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【発明の名称】 栽培装置
【発明者】 【氏名】牟田 博一

【氏名】大野 雄三

【氏名】武田 康志

【氏名】多田 誠人

【氏名】藤原 雅哉

【氏名】矢野 省三

【要約】 【課題】軽量で施行工事が容易に行なえて安価で、且つ、栽培管理作業や収穫作業が容易に行なえる養液栽培装置を得ることを課題とする。

【構成】複数の支柱20aと補強用の斜め支持材20b・20cにて構成した高設架台20上に水耕ベッド21を載置した養液栽培装置において、高設架台20の長手方向に左右支柱20aを所定間隔をあけて立設し、該左右支柱20a間には補強用の斜め支持材20bを固定すると共に、高設架台20の長手方向に所定間隔をあけて立設した支柱20a間には、補強用の斜め支持材20cを固定した部位と補強用の斜め支持材20cを設けない部位とを構成した養液栽培装置としたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱(20a)と補強用の斜め支持材(20b・20c)にて構成した高設架台(20)上に水耕ベッド(21)を載置した養液栽培装置において、高設架台(20)の長手方向に左右支柱(20a)を所定間隔をあけて立設し、該左右支柱(20a)間には補強用の斜め支持材(20b)を固定すると共に、高設架台(20)の長手方向に所定間隔をあけて立設した支柱(20a)間には、補強用の斜め支持材(20c)を固定した部位と補強用の斜め支持材(20c)を設けない部位とを構成したことを特徴とする養液栽培装置。
【請求項2】
請求項2記載の発明は、支柱(20a)をパイプ材で構成し、補強用の斜め支持材(20b・20c)をパイプ材または板材にて構成したことを特徴とする請求項1記載の養液栽培装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、苺等の作物を栽培する栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
苺の栽培装置で、ハウス内に栽培装置を多数列配置したものがある。
【特許文献1】特開2001−145412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の栽培装置は、水耕用ベッドをある程度の高さに配置して、栽培管理作業や収穫作業を行い易いようにする工夫がなされている。然しながら、上記の栽培装置は水耕ベッドを支える支柱を非常に強度のあるものにしておかないと、非常に長い栽培装置を支持できず高価な装置になっていた。また、ハウス内に多数の栽培装置を列状に並べて配置した際には、容易に一つの栽培装置から隣の栽培装置に行くことができて、作業性の良い施設が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、複数の支柱20aと補強用の斜め支持材20b・20cにて構成した高設架台20上に水耕ベッド21を載置した養液栽培装置において、高設架台20の長手方向に左右支柱20aを所定間隔をあけて立設し、該左右支柱20a間には補強用の斜め支持材20bを固定すると共に、高設架台20の長手方向に所定間隔をあけて立設した支柱20a間には、補強用の斜め支持材20cを固定した部位と補強用の斜め支持材20cを設けない部位とを構成した養液栽培装置としたものである。
【0005】
従って、高設架台20は複数の支柱20aと補強用の斜め支持材20b・20cにて構成したので、軽量で施行工事が容易に行なえ、且つ、安価な養液栽培装置を得ることができる。また、高設架台20の長手方向に左右支柱20aを所定間隔をあけて立設し、該左右支柱20a間には補強用の斜め支持材20bを固定すると共に、高設架台20の長手方向に所定間隔をあけて立設した支柱20a間には、補強用の斜め支持材20cを固定した部位と補強用の斜め支持材20cを設けない部位とを構成したので、高設架台20の養液栽培装置を支持する強度を確保しながら、高設架台20の長手方向に所定間隔をあけて立設した支柱20a間の補強用の斜め支持材20cを設けない部位を通って、隣接する養液栽培装置に容易に移動できて、栽培管理作業や収穫作業が容易に行なえる。
【0006】
請求項2記載の発明は、支柱20aをパイプ材で構成し、補強用の斜め支持材20b・20cをパイプ材または板材にて構成した請求項1記載の養液栽培装置としたものである。
【0007】
従って、複数の支柱20a及び補強用の斜め支持材20b・20cは、更に軽量となり、更に施行工事が容易に行なえ、且つ、更に安価な養液栽培装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の養液栽培装置によれば、軽量で施行工事が容易に行なえ、且つ、安価な養液栽培装置を得ることができる。また、高設架台20の養液栽培装置を支持する強度を確保しながら、高設架台20の長手方向に所定間隔をあけて立設した支柱20a間の補強用の斜め支持材20cを設けない部位を通って、隣接する養液栽培装置に容易に移動できて、栽培管理作業や収穫作業が容易に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて、詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
養液育苗ハウス1a内に、苺の親株Aから伸びたランナーから発生した子株を育苗する育苗装置2を設け、養液栽培ハウス1b内に、苺の養液栽培装置3が設けられている。
育苗装置2は、正面視で台形状に枠組した支持枠4に目抜き鋼板(多数の孔が開いている鋼板)よりなる載置台5…を6段固定し、最上段の載置台5上に苺の親株用プランター6…が一列に多数載置されている。そして、上から2段目〜6段面の載置台5…の各々の左右内端部にビニール製の内径が6〜9cmの育苗用ポット7(底面には給水及び排水用の孔があいている)を多数収納できる子株用トイ8a,8b,8c,8d,8eを並べて載置している。
【0011】
また、子株用トイ8a,8b,8c,8d,8eの各内部底には、樹脂製の波板をその溝部が各子株用トイ8a,8b,8c,8d,8eの長手方向に向くようにして敷かれており、その波板の上に育苗用ポット7を並べて載置している。従って、各子株用トイ8a,8b,8c,8d,8eの長手方向の片側から入れられた水は、スムーズに他方に流れて、子株用トイ8a,8b,8c,8d,8eへの底面灌水(給水)が良好に行なわれる。更に、底面灌水を終えて、各子株用トイ8a,8b,8c,8d,8e内の水を排水した時には、各育苗用ポット7は波板の凸部に載っているので、各育苗用ポット7底面は水から確実に離れて水切れが良い。従って、各育苗用ポット7の苗は、良好な底面灌水と水切り(苗を水切れ状態にする)が定期的に確実に行なえて良好に成育する。
【0012】
9は苺の親株Aに点滴灌水する為の小さな灌水孔を多数設けた灌水パイプであり、一列に並べられた親株用プランター6…の上面に沿って配置して設けてあり、養液栽培ハウス1内の土中に埋設された給水配管10より第1給水管11にて液肥入りの水(養液)が給水されて、一列に並べられた親株用プランター6…内に植えられた苺の各親株Aに養液を灌水するように構成されている。
【0013】
12は最上段の載置台5の下方に配置された排水用トイであって、各親株用プランター6…の底面に設けられた排水孔から排水される排出養液を受けて、第1排水管13にて排水配管14に使用済み養液を排水する構成となっている。
【0014】
15は子株用トイ8a…の各々に養液を給水する第2給水管であって、基部は給水配管10に連結され、各出水部15a…は各子株用トイ8a…内に臨んで設けられている。尚、15b…は、各子株用トイ8a…への養液を給水したり停止したりする為の給水バルブである。
【0015】
16は分岐した先端部16a…が各子株用トイ8a…の底面に連結され使用済みの養液を排水する第2排水管であって、基部は排水配管14に連結され、各子株用トイ8a…の使用済みの養液を排水するように設けられている。
【0016】
また、育苗装置2は長手方向において、給水側と排水側とで少し水勾配をつけてあり、即ち、排水側が少し低くなるようにしてある。そして、各子株用トイ8a…の排水側には、子株用トイ8aから給水時にオーバーフローした水が下方の子株用トイ8b内に流れ込むオーバーフロー用配管13a,子株用トイ8bから給水時にオーバーフローした水が下方の子株用トイ8c内に流れ込むオーバーフロー用配管13b,子株用トイ8cから給水時にオーバーフローした水が下方の子株用トイ8d内に流れ込むオーバーフロー用配管13c,子株用トイ8dから給水時にオーバーフローした水が下方の子株用トイ8e内に流れ込むオーバーフロー用配管13dが配管されており、各子株用トイ8a…への給水量の調節が仮に適正にされていなくても、各子株用トイ8a…には給水が早く行なわれるようになっている。
【0017】
更に、給水配管10から第2給水管15を介して各出水部15a…より各子株用トイ8a…内に供給する水の量に対して、第2排水管16にて各子株用トイ8a…内の水を排水する量が極端に少なくなるように、各給水バルブ15b…及び排水バルブを調節しており、各子株用トイ8a…への給水は早く行なわれる。
【0018】
一方、上記の実施例では、各子株用トイ8a…は一体成型したトイの例を示したが、例えば、10分割ぐらいの長さに分割及び組立てできる構成として、内部に水漏れ防止用のビニールシートを敷いて構成しても良い。このように、分割式とした場合には、育苗後に各子株用トイ8a…内に育苗用ポット7を載置したまま分割して、そのまま養液栽培ハウス1b内の苺の養液栽培装置3まで運び、養液栽培装置3に各苗を移植すれば、移植作業が能率よく行なえる。また、各子株用トイ8a…内部に水漏れ防止用のビニールシートを敷く方法であると、育苗装置2の施行工事も容易で早く行なえて、安価にできる。更に、このビニールシートを白色にて構成し、各子株用トイ8a…の左右外側に垂らした構成とすると、この左右外側に垂らしたビニールシートが苺苗のランナーのガイドとしての機能を持つと共に、ビニールシートは白色であるから太陽の熱等で熱くなり難くて、ランナーを熱で傷めることも防止でき、良好な苗の育苗が行なえる。
【0019】
ここで、上記育苗装置2で苺の親株Aから伸びたランナーから発生した子株を育苗する方法を説明する。
先ず、各親株用プランター6…内に細粒状のロックウールを栽培用床として充填し、苺の親株Aを2列に植える。そして、各子株用トイ8a…内には、内部に細粒状のロックウールを育苗用床として充填した育苗用ポット7…を密着状にして並べて載置する。
【0020】
そして、灌水パイプ9にて各苺の親株Aに養液を点滴灌水し、使用済み養液は排水用トイ12で受けて第1排水管13にて排水配管14に排水して、育苗する。この時点では、各子株用トイ8a…に対応する給水バルブ15b…は、全て閉じておく。
【0021】
苺の親株Aを育苗すると、やがてランナーが伸びてその先端に第1番目の子株a1ができる。そこで、その子株a1を2段目の載置台上の子株用トイ8a内の育苗用ポット7に植える。そして、2段目の載置台上の子株用トイ8aへの養液給水をする為に2段目の載置台上の子株用トイ8aに対応する給水バルブ15bを開け、各親株Aと同時に2段目の載置台上の子株用トイ8a内の育苗用ポット7に植えられた子株a1にも養液を給水し、育苗する。尚、子株用トイ8a内に養液を給水すると、養液は、育苗用ポット7の底面に開けた孔から育苗用ポット7内部に入り込み育苗用床(細粒状のロックウール)に植えられた子株a1は養液を吸収して成長する。そして、使用済み養液は、第2排水管16にて排水配管14に排水される。
【0022】
このようにして、親株Aと子株a1を育苗すると、今度は、子株a1からランナーが伸びてその先端に第2番目の子株a2ができる。そこで、その子株a2を3段目の載置台上の子株用トイ8b内の育苗用ポット7に植える。そして、3段目の載置台上の子株用トイ8bへの養液給水をする為に3段目の載置台上の子株用トイ8bに対応する給水バルブ15bを開け、各親株A・子株a1と同時に3段目の載置台上の子株用トイ8b内の育苗用ポット7に植えられた子株a2にも養液を給水し、育苗する。
【0023】
次に、親株A・子株a1・a2を育苗すると、今度は、子株a2からランナーが伸びてその先端に第3番目の子株a3ができる。そこで、その子株a3を4段目の載置台上の子株用トイ8c内の育苗用ポット7に植える。そして、4段目の載置台上の子株用トイ8cへの養液給水をする為に4段目の載置台上の子株用トイ8cに対応する給水バルブ15bを開け、各親株A・子株a1・a2と同時に4段目の載置台上の子株用トイ8c内の育苗用ポット7に植えられた子株a3にも養液を給水し、育苗する。
【0024】
次に、親株A・子株a1・a2・a3を育苗すると、今度は、子株a3からランナーが伸びてその先端に第4番目の子株a4ができる。そこで、その子株a4を5段目の載置台上の子株用トイ8d内の育苗用ポット7に植える。そして、5段目の載置台上の子株用トイ8dへの養液給水をする為に5段目の載置台上の子株用トイ8dに対応する給水バルブ15bを開け、各親株A・子株a1・a2・a3と同時に5段目の載置台上の子株用トイ8d内の育苗用ポット7に植えられた子株a4にも養液を給水し、育苗する。
【0025】
次に、親株A・子株a1・a2・a3・a4を育苗すると、今度は、子株a4からランナーが伸びてその先端に第5番目の子株a5ができる。そこで、その子株a5を6段目の載置台上の子株用トイ8e内の育苗用ポット7に植える。そして、6段目の載置台上の子株用トイ8eへの養液給水をする為に6段目の載置台上の子株用トイ8eに対応する給水バルブ15bを開け、各親株A・子株a1・a2・a3・a4と同時に6段目の載置台上の子株用トイ8e内の育苗用ポット7に植えられた子株a5にも養液を給水し、育苗する。
【0026】
このようにして、子株から順次発生していくランナー先端の子株を育苗用ポット7に植えて育苗する。
そして、一つの親株から4〜5本のランナーを伸ばして、1本のランナーに4〜5個の子株がつくようにして、育苗する。即ち、一つの親株で16個〜25個の子株を発生させて育苗すると、良質の子株の育成が行なえる。
【0027】
そして、成育した子株は、ランナーを切って、育苗用ポット7ごと子株用トイ8a(8b,8c,8d,8e)から取出して、後述の養液栽培装置3に持って行き、子株を育苗用ポット7から育苗用床(細粒状のロックウール)ごと取出し、そのまま養液栽培装置3の栽培培地に植える。従って、子株の根が育苗用床(細粒状のロックウール)にある状態のままで養液栽培装置3の栽培培地に植えることができるので、子株の根を傷めることがなく、子株の苗質が良いので、以後の苺栽培が良好に行なえて、良質の苺の収穫が行なえ、一株当りの収穫量も増加する。
【0028】
次に、養液栽培装置3について説明する。
パイプ材にて構成された高設架台20が、養液栽培ハウス1内に、作業者が栽培作業(苗に対する点検や防除や収穫等の各種作業)を行ないながら歩行できる間隔をあけて、複数列設けられている。
【0029】
そして、高設架台20は、養液栽培装置3の長手方向に所定間隔をおいて左右支柱20aを立て、左右支柱20a間は補強用の斜め支持材20bをX状に固定し、左右最外側部の長手方向に所定間隔をおいて立てた支柱20a間には補強用の斜め支持材20cを固定して構成している。従って、高設架台20の長手方向の中央部の支柱20a間には補強用の斜め支持材20cが設けられていないので、栽培及び収穫作業を行なう作業者は、高設架台20の斜め支持材20cが設けられていない部分を潜って通って、隣の高設架台20に容易に移動でき、作業性が良い。尚、高設架台20の長手方向の支柱20a間に設ける補強用の斜め支持材20cは中央部に設けても良いが、高設架台20を潜って通って隣の高設架台20に容易に移動できるように、数箇所は補強用の斜め支持材20cを設けない部分を構成しておく(一つ置きに補強用の斜め支持材20cを設ければ、強度面にても優れており、作業性も良い)。
【0030】
各高設架台20上には発砲スチロールよりなる水耕ベッド21を載置し、該水耕ベッド21の凹部22内に不織布よりなる水耕シート23を敷き、その上に根切りシート24(細かい目あいの樹脂製網状ネット)を敷いてその中に細粒状のロックウールよりなる栽培培地25を充填している。
【0031】
そして、水耕ベッド21の凹部22内の側壁部に所定間隔をあけて、板状の水耕シート受け部材26…を配設している。該水耕シート受け部材26は図に示すように上部が緩やかな円弧面を形成する構成となっており、水耕ベッド21の左右両側より垂れ下がるように設けた水耕シート23を下方より受けて、該水耕シート23が緩やかな円弧状面を形成するように作用する。
【0032】
27は栽培培地25上面に配置されたビニール製の灌水用パイプであって、所定間隔に小さな孔が形成されており、栽培培地25に2列に植えられた苺の苗に養液を灌水する構成となっている。そして、灌水用パイプ27の基部側は、土中に埋設された灌水用給水パイプ27aに連結されており、その基部側に供給量調節用のバルブ27bが設けられている。また、灌水用パイプ27の末端側は、閉塞されており、ロープ27cにて高設架台20に縛ってある。末端側をロープ27cにて高設架台20に縛ってある理由は、ハウス内の温度はかなりの高温になるので、ビニール製の灌水用パイプ27は熱せられて熱膨張してその長さが長くなり、栽培培地25上面で折れ曲がり所定の位置から大きくずれてしまうような事態を防止する為である。
【0033】
苺の苗は苺がなる方向が決まっているので、水耕ベッド21に苺の苗を植えるときに、苺が水耕ベッド21の外側方に向けてなるように植える。
すると、苺は水耕ベッド21の左右両外側に垂れ下がるようにして実る。この時、水耕シート受け部材26にて水耕シート23が下方より受けられて、水耕シート23が緩やかな円弧状面を形成して水耕ベッド21の左右両側で下方に垂れ下がっているので、苺のなっている茎は、この緩やかな円弧状面に受けられているから折れたり傷ついたりすることが防止されて、苺は良好に成育し良質の苺を収穫することができる。
【0034】
28は水耕ベッド21の凹部22左右中央部の底面部に設けた排水用の溝で、使用済みの養液を排水する為に設けられている。そして、排水用パイプ28aを介して土中に埋設された排水管28bに排水される。
【0035】
灌水用給水パイプ27a及び排水管28bは、養液栽培装置3の長手方向の同じ側に設けられており、配管工事が容易に行なえる構成となっている。即ち、複数列の養液栽培装置3の一側のみに灌水用給水パイプ27a及び排水管28bを配管すればよい。
【0036】
29は水耕ベッド21の上面を覆う上部シートであって、栽培初期の暑い季節(外気温が高い季節)には外して栽培を行い、栽培途中の寒い季節(外気温が低い季節)になれば、水耕ベッド21の上面を覆って栽培を行なえば、季節に応じた適切な苺栽培が行なえる。
【0037】
以上の育苗装置2及び養液栽培装置3により、苺栽培する過程を総合して説明すると、前記育苗装置2で育成した良質の子株を育苗用ポット7から育苗用床(細粒状のロックウール)ごと取出し、そのまま養液栽培装置3の栽培培地に植える。従って、子株の根が育苗用床(細粒状のロックウール)にある状態のままで養液栽培装置3の栽培培地25に植えられる。そして、灌水用パイプ27にて苗に養液を灌水し、使用済みの養液は排水用の溝28にて排水して苗を栽培する。すると、子株の根を傷めることがなく、子株の苗質が良いので、苺栽培が良好に行なえる。然も、苺は水耕ベッド21の左右両外側に垂れ下がるようにして実り、水耕シート受け部材26にて水耕シート23が下方より受けられて、水耕シート23が緩やかな円弧状面を形成して水耕ベッド21の左右両側で下方に垂れ下がっているので、苺のなっている茎は、この緩やかな円弧状面に受けられているから折れたり傷ついたりすることが防止されて、苺は良好に成育し良質の苺を収穫することができ、一株当りの収穫量も増加する。
【0038】
一方、養液育苗ハウス1a及び養液栽培ハウス1b内の天井部位には、遮光カーテン60が開閉自在に設けられている。そして、該遮光カーテン60の下方には、ハウス内の空気を循環させて室温を均一にする循環ファン61が設けられている。そして、特に、この実施例の養液栽培ハウス1においては、循環ファン61による送風が遮光カーテン60に直接当たらないように、遮光カーテン60の下方に防風ネット62が設けられている。従って、ハウス内の空気を循環させて室温を均一にする為に循環ファン61にて送風しても、防風ネット62により風は弱められるので、遮光カーテン60に強い風が当たることが防止されて、遮光カーテン60が風により破れたて破損することが防止できる。尚、遮光カーテン60に風が当たらないように循環ファン61の風を下方に向けることが考えられるが、風を下方に向けると、養液栽培装置3の苗に強い風が当たるので、苗の成育に支障をきたしてしまい良くない。
【0039】
また、養液育苗ハウス1a及び養液栽培ハウス1b内には、硫黄発生器で硫黄を熱してハウス内に硫黄のガスを発生させて防虫作用及び病気の発生防止を定期的におこなう。また、寒い季節なれば暖房機(ボイラー)でハウス内を暖めて苺苗の育成を助長したり、炭酸ガス発生器で炭酸ガスを発生させて苺苗の炭酸同化作用を促進させる。ところが、このハウス内を暖房機(ボイラー)で暖めたり、炭酸ガス発生器で炭酸ガスを発生させる時に、同時に、硫黄発生器でハウス内に硫黄のガスを発生させると、硫黄と炭酸ガスが化学反応をして、有毒ガスとなり作業者にとって非常に危険であるので、硫黄発生器が作動している間は暖房機(ボイラー)及び炭酸ガス発生器は作動しない構成としている。
【実施例2】
【0040】
図10は播種育苗施設の平面図を示し、70は播種機であり、コンベアー71上を搬送される育苗箱に搬送上手側から床土入れ装置72で床土を入れ、播種装置73で床土上面を均平にした後に播種し、灌水装置74で灌水し、覆土装置75で覆土し、その後、図示しない段積み装置で多段に育苗箱を重ねた後に、発芽室で発芽して、育苗緑化室で育苗する施設である。
【0041】
76は暖房用のボイラーであって、発芽室や育苗緑化室を暖房するものであり、ボイラー室77内に設置されている。
78は浸種コンテナ79を載置するコンテナ室であって、水を入れた催芽槽に浸けて催芽させた種籾が入っている浸種コンテナ79が複数個置かれている。
【0042】
80は集塵装置であって、前記床土入れ装置72や覆土装置75で育苗箱に土を入れる際に発生する土埃を集塵パイプ81を介して吸って、排塵パイプ82で施設外に排出し、施設内の土埃を取って綺麗にする装置である。
【0043】
一方、コンテナ室78の一側は、前記ボイラー室77と第1ダクト83にて連結されており、他側は集塵パイプ81に設けた切換え弁84と第2ダクト85で連結されている。
従って、播種機70にて播種作業を行なっている際には、切換え弁84を切換えて、第2ダクト85側を遮断して集塵パイプ81を連通状態とする。従って、播種機70にて播種作業を行なっている際には、集塵装置80にて床土入れ装置72や覆土装置75で育苗箱に土を入れる際に発生する土埃を集塵パイプ81を介して吸って、排塵パイプ82で施設外に排出し、施設内の土埃を取って綺麗にして、作業者の播種作業環境を良くして良好な播種作業が行なえる。
【0044】
また、播種機70による播種作業を停止している際には、切換え弁84を切換えて、集塵パイプ81側を遮断して第2ダクト85側を連通状態とする。すると、集塵装置80にてボイラー室77内の暖かくて乾燥した空気が第1ダクト83を通ってコンテナ室78の一側から流れ込み、他側から第2ダクト85を通って排気される。従って、コンテナ室78に載置された浸種コンテナ79内の水に濡れた種籾の表面は播種装置73にて適切に播種作業が行なえるように乾燥する。
【0045】
よって、集塵装置80により、施設内の集塵作用と浸種コンテナ79内の種籾の適度な乾燥作業とが行なえて、安価で作業性の良好な播種育苗施設を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】養液育苗ハウスの全体正面断面図である。
【図2】(a)は育苗装置の正面図、(b)は背面図である。
【図3】育苗装置の側面図である。
【図4】(a)は育苗装置の平面図、(b)は作用説明用平面図である。
【図5】養液栽培ハウスの全体正面断面図である。
【図6】養液栽培装置の側面図である。
【図7】養液栽培装置の正面図である。
【図8】(a)は養液栽培装置の栽培状態を示す正面図、(b)は要部拡大図である。
【図9】養液栽培装置の栽培状態を示す正面図である。
【図10】播種育苗施設の平面図である。
【符号の説明】
【0047】
20 高設架台
20a 支柱
20b 補強用の斜め支持材
20c 補強用の斜め支持材
21 水耕ベッド
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−29288(P2008−29288A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208248(P2006−208248)