| 【発明の名称】 |
緑化パネルおよびその製造方法、ならびに緑化方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉野 慶一
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| 【要約】 |
【課題】簡易な施工によって、ビル等の建物の外壁等に植栽を施すことができる緑化パネルを提供する。
【構成】稚内層珪藻頁岩110の粒状物もしくは粉状物と、チップ状とした植物由来の固形物120とを含んでこれらをバインダ材で固めて形成された板状物100と、この板状物100の一方面に保持させた植物200と、を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 稚内層珪藻頁岩または珪藻土の粒状物もしくは粉状物と、粒状またはチップ状とした固形物とを含んでこれらをバインダ材で固めて形成された板状物と、この板状物の一方面に保持させた植物と、を備えることを特徴とする、緑化パネル。 【請求項2】 上記板状物の他方面には、金属もしくはゴムからなるバッキング材が一体結合されている、請求項1に記載の緑化パネル。 【請求項3】 上記板状物の上記一方面には、この一方面に保持させた植物を覆うようにしてネット部材が設けられている、請求項1または2に記載の緑化パネル。 【請求項4】 上記固形物は、植物由来の固形物である、請求項1ないし3のいずれかに記載の緑化パネル。 【請求項5】 上記植物由来の固形物は、木材、古紙、椰子殻、ピーナツ殻、籾殻、麦殻、藁、サトウキビの搾りかす、のいずれか1つまたは複数から選ばれている、請求項4に記載の緑化パネル。 【請求項6】 上記植物は、芝、または、苔である、請求項1ないし5のいずれかに記載の緑化パネル。 【請求項7】 請求項1ないし6のいずかに記載の緑化パネルを固定物もしくは移動物の対象面に貼り付けることを特徴とする、緑化方法。 【請求項8】 稚内層珪藻頁岩または珪藻土の粒状物もしくは粉状物と、粒状もしくはチップ状とした固形物とをバインダ材とともに混練したものに対し、加熱プレス操作をすることによって所定の板状物を形成する工程と、 上記板状物の一方面に植物を保持させる工程と、 を含むことを特徴とする、緑化パネルの製造方法。 【請求項9】 上記板状物を形成する工程において、上記板状物の他方面に、金属板もしくはゴム板を加熱一体結合する、請求項8に記載の緑化パネルの製造方法。 【請求項10】 稚内層珪藻頁岩または珪藻土の粒状物もしくは粉状物と、粒状もしくはチップ状とした無機固形物と、バインダ材とを含んだ混練物を対象面に付着させて固化させて基盤層を形成する工程と、 上記基盤層に、植物の種、苗、菌または胞子を付着させる工程と、 を含むことを特徴とする、緑化方法。 【請求項11】 上記植物の種、苗、菌または胞子を付着させる工程は、これらの種、苗、菌または胞子を上記混練物に混ぜて上記基盤層に付着させることにより行う、請求項10に記載の緑化方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本願発明は、緑化パネル、その製造方法、ならびに緑化方法に関する。より詳しくは、苔や芝等の植栽を保持しつつ、建物の外壁や屋上、人工固定構造物や移動物の表面を緑化する技術に関する。また、都市の緑化を図ることができ、併せて、建物等の外部断熱を図ることができるようにしたものに関する。 【背景技術】 【0002】 地球環境の温暖化を防止ないしは緩和するためには、その原因となるCO2の削減が課題である。コンクリートなどの人工物で覆われた都市部では、夏季において、雨水がすぐに排水されてしまい、蒸発熱による冷却効果が期待できないばかりか、道路やビル外面での照り返しが強く、ただでさえ外気温が上昇しやすい上に、建物の外壁温度が上昇して冷房装置の稼働率が高まるために室外機が発する熱がますます外気温を上昇させるという、いわゆるヒートアイランド現象が問題となっている。その結果、電力エネルギ消費量が増大し、間接的にCO2の排出量が増加する。 【0003】 ヒートアイランド現象の緩和を目的とし、都市部の緑化策が推進されつつある。たとえば、ビル屋上に樹木や芝生等の緑化物を育成することにより、夏季におけるビル屋上の表面温度を30℃以下に抑制することができ、冷房に要するエネルギを節減することができる。都市部全体がこのように緑化されれば、エネルギ節減量は膨大となり、ヒートアイランド現象の緩和や排出CO2の削減につながる。また、緑化物それ自体も、太陽光を受けてCO2を吸収してO2を排出する。 【0004】 特許文献1には、水資源を浪費せずにビル屋上等に緑化物を育成することができるように、クーリングタワーのブロー水、浴槽排水、プール排水等をいったん地下水槽に貯め、これに一定の水質改善処理を施して屋上に汲み上げ、緑化物育成用に散水するという提案がなされている。 【0005】 しかしながら、上記特許文献1の提案は、水資源を節約するために、従来捨ててしまっていた水を緑化物の育成用に再利用するという限りの提案にすぎない。 【0006】 また、従来、ビル等の高層建物における植栽は、せいぜい屋上に盛り土や花壇を設け、そこに植物を植えるといったことにとどまり、垂直外壁に対して植栽を施すという実用可能な提案は皆無であるに等しい。 【0007】 建物の垂直外壁に対する植栽を実現するためには、建物の外壁材の取り付けと同程度の簡易な施工が可能なこと、給水の頻度を低めても、長時間にわたって植栽の維持育成に必要な水分を保持するための保水機能を与えること、が要求されるが、従来、そのような要求を満足するものはなかった。 【0008】 【特許文献1】特開2003−304736号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであり、簡易な施工によって、ビル等の建物の外壁等に植栽を施すことができる緑化パネルおよびその製造方法、ならびに緑化方法を提供することをその課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を採用している。 【0011】 稚内層珪藻頁岩は、図1および図2のグラフに示すように、その比表面積が他の珪藻土の約4倍であり、細孔容積についても他の珪藻土の約5倍であり、それぞれ他の珪藻土を圧倒する。それ故に、空気中の水蒸気の吸湿性能に著しく優れているのであるが、真比重が約2.4g/cm3であるのに対し、嵩比重は約0.7g/cm3であることから、空隙率は約70%である。それのみならず、約20〜60Åの範囲の細孔分布が高レベルであることから、図3に示すグラフのように、相対湿度が70%を超えると急激に水蒸気吸湿率が高まる。このことは、相対湿度の高い状態での保水性能が高く、逆に、相対湿度が低下すると、内部に保持している水分を放出する性能をも有していることを意味する。上記のような特性は、この稚内層珪藻頁岩が室内調湿材として優れていることを示すが、本願の発明者は、この稚内層珪藻頁岩が、70%の空隙の大部分を満たすまで水分を含むことができることを見いだしたのである。すなわち、稚内層珪藻頁岩は、必要なときに水分を放出することができ、しかも、大量の水を貯めることができるという、優れた貯水機能をもつことが見いだされ、本願発明は、このことに着眼してなされたものである。 【0012】 本願発明の第1の側面によって提供される緑化パネルは、稚内層珪藻頁岩または珪藻土の粒状物もしくは粉状物と、粒状またはチップ状とした固形物とを含んでこれらをバインダ材で固めて形成された板状物と、この板状物の一方面に保持させた植物と、を備えることを特徴としている。 【0013】 なお、稚内層珪藻頁岩以外の珪藻土は、水に触れればある程度の量の水を吸い込むことができても、保水機能が劣るため、短時間でこの水が放出されてしまい、稚内層珪藻頁岩に見いだされたような貯水機能をもつとはいえない。したがって、本願発明は、稚内層珪藻頁岩を用いることが最も好適となる。 【0014】 上記固形物としては、植物由来の固形物が好適に用いられ、建築廃材や間伐材としての木材、古紙、椰子殻、ピーナツ殻、籾殻、麦殻、藁、サトウキビの搾りかす、などを用いることができる。これらの一種を用いてもよいが、複数種のものを混合して用いても、もちろんよい。 【0015】 上記植物としては、芝や、苔等を用いることができる。この場合、他の土壌で育成したものを土ごと上記の板状物に付着させて根付かせてもよいし、種や菌、胞子を上記の板状物の一方面に直接付着させて育成してもよい。 【0016】 好ましい実施の形態では、上記板状物の他方面には、金属もしくはゴムからなるバッキング材が一体結合されている。 【0017】 好ましい実施の形態ではまた、上記板状物の上記一方面には、この一方面に保持させた植物を覆うようにしてネット部材が設けられている。 【0018】 本願発明の第2の側面に係る緑化方法は、上記本願発明の第1の側面に係る緑化パネルを固定物もしくは移動物の対象面に貼り付けることを特徴としている。固定物の対象面としては、建物の屋上や路面、建物や構造物の外壁、自動販売機の外面などがある。移動物の対象面としては、大型トラックの箱型荷室の外面などがある。 【0019】 本願発明の第3の側面に係る緑化パネルの製造方法は、稚内層珪藻頁岩または珪藻土の粒状物もしくは粉状物と、チップ状または粒状とした固形物とをバインダ材とともに混練したものに対し、加熱プレス操作をすることによって所定の板状物を形成する工程と、上記板状物の一方面に植物を保持させる工程と、を含むことを特徴としている。 【0020】 好ましい実施の形態においては、上記板状物を形成する工程において、上記板状物の他方面に、金属板もしくはゴム板を加熱一体結合する。 【0021】 上記構成の緑化パネルは、その主たる部分を形成する上記の板状物が、稚内層珪藻頁岩または珪藻土と、好ましくは植物由来の繊維質のチップもしくは粒状物とがバインダ材によって結合された、多孔性を有してかつ軽量の人工土壌を形成する。上記のように稚内層珪藻頁岩は、優れた貯水機能をもって水分を貯め込むことができる一方、植物由来の繊維質もまた、ある程度の水分を保持することができる。この板状物の表面に保持された芝等の植物は、上記板状物が多孔性を有しているが故に容易に根付くことができ、この板状物に貯め込まれた水分によって、長期間枯れることなく育成される。稚内層珪藻頁岩や珪藻土は、腐食するということはありえないので、いったん上記の植物が根付くと、かりに植物由来の繊維質が腐食するようなことがあったとしても、形態が容易に崩れるということもない。 【0022】 上記構成の緑化パネルを用いて対象面を緑化するには、上記緑化パネルを敷設するか、あるいは、貼り付けるという、簡易な施工を施すだけでよい。上記したように、この緑化パネルは稚内層珪藻頁岩または珪藻土を含有しているので、天然雨水だけでも、長期間、パネル表面に保持された植物を育成保持することができる。日照りが続く夏季においても、散水や給水は、低頻度でよい。 【0023】 上記のように上記構成の緑化パネルおよびこれを用いた緑化方法は、建物の屋上だけではなく、建物の壁面や、公共空間に配置した人工構造物の壁面、自動販売機等の野外設置物の外面、さらには、大型トラックの箱型荷室の外面など、大型の都市間移動物の外面にいたるまで容易に緑化し、そしてそれを維持することができる。こうして都市の緑化が促進されることにより、いわゆるヒートアイランド現象を低減し、CO2排出量の低減にも大きく寄与することができる。 【0024】 加えて、建物の外壁にこの緑化パネルを貼り付けることにより、建物の外壁断熱をも実現することができる。これにより、夏季における冷房コストを著しく低減することもできる。また、野外に無数に設置されている自動販売機の外面にこの緑化パネルを貼り付けることにより、冷却や加熱のための電気エネルギを著しく節減することが可能となる。 【0025】 本願発明の第4の側面に係る緑化方法は、稚内層珪藻頁岩または珪藻土の粒状物もしくは粉状物と、粒状もしくはチップ状とした無機固形物と、バインダ材とを含んだ混練物を対象面に付着させて固化させて基盤層を形成する工程と、上記基盤層に、植物の種、苗、菌または胞子を付着させる工程と、を含むことを特徴とする。 【0026】 上記植物の種、苗、菌または胞子を付着させる工程は、たとえば、これらの種、苗、菌または胞子を上記混練物に混ぜて上記基盤層に付着させることにより行う。 【0027】 この方法は、上記本願発明の第2の側面に係る緑化方法のように、上記第1の側面に係る緑化パネルを用いるのではなく、第1の側面に係る緑化パネルと同等との構造をもつ層を、対象面に直接施工するものである。なお、この場合、第2の側面の場合のように、緑化パネルの交換が困難であるので、混練物に混ぜ込む粒状またはチップ状の固形物は、腐食しにくい、貝殻、シリカ、鉱物、無機化学繊維等を採用することが望ましい。 【0028】 上記構成の基盤層は、稚内層珪藻頁岩または珪藻土とチップもしくと粒状物とがバインダ材によって結合された、多孔性を有してかつ軽量の人工土壌を形成するので、上記緑化パネルと同様にして、優れた貯水機能をもって水分を貯め込むことができる。したがって、この基盤層に保持された植物の種、苗、菌または胞子は、上記基盤層に貯め込まれた水分によって、発芽・成長し、長期間枯れることなく育成される。稚内層珪藻頁岩や珪藻土、あるいは無機固形物は、腐食するということはありえないので、いったん上記の植物が根付くと、形態が容易に崩れるということもない。その結果、本願発明の第4の側面に係る緑化方法によっても、上記第1の側面に係る緑化パネル、第2の側面に係る緑化方法について上述したのと同様の利点を享受することができる。 【0029】 本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。 【発明を実施するための最良の形態】 【0030】 以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照しつつ、具体的に説明する。 【0031】 図4は、本願発明の第1の側面に係る緑化パネルAの平面形態例を示し、図5はその断面を示している。この緑化パネルAは、板状物100と、この板状物100の表面に保持させた芝や苔等の植物200を備えている。 【0032】 上記板状物100は、稚内層珪藻頁岩110を粉砕した得られた粒状物、あるいは粉状物と、チップ状に粉砕した植物由来の固形物120とをバインダ材とともに混練したものを、加圧形成して得られたものである。 【0033】 粉砕後の稚内層珪藻頁岩110の粒径は、15mm以下の粒径とするのが好ましい。また、植物由来の固形物120としては、木製建築廃材や間伐材をチップ状に粉砕したもの、古紙を固めた後に粉砕したもの、あるいは、椰子殻、ピーナツ殻を粉砕したもの、籾殻、麦殻、藁を細かく切断したもの、サトウキビの搾りかすをチップ状に切断したものなどが好適に用いられる。この場合の粉砕後の粒径もまた、15mm以下の粒径とするのが好ましい。なお、稚内層珪藻頁岩110を100%用いることが最も好ましいが、珪藻土であっても、ある程度の保水機能をもつため、稚内層珪藻頁岩110に代えて、あるいは稚内層珪藻頁岩110に混合させて、珪藻土を用いることもできる。 【0034】 バインダ材としては、加熱によって固化する樹脂系のものを用いることができ、たとえば、ジオブタジエン系液化ゴムが好適に用いられる。 【0035】 稚内層珪藻頁岩110と上記植物由来の固形物120との配合体積比は、たとえば、1:9〜5:5程度とされ、好ましくは、2:8とされる。バインダ材は、上記稚内層珪藻頁岩110と上記植物由来の固形物120との合計体積に対して10〜40%程度混合される。 【0036】 上記の混練物は、所定の型に投入され、加熱しつつプレスされる。このとき、バインダ材が固化して上記の稚内層珪藻頁岩110の粉砕物と植物由来の固形物120とを結合し、所定の空隙率を有する、全体としてコルク風の板状物100ができる。このコルク風の板状物100は、多少の湾曲変形が可能である。 【0037】 好ましくは、図5に表れているように、上記板状物100の下面には、ステンレス製あるいは合成ゴム製のバッキング材130を結合するのが望ましいが、このようにバッキング材130と板状物100との一体化は、バッキング材130上に上記の混練物を投入し、これらを一体に加熱プレスすることにより実現される。 【0038】 なお、好ましくは、図5に表れているように、上記の板状物100は、バッキング材130に近い底部ほど、稚内層珪藻頁岩110の含有率が高くなるようにするのが、表面に付着させる植物200を容易に根付かせるようにするとともに、高い貯水性能を維持する上で望ましい。それには、稚内層珪藻頁岩110の含有率が異なる上記植物由来の固形物120とバインダ材との混練物を複数種類準備しておき、バッキング材130上に稚内層珪藻頁岩110の含有率の高い上記混練物を用いて加熱プレスを行い、その上に順次、稚内層珪藻頁岩110の含有率を下げた上記混練物による加熱プレスを行えばよい。 【0039】 上記の板状物100には、芝、苔等の植物200を付着させる。これには、たとえば、他の土壌で育成したものを、土を付着させたまま上記板状物100の表面に載せ、必要な水を与えて根付かせる。上記板状物100は、植物由来の固形物120を粉砕したものが含まれているので、多孔性を有しているため、また、稚内層珪藻頁岩110もまた、すぐれた貯水性を備えているため、適度な水分を含有することができる。したがって、上記の植物200は、都合よく上記の板状物100に根付くことができる。あるいは、植物200の種を上記板状物100の表面に埋め込み、必要な水を与えて育成させることもできる。 【0040】 図5に示す実施形態では、上記板状物100の上面を、ネット140で覆っている。このネットは、市販の園芸用ネットを使用することができる。このようにしておくことにより、たとえば、鳥がついばむことにより、上記板状物100の上面に育成された植物200が荒らされ、離脱することを極力防止することができるし、植物200が完全に根付く以前であっても、この植物200を上記板状物100に付着させた状態を維持することができ、この状態での緑化施工をすることができる。 【0041】 上記構成の緑化パネルAは、建物の屋上や、外壁に対して容易に取り付けることができる。また、公園等に設置される人工構造物の表面や、屋外に設置される自動販売機の外壁面等に対しても、容易に取り付けることができる。さらには、上記のような固定物の表面だけではなく、大型トラックの箱型荷室等の移動物の外面等にも容易に取り付けることができる。実施形態に係る緑化パネルAは、ステンレスやゴム製のバッキング材130を有しているので、このバックング材の裏面と取り付け対象物との間を容易に接着することができる。また、バッキング材は水を通さないので、外部からの水の進入によって接着力が悪化するということも有効に防止することができる。 【0042】 上記構成の緑化パネルAは、その主たる部分を形成する上記の板状物100が、稚内層珪藻頁岩110と、植物由来の固形物120とがバインダ材によって結合された、多孔性を有してかつ軽量の人工土壌を形成する。上記のように稚内層珪藻頁岩110は、優れた貯水機能をもって水分を貯め込むことができる一方、植物由来の固形物120もまた、ある程度の水分を保持することができる。この板状物100の表面に保持された芝等の植物200は、上記板状物100が多孔性を有しているが故に容易に根付くことができ、この板状物100に貯め込まれた水分によって、長期間枯れることなく育成される。稚内層珪藻頁岩110は、腐食するということはありえないので、いったん上記の植物200が根付くと、かりに植物由来の固形物120が腐食するようなことがあったとしても、形態が容易に崩れるということもない。 【0043】 上記のように上記構成の緑化パネルAおよびこれを用いた緑化方法は、建物の屋上だけではなく、建物の壁面や、公共空間に配置した人工構造物、あるいは自動販売機の外面、さらには、大型トラックの箱型荷室等の移動物の壁面にいたるまで容易に緑化し、そしてそれを維持することができる。こうして都市の緑化が促進されることにより、いわゆるヒートアイランド現象を低減し、CO2排出量の低減にも大きく寄与することができる。 【0044】 さらには、加えて、建物の外壁にこの緑化パネルを貼り付けることにより、建物の外壁断熱をも実現することができる。また、自動販売機の外面にこの緑化パネルを貼り付けることにより、冷却または温熱貯蔵室を断熱することができる。これにより、夏季における冷房コストや冷却または温熱のための電気エネルギーを著しく低減することもできる。 【0045】 図6は、本願発明の第4の側面に係る緑化方法によって形成された緑化層の説明図である。 【0046】 この緑化層は、建物の外壁等に、直接的に基盤層300を施工し、この基盤層300に植物の種、苗、菌または胞子を付着させたものである。 【0047】 基盤層300は、稚内層珪藻頁岩110を粉砕した得られた粒状物、あるいは粉状物と、チップ状または粒状とした固形物150とをバインダ材とともに混練した混練物を、たとえば、数cmないし数十cmの適当厚さで対象面500に塗布あるいは吹きつけ、型枠内への流し込み等によって付着させ、固化させたものである。 【0048】 粉砕後の稚内層珪藻頁岩110の粒径は、15mm以下の粒径とするのが好ましい。また、固形物150としては、たとえば、貝殻、シリカ、鉱物、無機化学繊維等の無機固形物を適当な大きさに粉砕したものが好適に用いられる。なお、稚内層珪藻頁岩110を100%用いることが最も好ましいが、珪藻土であっても、ある程度の保水機能をもつため、稚内層珪藻頁岩110に代えて、あるいは稚内層珪藻頁岩110に混合させて、珪藻土を用いることもできる。 【0049】 バインダ材としては、自然固化する、たとえば、セメント系のものを使用することができる。また、固化した基盤層300の強度を保持するために、鉄筋等の補強部材を埋設した状態においてこの基盤層300の施工をしてもよい。 【0050】 また、基盤層300に植物の種、苗、菌または胞子を付着させる方法としては、たとえば、上記基盤層300を形成するために用いた混練物に、上記種、苗、菌または胞子を適当量混ぜ込んだ二次混練物を作成し、これをすでに固化した、あるいは固化する過程の上記基盤層300の表面に吹きつけ等によって薄状に塗布する。 【0051】 こうして、図6に示されるように、稚内層珪藻頁岩110や珪藻土を主成分とした含む基盤層300上に、植物の種、苗、菌または胞子を含む薄状の種子含有層310が形成される。 【0052】 繰り返し説明したように、稚内層珪藻頁岩110は、すぐれた貯水機能をもっているとともに、多孔性を有している。したがって、種子含有層310に含まれる種、菌または胞子は、基盤層300に貯め込まれた水分により、発芽・成長し、長期間枯れることなく適切に芝や苔等の植栽物として生育する。また、基盤層300に含まれる固形物150は、無機質であるので、稚内層珪藻頁岩110と同様、腐るといったことがなく、建物の外壁や構造物の外壁の一部として、長期間その形態を維持することができる。 【0053】 もちろん、この発明の範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲内でのあらゆる変更は、すべて本願発明の範囲に包摂される。 【0054】 たとえば、実施形態では、緑化パネルの平面形態が、インターロック状に隣接させることができるようにしているが、平面形態や大きさは、適宜変更可能であることはいうまでもない。 【図面の簡単な説明】 【0055】 【図1】稚内層珪藻頁岩の比表面積と他の珪藻土との比較を表すグラフである。 【図2】稚内層珪藻頁岩の細孔容積と他の珪藻土との比較を表すグラフである。 【図3】稚内層珪藻頁岩の細孔分布特性を表すグラフである。 【図4】本願発明に係る緑化パネルの一例を示す平面図である。 【図5】図4に示す緑化パネルの略示断面図である。 【図6】本願発明の緑化方法の一形態を説明するための断面図である。 【符号の説明】 【0056】 A 緑化パネル 100 板状物 110 稚内層珪藻頁岩 120 植物由来の固形物 130 バッキング材 140 ネット 150 固形物 200 植物 300 基盤層 310 種子含有層 500 対象面
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| 【出願人】 |
【識別番号】500256923 【氏名又は名称】杉野 慶一
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| 【出願日】 |
平成19年2月21日(2007.2.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086380 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 稔
【識別番号】100103078 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 達也
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| 【公開番号】 |
特開2008−22846(P2008−22846A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月7日(2008.2.7) |
| 【出願番号】 |
特願2007−40451(P2007−40451) |
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