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【発明の名称】 海藻増養殖ブロック
【発明者】 【氏名】須田 新樹

【要約】 【課題】砂浜や冠砂又は小砂利地帯に於いて、マコンブやガゴメ等の海藻類を効率良く増養殖することができると共に、清掃が容易な海藻増養殖ブロックを提供する。

【構成】同一面上の三方向放射状に延びる各梁部2,2…の先端下部に柱部3,3…が垂設された海藻増養殖ブロック本体1と、梁部2,2…の上面に着脱自在に固定される海藻を着生させるための着生基質4,4…と、隣接する梁部2,2…の先端間に着脱自在に張設される海藻を養殖するための養殖用ロープ6,6…とを備えた海藻増養殖ブロック11を提供する。そして、前記放射状に延びる梁部2,2…は等角度に離間して形成され、前記柱部3,3…は円柱状に形成される。又、前記着生基質4,4…は網状体で形成され、前記養殖用ロープ6,6…にはマコンブ又はガゴメを発芽させた種苗糸片が固着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一面上の三方向放射状に延びる各梁部の先端下部に柱部が垂設された海藻増養殖ブロック本体と、
前記梁部の上面に着脱自在に固定される海藻を着生させるための着生基質と、
隣接する前記梁部の先端間に着脱自在に張設される海藻を養殖するための養殖用ロープとを備えたことを特徴とする海藻増養殖ブロック。
【請求項2】
前記放射状に延びる梁部は、等角度に離間して形成されていることを特徴とする請求項1記載の海藻増養殖ブロック。
【請求項3】
前記柱部は、円柱状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の海藻増養殖ブロック。
【請求項4】
前記着生基質は、網状体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロック。
【請求項5】
前記梁部上面から突出し、前記梁部上面に載置される着生基質を貫通するボルトと、前記ボルトに嵌装し、前記着生基質上に載置される座金と、載置された前記座金上方近傍の前記ボルトに前記ボルトの軸方向に直交して開穿されるピン孔と、前記ピン孔に差し込まれる割ピンとによって、前記着生基質は、前記梁部上面に着脱自在に固着されることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロック。
【請求項6】
前記梁部先端部上面から突出するボルトと、前記養殖用ロープを係止すると共に、前記ボルトに嵌装する連結用金具と、前記ボルトに嵌装し、前記連結用金具上に載置される座金と、載置された前記座金上方近傍の前記ボルトに前記ボルトの軸方向に直交して開穿されるピン孔と、前記ピン孔に差し込まれる割ピンとによって、前記養殖用ロープが前記梁部先端部上面に着脱自在に固着されることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロック。
【請求項7】
前記養殖用ロープは、マコンブ又はガゴメを発芽させた種苗糸片が固着されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロック。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、砂浜や冠砂又は小砂利地帯に於いて、マコンブやガゴメ等の海藻類を効率良く増養殖することができる海藻増養殖ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
これまであまり利用されることがなかったガゴメに含まれるフコイダンと呼ばれる多糖類が、ガン細胞の死滅、抑制などに効果があることからガゴメが近年脚光を浴びている。然しながらガゴメ資源は約10年前の10分の1にまで減少しており、資源の増大が求められている。
【0003】
これらの資源の増大を図るためには、海藻の生育しない砂浜や冠砂又は小砂利地帯の開発が必要である。
中でも水深が概ね10m以浅の砂浜域砕波地帯は、マコンブやガゴメの増養殖場として、開発の可能性が高い場所であり、既に、一部、冠砂や小砂利地帯では、マコンブを対象に事業が行なわれている。
一方、砂の層の厚い砂浜地帯は、ブロックが埋没すること、又、波力が極めて強いことなどの技術的課題が大きいことから開発が遅れている現状にある。
【0004】
尚、本発明に関連する公知技術文献としては例えば下記の特許文献1がある。
特許文献1は、ブロック本体の表面に大きな稜角部を有する溝状凹部を形成すると共に、この溝状凹部に隣接して比較的小さい溝を1乃至複数設け、前記溝状凹部に増殖材を配設した沈設ブロックに於ける有用海藻類の増殖構造を提供するものである。
【特許文献1】特開平8−214725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、前述した現状を改善すべく、ガゴメの増殖手法を確立すること、又、砂層厚の厚い場所にも対応するマコンブ及びガゴメの増殖施設の開発を図ること、更には、海藻が着生する基質は経年的に他の雑海藻に覆われその効果を失うことから、掃除が出来るよう、土台となるブロックから簡便に着脱が可能で、マコンブやガゴメの着生に最適な形状を持つ基質と着脱機構の開発が望まれている。尚、特許文献1は、これらの要望に答えるものではない。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は、砂浜や冠砂又は小砂利地帯に於いて、マコンブやガゴメ等の海藻類を効率良く増養殖することができると共に、清掃が容易な海藻増養殖ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、同一面上の三方向放射状に延びる各梁部の先端下部に柱部が垂設された海藻増養殖ブロック本体と、
前記梁部の上面に着脱自在に固定される海藻を着生させるための着生基質と、
隣接する前記梁部の先端間に着脱自在に張設される海藻を養殖するための養殖用ロープとを備えたことを特徴とする海藻増養殖ブロックを提供するものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記放射状に延びる梁部は、等角度に離間して形成されていることを特徴とする請求項1記載の海藻増養殖ブロックを提供するものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記柱部は、円柱状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の海藻増養殖ブロックを提供するものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記着生基質は、網状体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロックを提供するものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記梁部上面から突出し、前記梁部上面に載置される着生基質を貫通するボルトと、前記ボルトに嵌装し、前記着生基質上に載置される座金と、載置された前記座金上方近傍の前記ボルトに前記ボルトの軸方向に直交して開穿されるピン孔と、前記ピン孔に差し込まれる割ピンとによって、前記着生基質は、前記梁部上面に着脱自在に固着されることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロックを提供するものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記梁部先端部上面から突出するボルトと、前記養殖用ロープを係止すると共に、前記ボルトに嵌装する連結用金具と、前記ボルトに嵌装し、前記連結用金具上に載置される座金と、載置された前記座金上方近傍の前記ボルトに前記ボルトの軸方向に直交して開穿されるピン孔と、前記ピン孔に差し込まれる割ピンとによって、前記養殖用ロープが前記梁部先端部上面に着脱自在に固着されることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロックを提供するものである。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記養殖用ロープは、マコンブ又はガゴメを発芽させた種苗糸片が固着されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の海藻増養殖ブロックを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1記載の発明によれば、同一面上の三方向放射状に延びる各梁部の先端下部に柱部が垂設された海藻増養殖ブロック本体と、
前記梁部の上面に着脱自在に固定される海藻を着生させるための着生基質と、
隣接する前記梁部の先端間に着脱自在に張設される海藻を養殖するための養殖用ロープとを備えた海藻増養殖ブロックを提供するので、前記柱部によって、前記梁部は比較的高い位置に保持され、砂浜や冠砂又は小砂利地帯に於いて、梁部が砂浜や冠砂又は小砂利に埋没する虞がないため、マコンブやガゴメ等の海藻類を効率良く増養殖することができる海藻増養殖ブロックを提供することができる。又、着生基質が梁部の上面に固定されるので、海藻の着生効率がよく、更に、養殖用ロープによって海藻を養殖することが可能であり、海藻類を極めて効率良く増養殖できる。そして、着生基質及び養殖用ロープの着脱が容易であるので、着生基質及び養殖用ロープの清掃や交換が容易である。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、前記放射状に延びる梁部は、等角度に離間して形成されているので、請求項1記載の発明の効果に加え、海藻増養殖ブロックの設置上の安定性を高めることができると共に、海藻の着生、増養殖の効率を高めることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、前記柱部は、円柱状に形成されているので、請求項1又は2記載の発明の効果に加え、波力や、潮流の抵抗を低減できる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、前記着生基質は、網状体で形成されているので、請求項1乃至3のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、表面積が多いことにより海藻類が着生しやすく、且つ、海藻類の根の成長を促進させることができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、前記梁部上面から突出し、前記梁部上面に載置される着生基質を貫通するボルトと、前記ボルトに嵌装し、前記着生基質上に載置される座金と、載置された前記座金上方近傍の前記ボルトに前記ボルトの軸方向に直交して開穿されるピン孔と、前記ピン孔に差し込まれる割ピンとによって、前記着生基質は、前記梁部上面に着脱自在に固着されるので、請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、着生基質の着脱が極めて容易である。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、前記梁部先端部上面から突出するボルトと、前記養殖用ロープを係止すると共に、前記ボルトに嵌装する連結用金具と、前記ボルトに嵌装し、前記連結用金具上に載置される座金と、載置された前記座金上方近傍の前記ボルトに前記ボルトの軸方向に直交して開穿されるピン孔と、前記ピン孔に差し込まれる割ピンとによって、前記養殖用ロープが前記梁部先端部上面に着脱自在に固着されるので、請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、養殖用ロープの着脱が極めて容易である。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、前記養殖用ロープは、マコンブ又はガゴメを発芽させた種苗糸片が固着されているので、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、種苗糸片で発芽したマコンブ又はガゴメを養殖用ロープによって効率良く養殖することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2に於いて、1は、本発明の海藻増養殖ブロック本体であり、海藻増養殖ブロック本体1は、同一面上の三方向に等角度(約120度)に離間して放射状に延びる梁部2,2…と、夫々の梁部2,2…の先端下部から垂設される円柱状の柱部3,3…とが一体に成形されたコンクリートブロック体である。
【0022】
更に、前記梁部2,2…の基端部近傍と先端部近傍の上面には、二点鎖線で示す着生基質4,4…の両端部を固定するためのボルト5,5…が植設されて突出しており、又、二点鎖線で示す養殖用ロープ6,6…を固定するためのボルト7,7…が各梁部2の先端部近傍の両側面近傍に夫々1本づつ植設されて突出しており、ボルト5,7には、夫々、後述する割りピンを差し込むためのピン孔8、9が夫々ボルト5,7の軸方向に直交して開穿されている。ピン孔8、9は、後述する載置された状態の座金の上方近傍位置に開穿される。
【0023】
尚、前記ボルト5,7は、例えば、六角ボルトを倒立状態に植設したもの、或いは、頭部がなく全体がネジになっている長ネジボルトを植設したものである。
又、前記ボルト5,7は、海藻増養殖ブロック本体1の成形時に植設されても良く、海藻増養殖ブロック本体1の成形後に植設されても良い。
【0024】
図3に於いて、11は、本発明の海藻増養殖ブロックであり、海藻増養殖ブロック11は、各梁部2,2…の上面に海藻を着生させるための着生基質4,4…が着脱自在に固着され、各梁部2の先端部から隣接する梁部2の先端部間に養殖用ロープ6,6…が着脱自在に張設されている。即ち、海藻増養殖ブロック11には、梁部2,2…の上面に合計3個の着生基質4,4…が着脱自在に固着され、梁部2,2…の先端部間に合計3本の養殖用ロープ6,6…が着脱自在に張設されている。
【0025】
前記着生基質4は、平面視矩形状の所定厚みを有する、例えば、プラスチック製の網状体に形成され、その両端部に前記ボルト5,5を貫通させるためのボルト孔12,12が開穿されている。
【0026】
一方、養殖用ロープ6には、養殖用ロープ6の略全長に及んでマコンブ又はガゴメを発芽させた図示しない種苗糸片が挟持されて固着されている。
種苗糸片は、例えば、水槽にマコンブ又はガゴメの母藻を入れ、母藻から排出されて水中に浮遊する海藻の種を種苗糸に付着させて発芽させ、この種苗糸を短い長さに切断したものである。
【0027】
図4は、前記着生基質4を海藻増養殖ブロック本体1の梁部2上面に着脱自在に固定する方法を示している。
同図(a)に示す如く、海藻増養殖ブロック本体1の梁部2上面に突設したボルト5にボルト孔12を嵌装して、着生基質4を海藻増養殖ブロック本体1の梁部2上面に載置し、同図(b)及び同図(c)に示す如く、ボルト5に座金13の孔13aを嵌装して、座金13を着生基質4上に載置し、載置された座金13の上方近傍のボルト5に開穿されたピン孔8に割りピン14を挿入する。
割りピン14によって、座金13及び着生基質4のボルト5からの抜けが防止される。
着生基質4を取外す場合は、前述と逆の操作を行なえばよい。
【0028】
同様にして、着生基質4の他端部も海藻増養殖ブロック本体1の梁部2上面に着脱自在に固定される。
更に、他の2個の着生基質4,4も同様に海藻増養殖ブロック本体1の梁部2上面に着脱自在に固定される。
【0029】
図5は、前記養殖用ロープ6を海藻増養殖ブロック本体1の梁部2の先端部に着脱自在に取付ける方法を示している。
同図に於いて、21は、養殖用ロープ6を張設するために用いられる連結用金具であり、連結用金具21は、一端にボルト7に連結するためのボルト連結部22を備え、他端に養殖用ロープ6を連結するためのロープ連結部23を備えている。
【0030】
ボルト連結部22には、ボルト7が貫通自在の孔22aが開穿され、ロープ連結部23には、養殖用ロープ6を通して結着するための孔23aが形成されている。
又、同図に於いて、24は、座金であり、座金24には、ボルト7が貫通自在の孔24aが形成されている。
【0031】
而して、連結用金具21のボルト連結部22の孔22aをボルト7に嵌装させて、連結用金具21を海藻増養殖ブロック本体1の梁部2の先端部に載置すると共に、ロープ連結部23の孔23aに養殖用ロープ6を通し、ロープ連結部23に養殖用ロープ6の一端部を連結する。
次に、同図(b)及び同図(c)に示す如く、ボルト7に座金24の孔24aを嵌装して、座金24を連結用金具21上に載置し、座金24の上方近傍に於いてボルト7に開穿されたピン孔9に割りピン25を挿入する。
割りピン25によって、座金24及び連結用金具21のボルト7からの抜けが防止される。
養殖用ロープ6を取外す場合は、前述と逆の操作を行なえばよい。
【0032】
同様にして、養殖用ロープ6の他端部も隣接する海藻増養殖ブロック本体1の梁部2先端部のボルト7に連結され、養殖用ロープ6は、2つのボルト7,7間に着脱自在に張設される。
更に、他の2本の養殖用ロープ6も同様に着脱自在に張設される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による海藻増養殖ブロック本体の平面図である。
【図2】本発明による海藻増養殖ブロック本体の正面図である。
【図3】本発明による海藻増養殖ブロックの平面図である。
【図4】(a)〜(c)本発明による海藻増養殖ブロック本体に着生基質を取付ける方法を説明する説明図である。
【図5】(a)〜(c)本発明による海藻増養殖ブロック本体に養殖用ロープを取付ける方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 海藻増養殖ブロック本体
2 梁部
3 柱部
4 着生基質
5,7 ボルト
6 養殖用ロープ
8,9 ピン孔
11 海藻増養殖ブロック
13,24 座金
14,25 割りピン
21 連結用金具
【出願人】 【識別番号】506312423
【氏名又は名称】須田 新樹
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎

【識別番号】100069176
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 靖夫

【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子

【識別番号】100111604
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 卓也


【公開番号】 特開2008−67640(P2008−67640A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−248991(P2006−248991)