或いは、当該隙間にOリングなどのシール部材を介在させることで、上記隙間からの浸水を防ぐことができる。
【0050】
《第4の実施形態》
以下、本発明の漁業用ハッカーの第4の実施形態に係るハッカー70が説明される。ここに、図6は、ハッカー70のフック72を詳細に示す部分拡大図である。図7は、フック72の変形例であるフック82を示す部分拡大図である。図6及び図7では、柄部11の先端15付近の形成が断面図として表されている。なお、本第4の実施形態では、上述の第1の実施形態のハッカー10の構成要素と共通する構成要素に、ハッカー10の構成要素に付した符号と同じ符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0051】
ハッカー70は、大別すると、図6に示されるように、柄部11と、柄部11の先端15側に設けられたフック72(鉤部の一例)とを備える。柄部11は、第1の実施形態のハッカー10と概ね同様の構成であるが、パイプ16の先端15の内孔にネジ穴74が形成されている点と貫通孔20が形成されていない点のみが異なる。
【0052】
図6に示されるように、柄部11の先端15にフック72が取り付けられる。フック72は、連結部76と、主部24と、掛け部25とを備える。主部24及び掛け部25は一体に形成されており、例えば、直径7mmのステンレス製の丸棒状の鋼材を屈曲させて形成される。主部24の一端が連結部76に接合されることにより、フック72が構成されている。
【0053】
連結部76には、ネジ穴74に螺着されるネジ部77が形成されている。このネジ部77をネジ穴74に締め込むことにより、フック76が柄部11に取り付けられる。このようにフック72が構成されることにより、柄部11に対するフック72の着脱が容易になる。
【0054】
図7に、フック72の変形例であるフック82(鉤部の一例)が示されている。フック82は、主部24と連結部76との間に継手83が介在している。言い換えれば、フック82は、継手83を介在させて柄部11に連結されている。継手83は、円柱状の弾性部材(例えばNBR)で形成されている。
【0055】
このようなフック82を有するハッカー70であれば、フック82に海苔網が掛けられた状態でハッカー70が急激に引っ張られた場合でも、継手83が矢印84の方向へ伸長する。そのため、海苔網に急激な負荷が掛からない。したがって、海苔網やそれに付着する海苔の損傷を未然に防ぐことができる。
【0056】
また、漁師がハッカー70を持ち手側で上下に振ると、持ち手側の振り幅より大きい幅で継手83が矢印85の方向へ揺り動かされ、それに連結されたフック82も同様に揺動される。このようにフック82が揺動するため、漁師がハッカー70を使って海苔網を引っ掛けようとする動作のバリエーションが増える。その結果、ハッカー70の使用勝手がよくなり、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るハッカー10の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係るハッカー10のフック12を詳細に示す部分拡大斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係るハッカー10のフック12の部分拡大図であり、(a)に正面図が示され、(b)に側面図が示されている。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に係るハッカー40のフック42を詳細に示す部分拡大図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施形態に係るハッカー50のフック52を詳細に示す部分拡大図である。
【図6】図6は、本発明の第4の実施形態に係るハッカー70のフック72を詳細に示す部分拡大図である。
【図7】図7は、フック72の変形例であるフック82を示す部分拡大図である。
【図8】図8は、浮き流し式養殖を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0058】
10,40,50,70・・・ハッカー
11・・・柄部
12,42,52,72・・・フック
14・・・端部
15・・・先端
16・・・パイプ
17・・・キャップ
18・・・ゴム栓
20・・・貫通孔
23・・・挿入部
24・・・主部
25・・・掛け部
26・・・湾曲部
28,29・・・取付金具
83・・・継手
【出願人】 【識別番号】306043770
【氏名又は名称】澤田 清貴
【出願日】 平成18年11月28日(2006.11.28)
【代理人】 【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩

【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫


【公開番号】 特開2008−131900(P2008−131900A)
【公開日】 平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願番号】 特願2006−320668(P2006−320668)