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【発明の名称】 花卉の下葉処理装置
【発明者】 【氏名】村瀬 靖男

【要約】 【課題】

【構成】花卉の下葉処理装置は、複枚の弾性板部材12,22の掻取刃が着脱可能に固着された一対の水車状回転体10,20を筐体30内に平行に配置されている。弾性板部材12はラックギヤ状の掻取刃部12aを備えるものである。弾性板部材22はラックギヤ状の掻取刃部22aを備えるものである。従って、掻取刃部12aと掻取刃部22aの間には、回転軸方向にジグザグ状の掻取隙間Dが形成されている。従って、ジグザグ状の掻取隙間Dによって複数の掻取凹部が回転軸方向に形成されるから、複数の花卉の茎はいずれも掻取刃部と広い面積で接触するようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の弾性板部材の掻取刃が着脱可能に固着された一対の水車状回転体を筐体内に平行に配置した花卉の下葉処理装置において、複数の掻取凹部を有する掻取隙間が回転軸方向にジグザグ状になるように前記弾性板部材の掻取刃部が形成されていることを特徴とする花卉の下葉処理装置。
【請求項2】
前記弾性板部材は、台形状の歯が等間隔に形成されたラックギヤ状の掻取刃部を有するものであること特徴とする請求項1の花卉の下葉処理装置。
【請求項3】
前記ラックギヤ状の掻取刃部は茸状先端部を備えることを特徴とする請求項2の花卉の下葉処理装置。
【請求項4】
前記弾性板部材は、処理される花卉の茎の径程度の厚さのゴム材又はプラスチック発砲体のスポンジ材であることを特徴とする請求項1の花卉の下葉処理装置。


























【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、菊、トルコ桔梗、ひまわり等の花卉の下葉処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第2939130号公報(特許文献1)には、平行な2本の回転ロールであって、その周面に軟質合成樹脂体よりなる多数の棒状体を軸方向に且つ周方向に所定の間隔をおいて4列に装設し、更に前記棒状体の列と列の間に硬質の合成樹脂材からなる刷毛の毛の束を列状に整列して装設した棒状突起付き回転ロールを備えた花卉の下葉処理装置が開示されている。ところが、この棒状体を掻取刃とした従来の下葉処理装置においては、掻取刃の交換は回転軸体を含む部品全体の交換となり、メンテナンス費用が高いという問題があった。
【0003】
特許第2978155号公報(特許文献2)には、外周面に軸方向4列の柔軟ピン群が等角度間隔で立設された左側円筒体と、外周面に軸方向4列の柔軟ピン群が等角度間隔で立設された右側円筒体と、前記左側円筒体と前記右側円筒体とを所定間隔をおいて回転可能に支持する支持部と、前記左側円筒体を時計方向に回転させ且つ前記右側円筒体を反時計方向に回転させる回転部とを備えた花卉などの脱葉装置であって、該円筒体を縦方向2分割構造にするとともに、側壁に放射方向に多数開けた孔の内の一対の孔の内側から1本の柔軟ピンをほぼU字状に折り曲げて押通して支持したことを特徴とする花卉などの脱葉装置が開示されている。このような構造によって、掻取刃として機能する棒状突起の柔軟ピンは交換可能になる。しかしながら前記柔軟ピンの交換は前記2分割構造の円筒体を回転軸から取り外し、また取付ける作業を必要とするから面倒である。しかも、前記2分割構造の円筒体の側壁に放射方向に多数開けた孔の内の一対の孔の内側から1本の柔軟ピンをほぼU字状に折り曲げて押し通す作業も面倒であるから、掻取刃の交換はやはり容易ではないという問題があった。また、柔軟ピンは掻取作業により損傷しやすいという問題がある。
【0004】
実開平6−79226号公報(特許文献3)には、軸方向の適当間隔に多数の透孔を穿設すると共に、ゴム等の軟質弾性材からなる一定長の中空管体を使用し、これを透孔へ挿通して該位置で振り分け状にして止着する際、各透孔部の内外側へ凡そ2〜10mm程度突出する長さ寸法の外包中空管体を介在させ、該外包中空管体を透孔と直交する側方位置からボルトネジで締付け状態に固定したことを特徴とする花卉の下葉取り装置が開示されている。このような構造によって、掻取刃として機能する中空管体は交換可能になる。しかしながら、ゴム等の軟質弾性材からなる一定長の中空管体は掻取作業により損傷しやすいという問題がある。
【0005】
そこで、本出願人は、特開2005−52035号公報(特許文献4)に開示する手作業用の可搬型下葉処理装置を開発した。この従来の下葉処理装置は、所定間隔を置いて平行に設置された一対の回転軸に取付けられた水車状回転体の羽根で葉菜等の下葉を掻き取る下葉処理装置であって、掻取刃として機能する水車状回転体の羽根を複数の長方形の弾性板部材で構成し、且つ前記回転軸に着脱可能な取付け手段によって固着されているものである。掻取刃として機能する長方形の弾性板部材はその掻取刃部が直線の部材、又は、その掻取刃部に多数のスリットが形成されたくし歯状部材である。そして、前記くし歯状部材の形状は、下葉処理される葉菜、葉茎菜、花卉の種類によって適切なものが選ばれる。
【0006】
本出願人がこれまでに開発した上記水車状回転体の羽根は、意匠登録第1238633号公報(特許文献5)に記載する下葉処理機用羽根、意匠登録第1241582号公報(特許文献6)に記載する下葉処理機用羽根、意匠登録第1241583号公報(特許文献7)に記載する下葉処理機用羽根、意匠登録第1241584号公報(特許文献8)に記載する下葉処理機用羽根、意匠登録第1266944号公報(特許文献9)に記載する下葉処理機用羽根などと様々である。
【0007】
上記の従来の手作業用の可搬型下葉処理装置は、ユーザーは損耗した掻取刃を自分で簡単に交換できるので、メンテナンスの容易さとメンテナンス費用の低下を実現するものである。しかも、くし歯状弾性板部材のくし歯の形状を選択できるから、様々な葉菜、葉茎菜の下葉の処理ができる。
【0008】
しかしながら、現実には、菊、トルコ桔梗、ひまわり等の花卉の下葉は、上記の従来の手作業用の可搬型下葉処理装置で処理することが難しいことが判明した。即ち、花卉を傷つけないで、且つきれいに処理しようとすると、時間がかかるので作業性が大幅に低下するのである。要するに、上記の従来の手作業用の可搬型下葉処理装置を用いた場合、その掻取刃部が直線の長方形の弾性板部材は勿論のこと、その掻取刃部がくし歯状の長方形の弾性板部材は、菊、トルコ桔梗、ひまわり等の花卉の下葉の掻取刃として適さないことが分かった。
【0009】
【特許文献1】特許第2939130号公報
【特許文献2】特許第2978155号公報
【特許文献3】実開平6−79226号公報
【特許文献4】特開2005−52035号公報
【特許文献5】意匠登録第1238633号公報
【特許文献6】意匠登録第1241582号公報
【特許文献7】意匠登録第1241583号公報
【特許文献8】意匠登録第1241584号公報
【特許文献9】意匠登録第1266944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、同時に複数本の花卉の下葉を掻き取ることができる花卉の下葉処理装置であって、作業性が高く、メンテナンスが容易、且つ低価格の花卉の下葉処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、複数の弾性板部材の掻取刃が着脱可能に固着された一対の水車状回転体を筐体内に平行に配置した花卉の下葉処理装置において、掻取隙間が回転軸方向にジグザグ状になるように前記弾性板部材の掻取刃部を形成した。ここに、掻取隙間とは、対向する掻取刃の間に形成される回転軸方向の隙間のことである。また、ジグザグ状とは、三角波、矩形波、正弦波などの繰り返し波型を含む概念である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、同時に処理される複数の花卉のすべての茎や下葉が弾性板部材の掻取刃部と広い面積で接触するようになったので、下葉処理の作業性が向上した。従って、本発明により、掻取刃をユーザーでも簡単に交換でき、且つ下葉処理の作業性が向上した花卉の下葉処理装置が提供された。掻取刃は弾性板部材であるから、利用者が手や指を誤って接触させても怪我の恐れが無く、従って安全性が高い花卉の下葉処理装置が提供された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る下葉処理装置は、複数の弾性板部材の掻取刃が着脱可能に固着された一対の水車状回転体を筐体内に平行に配置した花卉の下葉処理装置において、掻取隙間が回転軸方向にジグザグ状になるように前記弾性板部材の掻取刃部が形成されていることを特徴とするものである。
【実施例1】
【0014】
実施例1の下葉処理装置は、図1の平面図、図2の正面図、及び図3の主要部の平面図に示す如く、筐体30に所定間隔を置いて平行に設置された一対の水車状回転体10と20を備えて構成されている。筐体30は左右の保護板31,32と動力部カバー33を備えている。
【0015】
動力部カバー33でカバーされた動力部には、一対の回転軸11と21を相互に反対方向に回転させるための回転力伝達機構が配置されている。前記回転力伝達機構は、筐体30に固着された支持部材にベアリングで支持された動力伝達用回転軸、前記動力伝達用回転軸の中央に固定されたVベルト車、前記動力伝達用回転軸の左側と右側にそれぞれ固定された左側水平ギアと右側水平ギア、筐体30の上面に配置された左側垂直ギアと右側垂直ギア、左側回転軸11を軸支する左側ベアリングと右側回転軸21を軸支する右側ベアリング、及び、モータとで構成されている。
【0016】
前記モータの回転力は図示しないVベルトを介して前記Vベルト車に伝達される。すると、前記動力伝達用回転軸に固定されている前記左側水平ギアと前記右側水平ギアは同一方向に回転する。そして、前記左側水平ギアと噛み合う前記左側垂直ギアは左側回転軸11を時計方向に回転させ、前記右側水平ギアと噛み合う前記右側垂直ギアは右側回転軸21を反時計方向に回転させる。なお、前記回転力伝達機構が左側回転軸11を反時計方向に回転させるならば、右側回転軸21は時計方向に回転させられる。
【0017】
第1の水車状回転体10は回転軸11と4枚の弾性板部材12を備える。回転軸11には断面正方形の羽根取り付部材15が固着されている。4枚の弾性板部材12は、回転軸11に対し等角度間隔で且つ放射状になるように配置して、羽根取り付部材15に着脱可能に取り付けられている。弾性板部材12の羽根取り付部材15への取り付けは、押さえ板13を介して取り付けネジ14によって行われている。
【0018】
第2の水車状回転体20は回転軸21と4枚の弾性板部材22を備える。回転軸21には断面正方形の羽根取り付部材25が固着されている。4枚の弾性板部材12は、回転軸21に対し等角度間隔で且つ放射状になるように配置して、羽根取り付部材25に着脱可能に取り付けられている。弾性板部材22の羽根取り付部材25への取り付けは、押さえ板23を介して取り付けネジ24によって行われている。
【0019】
掻取刃として機能する弾性板部材12は、厚さが12mmのゴム材やプラスチック発砲体のスポンジ材の如き摩擦係数の大きい板状体、又はこれと均等な材料で作製されている。弾性板部材12は、長さが230mmで幅が30mmの基部12bと6個の掻取刃部12aを有する。両端の掻取刃部12aは、高さが52mmで、且つ、基部12bと一体の基底部の幅が50mmで先端部の幅が10mmの台形状の歯である。それ以外の4個の掻取刃部12aは、高さが52mmで、且つ、基部12bと一体の基底部の幅が52mmで先端部の幅が10mmの台形状の歯である。要するに、掻取刃として機能する弾性板部材12は、ラックギヤ状の掻取刃部12aを備えるものである。
【0020】
掻取刃として機能する弾性板部材22は、厚さが12mmのゴム材やプラスチック発砲体のスポンジ材の如き摩擦係数の大きい板状体、又はこれと均等な材料で作製されている。弾性板部材22は、長さが230mmで幅が30mmの基部22bと5個の掻取刃部22aを有する。5個の掻取刃部12aは、高さが52mmで、且つ、基部22bと一体の基底部の幅が52mmで先端部の幅が10mmの台形状の歯である。要するに、掻取刃として機能する弾性板部材22は、ラックギヤ状の掻取刃部22aを備えるものである。
【0021】
本発明の実施例において、固めの掻取刃を形成する場合は、三和化工株式会社製のポリエチレンフォーム(型番:G−05、見掛け密度:182Kg/m、硬度:145kPa)やイノアックコーポレーション製のゴムスポンジ(型番:N−146、見掛け密度:0.150±0.03g/cm、硬度:30±5kPa)を弾性板部材12,22として採用した。また、柔らかめの掻取刃を形成する場合は、三和化工株式会社製のポリエチレンフォーム(型番:SSA−06、見掛け密度:145Kg/m、硬度:30kPa)やイノアックコーポレーション製のゴムスポンジ(型番:E−4088、見掛け密度:0.100±0.03g/cm、硬度:7±5kPa)を弾性板部材12,22として採用した。
【0022】
次に、図4を参照して、上述の如く構成された実施例1の花卉の下葉処理装置の作用を説明する。利用者は、処理対象の花卉数本を無造作に握り、握った数本の花卉の茎を下の方から下葉処理装置の差し込み口に差し込む。前記差し込み口は、図1に示す如く、下葉処理装置の筐体30の保護板31,32と動力部カバー33の間の開口である。前記差し込み口の中央部に一対の水車状回転体10,20が配置されており、従って、ジグザグ状の掻取隙間Dが位置づけられている。
【0023】
ここでは、利用者は5本の花卉を握ったとする。すると、5本の花卉の茎F1,2,3,4,は、例えば図4に示す如く、遠心力の作用によりジグザグ状の掻取隙間Dの掻取凹部に差し込まれる。前記掻取凹部は、弾性板部材12のラックギヤ状の掻取刃部12aの底部12qと弾性板部材22のラックギヤ状の掻取刃部22aの先端部22pとの間に形成された掻取凹部12vと、台形状の歯が等間隔に形成されたラックギヤ状の掻取刃部22aの底部22qと台形状の歯が等間隔に形成されたラックギヤ状の掻取刃部12aの先端部12pとの間に形成された掻取凹部22vで、全部で9個形成されている。
【0024】
5本の花卉の茎F1,2,3,4,は太さが異なる。掻取凹部22vの一つに差し込まれている大きな径の茎Fは、弾性板部材22のラックギヤ状の掻取刃部22aの底部22qに3箇所で接触し、同時に弾性板部材12のラックギヤ状の掻取刃部12aの先端部12pに接触している。この場合、先端部12pは茎Fの太さに対応して、水車状回転体の回転方向に大きく湾曲させられている。もう一つの大きな径の茎Fは、大きな径の茎Fと同様な状態で、掻取凹部12vの一つに差し込まれている。
【0025】
掻取凹部12vの他の一つに差し込まれている小さな径の茎Fは、弾性板部材12のラックギヤ状の掻取刃部12aの底部12qに3箇所で接触し、同時に弾性板部材22のラックギヤ状の掻取刃部22aの先端部22pに接触している。この場合、先端部22pは茎Fの太さに対応して、水車状回転体回転方向に少し湾曲させられている。小さな径の茎Fは、小さな径の茎Fと同様な状態で、掻取凹部22vの他の一つに差し込まれている。同様に、小さな径の茎Fは、小さな径の茎Fと同様な状態で、掻取凹部12vの更に他の一つに差し込まれている。
【0026】
利用者は、握った5本の花卉をジグザグ状の掻取隙間Dに差込み、数回上下させると、5本の花卉の下葉は全て除去された。実施例1の花卉の下葉処理装置の差込み口に、無造作に握った5本の花卉を差し込んで、数回しごき、そして処理済みの5本の花卉を前記差込み口から取り出すまでにかかる時間は、僅かに数秒間であった。このように、実施例1の花卉の下葉処理装置の作業性は非常に高いものである。
【0027】
本発明に係る花卉の下葉処理装置の作業性は非常に高い理由は、図4を参照した説明から明らかな通り、処理される花卉の茎や下葉が弾性板部材の掻取刃部と広い面積で接触するからである。しかも、4〜5本のような複数の花卉であっても、全ての花卉の茎が弾性板部材の掻取刃部と広い面積で接触することができる。これは、台形状の歯が等間隔に形成されたラックギヤ状の掻取刃部を有する弾性板部材を採用し、掻取隙間を回転軸方向にジグザグ状にしたという本発明の構造上の特徴による作用である。
【0028】
要するに、本発明に係る花卉の下葉処理装置においては、ジグザグ状の掻取隙間Dによって複数の掻取凹部12v,22vが回転軸方向に形成されるから、複数の花卉の茎はいずれも掻取刃部と広い面積で接触するようになる。掻取刃部との接触面積が広いので、複数の花卉の下葉処理を効率よく行えるのである。
【0029】
次に、本発明に係る花卉の下葉処理装置の作業性が高いことを、図5の一対の水車状回転体40,50を備えた従来の下葉処理装置と比較して説明する。
【0030】
図5において、第1の水車状回転体40は回転軸41と4枚の長方形の弾性板部材42を備える。回転軸41には断面正方形の羽根取り付部材が固着されている。4枚の弾性板部材42は、回転軸41に対し等角度間隔で且つ放射状になるように配置して、前記羽根取り付部材に着脱可能に取り付けられている。弾性板部材42の前記羽根取り付部材への取り付けは、押さえ板43を介して取り付けネジ44によって行われている。
【0031】
また、第2の水車状回転体50は回転軸51と4枚の長方形の弾性板部材52を備える。回転軸51には断面正方形の羽根取り付部材が固着されている。4枚の弾性板部材52は、回転軸51に対し等角度間隔で且つ放射状になるように配置して、前記羽根取り付部材に着脱可能に取り付けられている。弾性板部材52の前記羽根取り付部材への取り付けは、押さえ板53を介して取り付けネジ54によって行われている。
【0032】
図5の従来の花卉の下葉処理装置で5本の花卉を同時に処理した場合、太さの異なる5本の花卉の茎F1,2,3,4,は直線状の掻取隙間dに例えば図6に示す如く位置づけられている。すると、大きな径の茎FとFは弾性板部材42の直線状の掻取刃部と弾性板部材52の直線状の掻取刃部に夫々接触している。また、端の方に位置する小さな径の茎Fも、弾性板部材42の直線状の掻取刃部と弾性板部材52の直線状の掻取刃部に夫々接触している。しかしながら、他の2つの小さな径のFとFは、弾性板部材42の直線状の掻取刃部と弾性板部材52の直線状の掻取刃部のいずれか一方にしか接触できない。
【0033】
このように、直線状の掻取刃部を有する弾性板部材を備えた従来の花卉の下葉処理装置では、処理される花卉の茎と掻取刃部との接触面積が、上述した本発明に係る花卉の下葉処理装置に比較して非常に小さい。従って、直線状の掻取刃部を有する弾性板部材を備えた従来の花卉の下葉処理装置の作業性は非常に悪いのである。
【実施例2】
【0034】
実施例2の下葉処理装置は、弾性板部材12,22の形状が実施例1と異なる以外は、装置全体の基本的構成は同じである。即ち、実施例2の下葉処理装置は、その主要部の平面図である図7に示す如く、弾性板部材12,22の台形状の掻取刃部12a,22aに茸状先端部12m,22mを形成したことを特徴とするものである。茸状先端部12m,22mの高さは、台形状の掻取刃部12a,22aの高さの凡そ三分の一である。換言すれば、茸状先端部12m,22mの根元部は茸状先端部12m,22mの高さの凡そ三分の二の高さに位置している。この結果、一方側の掻取凹部12vと他方側の掻取凹部22vを結ぶ直線状の斜め隙間の中間部にクランク状狭隘部Sが形成されることになる。
【0035】
実施例2の下葉処理装置において、ジグザグ状の掻取隙間Dには、弾性板部材12の側に掻取凹部12vが5個、弾性板部材22の側に掻取凹部22vが4個形成されている。従って、弾性板部材12,22の台形状の掻取刃部12a,22aに茸状先端部12m,22mを形成したことにより、ジグザグ状の掻取隙間Dには10個のクランク状狭隘部Sは形成されている。
【0036】
掻取凹部12vに差し込まれた花卉の茎から下葉を掻き取る場合、掻取凹部12vを形成する弾性板部材12のラックギヤ状の掻取刃部12aの底部12qと弾性板部材22のラックギヤ状の掻取刃部22aの先端部22pに当該花卉の茎は当接する。同時に、掻取凹部12vと対向する掻取凹部22vとを結ぶ直線状の隙間に当該花卉の下葉が入り込み、クランク状狭隘部Sの鋭角な側面、即ち茸状先端部12mの根元部にその先端部分が当接することになる。
【0037】
同様に、掻取凹部22vに差し込まれた花卉の茎から下葉を掻き取る場合、掻取凹部22vを形成する弾性板部材22のラックギヤ状の掻取刃部22aの底部22qと弾性板部材12のラックギヤ状の掻取刃部12aの先端部12pに当該花卉の茎は当接する。同時に、掻取凹部22vと対向する掻取凹部12vとを結ぶ直線状の隙間に当該花卉の下葉が入り込み、クランク状狭隘部Sの鋭角な側面、即ち茸状先端部22mの根元部にその先端部分が当接することになる。
【0038】
従って、ジグザグ状の掻取隙間Dの対向する掻取凹部間の直線状の斜め隙間の中間部にクランク状狭隘部Sを形成したことにより、処理される花卉の茎や下葉が弾性板部材の掻取刃部と更に広い面積で接触するようになった。また、弾性板部材12,22の台形状の掻取刃部歯12a,22aに茸状先端部12m,22mを形成したことにより、台形状の掻取刃部歯12a,22aは茸状先端部12m,22mが掻取凹部12v,22vに差し込まれた花卉の茎により広い面積で接触するようになった。茸状先端部12m,22mの根元部が狭くなって湾曲し易くなっているからである。このような作用を奏するので、実施例2の下葉処理装置は、実施例1よりも下葉処理の作業性が更に向上した。
【0039】
以上、本発明を実施例1と実施例2について詳細に説明した。また、従来装置と比較して本発明に係る花卉の下葉処理装置の作用効果を説明した。これらの説明から明らかな通り、本発明は、複数の弾性板部材の掻取刃が着脱可能に固着された一対の水車状回転体を筐体内に平行に配置した花卉の下葉処理装置において、掻取隙間が回転軸方向にジグザグ状になるように前記弾性板部材の掻取刃部を形成したことを特徴とするものである。ジグザグ状の掻取隙間を形成する弾性板部材の掻取刃部は、実施例1では台形状の歯が等間隔に形成されたラックギヤ状の掻取刃部としたが、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施例1の下葉処理装置の平面図である。
【図2】実施例1の下葉処理装置の正面図である。
【図3】実施例1の下葉処理装置の主要部の平面図である。
【図4】本発明に係る下葉処理装置に採用されている弾性板部材の台形状の掻取刃部の作用を説明する図である。
【図5】従来の下葉処理装置に採用されている弾性板部材の直線状の掻取刃部の平面図である。
【図6】従来の下葉処理装置に採用されている弾性板部材の直線状の掻取刃部の作用を説明する図である。
【図7】実施例2の下葉処理装置の主要部の平面図である。
【符号の説明】
【0041】
10,20 水車状回転体
11,21 回転軸
12,22 弾性板部材
12a,22a 掻取刃部
12b,22b 基部
12m,22m 茸状先端部
12p,22p 先端部
12q,22q 底部
12v,22v 掻取凹部
13,23 押え板
14,24 ネジ
15,25 羽根取り付部材
30 筐体
31,32 保護板
33 動力部カバー
40,50 水車状回転体
41,51 回転軸
42,52 直線状の掻取刃部を有する弾性板部材
42a,522a 掻取刃部
43,53 押え板
44,54 ネジ
D ジグザグ状の掻取隙間
d 直線状の掻取隙間
1,2,3,4,花卉の茎
S クランク状狭隘部


























【出願人】 【識別番号】503278131
【氏名又は名称】和興資材株式会社
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100079212
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 義治


【公開番号】 特開2008−43300(P2008−43300A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−224439(P2006−224439)