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マルチング工法及びマルチング構造 - 特開2008−92917 | j-tokkyo
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【発明の名称】 マルチング工法及びマルチング構造
【発明者】 【氏名】澤田 英仁

【要約】 【課題】植栽物の成長に影響を与えることなく雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止を図ることができ、環境にも優しいマルチング技術を提供する。

【解決手段】平らに均した路床上に植物繊維製のシートを敷設し、そのシートの上からシートを貫いて路床に達する長さの目串を路床中に打ち込んでシートを路床に固定する。固定した後に薄めた接着剤をシート上に散布し、最後にシート上に接着剤を混合したウッドチップを敷き均す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止等を目的として地表面をマルチング材で覆うマルチング工法であって、
平らに均した路床上に植物繊維製のシートを敷設する第1の段階と、
前記シートの上から前記路床に達する長さの目串を路床中に打ち込んでシートを路床に固定する第2の段階と、
前記第2の段階の後に、薄めた第1の接着剤を前記シート上に散布する第3の段階と、 前記第3の段階の後に、前記シート上に第2の接着剤を練り混ぜたウッドチップを敷き均す第4の段階を含むことを特徴とするマルチング工法。
【請求項2】
請求項1に記載のマルチング工法において、前記植物繊維として麻繊維又は椰子繊維を用いることを特徴とするマルチング工法。
【請求項3】
請求項1に記載のマルチング工法において、前記第1、第2の接着剤として、それぞれ木工用接着剤又は澱粉糊を用いることを特徴とするマルチング工法。
【請求項4】
雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止等を目的として地表面をマルチング材で覆うマルチング構造であって、平らに均した路床上に植物繊維製のシートを敷設し、その上から前記路床に達する長さの目串を路床中に打ち込んでシートを路床に固定し、該固定したシート上に薄めた第1の接着剤を散布し、該第1の接着剤を散布した後の前記シート上に第2の接着剤を練り混ぜたウッドチップを敷き均してなることを特徴とするマルチング構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、道路植樹帯、公園、築堤法面等において雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止、植栽物の生育促進等を目的として行なわれるマルチングの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、道路の中央分離帯や側緑地帯、公園、築堤法面等には、景観保護、表土の流亡対策、粉塵対策等を目的として樹木や草花が植えられ緑化が図られる。こうした植栽帯には雑草が繁茂し易く、繁茂した雑草は景観を損ね、土壌中の養分、水分を奪って植栽物の生育を妨げる。対策の一つに、植栽物周囲にマルチング材を敷設して表土を覆い、雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止、植栽物の生育促進等を図るマルチング工法がある。
【0003】
マルチング材としては、藁、葦、マニラ麻、ヤシなどの植物繊維製のシートやネットが古来より用いられてきた。しかし、これらの材料は近年、資材調達が困難であり、加えて加工者も少なくなってマーケットに流通しないという問題がある。代わりの材料としてウッドチップ、樹皮チップがある(例えば、特許文献1参照)。これらは効果もあり景観も良いが、天然のままの材料は強風や降雨により飛散、流亡を起こしやすい問題がある。これらの植物繊維に除草剤を混入させて雑草の生育抑制効果を高める方法もあるが、環境上の問題がある。
【0004】
天然材料に代わるものとして塩化ビニル等の化学繊維で作られたシート、ネットも使用される(例えば、特許文献2参照)。しかし、化学繊維のシートやネットには強風時にめくれる問題があり、廃材の処分も簡単でない。更に、透水性を備えた可撓性シート上に雑草防止兼シート安定用の小石を均等に敷設する二層のマルチング工法も提案されている(特許文献3参照)。しかし、小石はシート上に載置されているだけで移動し易いため、法面には適用できない問題がある。
【特許文献1】特開平6−247823号公報
【特許文献2】実開平2−138544号公報
【特許文献3】特開平5−336848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は植栽物の成長に影響を与えることなく、雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止を図ることができ、且つ環境にも優しいマルチング工法及びマルチング構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための請求項1に記載の発明は、雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止等を目的として地表面をマルチング材で覆うマルチング工法であって、平らに均した路床上に植物繊維製のシートを敷設する第1の段階と、前記シートの上から前記路床に達する長さの目串を路床中に打ち込んでシートを路床に固定する第2の段階と、その第2の段階の後に、薄めた第1の接着剤をシート上に散布する第3の段階と、その第3の段階の後に、シート上に第2の接着剤を練り混ぜたウッドチップを敷き均す第4の段階を含むことを特徴とするマルチング工法である。
【0007】
このようなマルチング工法によればウッドチップとシートとが一体化されて路床に固定される。これによりマルチング材としてウッドチップとシートの耐久性が増すと共に、路床で発芽した雑草の成長を長期に渡り効果的に防止できる。また、マルチング材が一体化されて路床に固定されるため法面にも適用できる。ウッドチップに接着剤が混ぜてあるため強風でも飛散せず、飛来する種子の発芽、成長も抑制できる。更に、ウッドチップとシートには透水性、通気性を阻害しない程度の接着剤しか使用しないことで植栽物の成長に影響を与えず、断熱性や保水性により植栽物成長を助ける効果も奏する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマルチング工法において、前記植物繊維として麻繊維又は椰子繊維を用いることを特徴とするマルチング工法である。
【0009】
これらの植物繊維は耐久性に優れ、腐敗した場合でも自然に戻るため環境に優しい利点を有する。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、 請求項1に記載のマルチング工法において、前記第1、第2の接着剤として、それぞれ木工用接着剤又は澱粉糊を用いることを特徴とするマルチング工法である。
【0011】
これらの接着剤は、ウッドチップや植物繊維の接着に有効であると共に、環境にも優しい利点を有する。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、雑草の生育抑制、表土の飛散と流亡の防止等を目的として地表面をマルチング材で覆うマルチング構造であって、平らに均した路床上に植物繊維製のシートを敷設し、その上から路床に達する長さの目串を路床中に打ち込んでシートを路床に固定し、その固定したシート上に薄めた第1の接着剤を散布し、散布した後のシート上に第2の接着剤を練り混ぜたウッドチップを敷き均してなることを特徴とするマルチング構造である。
【0013】
このようなマルチング構造は、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るマルチング工法及びマルチング構造の実施形態について、道路の中央分離帯の緑地帯に適用する場合を例に説明する。図1は、マルチング施工されてない従来の緑地帯の断面構造である。緑地帯1の両側には縁石2が車両走行方向に、路面より10〜20cmの高さで並べられている。両側の縁石2間の緑地帯には、縁石2の高さまで土が盛られており、その部分には通常、草木や樹木が植えられている。
【0015】
本実施形態のマルチング工法を適用する場合には、最初に緑地帯1の植栽物を取り除き、次に表層の土を約5cm削り、表面を平らに均して路床3を完成させる(図2)。表層の土を削るのは後にマルチング材を敷くためであるが、表層近くの土に含まれている雑草の種子を除去する効果がある。
【0016】
平らな路床3を完成させたならば、次に、その上に植物繊維製のシート5を敷設する(図3)。シート5の役割は、路床中で発芽した雑草が緑地帯表面に頭を出すのを防止することにある。そのためにはシート5は発芽した雑草により突き破られないよう、目は比較的細かくて強度を有することが条件となる。こうした条件を満たすシートとしては、麻繊維又は椰子繊維を使用した織布が適している。
【0017】
路床上にシート5を敷設したならば、次に、シート5を路床3に固定するためシート5の上からシート5を貫いて路床中に目串6を打ち込む。図4は、目串6を打ち込んでシート5を路床3に固定した状態の断面図、図5はその平面図である。固定を確実にするため、目串6には頭部を節止めした竹目串6a(図6の(1))、竹製の鉄砲串6b(図6の(2))、松葉串6c(図6の(3))等を用いるとよい。それら目串は頭部分約2cmをシート5の上に残すようにして打ち込み、シート5を押さえるようにして路床3に固定する。打ち込み本数は1m2 当たり5本程度とする。このような目串を打ち込むことでシート5の浮き上がりを防止でき、また、法面のように路床3が傾斜している個所でもシート5のずれを防止することができる。
【0018】
目串の打ち込みを終えたならば、続いて水で薄めた接着剤の液をシート5の上に散布する。薄めた接着剤の液を散布する目的は、後工程でシート5上に敷き均すウッドチップとシート5とを路床3に密着させた状態で一体化させ、そのマルチング効果を高めさせることにある。接着剤としては木工用ボンド又は澱粉糊を用い、それらを水で3倍程度に薄めて散布する。散布量は植栽物の生育を妨げることのないよう、シート5の通気性、透水性が失われない程度にとどめる。目串付近には、目串6、シート5、路床3の固着化を図るため多めに散布する。
【0019】
薄めた接着剤を散布したならば、それが乾燥しない内にその上に接着剤を練り混ぜたウッドチップ8を敷き均す。厚さは約5cmとして表面を縁石2の高さにほぼ一致させる(図7)。ウッドチップ8に練り混ぜる接着剤としてはシート5の場合と同様に木工用ボンド又は澱粉糊を使用する。ウッドチップ1m3 にそれらの接着剤を約30Kgの割合で混ぜ、混合機で良く練り混ぜて使用する。敷き均した後は自然乾燥させ、ウッドチップ8とシート5に付着させた接着剤が固まればマルチング施工が完成する。接着剤の固化によりウッドチップ8は相互に繋がった状態となるが、接着剤の投入量は多くないのでウッドチップ層としての透水性、通気性は確保される。また、遮光性も確保される。
【0020】
完成後のマルチング構造の断面を図7に示す。植樹がされている場所に施工する場合には、樹木の幹周りを除く部分にシート5を敷設して施工する。その場合のマルチング構造の断面を図8に示す。
【0021】
以上、説明したような本実施形態のマルチング工法、及びそれによるマルチング構造は次のような利点を有する。
(1)上層のウッドチップ8、下層のシート5に薄めた接着剤を含ませ、更に目串6の打ち込みを行なったため、ウッドチップ8とシート5とからなるマルチング材が一体化されて路床3に密着固定される。このため、マルチング材の耐久性が増すと共に路床3で発芽した雑草がマルチング材を突き破って成長することが長期に渡り効果的に防止される。また、マルチング材が一体化されて路床3に固定されているため法面にも適用できる。
【0022】
(2)上層のウッドチップ8に接着剤が使用してあるためウッドチップが飛散せず、飛来する種子の発芽、成長も抑制できる。
【0023】
(3)ウッドチップ8とシート5には、透水性、通気性を阻害しない程度の接着剤しか使用しないため植栽物の成長に影響を与えない。また、これらのマルチング材は断熱性や保水性も有するため、植栽物の根元に保温、保水効果をもたらし成長を助ける効果を発揮する。更に、ウッドチップ8とシート5は、将来的に腐敗させて自然に戻すことができるため環境にも優しい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】マルチング施工前の緑地帯の一般的な断面構造である。
【図2】マルチング施工のために表層の土を削った状態の断面構造である。
【図3】路床3の上に植物繊維製のシート5を敷設した状態の断面構造である。
【図4】目串6を打ち込んでシート5を路床3に固定した状態の断面構造である。
【図5】目串6を打ち込んだ後の平面図である。11
【図6】シート5の固定に使用する目串6の例である。
【図7】完成後のマルチング構造の断面構造である。
【図8】植樹がされている場所にマルチング施工した後の断面構造である。
【符号の説明】
【0025】
図面中、1は緑地帯、2は縁石、3は路床、5はシート、6は目串、8はウッドチップを示す。
【出願人】 【識別番号】506347171
【氏名又は名称】株式会社澤田屋
【出願日】 平成18年10月16日(2006.10.16)
【代理人】 【識別番号】100119769
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 清


【公開番号】 特開2008−92917(P2008−92917A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−281573(P2006−281573)