| 【発明の名称】 |
きのこ菌床の保湿・保冷装置とその装置を用いたきのこ菌床栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 日出夫
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| 【要約】 |
【課題】きのこ菌床栽培における菌床の効果的な保湿及び保冷を可能とするきのこの菌床の保湿保冷装置を提供する。
【構成】きのこ菌床1を載置する貯水容器2と、該貯水容器2上に載置した前記菌床1の上面1aの全域を覆うとともに、水を含んでも該菌床1上面の凸部の上部に支えられて凹部には通気空間が形成される程度の平面保持機能を備え、且つ該菌床1の少なくとも一部側面1bを覆って前記貯水容器2内の水面L内に下部3aが届くように設けられた吸水シート3とから構成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 きのこの菌床の少なくとも下部全域を水没可能とした貯水容器にきのこの菌床を入れて行なわれるきのこの菌床栽培に用いる装置であって、 毛細管現象による吸水機能を有する織布又は不織布製の吸水シートを、前記貯水容器内に載置した前記菌床の上面全域を覆うとともにその上面周囲から前記菌床の側面の全部又は一部を覆うように垂らした下端部が前記貯水容器に入れた水の水面下に達するように形成し、前記吸水シートで吸い上げた前記貯水容器内の水の蒸散及び気化により前記菌床上面を保湿及び保冷可能としたことを特徴とするきのこ菌床の保湿・保冷装置。 【請求項2】 吸水シートが、含水状態において、きのこの菌床上面の凹部に隙間を保持可能とする耐水性と、表裏間の通気性とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のきのこ菌床の保湿・保冷装置。 【請求項3】 きのこの菌床の上面を覆った吸水シートの上面の全域に、表面に水を接触すると全体で吸水する吸水性と、水を含んで表面が濡れた状態になる湿潤性を備えた布又は紙製の保湿シートを重ね合わせたことを特徴とする請求項1又は2に記載のきのこ菌床の保湿・保冷装置。 【請求項4】 少なくとも原基が形成され菌が一次蔓延する時期まで密閉型の栽培容器で菌床を栽培する工程と、 その工程の後、菌床にきのこが発芽するまでの間、請求項1から4のうちいずれかに記載のきのこ菌床の保湿・冷却装置を用い、吸水シートの下部に届く水位に水量が保持されるように随時前記吸水シート上へ散水して貯水容器内に水を供給し、前記装置内に収めたきのこの菌床の保湿及び保冷管理を行う工程とを有し、 きのこの菌床の水分及び温度を効率良く管理できるようにしたことを特徴とするきのこ菌床栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、しいたけ、しめじなどのきのこの菌床栽培に用いるきのこの菌床の保湿及び保冷装置とその装置を用いたきのこの菌床栽培方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来きのこ類の菌床栽培では自然栽培とハウス栽培が行われているが、この栽培では袋やビンの栽培容器内で原基が形成され、菌が一次蔓延したらその栽培容器の上部を開封し、菌床の上面を露出させて散水を行いつつ原基形成中の菌床の栽培管理が行われる。 通常この時期は夏場の高温時期に当たり、特に自然栽培では菌床の温度が培養の最適温度帯から高温側へ大きく逸脱する場合が多く見られ、この時期には栽培不良の一要因となる一般に高温障害と呼ばれる弊害が発生することが多い。 例えば、しいたけを栽培する場合、25℃以上の温度域になると、しいたけ菌が衰弱して菌床表面が褐変した再生菌糸で覆われて菌床が柔らかくなり、きのこの発生に重要な菌床の上面が大きな損傷を受けることがある。たとえそのように外見上褐変などの変化が殆ど目立たない場合であっても、高温で原基形成中の菌床内部のしいたけ菌が損傷を受けている場合がある。 一旦このような高温障害が起こると、菌糸が衰弱するだけではなく、菌床にしいたけ菌にとって有害な雑菌が付着しやすくなり、きのこの菌床としての寿命が大幅に短縮されるうえにきのこの品質が落ち、収量も大幅に低下してしまう。 【0003】 このような菌床の高温障害を回避するために、ハウス栽培ではハウスの屋根に高温の空気を排出させるための天窓を設置し極度の温度上昇を避けることが行われ、自然栽培では遮光率の高いネットやフィルムを菌床の上を被覆する手法(特許文献1)が実施されている。 また即効的には、高温となってしまったしいたけの菌床に対して、25°Cよりも低温の水を直接散水し短時間で確実に菌床を冷却する方法もとられている。 【0004】 一方、栽培容器の上部が開封された後の原基形成中の菌床の培養管理中には、露出した菌床の上面が乾燥しやすく、一旦乾燥すると菌床の収穫に重要な上面が硬く固化してしまってきのこの菌糸が成長できなくなる障害(乾燥障害と呼ばれる)が起こる。 このような乾燥障害を起こさせないため、通常毎日数回(2又は3回)の散水を行って過度に菌床上面が乾燥しないように管理をしている。 【特許文献1】特開平6−327359号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、従来のハウスに天窓を設置したり、菌床を遮光率材で被覆する高温対策では設備や資材に多くの経費がかかり、その割には強制的に冷却するものではないので温度を外気温以下に低下させることができないなどの問題があった。 また、菌床に対して直接冷水を散水する方法では、菌床の表面にかかった水で一時的に温度低下をさせることはできても、その水は短時間で蒸散してしまうために冷却効果を持続させることができなかった。 そこで、菌床を継続させて冷却するために継続的又は断続的に散水を行おうとすると、大量の水が必要となるだけではなく、使用された大量の水でハウス内が水浸しになる虞があった。 また、菌床の乾燥を防ぐために毎日頻繁の行われる散水の管理は容易ではなかった。 【0006】 そこで本発明は、菌床に毎日散水するのではなく数日の間隔を置いて行えるようにするなどで水の節約や省力化することによって、原基形成中のきのこ菌床に発生する高温障害と乾燥障害を効果的に防止することができるきのこ菌床の保湿及び保冷装置とその装置を用いたきのこ菌床栽培方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記目的を達成するため、本発明のきのこ菌床の保湿・保冷装置の請求項1に記載の発明においては、きのこの菌床の少なくとも下部全域を水没可能とした貯水容器にきのこの菌床を入れて行なわれるきのこの菌床栽培に用いる装置であって、毛細管現象による吸水機能を有する織布又は不織布製の吸水シートを、前記貯水容器内に載置した前記菌床の上面全域を覆うとともにその上面周囲から前記菌床の側面の全部又は一部を覆うように垂らした下端部が前記貯水容器に入れた水の水面下に達するように形成する。 そして、前記吸水シートで吸い上げた前記貯水容器内の水の蒸散及び気化により前記菌床上面を保湿及び保冷可能としたことを特徴とする。 【0008】 請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記吸水シートが、含水状態において、きのこの菌床上面の凹部に隙間を保持可能とする耐水性と、表裏間の通気性とを備えたことを特徴とする。 【0009】 請求項3に記載の発明は、上記各発明において、前記きのこの菌床の上面を覆った吸水シートの上面の全域に、表面に水を接触すると全体で吸水する吸水性と、水を含んで表面が濡れた状態になる湿潤性を備えた布又は紙製の保湿シートを重ね合わせたことを特徴とする。 【0010】 請求項4に記載の発明は、上記請求項1から4のうちいずれかに記載のきのこ菌床の保湿・冷却装置を用いたきのこ菌床栽培方法であって、少なくとも原基が形成され菌が一次蔓延する時期まで密閉型の栽培容器で菌床を栽培する工程と、その工程の後、菌床にきのこが発芽するまでの間、請求項1から4のうちいずれかに記載のきのこ菌床の保湿・冷却装置を用い、吸水シートの下部に届く水位に水量が保持されるように随時前記吸水シート上へ散水して貯水容器内に水を供給し、前記装置内に収めたきのこの菌床の保湿及び保冷管理を行う工程とで構成される。 そして、きのこの菌床の水分及び温度を効率良く管理できるようにしたことを特徴とする。 【発明の効果】 【0011】 従来の通常の栽培方法では、菌床を前記貯水容器内に入れた場合、菌床自体が容器に貯えられ水を菌床上面まで吸い上げて菌床上面が常時濡れた状態になっていれば、敢えて菌床上面への散水を行う必要はないが、空気に直接曝される菌床の表層では水分、湿度及び温度などの環境条件が極めて不安定で、一旦環境が悪化すると、菌床表層が衰弱し褐変した再生菌糸で覆われる。こうなると水分が表層に吸い上げられず、表面から乾燥し死滅した菌糸の乾燥硬化で表層が硬く締まって固まってしまうが、本発明のきのこ菌床の保湿・保冷装置においては、前記吸水シートの下端部が前記貯水容器内の水面内に届くようにして覆ってあるので、その吸水シートの下部から毛細管現象で該吸水シートの全面に継続して水が供給され、その水分により前記菌床の表面の保湿及び冷却が長期間持続可能となる。 【0012】 即ち、前記貯水容器内の水は前記菌床の上面に前記吸水シートで吸い上げられ、その水は吸水シートの表面から継続して蒸散して行く。 このとき、蒸散した水が前記菌床の表面に付着して菌床の表面が湿れた状態に維持される。 同時に吸水シートに含まれていた水は気化し、その際に気化熱を奪って周囲の温度を低下させ、その近傍の菌床の表面を冷却する。 このとき、前記貯水容器内の水は吸水シートで吸い上げられ蒸散及び気化することによって減少して行くが、その貯水容器の水位が低下しても前記吸水シートの下部が水位以下にあるうちは吸水シートによる水の吸い上げが継続される。 【0013】 したがって、前記貯水容器に高い水位に充分水を満たしておけば、数日間散水を休んでも菌床表面の保湿及び冷却が維持できる。 また、吸水シートの切れ目や通気性を有するシート面からは吸水シートの下面に形成される隙間から自由に空気が入るので、菌床表面の菌糸へ酸素が充分に供給され、菌糸の正常な呼吸が確保されて菌糸が正常に成長できる。 【0014】 また、請求項2に記載の発明では、吸水シートの含水状態における耐水性及び通気性によって、菌床上面の凹部に形成される隙間に吸水シートの切れ目や通気性を有する吸水シート面を介して充分に空気が供給されるので菌糸が窒息することなく正常に成長することが可能となる。 【0015】 さらに、請求項3に記載の発明では、きのこの菌床の上面を覆った吸水シートのさらに上面の全域に布又は紙製の保湿シートを重ね合わせることで、前記吸水シートに吸い上げられた水を吸水するので、長時間散水を休んでも、その水を含んで表面が濡れた状態になった保湿シートから継続して水が蒸散及び気化し、菌床表面の充分な保湿及び冷却を継続することが可能となる。 水が蒸散及び気化は、単にシートの素材の内部に水が保持されていても効果的に起こるものではなく、本発明では保湿シートの表面が湿れた状態となって水が空気に直接接触することで蒸散及び気化が効果的に起こり、保湿及び冷却が有効になるのである。 【0016】 また、請求項4に記載の上記きのこ菌床の保湿・保冷装置を用いたきのこ菌床栽培方法においては、少なくとも原基が形成され菌が一次蔓延する時期までの工程の後かから菌床にきのこが発芽するまでの間、上記きのこ菌床の保湿・冷却装置を用とともに吸水シートの下部に届く水位に水量が保持されるように随時前記吸水シート上へ散水して貯水容器内に水を供給することによって、夏場の高温時期に、吸水シートで吸い上げた水の気化熱で菌床の温度を下げ、原基形成中のきのこの菌床を外気温度や菌床周辺温度よりも数度低い温度を長期間確保して菌床の水分及び温度を良好な環境で効率良く管理することができるようになる。 【0017】 即ち、その際の管理は貯水容器内の水の量によっては、散水を数日間休んでも菌床の温度上昇による高温障害と乾燥障害を防ぐことが可能となったので、管理ためのランニングコストを大幅に軽減できるようになる。 また、菌床の上面が従来では空気中に直接露出しているのに比べ、本発明では菌床の上面が水を含んだ吸水シートに覆われているため、含まれた水の気化冷却で高温障害が起こらないようにできるのみならず菌床上面環境における水分と温度の急激な変化が緩和され、成長が順調に行われるので、きのこの発生量の増加及び品質の向上が期待できる。 なお、菌床を覆った吸水シートにより菌床の被覆部分を「きのこ蝿」や「ががんぼ」などの害虫から守ることができる利点もある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 本発明はきのこ菌床の保湿・保冷装置とその装置を用いたきのこ菌床栽培方法であり、その実施の形態を、きのこ菌床の保湿・保冷装置から先に詳しく説明する。 【0019】 本発明の対象となるきのこ類は菌床栽培されるしいたけ、しめじ、なめこ等である。 この栽培に使用される菌床は、オガコ等の粒状あるいは粉状物を主体とした原料を塊にして上記きのこの種菌を植えたものである。 その菌床の形状は、例えばしいたけの場合、図4の(ロ)に示すように、横20cm、縦12cm、高さ17cm、重量約2700g程度の四角形のブロック状を成しているものが多く使用され、その塊を合成樹脂で成形された下方が菌床を充填可能に四角形とし、上方がきのこの空気溜まり空間を確保できる屋根型の傾斜壁に形成されその傾斜壁に通気性のフィルターが装着されたポリプロピレン製の袋容器に前記菌床を収納して栽培されている。 菌床栽培に使用される容器は、この他に円筒形の合成樹脂製のビンや袋に充填される菌床もあり、本発明に使用される菌床は上記のようないずれの形状であっても良い。 【0020】 本は発明の実施の形態では、上記の菌床のうち、四角形ブロック状の菌床によって以下説明する。 本発明の装置は、図1に示すように、きのこの菌床1の少なくとも下部全域を水没可能とした貯水容器2と、毛細管現象による吸水機能を有し、該貯水容器2内に載置した前記菌床1の上面1a全域を覆うとともにその上面1a周囲から前記菌床1の側面1b全部又は一部を覆うように垂らした下端部3aが前記貯水容器2に入れた水の水面L下に達するように形成した織布又は不織布製の吸水シート3とから構成される。 そして、前記吸水シート3で毛細管現象で吸い上げた前記貯水容器内2の水Wの蒸散及び気化により前記菌床上面1aを保湿及び保冷可能にする。 【0021】 さらに詳説すると、前記貯水容器2は、別途に新しい容器を使用することもできるが、図6の(イ)に示すようなポリプロピレン製袋にフィルターが装着された屋根型の傾斜壁を形成した菌床栽培用袋容器2を再使用しても良い。 その袋容器2では菌床1を入れたまま屋根型の傾斜壁部分を切り取れば、図6の(ロ)に示すように、菌床1の上面1aが露出できる。そして切った開口部をその上部の切り口端部を下に向けて折り返し、その外側にゴムバンド7で巻くなどすれば、開口高さ(容器に深さ)を自由に調節できる利点があり、また袋は水Wを入れると膨らんで菌床と袋面との間に貯水空間を得られ、さらに原基が形成の初期に使用した菌床栽培容器を捨てないで再使用することができるなど、多くの利点を備えている。 【0022】 前記貯水容器2の深さは、菌床1の下部全域を水没可能になり、菌床の上面1a及び上側面の側面1bが露出する程度の深さあれば良い。 したがって、菌床1が充填された合成樹脂製のきのこ栽培用の広口ビン(図省略)による栽培では、その上部の広口部分を切り取ったり、広口部分をネジなどで分離可能としたものではネジ部で分離し、菌床の上面を露出させて、これを貯水容器として使用することも可能である。 【0023】 そして、前記貯水容器2に入れた菌床1には、図1、図2、図3及び図4に示すように、その上面1aを吸水シート3で覆い、さらに菌床1の側面1bの2面(図3の(イ)の吸水シート3を被せた状態を図3の(ロ)で示す)や4面全面(図4の(イ)の吸水シート3を被せた状態を図4の(ロ)で示す)を覆うなど、少なくとも一部の側面1bを覆って前記貯水容器2内の水面L内に下端部3aが届くようにする。 この吸水シート3は、通気性及び吸水性を有する合成樹脂製の不織布を用いると、水を吸っても大きく変形することがなく、水を含んでもシートの平面性が保持され、図1に示すように、凹凸な菌床1の上面の凸部の上部に支えられるように載り、その耐水性により凹部には隙間Sが形成される。 そして、前記吸水シート3の切れ目の隙間や吸水シート3の通気性により、外部から隙間Sへ空気が入って菌糸に酸素を供給できようになる。 【0024】 そしてさらに、その吸水シート3の上面には、図1、図2及び図5の(イ)と(ロ)に示すように、湿潤性を備えた保湿シート4を重ね合わせて覆う。 この保湿シート4には保水力の大きい紙が使用でき、その紙は通常家庭で使用されているキッチンペーパーやトイレットペーパーなどの湿潤性が高い素材のものが適している。 この保湿シート4自体には耐水性がなく水を含むとその下の面に変形して密着してしまう。このため直接菌床1の上面1aに載せると菌床の凹凸表面に密着するように含水付着し、凹部は菌糸への酸素供給のための隙間Sが確保されない問題がある。 そこで、紙の下にその紙の変形を防ぐ合成樹脂製の不織布の吸水シート3を配して紙を下から支え、前記吸水シート3下の菌床の凹部に隙間Sが形成されるようにする。 なお、前記吸水シート3が前記毛細管現象による吸水機能に加えて湿潤性をも兼ね備えた素材であれば、あらためて湿潤性を備えた保湿シート4をその上に重ねて使用しなくとも良い。 【0025】 また、前記吸水シート3よる菌床1の覆い方はについては、図3に示すように、上面1a周囲から菌床1の対向側面1bを覆うように、又は図4に示すように、4方の全側面1bを覆うように各下端部3aが前記貯水容器2の水面下にまで届くように垂らし、その際菌床の側面1bに前記吸水シートが接している状態とする。 こうして、菌床が表面に前記吸水シートが直接触れることで、保湿シートによる冷却効果が菌床に直接的に影響して冷却効率が高くなる。 【0026】 次に上記きのこの菌床の保湿保・冷装置を用いたきのこの菌床栽培方法について説明する。 本発明のきのこの菌床栽培方法は、菌床培地に常法により殺菌、冷却、接種を行い、少なくとも原基が形成され菌が一次蔓延する時期まで図6の(イ)に示す密閉型の栽培容器で菌床を栽培する工程と、その工程の後かから菌床にきのこが発芽するまでの間、上記菌床の保湿・冷却装置(図6の(ロ)に示す)を用いて吸水シートの下部に届く水位に水量が保持されるように随時前記吸水シート上へ散水して貯水容器内に水を供給し、前記装置内に収めたきのこの菌床の保湿及び保冷管理を行う工程とを有する。 そしてきのこが発芽したら吸水シートを取り除いて(図6の(ニ)に示す)通常のきのこの成長管理を行い、最後に収穫する。 【0027】 前記吸水シート3に水を供給するための散水は、保湿シート4が濡れている状態を保つことが重要で、じょうろ等で菌床上面1aに散水して良いが、その他容器の載置された管理棚等に配水管を配設し、その適当箇所に水の噴射ノズルを配してそのノズルから菌床に向けて散水する散水設備による方法でも良い。この設備では、タイマーと連動させて一定時間毎に噴射させることができる管理が容易と成る。 【0028】 しいたけ栽培では、通常夏場にあたる乾燥障害と高温障害を起こしやすい時期が、上記菌床の保湿・冷却装置を用いた工程に当たり、その菌床の保湿・冷却装置によってきのこの原基形成中の夏場時期の菌床の水分と温度が乾燥障害と高温障害が発生しないように効率良く管理できるようになる。 【0029】 従来本発明者は、ハウス栽培で、きのこの原基形成中の時期に午前中に1回、午後に1回または2回充分に濡れる程度の散水を行っていたが、そのハウスで実際に本発明の方法により3日間程度の長時間の散水間隔でしいたけの菌床を栽培した結果、菌床が外気温度あるいは菌床周辺温度よりも5°C程度の低い良好な温度環境を確保できることが確認でき、菌床の高温障害による菌床のダメージを全く受けることなく、優れた品質のしいたけを多量に収穫することができた。 そして栽培期間中の水の使用量は、毎日の頻繁な散水を行わないので大幅に節約することができた。 【産業上の利用可能性】 【0030】 本発明は、しいたけ、しめじなど各種のきのこの菌床栽培に使用する装置及び方法であるが、培地表面が高温、乾燥により栽培が困難となる植物における袋やビンなどの容器を用いた培養や栽培方法にも利用できる可能性がある。 【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】本発明のきのこ菌床の保湿・保冷装置の縦断斜視図である。 【図2】本発明のきのこ菌床の保湿・保冷装置の縦断側面図である。 【図3】(イ)が吸水シートを示す斜視図で、(ロ)がその吸水シートを被せた状態を示す本発明の装置の斜視図である。 【図4】別の形態の(イ)が吸水シートを示す斜視図で、(ロ)がその吸水シートを被せた状態を示す本発明の装置の斜視図である。 【図5】別の形態の(イ)が保湿シートを吸水シートに乗せる前の状態の、(ロ)がその保湿シートを被せた状態を示す各本発明の装置の斜視図である。 【図6】きのこ菌床栽培方法の工程における(イ)が密閉型の栽培容器で菌床を栽培する工程、ロ)が本きのこ菌床の保湿・保冷装置による工程、(ハ)がきのこの成長管理工程の各工程の菌床の管理状態を示す縦断斜視図である。 【符号の説明】 【0032】 1 菌床 1a 菌床の上面 1b 菌床の側面 2 貯水容器 3 吸水シート 3a 吸水シートの下端部 4 保湿シート 5 通気孔 6 きのこ 7 ゴムバンド W 水 L 水位 S 隙間
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| 【出願人】 |
【識別番号】506302608 【氏名又は名称】吉田 日出夫
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| 【出願日】 |
平成18年9月6日(2006.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095739 【弁理士】 【氏名又は名称】平山 俊夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−61541(P2008−61541A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−241335(P2006−241335) |
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