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【発明の名称】 樹木の衰退・枯死度判定試薬とそれを用いた樹木衰退・枯死度判定方法
【発明者】 【氏名】浜口 育弘

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製水90〜9重量%と亜酸化水素ナトリウム1〜5重量%、塩化ナトリウム0.001〜0.1重量%、塩酸0.1〜2重量%、フクシン0.01〜1重量%を混合調整したことを特徴とする樹木の衰退・枯死度判定試薬
【請求項2】
請求項1に記載の樹木衰退・枯死度判定試薬を用いて、樹木の切断面又は切り裂き断面に塗布又は滴下して樹液と反応呈色させ、赤紫色の反応色の濃淡で当該樹木の衰退・枯死度を判定する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
樹木は必要な栄養成分の不足等から衰退が始まり終局的には枯死に至る。当該樹木の切断面又は切り裂き断面に塗布又は滴下して、樹液との反応で呈色させ衰退・枯死度を判定する方法。
【背景技術】
【0002】
当節、松枯れ等の社会問題となっている樹木の衰退や枯死が広範囲、地球規模で発生していることは事実である。松枯れに至ってはその正確な原因の特定には至ってなく、松食い虫による被害との断定的な判定であり、そのため防除以外の効果的な対策が講じられているとは言い難い。
【0003】
通常、樹木等の衰退状態を判定するには当該樹木全体の可視観察又は当該樹木の樹皮に擦過傷を付け、皮下組織の状態を観察する方法が多くとられるが科学的根拠に乏しく、的確な衰退・枯死度を的確に判定することができない。
【0004】
植物体の状態をモニターする方法として特公平7−12261号公報において、温度。湿度、日照量等の異なる多種類の生育環境下で生育させ、一時的に炭酸ガス雰囲気にセットして励起光を照射して照射部分から生じる蛍光を検出して生育環境との相関関係から判定する方法が提起されているが、屋外のフィールドにある樹木を対象には全く不向きな判定手段である。
【0005】
また、根系活性度定量測定法も特開2006―34275号で報告されているが、切断した植物根とメチレンブルーを含むCK反応試薬を接触させて植物根の活性を定量的に測定するとしているが、多種類の器材を必要とし、加えて基質緩衝液の調整、メチレンブルーの調整、CK反応試薬の調整のほかメチレンブルー比色標準液を必要とするなど、試験研究施設レベルの技術を要する課題がある。
【0006】
【特許文献1】特公平7−12261号公報
【特許文献2】特開2006−34275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
即ち、本発明は樹木等の衰退・枯死度の判定を、試薬を樹液とを反応させその発色度で把握し、樹勢回復技術の施工基準の目安とする技術である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における第1の手段は、樹木の衰退・枯死度の判定に供する試薬に関するものである。試薬の成分構成は、精製水90〜9重量%に亜酸化水素ナトリウム1〜5重量%、塩化ナトリウム0.001〜0.1重量%、塩酸0.1〜2重量%、フクシン0.01〜1重量%を混合調整したことを特徴とし、樹木樹液と反応させて当該樹木の衰退・枯死度を判定するものである。
【0009】
本発明の第2の手段は、第1の手段である試薬を用い、判定すべき当該樹木の一部を切断若しくは切り裂きその断面に試薬を塗布又は滴下させて、当該樹木の樹液と反応させ、呈色させた濃淡で当該樹木の衰退・枯死の状態を目視で判定する方法に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、特定の化学物質を用いることなく安全な既存の成分を新たに混合調整するのみであり、当該樹木の一部の切断面又は切り裂き面へ塗布又は滴下させ、樹木の生化学作用にの段階で産生されるアセトアルデヒドを含む樹液との間で反応し、短時間かつ明快な呈色として目視可能に顕在化発色するため、高度な経験を要することなくその呈色の赤紫色の濃呈色により樹木の衰退・枯死を判定することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における第1の手段は、樹木の衰退・枯死度の判定に供する試薬に関するものである。試薬の成分構成は、精製水90〜9重量%に亜酸化水素ナトリウム1〜5重量%、塩化ナトリウム0.001〜0.1重量%、塩酸0.1〜2重量%、フクシン0.01〜1重量%を常温で混合調整したことを特徴とし、樹木樹液と反応させて当該樹木の衰退・枯死度を判定するものである。
【0012】
より説明を加えると、樹木の衰退・枯死が見られる場合、生理活性が多種類の原因で阻害されており、細胞が崩壊したときの細胞組成物質が原子状に分解した後、自然態の接触結合した時の低沸点化合物に本発明の試薬を用いることで化学反応をさせて発色が起こり、その濃淡色差で樹木の衰退・枯死度を判定し、生理面での樹勢回復技術のための段階的処置方法を考察し、生理活性の処置技術を施用可能とするものである。
【0013】
衰退・枯死の状態等を含めての判定を説明すれば呼吸の最終段階で瞬時に酸化され酢酸に返還され無害化する。一方アセトアルデヒド酸化酵素に結合している亜鉛、銅、モリブデン、鉄等の元素の欠乏又は夏季高温度障害からなる組織崩壊を起因にする細胞の大量壊死を導く。
【0014】
アセトアルデヒドは、産生が容易で細胞毒性の非常に強い物質で揮発性が高く、低沸点の20.8℃の化学的性質を有し、樹木体内の髄部を中心に拡散上昇し、枝の頂上芽や樹冠部の頂上芽の柔組織や周辺の柔細胞を壊死崩壊させ大気揮散する。
【0015】
樹木への不自然な環境状態で起きるこの現象は、針葉樹ではヤニの分解時に産生するアセチレンからも体内の分子状の水分と容易に結合し、アセトアルデヒドは産生する。針葉樹の生木で起こるヤニの水素化分解は永久分解であるから分解を止めることは困難である。
【0016】
この枯死現象の初期から最終期までのアセトアルデヒド濃度の把握は、アセトアルデヒド検知管によっても判定することは可能であるが、サンプリングと検知に時間を要し、敏速性を求める簡易的判定には不向きである。
【0017】
本発明の第2の手段は、第1の手段である試薬を用い、判定すべき当該樹木の一部を切断若しくは切り裂きその断面に試薬を塗布又は滴下させて、当該樹木の樹液と反応させ、呈色させた濃淡で当該樹木の衰退・枯死の状態を目視で判定する方法に関するものである。
【0018】
試薬の塗布又は滴下により当該樹木のどの部位でも樹液と反応し赤紫色に呈色する。その呈色の濃淡により内部崩壊の度合いが迅速に判定できるため、早期に当該樹木保護の手段が考察され、生命活動での生理環境の改善から樹勢回復の方法も的確に行うことができる。
【0019】
立木の状態では、当該樹木の切断面でも呈色は行われるが、細枝では切り裂いた断面への塗布又は滴下の判定を行うのが好ましく、ハサミで切断した断面への塗布又は滴下よりも呈色時間が短く実用的である。
【0020】
樹木の健全から衰退・枯死寸前の状態把握が容易であり、庭木から山林などの群生地での簡易判定が高度な経験を有しなくても実行できることが特徴的であり、針葉樹が広葉樹に比べて呈色までの時間が早いのも特徴である。
【実施例1】
【0021】
ゴルフ場の芝と混植された松の衰退・枯死度を判定するために、松葉に黄化現象が認められる松を対象に、その枝部分を切断し、切断面に本発明による試薬を塗布して判定した結果、薄赤色の呈色が見られた。その松の枝、針葉を採取しアセトアルデヒドを従来の化学的手法により測定した結果、モリブデン、亜鉛、鉄、銅の微量要素含量値から見て松の衰退度は相当進んではいるものの、呈色の度合では、樹勢回復の可能性を60%有しているものと推測できた。
【0022】
0.2%硝酸及び硝酸態窒素を主成分とする未発売の肥料1kgを幹周約1mの当該松木に1回施肥した結果、施肥前の黄化現象が解消され、6月後には黄化した松葉が蘇り健全な松と比較しても差のない程度の樹勢回復を見るに至った。回復時のアセトアルデヒドは従来の検知管による判定でも、当該試薬においても無検知、無反応であった。
【実施例2】
【0023】
同じゴルフ場の松の中で、松の衰退・枯死度を判定するため、松葉の殆どが黄化した松を対象に、その枝部分を切断し本発明による試薬を塗布して判定を行った結果、濃い赤色の呈色がみられた。その松の針葉を採取し、アセトアルデヒドを従来の化学的手法により測定した結果、モリブデン、亜鉛、鉄、銅の化学分析による含有値の低値と松周辺のアセトアルデヒド臭からみて松の衰退度が終期にあるものと推測され、樹勢回復は困難と判定された。この時のアセトアルデヒドの検知管による測定は頂上芽付近では30ppm/100gで太根では300ppm/100gあった。
【0024】
当該松に対して試行的にアンモニア態窒素及び尿素を主成分とする市販の多種微量要素含有肥料4kgを幹周1mの松木に30日の間隔で3回施肥した結果、12月を経過しても樹勢を回復するに至らず衰退し枯死に至った。
【出願人】 【識別番号】306034572
【氏名又は名称】株式会社樹木新理論
【識別番号】503416054
【氏名又は名称】浜口 育弘
【出願日】 平成18年10月11日(2006.10.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−92853(P2008−92853A)
【公開日】 平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願番号】 特願2006−277729(P2006−277729)